東京オフィストレンド オフィス家具週間トレンド報告

2/27 ~3/5、オフィス家具業界の主なハイライト(+コラム)

【今週の目次】

① イトーキ、ゲーミング市場向け新レーベル「 Daidara 」を設立

② イトーキ、新作のゲーミングチェア2機種を発売

③ オカムラ、「D&I AWARD 2022」で最高評価の「ベストワークプレイス」に2年連続で認定

④ オカムラ、スポーツ庁の「スポーツエールカンパニー2023」に認定

⑤ プラス、オフィスコムが本社オフィスをリニューアル

⑥ コクヨ、カウネットが地球温暖化と環境保護に関する調査を実施

⑦ コクヨ、カウネットがデジタルファブリケーション技術を活用したWood Wall Art デザインコンテストを開催

⑧ イトーキ、「脱炭素経営EXPO 春」に出展

⑨ ライオン事務器、しごとぶんぐ発売

+注目のコラム オフィス山人の少し深堀り

イトーキ、ゲーミング市場向け新レーベル「 Daidara 」を設立

第一弾としてゲーム体験をより快適でエキサイティングにする「Act Gaming」を発売

3月3日には記者発表会を開催

2023年 2/27~3/5、オフィス家具業界の主なハイライトについては、イトーキは3月3日、エクストリームプレイヤー向け商品「Act Gaming」(東京ゲームショウ2022にコンセプトモデルを出展)の発売を開始しました。また、同時にエクストリームプレイヤーに向けた新レーベル「Daidara(ダイダラ)」を設立するとしています。

Act Gamingは、オフィス向けの「Actチェア」(2018年11月発売)をベースにエスクトリームプレイヤー用に改良開発された製品だといいます。背もたれはサイドフレームをなくしたことでスマートなデザインに、また肩の動きに合わせて動く構造や肘位置を調整できる4Dアームなどの特徴的な機能をベースに、靴を履かない家庭での使用を考え座面の高さを低く設定しているとしています。

(※エクストリームプレイヤー:プロゲーマーやプロを目指す人などに代表される、より本格的な環境を求めるプレイヤーだといいます。)

新レーベル「Daidara」について

新レーベル「Daidara(ダイダラ)」は、エクストリームプレイヤー向けのレーベルだといいます。

このレーベル名は日本の伝承に登場する巨人「ダイダラボッチ」に由来しているとしています。日本各地で、人々を助けるために土地を整えることで崇められてきた、この巨人の持つ献身性と強さをレーベル名とロゴデザインに込めているとしています。
また、伝承のひとつに「富士山を作るため近江の土を掘り、その掘った跡地が琵琶湖となった」というものがあり、滋賀県近江八幡に縁をもつイトーキが、日本一を目指すエクストリームプレイヤー向け商品のレーベルに相応しい名としてこのネーミングとしたとしています。

今後の展望

今回、新レーベル「Daidara」の第一弾として「Act Gaming」を発売。今後エクストリームプレイヤー向け「Daidaraレーベル」のラインナップとして、ゲーミングチェアだけでなくデスク等の商品も展開していく予定だとしています。

記者発表会を開催

3月3日には、東京都港区のRED°TOKYO TOWERでDaidaraレーベル設立‐Act Gaming販売開始‐の記者発表会を開催しました。

イトーキ、新作のゲーミングチェア2機種を発売

イトーキは、新作のゲーミングチェア2機種X FOCUS COMPACT(クロスフォーカスコンパクト)とENDAST(エンダスト)を2023年2月27日から発売するといいます。
同製品は昨年9月に幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2022」に展示していた機種の製品版となるとしています。

自宅のインテリアにも馴染むデザインでゲーミングチェアの世界に新しいトレンドを創り出したX FOCUSに、小柄な人や子どもにも最適なコンパクトモデル「X FOCUS COMPACT(クロスフォーカス・コンパクト)」は、長時間座っても疲れにくいX FOCUSの機能はそのままに、サイズを二回りほど小さくしたといいます。従来までのゲーミングチェアでは大きすぎてからだにフィットしなかった人も、快適に使用できるとしています。

オカムラ、「D&I AWARD 2022」で最高評価の「ベストワークプレイス」に2年連続で認定

オカムラは、ダイバーシティ&インクルージョンに取り組む企業を認定・表彰する日本最大のアワードである「D&I AWARD 2022」(主催:株式会社JobRainbow)において、最高評価の「ベストワークプレイス」に2年連続で認定されたことを3月1日に発表しました。
オカムラが認定された「ベストワークプレイス」は、認定スコアが81~100点となっており、「日本国内だけでなく世界的にも高い水準でD&I推進に取り組むD&I先進カンパニーで、D&Iの企業文化の醸成はもちろんのこと、社員一人ひとりがD&I推進を担う個として積極的に活動している。D&Iの理念は、サービスや事業、企業組織のあらゆる側面で反映され、社外にも波及させている。」とされているといいます。
オカムラは、2年連続で「ベストワークプレイス」に認定され、スコアは昨年の85点から89点に上がったとしています。

オカムラ、スポーツ庁の「スポーツエールカンパニー2023」に認定

オカムラは、従業員の健康増進のためにスポーツ活動の実施に向けて積極的な取り組みを行っている企業をスポーツ庁が認定する「スポーツエールカンパニー2023」に認定されたといいます。「スポーツエールカンパニー2021」「スポーツエールカンパニー2022」に続き、3年連続での認定だとしています。

プラス、オフィスコムが本社オフィスをリニューアル

プラスは、オフィスコムが、2023年3月1日、市ヶ谷にある東京本社のオフィスを約1.5倍に増床リニューアルし、ショールーム機能を兼ね備えた新オフィス「ICHIGAYA Workplace "∞"(infinity)」をオープンしたといいます。


今回のリニューアルでは、時代の変化に対応したオフィスで働き方の変革を社員が自ら体験・実践し、その経験を顧客に向けたアウトプットに繋げることを目的としているといいます。自らの体験、実践(見て・触って・感じて)を通じて、オフィスにおける無限の可能性を、新たな働き方とともに、商品・サービスという形で顧客に発信していくとしています。また、社員一人ひとりが無限に活躍できるオフィスのあり方を提案していくとしています。

コクヨ、カウネットが地球温暖化と環境保護に関する調査を実施

コクヨは、カウネットが、コミュニティサイト「カウネットモニカ」会員1,308名を対象に「地球温暖化と環境保護について」と題した調査を実施。回答者や回答者の職場での地球温暖化と環境保護、リサイクルに関する意識や取り組みなどについてまとめたといいます。


調査結果サマリー
・地球温暖化に対して危機感を感じているとの回答が、個人では84%、職場では46%と乖離が見られる
・地球温暖化への危機感が高まったきっかけは「TV」が約8割と高い
・地球温暖化への危機感を感じる事象は、「気温の上昇や異常気象」「豪雨・自然災害」が上位
・地球温暖化への影響として気になることは、「大量消費と破棄」「森林の伐採」「発電による温室効果ガスの排出」
・約9割が日常生活でリサイクルについて意識していると回答
・リサイクルを意識して行っていることは「エコバッグの使用」「ごみの分別」
・約7割の職場がリサイクルや分別回収に取り組んでいる

コクヨ、カウネットがデジタルファブリケーション技術を活用したWood Wall Art デザインコンテストを開催

コクヨは、カウネットが、デジタル木材加工機「ShopBot」を活用したWood Wall Artのデザイン案を募集することを2月28日に発表しました。


今回、商品ラインナップの見直しに合わせ、オフィスのエントランスや会議室等の壁面を飾るインテリアとして、新たにWood Wall Artシリーズを追加予定だといいます。コクヨが持つデジファブ技術(※2)を応用したデザイン性の高いアート作品をより手軽にオフィス通販でも購入できるよう、商品ラインナップに加えていく予定だとしています。

イトーキ、「脱炭素経営EXPO 春」に出展

イトーキは、2023年3月15日(水)~17日(金)東京ビッグサイトにて開催される「脱炭素経営EXPO 春」に出展することを3月1日に発表しました。


今回の出展では、イトーキの「カーボン・オフセットサービス」を中心に脱炭素社会の実現に向けたソリューションを紹介するとしています。

ライオン事務器、しごとぶんぐ発売

ライオン事務器は、『しごとぶんぐ』を4月5日から発売することを3月3日に発表しました。今は使われなくなった言葉、「死語」をモチーフにした付箋とシールだといいます。


オンラインのツールが浸透した一方で、対面のコミュニケーションは希薄になりがちという声もあるとし、職場などでの世代間ギャップを楽しみながら、気軽なやり取りのきっかけになるというツールだとしています。

注目のコラム オフィス山人の少し深掘り

今週まず注目した記事については、イトーキ、ゲーミング市場向け新レーベル「 Daidara 」を設立の記事です。
この記者発表会には山人も取材に参加していたのですが、会場に選ばれたRED°TOKYO TOWERそのものがいかにも若者が集まるeスポーツの中心地で、遊びと熱気と新しいエネルギーに満ち溢れていました。


そのなかで行われた発表会で発表されたAct Gamingは、その空気感のなかで全くの違和感なく、いかにも最新のゲーミングチェアという感じで披露されたと思います。トークのなかで交わされた言葉を聞くと、プロゲーマーに人たちにとっても同チェアの座り心地は新鮮な体験だったようです。ゲーミングチェアはどれも同じという印象があったなかでその座り心地は149900円という値段に最初驚きがあるものの、その理由が分かったという意見もあり、さすがにイトーキというメーカーの実力が反映されているのだと思いました。
反面、それだけ本格的なオフィスチェアの良さに対する知名度はまだまだ知られていないのだという印象も感じ、逆に新たな市場に対する期待も持てるのではないかということも感じました。


ベースモデルのアクトチェアはイトーキのラインアップのなかでも、バーテブラ03やノートチェアなどに並ぶ、同社の最新主力モデルの1つであり、特にアクトという名のとおり動きを強く意識したモデルで、今回のイトーキの新たな市場に対する期待と自信を感じます。新たな市場に出すからには既存の市場を凌駕するものでなければならないという意欲を感じた発表会でもありました。
新レーベルの「 Daidara 」については、逆に同社のこだわりというか、ネイティブでエモーショナルなものを感じ、また、スケールの大きなちから強いキャラクターを感じさせるものが感じられ、eスポーツを行ううえで勇気を得る事が期待できるのではないかと思います。
また、今回山人が期待したいのは、eスポーツという世界との交流で同社の得るものが大きいのではないかということです。おそらく微妙で的確な動きが求められるであろうeスポーツとオフィスチェアの接点は、開発陣に大きな刺激を与えてくれるのではないかと思います。
今回は、BtoC市場への新レーベル発表というかたちではないかと思いますが、今後Web事業、コンシューマー向け事業が大きく変貌していくことが期待できるのではないかと思います。

続いて、イトーキ、新作のゲーミングチェア2機種を発売の記事ですが、こちらも同社のコンシューマー事業に対する大きな動きを感じます。

特に「X FOCUS COMPACT(クロスフォーカス・コンパクト)」については、小柄な人や子どもに適したモデルだということですが、すなわち女性にも適しているということでもあると思います。同社のバーテブラ03は最近では女性にアピールした代表的なモデルですが、オフィスチェアはまだまだ女性の人たちの意識には入り込めていない部分が多いのではないかと思います。もちろん、子どもたちにも適しているということは、今後の学習机の市場にも大きな影響を与えるかもしれません。
いずれにしても、Daidaraレーベルも含めて、今後のコンシューマー事業の動きには注目すべきだと思っています。

オカムラ、「D&I AWARD 2022」で最高評価の「ベストワークプレイス」に2年連続で認定の記事ですが、本文中にもありますが、同社の取り組み例をみても普段の取り組みへの努力がすごいと思います。一重に意識の高さというほかないということだと思いますし、何よりそれを行う知識と方法がしっかりととらえられ実行されていることの結果だと思います。

プラス、オフィスコムが本社オフィスをリニューアルの記事ですが、先日の「PLUS DESIGN CROSS」を恵比寿にオープンに続き、プラスは積極的に体制を再構築していて、今回もそれの一環だといえるのではないかと思います。


「今回のリニューアルでは、時代の変化に対応したオフィスで働き方の変革を社員が自ら体験・実践し、その経験を顧客に向けたアウトプットに繋げることを目的としているといいます。自らの体験、実践(見て・触って・感じて)を通じて、オフィスにおける無限の可能性を、新たな働き方とともに、商品・サービスという形で顧客に発信していく」とありますが、結局はオフィスいおいて人がいかに育っていくかということが大切なのではないかと思います。
オフィス家具通販のオフィスコムがリアルオフィスを充実させることによって、リアルとWebをより効率よく展開していくことが期待されるのだと思います。

コクヨ、カウネットが地球温暖化と環境保護に関する調査を実施の記事ですが、この中ではやはり、地球温暖化に対して危機感を感じているとの回答が、個人では84%、職場では46%と乖離が見られるということです。当たり前ですが、個人である自分と企業の一員としての自分との意識が違うということであり、それがいまその人達がおかれている状況を表しているということだと思います。これは、当たり前と言えば当たり前ですが、企業の体質もしくは考え方がそこまでいっていない、企業の中の個人はそれについて考えることをその乖離の分だけ許されていないということなのかもしれません。それについて、ジレンマとかストレスを感じるか、仕方がないとあきらめるか、改善しようとするか、それを許されるかどうかもまた、状況によって違うのだと思います。そこらあたりに何か原因とその対応策の可能性があるように思います。

最後にライオン事務器、しごとぶんぐ発売の記事ですが、これについては発売後の反響に非常に興味を感じます。

(このコラムは、あくまでも山人の主観的なものです。従って各メーカー様には何の関係もありません)

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