オカムラ、オルガテック東京2025で約100脚のイスを展示
『 チェア、イス、オカムラ 日本の「座る」を支えていく。』をコンセプトに
オカムラは、2025年6月3日(火)から5日(木)までの3日間、東京ビッグサイトで開催された、「オルガテック東京2025」に出展。『 チェア、イス、オカムラ 日本の「座る」を支えていく。』をコンセプトに、来場者に気づきと体験の場を提供したといいます。

同社は、「オルガテック東京2025」出展に際し、
「人は一日の多くの時間を座って過ごします。急速な技術革新や価値観の多様化で働き方が次々と変化する中、いつの時代も変わることのない「座る」を考えることは、より良い「働く」をつくることにつながるのではないでしょうか。
オフィスはもちろん、駅、空港、病院、図書館、学校、スタジアム‥‥‥
日本中の暮らしを支える無数のイスをつくり続けてきた歴史や知見、そして展示空間にそろえた約100脚のプロダクトを通して、オカムラは「座るとは何か」を真摯に見つめ直します。」
として、
3階建ての円形の構造体に約100脚のオカムラのイスを展示し、圧倒的な種類、物量、領域の広さを表現しました。


100のイス、100の知恵
同社のイスには、すべて知恵があるといいます。100のイスがあれば、100通りの技術と経験が込められているとしています。

約100個のイスを収めた同社の展示では、図書館で本を借りるように一部のイスを引き出して、そこに込められた知恵と技術を体験することができるとしました。
深い知識へ案内するチェアマスター

ブースには、同社のイスに秘められた機能や心づかいに精通しているというグレーのマスターエプロンとバッジを着けた「チェアマスター」が滞在。
「異硬度クッション」や「アンクルチルトリクライニング」「バックカーブアジャスト機構」など、オカムラ独自の技術や機構を体感できるような仕掛けを用いて紹介しました。

一部のイスでは座って座り心地を体感。また、「座る」という体験そのものに集中できるよう、ブース全体の色調を統一したとしています。
1冊の本になるチェアカード
また、展示室内には、同社のイスの豆知識集「チェアカード」を10種類配置。専用バインダーに綴じれば1冊の本になるというもので、専用バインダーを来場者に配布していました。それぞれのカードの内容は以下のとおりです。(同社の原文のままにしました)
1/10 22Seriees はじまりのオフィスチェア

1945年、航空機の技術者たちによって創業されたオカムラ。その製造で培ってきた高い技術力を活かし、木製家具が主流だった日本において、耐久性の高いスチール製家具の開発を始めました。そして1961年、日本のオフィスチェアのスタンダードとなる「22シリーズ」が誕生。回転機構、座面調節、ロッキング機能など、現代のオフィスチェアにも通じる機能が搭載されました。
2/10 ContessaⅡ オカムラがたどり着いた心地

オカムラが思い描く理想の座り心地を形にしたContessaⅡ。その最上級の快適性を象徴する機能が、アームレストの先端に使用頻度の高い操作レバーを集約した「スマートオペレーション」です。座ったまま指先だけで、リクライニングや座面の高さ調節を簡単に行うことができます。オカムラのものづくりの精神、精緻な技術、人への心づかいが結実した、世界的にも評価が高いフラッグシップモデルです。
3/10 Finora 座面の下もご注目ください

クルマのリヤを彷彿とさせるダイナミックな外観が目を引くFinoraですが、実はご注目いただきたいのは、座る人のことを考え尽くした、きめ細やかな機能です。座面の下にすべてのレバーを集約したことで、座ったままの姿勢であらゆる機能を操作できます。また、リクライニングの調節は9段階もあり、スライド式のレバーでどの段階かが直感的にわかります。普段は誰も気に留めないようなところまで、オカムラは工夫を行き届かせています。
4/10 Mode 薄くするだけなら簡単
たとえ世界一薄い椅子をつくれたとしても、オカムラはそれだけでは満足しません。私たちが目指すのは、薄さと座り心地の高度な共存です。背」をクロス張りにする場合、一般的には内部にクッションを入れますが、Modeはメッシュを採用。極限までスマートなフォルムと、メッシュならではの包み込まれるような心地よさを両立しました。柄、手触り、色の違いによる40種類の生地から好きなものを選んで椅子に着せられる多彩さも魅力です。
5/10 Sylphy どちらの席に座りますか
小柄な方に適した席と、大柄な方に適した席。Sylphyなら、一つの椅子でどちらにも座ることができます。背面の両サイドにあるレバーを上下させると、背中のカーブを広げたり狭めたりすることができる「バックカーブアジャスト機構」を搭載。多様な人たちが同じ椅子を共有するオフィスのために生まれた椅子です。
6/10 Spher 同じ背中はひとつもないから
100人いれば100の形がある背中。どの背中にもフィットする椅子をつくるために多種多様な100人の背中を研究し、座った人の体格にあわせて背もたれと座面が自然に変形する機種「3Dフィジカルフィットシェル」を開発しました。スリットが入った羽根のようなフレームが、座る人の身体に沿ってこまやかに可動。あなたの身体も、あの人の身体も、Spherはやさしく包み込みます。
7/10 Potam 違う知恵で、同じ柔らかさを
クッションとメッシュ。どちらのPotamを選んでもできる限り同じ座り心地を体感できるように、素材ごとに知恵を使い分けました。クッションタイプは、背もたれの内部の樹脂シェルのグリッドが背中の動きに合わせて変形。メッシュタイプは、部位ごとにメッシュのテンションを変えて張ることで腰回りのホールド感を向上。どちらに座っても、まるで包み込まれるような心地をもたらします。
8/10 異硬度クッション Multiple Density Cushion やわやわ、やわ、かた

人が椅子に座っているとき、体重のほとんどをおしりが受け止めています。そんなおしりの負担を少しでも和らげるために、硬さが異なる3層構造のクッションを開発しました。座面の前方は太ももを圧迫しないように柔らかく、中央はおしりの形に寄り添うことができる適度な柔らかさに、後方はおしりをしっかりと支えるためにやや硬い目に、長い時間、心地よく座り続けるための知恵の詰まったクッションです。
9/10 アンクルチルトリクライニング Ankle-Tilt Reclining くるぶし中心主義
人の身体が最もリラックスする状態は、全身を伸ばした寝ている姿勢だといわれています。「アンクルチルトリクライニング」は、座っている姿勢から寝ている姿勢までの軌跡をたどるように倒れ込むことができる機能です。足裏をしっかりと地面につけ、くるぶしを支点にすることで、腹部や膝など全身が徐々に開いていき、自然な姿勢でリクライニングしていくことができます。
10/10 メッシュ 心づかいを織り込みました

オカムラのメッシュは、ただ軽やかなだけではありません。たとえば、西陣織の伝統技術を応用して硬い糸と柔らかい糸の2種類でメッシュを織り上げ、ぴんとした張りと繊細で柔らかな触り心地を同時に実現させています。また、それぞれの椅子の役割や目的に合わせて種類や張り具合を変え、多様で豊かな座り心地を生み出しています。わずかな張り加減の違いで大きく感触が変わるため、すべてに仕上げを人の手で行っていきます。
展示会終了後も転用可能な素材で構成
展示空間をぐるりと囲む構造体については展示会終了後も転用可能な素材で構成しており、イスも再利用するとしています。
「ORGATEC TOKYO Awards」で準グランプリを受賞

また、同社は、「オルガテック東京2025」のテーマである「SHIFT DESIGN」をコンセプチュアルに表現した、デザイン性が高いブースを表彰するアワード「ORGATEC TOKYO Awards」で準グランプリを受賞しました。
準グランプリ受賞の評価ポイントについては、「座る」という行為そのものを、モノづくりの視点から改めて深く構築し直し、丁寧に向き合ってブースを作っていた点、単管を使ったシンプルなデザインでありながら、展示会場の中で象徴的な佇まいをしていた点、光の取り入れ方がシンプルで美しさが際立っていた点、見て体験するだけでなくさらに知りたいことをチェアマスターが丁寧に解説していた点などが評価され、準グランプリ受賞となったとしています。
出展者プレゼンテーションを開催
「手が未来を描く——空想と観察から生まれる、居場所のかたちPresented by OKAMURA」

また、会期2日目の6月4日(水)には、エクスペリエンスエリアで開催された出展者プレゼンテーションを開催しました。
同社は同セミナーにおいて、「手が未来を描く——空想と観察から生まれる、居場所のかたちPresented by OKAMURA」をテーマにフリーアナウンサーの武田 真一氏が進行。

登壇者は
小堀 哲夫氏:株式会社小堀哲夫建築設計事務所
五十嵐 僚氏:株式会社オカムラ アドバンスドシーティングデザインセンター 部長
嶺野 あゆみ氏:株式会社オカムラ ワークデザイン研究所 リサーチセンター
第1章 未来を描く/空想と手を動かすこと
第2章 感じる・観察する・対話する/目に見えないものを感じ取る力
第3章 居場所をつくる:空間との対話/身体の対話
として

「心地良い居場所」をテーマに建築や椅子を通じてどのように人の心と体に寄り添う場がつくられていくのか。空想し手で描き、観察し、そして考え抜いている3人の登壇者の思いをフリーアナウンサーの武田氏が聞き出しました。