東京オフィストレンド オフィス家具週間トレンド報告

3/27 ~4/2、オフィス家具業界の主なハイライト(+コラム)

【今週の目次】

① オカムラ、フォレストデジタルと販売パートナー契約を締結

② コマニー、全組合員を対象に賃金の引き上げを実施

③ コクヨ、新ブランド「Hello! Family.」シリーズを発売

④ プラス、SOMPOケア運営の「SOMPO流 子ども食堂」に賛同

⑤ 内田洋行、新たなCM放映を開始

⑥ オカムラ、「μ patch(ミューパッチ)」を発売

⑦ イトーキ、「脱炭素経営EXPO 春」に出展

⑧ オルガテック東京2023、4月26日から開催へ

+注目のコラム オフィス山人の少し深堀り

オカムラ、フォレストデジタルと販売パートナー契約を締結

2023年3月27日から4月2日までのオフィス家具業界の主なハイライトについては、オカムラは、テクノロジーでウェルビーイングの実現を目指すというフォレストデジタル株式会社(以下 フォレストデジタル) と、このほど、空間型VR“uralaa(うらら)”展開促進に向けた販売パートナーとして契約を締結したことを3月28日に発表しました。

オカムラが全国にもつ販売網を生かして、オフィスを中心としたさまざまな空間へ“uralaa”を展開し、オフィス空間の新しい価値創造とワーカーのウェルビーイング向上を目指すとしています。

コマニー、全組合員を対象に賃金の引き上げを実施

コマニーは、 2023年4月の給与から全組合員を対象に平均10,233円(賃上げ率3.84%)の賃上げを行い、新卒初任給も9,000円引き上げることを決定したことを3月31日に発表しました。

同社は経営の理念として「全従業員の物心両面の幸福(しあわせ)を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献する」を掲げており、2018年9月に制定した「COMANY SDGs ∞(メビウス)モデル」では、関わるステークホルダーに従業員を挙げ、従業員が幸福になることで技術革新が生まれ、お客様や社会に貢献することができると考えているといいます。
そのためには、従業員が自社に愛着を感じ、希望が持て、安心して将来を預けられるWell-beingな企業を実現するために、常に明るく前向きに活動できる組織風土作りを目指しているとしています。その一環として、近年の食料品やエネルギー価格の値上げによる対策はもちろん、ライフイベントなどに合わせて不安なく過ごせる給与制度とするために賃金の引き上げを実施するとしています。

コクヨ、新ブランド「Hello! Family.」シリーズを発売

コクヨは、3月29日、多様化するワークスタイルやライフスタイルに合わせた、次世代の家族コミュニケーションをサポートするという新ブランド「Hello! Family.」を発表しました。


第一弾シリーズとして、主に年中から小学校低学年の子どもをもつ共働き世帯向けに、家族が離れていても「今、どこで、何をしている」を楽しみながら手軽に伝え合うことができるスマートフォンアプリと、4種のIoTデバイスを発表。
そのうち「はろここ」、「はろたぐ」の2製品を同日から発売するとしています。

プラス、SOMPOケア運営の「SOMPO流 子ども食堂」に賛同

プラスは、SOMPOケア株式会社が全国で運営する「SOMPO流 子ども食堂」に協賛し、2023年1月から1年間、同イベントに参加する子どもたちへのプレゼント品として、プラスグループの文具各種を寄贈することを決定したことを3月30日に公表しました。


同社は、この活動に参加することにより、サステナビリティ方針に基づき特定した重要課題「地域社会とのパートナーシップの促進」や、介護施設職員の「よりよい働き方・いごこちのよい環境づくりの追求・提案」にも寄与し、人と社会と環境が調和する社会最適と持続可能な未来の実現に向けて貢献していくしています。

内田洋行、新たなCM放映を開始

内田洋行は、2023年4月3日から、同社の新たな挑戦をイメージするCM放映を開始するといいます。

同社は、社会構造変化を迎える日本社会のサスティナビリティには、生産性向上のためにスマート社会の実現が求められているといいます。そのためには、DX(デジタルトランスフォーメーション)によるデータの活用と、将来のデジタル社会の担い手の育成がますます重要となり、社会の「人」と「データ」への投資が、より一層、必要となるとしています。

同社は、113年の歴史を通じて培った事業リソースを最大限に活用して、「人」と「データ」をキーワードに、これからの「学ぶ場」「働く場」の変革に貢献していくとしています。

オカムラ、「μ patch(ミューパッチ)」を発売

オカムラは、地震発生時の店舗における陳列棚からの商品落下を抑制する免震アジャスターキャップ「μ patch(ミューパッチ)」を、2023年3月から発売することを3月30日に発表しました。


店舗の陳列棚(ゴンドラ)のアジャスターに取り付けることで、震度5強相当までの横揺れを緩和、地震発生時の商品落下を抑制することができるといいます。商品落下による人への被害、商品の損害、避難通路の阻害を軽減し、安心・安全な店舗づくりに貢献するとしています。

イトーキ、「脱炭素経営EXPO 春」に出展

イトーキは、2023年3月15日から17日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された「脱炭素経営EXPO 春」に出展。同社の「カーボン・オフセットサービス」を中心に脱炭素社会の実現に向けたソリューションを紹介しました。

今回の展示ブースでは、同社の「カーボン・オフセットサービス」に加え、オフィス家具・空間のカーボン・ニュートラルへの取組みも紹介するとともに、カーボン・ニュートラルに向けた取り組みに悩む企業に解決方法を提案したといいます。

また、CO2排出量削減への取り組みを総合的にサポートするサービスプラットフォームを展開しているe-dashとの提携により、e-dashのカーボン・クレジットのマーケットプレイス(e-dash Carbon Offset)でのJ-クレジットの取り扱い開始についても紹介しました。

オルガテック東京2023、4月26日から開催へ

オルガテック東京2023が4月26日から28日までの3日間、東京ビッグサイト西1・2ホールで開催されます。

テーマは「SHIFT DESIGN - デザインは働き⽅を⾃由にする」
今年のオルガテック東京のテーマは「SHIFT DESIGN - デザインは働き⽅を⾃由にする」 。
⾝の回りの様々なモノから⽣活、そして社会まで、すべてがデザインされて存在している。それは、これからの働き方も同じだと主催者(ケルンメッセ、日本オフィス家具協会)はいいます。優れたデザインはワークスタイルの可能性を創造し、そこにイノベーションが生まれるとしています。
クリエイティビティあふれる家具や空間が一堂に集まりアジアのハブとしてマーケットを牽引するワークプレイストレードショー「オルガテック東京」は、さらにパワーアップして開催されるとしています。

注目のコラム オフィス山人の少し深掘り

今週まず注目したのは、オカムラ、フォレストデジタルと販売パートナー契約を締結、の記事です。
特に空間型VRという技術そのものが、人間の五感に対してどれくらい作用するのか、どのようなパフォーマンスを引き出すのか。もしこれが有効だとしたら画期的な空間演出で、モニターや壁面の演出、パーティションの在り方など、多くの分野に影響を与えるものであることは論を待たないと思います。一方でデジタルコンテンツの量は無限にあるのではないでしょうか。


世界初の没入自然空間サービスともありますが、身を委ねる感覚なのでしょうか、ポイントはどこまでワーカーの深層にまで入り込めるものなのか、ではないかと思います。
また、これがオカムラのオフィス家具、オフィス提案に大きな影響を与えるかもしれません。

コマニー、全組合員を対象に賃金の引き上げを実施、の記事ですが、特にその理念と実現の根拠に注目しました。
同社は、経営理念としては、「全従業員の物心両面の幸福(しあわせ)を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献する」を掲げていて、また、実現の根拠が同社のメビウスモデルにおけるレバレッジポイントとして、SDGsのGoal9「技術革新」をあげ、「技術」を世界レベルに向上させることを通じてSDGsモデルを持続的に循環させ、企業価値を最大化させることをめざしているといいます。おそらく、「技術」が世界レベルに向上すれば企業の「スケール」もその規模になることが期待されます。同社のような志を持った日本企業が世界レベルに拡大する可能性があるのではないでしょうか。
このメビウスモデルを拠り所に理念だけでなく実際にそれに向けて賃金を引き上げていくという同社の王道ともいうべき経営姿勢が大きく注目され評価されてしかるべきなのではないかと思います。

コクヨ、新ブランド「Hello! Family.」シリーズを発売の記事ですが、単なる見守りサービスのソフト&ハードではなく、親子の新しい会話の形、ひいては家族の新しい形のコミュニケーションをサポートするブランドだということに注目しました。家族間の絆を具体的なソフト&ハードを組み合わせていくことで、より見える化、具体化したという意味でも評価されるのではないかと思います。

内田洋行、新たなCM放映を開始の記事ですが、ここにある同社の考え方は、DXを得意とする同社の企業活動が明確に表現されていると思います。データに価値を与えるのは人であり、その人を育てるのもまた同社の使命でもあると思いますが、「学ぶ場」「働く場」における人とデータとDXというものの捉え方が非常に明確で正統なのではないかと思います。今回のCM放映がそれをより広めていくことが期待されます。

オルガテック東京2023、4月26日から開催へという記事を書かせていただきました。いよいよ開催まで1カ月をきった「オルガテック東京2023」ですが、開催がまちどおしいです。今年は昨年に比べて、面積も出展者も約2倍で、内容もより充実したものになることが期待されます。
イベント関係では初日と2日目には「オルガテックナイト」が予定されているようです。これは、展示時間が終わってからの交流パーティで、本国のドイツでは恒例になっているものだといいます。初日は出展者メイン、2日目は来場者メインのイベントで、主だったブースでもさまざまな企画がされているとの情報を得ていますが、同企画を含め、2022年よりさらにいっそう大きな盛り上がりが期待できると思います。

(このコラムは、あくまでも山人の主観的なものです。従って各メーカー様には何の関係もありません)

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