東京オフィストレンド オフィス家具週間トレンド報告

1/9~1/15、オフィス家具業界の主なハイライト(+コラム)

【今週の目次】

①コクヨ、Allsteelとオフィス家具の販売提携契約を締結

②オカムラ、シナーラが米国「シカゴ・グッドデザイン賞2022」を受賞

③コクヨ、『登龍モヴ2023』挑戦者募集を開始

④コクヨ、ステーショナリーの公式オンラインショップをリニューアル

+注目のコラム オフィス山人の少し深掘り

コクヨ、Allsteelとオフィス家具の販売提携契約を締結

2023年1月2日から1月8日までの1週間の業界の主なハイライトについては、コクヨは1月11日、世界のビジネスエグゼクティブに支持されているというオフィス家具ブランド「Allsteel」を手掛ける米国Allsteel社とオフィス家具の販売提携契約を結んだと発表しました。

同社によると、今回の販売提携契約により、同社はアジア太平洋、Allsteel社は北米というそれぞれの地域で、グローバル顧客向けに、互いのオフィス家具商品を提供できる体制を持つこととなり、ダイナミックな国際市場でクライアントをサポートできるようになるとしています。

Allsteel社の社長であるJason Hagedorn氏は次のように述べているといいます。「同様のビジネス戦略、顧客重視、地理的な補完関係を持てるといったことがコクヨとのパートナーシップを締結するきっかけとなりました。 私たちは夫々のエリアの顧客に対してこれまで通りサービスを協力し、同時にグローバル プロジェクトに対する競争上の優位性を活用します。」

コクヨは、海外ファニチャー事業においては、中国、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシアなどに拠点を設け、アジアを中心としたグローバルでの持続的成長に向けて事業展開を進めているといいます。今回の販売提携によって、グローバル顧客に対する効果的なサービスとサポート提供体制を一層強化し、さらなる事業拡大を目指すとしています。

オカムラ、シナーラが米国「シカゴ・グッドデザイン賞2022」を受賞

オカムラは1月12日、同社のオフィスシーティング「CYNARA(シナーラ)」が、米国の「シカゴ・グッドデザイン賞 2022」をFurnitureカテゴリーにおいて受賞したと発表しました。

同賞は、The Chicago Athenaeum:Museum of Architecture and Design(シカゴ・アテナイオン建築・デザイン博物館)が主催しているデザイン賞です。1950年の創設で、世界のデザイン賞の中でも最も長い歴史があり、世界的に権威あるデザイン賞として評価されているといいます。

受賞製品の概要

オフィスシーティング「CYNARA(シナーラ)」

シナーラは、すっきりとした軽快なデザインであらゆるインテリアに調和し、シンプルな構造で快適な座り心地を実現したオフィスシーティングだといいます。人間工学と環境に配慮した同製品は、多様で流動的な現代の働き方をサポートするとしています。軽量設計で省資源を追求したことにより、製造・配送時のCO2排出量削減に貢献するとしています。

また、「シナーラ」は、これまで2021年ドイツ「レッドドットデザイン賞」でベスト・オブ・ザ・ベスト賞、「DFAアジアデザイン賞2021」にてメリットアワード、「2021年度グッドデザイン賞」、「iFデザインアワード2022」、「HiP Awards 2022 at NeoCon」を受賞、「JIDAデザインミュージアムセレクションvol.23」に選定されていて、国内外で高い評価を獲得しているとしています。

コクヨ、『登龍モヴ2023』挑戦者募集を開始

コクヨは、1月11日、同社が運営するメンバー制ワークラウンジCreative Lounge MOVが、シードステージ限定のスタートアップピッチイベント『登龍モヴ』を開催するとして、開催に先立ち、1月6日(金)〜2月3日(金)の期間で、挑戦者を募集すると発表しました。同イベントの最終審査は、2022年2月25日(土)に開催する『はたらく大人の文化祭 MOV市2023』のスペシャルプログラムとして一般公開するとしています。

『登龍モヴ』は、シードステージに限定したピッチイベントだといいます。コワーキングスペースであるCreative Lounge MOVが、昨年から取り組んでいるスタートアップ支援プログラムで、優勝者には1年間のオフィス支援のほか、コワーキングならではのリソースを総動員して事業の実現をサポートするとしています。

審査員はMOVメンバーと運営母体であるコクヨ株式会社から5名が参加。登壇者は広く外部から募集するといいます。MOVのコミュニティを盛り上げながら、1年以内にローンチするぞという気概のある人に応募してほしいとしています。

コクヨ、ステーショナリーの公式オンラインショップをリニューアル

コクヨは1月11日、ステーショナリー商品の公式オンラインショップを同日リニューアルオープンしたと発表しました。

商品の販売を通じてお客様とダイレクトにつながり、今後の商品企画や販売につなげるD2Cマーケティングのプラットフォームとして再始動するといいます。

同社によると、2020年以来続く新型コロナウィルス感染症拡大に伴い、働き方や暮らし方が大きく変化するとともに、これまで比較的、店頭での購入が主流だった文具・日用品分野でもネット通販の利用が増えるなど、消費行動にも変化が見られるといいます。

コクヨでは2011年から、店頭で入手しにくい商品の購入場所として「コクヨショーケース」を運営してきましたが、昨今の変化を踏まえ、オンラインショップの目的を、「お客様の声を直接聞き、新たな商品や事業を生み出す場」へとシフトし、サイト全体も大幅にリニューアルしたとしています。

新装開店する新オンラインショップでは、サブスクリプションサービスやテーマ別セット商品の販売など新しい取り組みを実施するとともに、生産終了品のアウトレット販売を開始。また、購入金額に応じてポイント還元率が変わる会員ステージ制度の新設や、Amazon Payならびに、学生にも利用しやすいコンビニ後払い決済の導入など、利便性向上にも取り組んだといいます。今後の運営においても、顧客により身近に、楽しみながら利用できるオンラインショップを目指すとしています。

注目のコラム オフィス山人の少し深掘り

今週まず注目したことについては、コクヨがAllsteelとオフィス家具の販売提携契約を締結したという記事です。

「本記事」の「山人独言」でも書かせていただきましたが、海外事業の拡張は業界全体の長年の念願であり、今回の提携で海外との価値の交流がますます頻繁になることが期待されると思います。さらに、それぞれの市場において大きな影響があるのではないかと思われ、それぞれの業界が活性化されることを期待したいと思います。

グローバルといえるかどうかはわかりませんが、北米の文化にさらされることで日本の我々の考え方がどれくらい影響を受けるのか、お互いに風土や文化の交流が起こることでいままでの我々になかったもの、望まれていたことがわかるかもしれません。

「同社はアジア太平洋、Allsteel社は北米というそれぞれの地域で、グローバル顧客向けに、互いのオフィス家具商品を提供できる体制を持つこととなり、ダイナミックな国際市場でクライアントをサポートできるようになるとしています」とありますが、山人は、コクヨの製品をAllsteel社がどのように北米で提案するのかということに興味があります。それを期待しつつ、今後に注目していきたいと思います。

オカムラ、シナーラが米国「シカゴ・グッドデザイン賞2022」を受賞の記事ですが、こちらもグローバルなテーマになりました。

コロナ禍で大きく拡散したバイブリッドワークやそれ以前からあった働き方改革やABWの思想において同チェアが持つコンセプトや機能が大きく評価された結果なのだと思っています。

これを世代の違いといっていいのかどうかは難しいことかもしれませんが、従来のオフィスシーティングと「シナーラ」は多くの面で一線を画しているようにも思います。

これも本記事の「山人独言」でも触れましたが、「シナーラ」「スフィア」「ポータム」と続くオカムラのオフィスシーティングの流れは、従来のオフィスに対する働き方の変化を反映したものであると思います。もしかしたら、数年後にこの「シナーラ」がオフィスシーティングの流れの分岐点だったということになるのかもしれません。それについては時間の経つのを待つしかないのでしょうが、3年後、4年後の新製品を企画・開発していくことを求められるメーカーにとっては大変重要なことなのかもしれないと思っています。変わるべきものと変わらず残すべきものの選択をするのか、全く新しい考え方のものを提案するのか、無責任で申し訳ありませんが、山人には期待と楽しみしかありません。

(このコラムは、あくまでも山人の主観的なものです。従って各メーカー様には何の関係もありません)

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