パワープレイス、「ウッドデザイン賞 2023」最優秀賞(農林水産大臣賞)を受賞

林福連携で行う優れた地域材製品開発事業の新製品「森 tebaco」が

内田洋行は、グループ会社のパワープレイスが参画する「林福連携で行う優れた地域材製品開発事業」の新製品「森 tebaco」が、一般社団法人日本ウッドデザイン協会が主催する「ウッドデザイン賞 2023」で最優秀賞の農林水産大臣賞を受賞。そのほか、内田洋行グループは、「宮崎県森林産業イノベーション人材教育プログラム」の取組みがソーシャルデザイン部門で入賞をしたしたことを12月8日に発表しました。

「ウッドデザイン賞」は、木の良さや価値を、デザインの力で再構築することを目的として、優れた建築・空間や製品、活動や仕組み、研究等を募集・評価し、表彰する顕彰制度だといいます。

「ウッドデザイン賞 2023」最優秀賞(農林水産大臣賞) 授賞式
右から、農林水産大臣 宮下一郎氏、パワープレイス株式会社 奥 ひろ子氏、社会福祉法人幸仁会理事長 田中 初男氏、
NPO 法人木育・木づかいネット副理事長 多田 知子氏、「みどりの大使」上村 さや香氏

ウッドデザイン賞 2023 受賞の取り組みについて

■ウッドデザイン賞 最優秀賞(農林水産大臣賞)受賞 ―林業×福祉連携プロジェクトの新製品「森 tebaco」-

林業×福祉連携プロジェクトは、社会福祉法人幸仁会川本園(以下、川本園)と NPO 法人木育・木づかいネットを共同事務局として、パワープレイスやグラム・デザイン、埼玉大学、埼玉県中央部森林組合らにより、林業と福祉が連携したユニークな取り組みとして、令和 3・4年度は林野庁の補助事業、令和5 年度は全国木材組合連合会が林野庁から受託した補助事業による助成をそれぞれ受けて、継続した活動を行っているといいます。
さらに同プロジェクトは、障がい者の人が木工製品の加工製造、販売を通して、継続的に働く場、誇りを持てる仕事づくり、およびその自立を支援することにも貢献していて、林業×福祉連携の新たなビジネスモデルとしても注目されているとしています。

プロジェクトの体制図

今回、農林水産大臣賞を受賞した「森 tebaco」は、林業×福祉プロジェクトの中で、企画・開発・デザインされた新しい地域材製品だといいます。埼玉県産のヒノキを活用し、川本園が行う丁寧な仕事で、丸太の状態から製品になるまでの一連の加工を行っているとしています。時計やカレンダー、フォトフレームのデザインをパワープレイスが担当し、木の持つ親しみやすさや手触りを残しながらも、製作工程に合わせて作業がしやすいように製品デザインの修正を加えることで、障がい者の人達が作りやすく質の高い製品づくりを実現したとしています。
これらのノウハウをモデルケースとして、全国にある他の福祉作業所にも展開するために連携を図り、障がい者の方々の新たな就労支援の一助として自立できる環境づくりと、地域の国産木材を広く普及させる活動として取り組んでいくといいます。なお、「森 tebaco」は受注生産にて順次発売予定だとしています。

「森 tebaco」時計・カレンダー・フォトフレーム

―社会福祉法人幸仁会 川本園(理事長 田中初男氏)

川本園は、社会福祉法人幸仁会を経営主体として 1979 年開所以来、「森のめぐみ・しごと」をキャッチフレーズに、知的障害を持った人に仕事を提供し障害者の人たちが力強く働ける環境作りと、自立に向けた支援を行っているといいます。小物類から大型のダイニングテーブルや本棚などを埼玉県産のヒノキ・杉を原材料とした丁寧な仕事で、木工製品の製造を行うことが出来るとしています。

―NPO 法人木育・木づかいネット(理事長 浅田茂裕氏、埼玉大学教授)

NPO 法人木育・木づかいネットは、2014 年に設立された、木育と木づかいの普及推進を目的とした団体だといいます。木を使った遊具や教材の開発・普及、木育プログラムの実施、木材を使ったワークショップの開催などの活動を通して、子どもたちを含む市民が木のぬくもりを感じ、木の魅力を知り、木のある暮らしを身近に感じられる社会の実現を目指しているとしています。

左から、パワープレイス株式会社 諏訪 敏之氏、パワープレイス株式会社 代表取締役社長 前田 昌利氏、パワープレイス株
式会社 小林 健一氏、社会福祉法人幸仁会理事長 田中 初男氏、NPO 法人木育・木づかいネット副理事長 多田 知子
氏、 パワープレイス株式会社 森 麻衣子氏、パワープレイス株式会社 奥 ひろ子氏、株式会社内田洋行 山田 聖士氏

■ウッドデザイン賞 ソーシャルデザイン部門 受賞 ―宮崎県森林産業イノベーション人材教育プログラム―

宮崎県森林産業イノベーション人材教育プログラムは、令和 4 年度より内田洋行、宮崎県庁、県内の林業従事者、武蔵野美術大学の学生たちによる産官学連携事業だといいます。武蔵野美術大学の学生が、森林産業において見失われつつある価値や魅力を可視化させる授業として、宮崎の森林・林業の現場視察等をすることで、森林・林業と暮らしの関わりを学んでいるとしています。
また、宮崎県職員や地域プレイヤー、デザイナーと合宿などの時間を共にし、経済優先だけではない本質的な豊かさについて対話を通じて地域産業と暮らしの中にある潜在的な価値の見える化を行っているといいます。内田洋行はイノベーション人材教育の企画から参画し、プログラム推進の役割を担っているとしています。


内田洋行グループの木材活用について

国産木材の普及のために需要者の都市部と生産者を結ぶ活動として、2004 年より宮崎県や北海道、栃木県をはじめとした全国各地の国産木材活用を開始しているといいます。2010 年、自社オフィスの木質化や国産木材を活用した製品づくりによって林野庁「木づかい運動」にて農林水産大臣より感謝状を受けたとしています。2011年「東京おもちゃ美術館」の「赤ちゃん木育ひろば」の設計や地域産材を採用した空間構築システム「WooDINFILL」(2015 年)の開発や、2019 年「高畠町立図書館/屋内遊戯場もっくる」では、産地での原木調達や製材及び加工を担う木材活用マネジメントを実施したとしています。
さらに、2022 年に京都市・三井住友信託銀行株式会社・菊池建設株式会社・ナイス株式会社・京都北山丸太生産協同組合・京北銘木生産協同組合と、北山杉の利用促進に関する相互連携を締結し、自社のみではなく官民連携での取り組みにも力をいれているといいます。
こうした活動を中心に、内田洋行では学校や企業などに対して木製家具の販売を積極的に行うことで、CO2 の固定化量が内田洋行グループの年間排出量(Scope1 及び Scope2)に匹敵する量となっているといいます。今回の協業もこれらを促進させるものと考えていて、SDGs や 2050 年カーボンニュートラルの実現に貢献していくとしています。

【内田洋行グループの国産木材を活用した開発例】

廃校になった中学校の体育館をリノベーションした
木育施設 高畠町立図書館/屋内遊戯場―もっくる―

地域産材を活用し空間を自在に構築する WooD INFILL
(ウッドインフィル)

JR東日本 東京建設プロジェクトマネジメントオフィス様
鉄道林をオフィスの内装へ生かした木質化

鬼塚電気工事・鬼塚産業様 本社ビル
脱炭素を目指した「ZEB」技術で新本社を建設

■ 内田洋行グループ 「ウッドデザイン賞」これまでの受賞歴


2015 年 WooD INFILL
2015 年 東京おもちゃ美術館「ウッドスタート」
2015 年 Hako Dake Hiroba(北海道産針葉樹林を活用した製品開発プロジェクト)
2015 年 教育用家具「地域産材でつくる自分で組み立てるつくえ」
2015 年 【座 YATAI】プロジェクト 集成材多目的ユニット
2015 年 簡易組立式和室“くみたて”
2015 年 旭川トドマツ屋台プロジェクト
2015 年 ららぽーと海老名キッズプレイエリア「ウッドキューブ」
2015 年 鹿沼のすごい木工プロジェクト
2016 年 産学官連携「病院木質化プロジェクト」
2016 年 「木とくらす」~はたらく、まなぶ~
2016 年 ハコダケ君(木ぐるみキャラクターによる森林に関する啓発活動)
2016 年 井波総合文化センター 富山県産材利用「ウッドキューブ」
2017 年 日南市子育て支援センター「ことこと」
2017 年 コドモのあしば
2017 年 「木本(きほん)」/「みやざき市場~めぐる木のめぐみ~」/「木本ツアー」
2017 年 民間学童保育施設「Kids JR 六本松」
2018 年 きえすぎくん
2020 年 高畠町屋内遊技場もっくる
2020 年 高畠町立図書館
2022 年 東日本旅客鉄道株式会社 東京建設プロジェクトマネジメントオフィス
2022 年 鬼塚電気工事・鬼塚産業 本社ビル

パワープレイスについて

パワープレイスは内田洋行グループとして 2003 年の会社設立から、顧客の「働く場」「学ぶ場」の「空間環境」と「情報環境」を組み合わせた設計デザインを行っているといいます。多岐にわたる専門家により、顧客の大切な“場”をパワーアップさせることを目指し、国産材活用を地域や人との「繋がりのデザイン」で推進しているとしています。
・名称 パワープレイス株式会社
・本社所在地 東京都中央区
・設立 2003 年 7 月 23 日
・資本金 50,000,000 円
・代表者 代表取締役社長 前田 昌利 氏
・事業内容 空間環境構築における FM 計画、移転・働き方変革のプロジェクトマネジメント、施設の空間環境・情報環境の構築・運用のデザイン・コンサルティング
地域・人とのリレーションの推進、国産材活用を主にしたソーシャルデザイン

(画像ならびに資料は内田洋行様より頂戴しました)

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