内田洋行、日建設計等6社の協創活動に参画


照明を手のひらで制御できる統合UIアプリケーションとして日建設計にSmartOfficeNavigatorを導入、検証開始

内田洋行は、人と人、モノ、場所、空間と建物の情報を繋ぎ、ハイブリッド・ワークプレイスに対応したSmartOfficeNavigatorを展開しているといいます。

この程、同社は、スマートビルディングを指向したセンサー・設備制御とネットワークシステムの適用と普及を目指す日建設計をはじめとした6社協創活動に参画をするとともに、その一環として株式会社日建設計の実証オフィスに新たにSmartOfficeNavigatorが実装され、2023年12月20日から検証を開始することを12月7日に発表しました。

同社では、働き方変革への取り組みに積極的な企業を中心に採用が進むSmartOfficeNavigatorや様々なICTシステム、スマートビルディング関連システムの構築を通じ、「人が主人公となるハイブリッドでサステナブルな働く環境」の実現を支援していくとしています。

以下は同日(12月7日)、日建設計より発表された内容です。

クラウドプラットフォームを活用したセンサー・設備制御ネットワークシステムの協創(第3報)

人の位置情報の可視化や照明の表示・制御が可能な統合UIアプリを実装、環境行動アプリAsapp※1との連携を目指す

日建設計と、エクシオグループ、WHERE、オムロン、神⽥通信機、X1Studioは、働き方改革への対応や脱炭素社会の実現に向けて、オフィスにおけるクラウドプラットフォームを活用したセンサー・設備制御ネットワークシステムの構築※2,3に取り組んできたといいます。
センサーから取得した人の位置情報や建物内の温湿度、照度などの環境情報をクラウドプラットフォーム上に統合し、空調や照明などの建築設備を連携することで、より快適かつ効率的に運用するための仕組みだとしています。

このほど、内⽥洋行も加わり、人の位置情報の可視化及び照明の表示と制御が可能な統合UIアプリケーションを日建設計の実証オフィスに実装し、12月20日から検証を開始するといいます。オフィスワーカー一人ひとりが、スマートフォンで室内の人の滞在状況や建築設備の設定を一目で確認し、簡単に操作できるようにすることで、より能動的な環境行動が促されるとしています。また既に日建設計が2023年3月1日に発表している環境行動アプリAsapp※1との連携を通じて、設備制御によるCO2削減量の可視化や削減量に応じたポイント付与などを目指すとしています。

統合UIアプリ(照明制御)の画面イメージ

■ これまでの取組み:位置情報と空調・照明制御の連携

同協創では、まずサーモパイル型人感センサーやスマホ等の位置情報と連携して、脱炭素に寄与する照明制御を実現したといいます。従来の照明制御技術の課題は、焦電型赤外線センサーが人の位置を正確に把握出来ないことと、動きのない人を検知できないことにありましたが、温度に基づいて 900*900mm 単位で人体検知が可能なサーモパイル型人感センサーを利用して、在不在と通過を判断する照明制御を行っているとしています。

在不在と通過を判断する照明制御

また次のステップでは、空調との連携に取り組んだといいます。従来の照明・空調制御は滞在人数に依らず、一様で快適な環境を提供していましたが、スマホの位置情報に基づいて、無人の空間は照明・空調を停止し、人数の少ない空間は照明・空調の設定を緩和する制御を実現しているとしています。

滞在人数に応じた照明・空調制御

■ スマホが取り持つ人と建物の相互コミュニケーションでカーボンニュートラルを目指す

これまでの多くのシステムは、各設備が独自にアプリケーションを保有し、アプリケーションが乱立することでユーザーの使いやすさを損なうという煩雑性があったといいます。また、ユーザーがその場所に居なくても制御ができてしまうという課題もあったとしています。
そこで今回は、位置情報の可視化と照明の表示・制御を一つのスマートフォンアプリケーションで行える仕組みを構築すると共に、位置情報に基づいて、アプリで操作を行うユーザーが居るエリア内のみ制御可能な機能を付加したといいます。更に照明の制御は、エリア毎に明るさや色温度の調整、シーンの選択など細やかな設定が可能だとしています。

今回の検証により、空調の表示と制御も一つのスマートフォンアプリで実現できる可能性が広がったといいます。
また、空調・照明の停止や緩和を行ったことを環境行動アプリAsappで評価したり、停止や緩和などの環境行動をAsappからユーザーへ促すことへも展開可能だとしています。カーボンニュートラルの実現には、建物側の最適化だけでなく、個人の環境意識に基づく行動が重要であると分かっていて、誰もが簡単に設備制御を行える本ツールをAsappと併用することで、さらなる行動変容の促進を目指すとしています。

要素技術の連携イメージ

要素技術と各社の役割は以下のとおりだとしています。

クラウドプラットフォーム Bluetoothネットワーク

エクシオグループ
WHERE
Bluetoothを用いたmeshネットワークによるIoT ネットワークと位置測位およびデータの可視化や分析などのクラウドサービスの提供

サーモパイル型人感センサー環境センサー

オムロン
在不在・人数・放射温度、温湿度・照度・騒音・気圧などのセンサからのデータの取得

照明制御

神⽥通信機
オープンプロトコルかつ照明器具1台単位で明るさや点灯エリアの変更可能なDALIシステムによる照明制御

空調制御

X1Studio
あらゆるオープンプロトコルに対応したクラウドBAS(Niagara)による空調制御

統合されたユーザインタフェース

内⽥洋行
ワーカーの位置情報に基づき、空調・照明の制御を行うためのユーザインターフェースとロジックの実装

全体統合と建築・ワークプレイスへの適用 環境行動アプリ

日建設計
要素技術の連携による全体統合の主導と建築・ワークプレイスにおける適用と普及の考案
CO2を可視化し環境行動を促すアプリの開発

■ 今後の展望について

脱炭素社会や働き方改革への対応に加え、より広範囲な建築設備(防犯・防災・日射遮蔽・映像音響)との連携の強化、BIM※4(Building Information Model)との接続、AIの更なる活用などにより、健康で知的生産性の高いワークプレイスの実現に向けて、さらなる協創拡⼤を目指していくとしています。

■ 日建設計について

日建設計は、建築・土木の設計監理、都市デザインおよびこれらに関連する調査・企画・コンサルティング業務を行うプロフェッショナル・サービス・ファームだといいます。1900年の創業以来120年にわたって、社会の要請とクライアントの様々な要望に応えるべく、顕在的・潜在的な社会課題に対して解決を図る「社会環境デザイン」を通じた価値創造に取り組んできたといいます。これまで日本、中国、ASEAN、中東で様々なプロジェクトに携わり、近年はインド、欧州にも展開しているとしています。

(画像ならびに資料は内田洋行様より頂戴しました)

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