東京オフィストレンド オフィス家具週間トレンド報告
1/2~1/8、オフィス家具業界の主なハイライト(+コラム)
【今週の目次】
③ コクヨ、吸音アクセサリー「bisketta(ビスケッタ)」を新発売
+注目のコラム オフィス山人の少し深掘り
内田洋行、令和5年の年頭挨拶を発表
2023年1月2日から1月8日までの1週間の業界の主なハイライトについては、内田洋行代表取締役社長・大久保 昇氏は以下のとおり、令和5年の年頭挨拶を発表しました。
情報の価値化と知の協創をデザインし、「新しい景色」を見るために
謹んで新年のお慶びを申し上げます。
昨年末には、サッカー日本代表の世界での活躍に勇気と希望を与えられました。森保監督の「新しい景色をみる」という言葉が大変印象的でした。
さて新しい景色とは何でしょうか。一段高い位置に上がることができれば、そこからは平地からは見ることができない、俯瞰した景色が見えることです。個人でも企業でも社会でも同様で、体験と経験と思考の積み重ねのなかで、何かのきっかけで視座と視点を変えることができれば、周りは同じものでも違う景色が見えてきます。
いま世界は、コロナ禍のパンデミックによる分断と偏りの増幅の波は大きくなり、ウクライナ紛争はさらに拍車をかけ、グローバル社会は一変しました。一方でカーボンニュートラルのうねりは待ったなしです。その中で少子化の進む日本社会では、どこよりも「新しい景色」を見にいかなければならないのです。
イトーキ、『パートナーシップ制度』を導⼊
イトーキは、2023年1⽉から、事実婚や同性のパートナー、およびその⼦、親に対し、法律上の配偶者や家族と同様に福利厚⽣や規程を適⽤する「パートナーシップ制度」を導⼊するといいます。
また、今回のパートナーシップ制度導⼊に加え、ハラスメントに関する規程も改定し、SOGIハラスメントの禁⽌や、個⼈の性的指向・性⾃認や病歴、不妊治療等の機微な個⼈情報について、当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露しないことを明記したとしています。
コクヨ、吸音アクセサリー「bisketta(ビスケッタ)」を新発売
コクヨは、吸音素材を使用した、空間を彩る壁付け吸音パネル「bisketta(ビスケッタ)」を1月10日(火)から発売するといいます。
同社によると、在宅勤務やテレワークの導入が進むなかで、オフィスには、メンバー間のコミュニケーションによる新たな付加価値を生み出す場としての役割が求められているといいます。同社は、社員がオフィスに快適さや魅力を感じることで、出社率があがり、社員同士の交流も活性化すると考えているとしています。
そこでこのほど同社は、さまざまなシーンに適した、心地よさをうむ、壁付け吸音パネル「bisketta」を発売するといいます。ふっくらと丸みのあるデザインが柔らかな印象を与え、会話が弾む雰囲気を演出するとしています。パネル内部には吸音率の高い素材を使用しているといいます。空間に合わせて大きさは2種類、スタンダードクロスのカラーは5種類から選べるとしています。
注目のコラム オフィス山人の少し深掘り
今週まず注目した記事については、内田洋行・大久保社長の年頭の挨拶です。
この挨拶のなかで大久保社長は、サッカー日本代表の森保監督の「新しい景色をみる」という言葉が大変印象的だったとし、その新しい景色とは何かということについて述べられています。
「一段高い位置に上がることができれば、そこからは平地からは見ることができない、俯瞰した景色が見えることです。個人でも企業でも社会でも同様で、体験と経験と思考の積み重ねのなかで、何かのきっかけで視座と視点を変えることができれば、周りは同じものでも違う景色が見えてきます。」
この文章を見ると「体験と経験の積み重ね」と「何かのきっかけで視座と視点を変える」という最低でもこの2つが必要であるのだと思いますが、実はこの2つが揃うことは実は並大抵なことではないのではないかと思います。
「何かのきっかけ」というのは偶然のようですが、実は「体験と経験の積み重ね」からくる必然だということもいえるのではないかと思います。山人はそれを実現できる人のことを「達人」と呼びたいと考えています。
大久保社長が例えられている今回のワールドカップでも一人だけ違う景色を見ていると思われる達人としてリオネル・メッシ氏がいるのではないかと思いますが、決勝戦の後半アルゼンチンの戦略をことごとく打ち崩す対策を講じ同点に導いたディディエ・デシャン監督もまたそう呼べる人なのではないのかと思います。
山人はサッカーに対してはそれほど詳しくないのですが、素人の目にも今回のワールドカップのサッカーは非常に興味深いものでした。
この達人という言葉を考えさせてくれたのも今回のワールドカップであり、一番の収穫は何よりもサッカーは達人というものが成り立つ世界であるということです。つまり、新しい景色を見せてくれる可能性を持つということ、その可能性を持つ世界としてオフィス業界を大久保社長は見ておられるのではないでしょうか。
母国に凱旋したアルゼンチンのチームを迎えた数えきれない人達の歓喜を見て、1人だけではない多くの達人を生み出し続けることができる可能性を持つ業界としてオフィス業界があるということを思い、年頭一番の記事として掲載させていただきます。
イトーキ、『パートナーシップ制度』を導⼊の記事ですが、新しい概念をどんどん取り入れている同社の動きには注目に値するものがあるのだと思います。新しい概念と書きましたが、多くの概念は長い歴史の中で歪められて来られたものもあるのではないかとも思います。これらの概念に接しそれに対して考えるということは、自分のその概念に対する思い込みから自らを解放することでもあるのではないかということもあるのだと思います。
山人が注目したのは、【今後の予定】で2023年4⽉:全社員向けLGBTQ研修実施、LGBTQコラボ製品の開発とあることです。
研修とありますが、これから学んでいくということなのでしょうか。これらのことについて学び考えていく過程でさまざまな学びや気づきの成果が出てくることに期待したいと思います。
また、コラボ製品の開発ともありますが、それらを通して、また、この考え方や姿勢をどのようなかたちで実現するのか注目されます。
コクヨの吸音アクセサリー「bisketta(ビスケッタ)」を新発売の記事ですが、ここで注目したのは、「ふっくらと丸みのあるデザインが柔らかな印象を与え、会話が弾む雰囲気を演出する」というところです。
山人は、演出ということが1つのポイントであると思っていて、どのような演出がどのような心理状態を生むのか、これからその研究が進むのではないかと思われ、これにも注目したいと思っています。
(このコラムは、あくまでも山人の主観的なものです。従って各メーカー様には何の関係もありません)