JOIFA、ケルンメッセとの戦略的パートナーシップ(オルガテック東京の開催など)を2031年まで延長
ベーゼCEOが来日し2025年4月11日(金)中村会長と契約締結セレモニーを実施

一般社団法人日本オフィス家具協会(JOIFA)は、オルガテック東京を共催するケルンメッセ株式会社と戦略的パートナーシップを2031年まで延長することを2025年4月11日(金)に発表。同日、2025年4月11日(金)東京都中央区の同協会事務所で契約締結セレモニーを挙行しました。
同セレモニーには、ドイツからKoelnmesse GmbH CEO ゲラルド・ベーゼ氏が来日。日本オフィス家具協会(JOIFA)会長 中村雅行氏が出席し、契約を交わしました。
司会はJOIFA専務理事の貫名英一氏。
冒頭、開会に先立ち貫名専務理事より、同日の出席者が紹介され、また、契約概要の説明が行われました。

【出席者】
ケルンメッセ
Koelnmesse GmbH CEO ゲラルド・ベーゼ氏
ケルンメッセ株式会社 代表取締役社長 高木誠氏
プロジェクト ディレクター 松岡靖之氏
シニア マーコム マネージャー 丹野牧子氏
セールス&マーケティング エグゼクティブ イェレ ミーナライエン氏
一般社団法人日本オフィス家具協会
会長 中村雅行氏
専務理事 貫名英一氏
事務局長 内田道一氏
【契約概要】
◆ケルンメッセとJOIFAは、オルガテック東京を日本とアジア太平洋地域のオフィス家具業界の発展のために、今後も協力して継続・拡大していく。
◆オルガテック東京は、当初の5年間の開催に続き、2027年から2031年までの5年間開催することを契約する。
◆2030年の時点で両者が合意すれば、さらに5年間の延長を行うことができる。
次に
ゲラルド・ベーゼ氏と中村雅行氏による契約書サイン(並びに記念撮影)が行われました。

(立会人として高木氏と貫名氏も署名)
ケルンメッセ代表挨拶
ケルンメッセ代表挨拶をゲラルド・ベーゼ氏が行いました。ベーゼ氏は中村氏をはじめ出席者に感謝の意を述べ、また、現在の契約が満了になる前に新たな契約の調印ができることにも重ねて感謝するとした後、以下のように述べました。
「このような機会を設けていただけたということはJOIFAとケルンメッセが緊密な協力関係にあるということ。そしてこのオルガテック東京の将来に向けてその成功を確信しているということを示していると思いますし、また、今までの協力関係に関しても大変良い経験だということを感じている証拠ではないかと思います。特にケルンメッセとしてオルガテックというケルンのメッセのブランドが東京でもこのようなかたちで花開くことができているということを大変うれしく感じております。

ご存じのとおりケルンメッセは2024年に創立100周年を祝ったばかりで、オルガテックに関しても70年以上の歴史があります。我々のポートフォリオのなかでも主要な部分を成す見本市です。
そしてまた、日本のオフィス家具業界との方々との関係についても、JOIFAの方々そして日本のオフィス家具メーカーの方々、そしてまたデザイナーの方々と我々ケルンメッセの関係は数十年にわたって大変堅牢なものになっております。この堅固な協力関係を未来に向かってさらに拡大していきたいというふうに思いますし、このオルガテック東京が日本において新しくできつつある労働市場にとって重要なだけではなく、日本以外のアジアの国々にとってもさらに伸びていくことを祈念する次第です。
その意味で、そのポテンシャルは大変大きなもので、日本のオフィス家具の市場のポテンシャルだけではなく、日本のオフィス家具業界がアジアの他国に向けてその製品を輸出する、さらにその市場を伸ばしていくというポテンシャルも大きいものがあると私は考えております。
本日このようなかたちでテーブルの上に日独の旗が立っているのを見ましても協力の証ということを大変ありがたいことだと感じておりますが、今日世界を見渡しますとこのような協力関係だけが存在しているわけではなく、世界の状況というのは違う方向に向かっており、このようなかたちで日独が協力関係を深められるというのはとてもうれしいことだと思います。私たちは小さな分野かもしれませんが、その仕事のなかで日独関係がさらに深まり緊密化することに寄与できればたいへんうれしいことです。
またこの場を借りて、私は6月のオルガテック東京にデレゲーション(使節団)と共に会場を訪問することをお伝えします。
このデレゲーションはケルン市の市長が率いてくるもので、ケルンメッセCEOの私とケルンメッセの監査役会の会長、様々な分野のジャーナリストを伴いましてオルガテック東京に伺いたいと考えております。
その際ケルン市のレーカー市長(Henriette Reker氏)が中村会長とともにオルガテック東京2025のオープニングセレモニーを行いたいと考えておりますのでよろしくお願いします。」などと述べました。
JOIFA代表挨拶
続いて
JOIFA代表挨拶を中村雅行会長が行いました。中村氏は、
「ただいま無事に新しい契約を結ぶことができました。今回ドイツからはるばるお越しいただきましたケルンメッセのベーゼCEOには心から感謝を申し上げます。
先ほど司会の貫名専務理事からお話がありましたとおり、現在進行しております契約は4年前の2021年5月に締結した契約でございまして、当時はコロナ禍の真っただ中で契約を行って、第1回が2022年の4月に開催されました。思い起こしてみますと、どうなることかと思いましたが、ふたを開けてみると初回にもかかわらず2万数千人という来場者を迎えることができ、会場も非常に熱気に包まれたということを思い出します。2回目。3回目と来場者もかなり増えまして、3回目は4万人の来場となり、オルガテック東京も名実ともに日本というよりむしろ東南アジアのオフィス家具の展示会という位置づけが定着したような感じがいたします。

ここに至るまで、ケルンメッセ様とJOIFAの協力で行ってきたわけですが、その間にコロナ禍を通過して相当働き方の変化があったということが、非常に我々の業界にもインパクトを与えたと思っております。テレワークも当たり前になりましたし、それに加えてwell-beingのような考え方も導入されてオフィスの使い方やデザインを大きく変えました。併せてこの大きな変化のなかで、経営者のオフィスに対する関心がものすごく高まってきて、働き方と生産性ということを経営者そのものが関心を持ち始めた。それが投資につながっているというふうに思っております。そういうこともあり、最近ではオフィスのリニュアル需要というものが活発で、おかげ様で我々の業界は忙しい日々を送っております。
最近人材確保のために充実した広いビルに移りたいという需要が相当出てきておりまして、東京のこの再開発、東京だけでなく名古屋、大阪、福岡と非常に新しいビルが建設ラッシュでして、単価は高いのですが皆が移る。ということは、経営者が移っても生産性を上げるためには、オフィスを改装すべきだという意思の表れではないかというふうに思います。
振り返ってみますと10年前と今のオフィスでは何が違うのか。1つは共創空間というものが昔はなかったのですが、ここにきてどこの会社もどのオフィスも共創空間ができ始めた。もう1つ、面積からすると一人当たりの執務空間が広がってきた。その裏で何が減っているかというと役員スペースが減っています。ということは、役員は表に出て従業員、ワーカーと一緒に仕事をするという流れが出来上がってきつつあるのではないか、と思います。
そういう環境のなかで今年もオルガテック東京が開催されるわけですけれども、これからの働き方とか、オフィスのあり方とか、そのようなことを提案する場として非常に重要な展示会になってきた と感じております。
今回オルガテック東京を5年間、2031年まで継続することができました。このオルガテック東京が日本だけではなく、アジアや世界に向けてトレンドを発信する場所にできるように積極的に関与していきたいと思っております。今後オルガテック東京にぜひご期待をいただきたいと思っております。本日は本当にありがとうございました」などと述べました。
乾杯
両代表の挨拶の後主席者全員で乾杯のセレモニーが行われました。

質疑応答
乾杯の後両代表に対する質疑応答が行われました。
まずベーゼCEOに対して、5年間延長が決まり、今までの4年間を経てオルガテック東京の位置づけに変化があったかという質問にベーゼ氏は、
最初の契約2021年に準備をしていたその成果を今回の契約にも盛り込んだとし、その意味ではベースは同じだとしました。そのベースというのは、JOIFAとケルンメッセが相互に協力をすることによりこのオルガテック東京という見本市をプロモーションするということ、JOIFAでは参加する会員企業の参加を促進するということ、そしてまたこのオルガテック東京に国内および海外から専門バイヤーの人が多く来るための尽力をするということ、そしてまた、ケルンメッセが持っている国際的なネットワーク活用することにより、国際的な参加者を得るということとしました。そしてケルンメッセとしては色々な地域でローカルな経験、知見を発揮するということ、また国際的なレベルで同社が持っている発信力を利用してオルガテック東京を盛りたてていくという内容の協力というものになるとし、JOIFAとケルンメッセは今後も同一の方向性をもってこのオルガテック東京を発展させていきたいとしました。
また、出展企業の面からすると、その出展企業の質を今後も高いレベルで保持するということ、それは双方が同じ方向性として出展企業の質の確保ということを行って、重要な要点として行っていくこと。それと東京でオフィス家具における国際的なトレンドをオルガテック東京において見せるということを考えているとしました。
さらにベーゼ氏は、2021年当時、世界はまだパンデミックに覆われ、日本はオリンピックの問題もあったとし、そのような中で自分たちが2022年のオルガテック東京をスタートさせるということは大変大きな勇気のいる決断であったといいます。その意味では中村会長もいったとおり、自分たちは見本市の世界ではスタートアップであるとしていた。ところがそのスタートアップであったはずのオルガテック東京は意外に大きな反響を得ることができ、それに関しては自分も中村氏も大変驚いたのであり、ヨーロッパでコロナの影響が強かった時代に決定し開催をしたことは大きな勇気のいることだったと述べました。

次に中村会長に対して、今感じているトレンドについてはという質問に中村会長は、
コロナを通過してということがあるのだろうが、世界のオフィスが同じような傾向になってきたとし、写真をみただけではどこの国のオフィスかわからない。そういう傾向になっているので、アメリカ発のトレンドもあると思うが、東京発のトレンドが東南アジアを含めて1つの起爆剤になっていく可能性は非常に高い。そういうことを日本のオフィス家具業界が発信できるかが非常に大きいと思うとして、それをこのオルガテックで見せることができれば世界のオフィスを変えることができるのではないかと述べました。
さらに、今日本では固定席からフリーアドレスへまるっきり反対に振れているけれども、今度はフリーアドレスのデメリットが出始めていて、人が色々なところへ行ってしまってどこにいるのかわからない。違うところで働いている。チームで仕事をするために今のフリーアドレスが本当に良いのかという議論が出てきている。これはアメリカでも固定席に少し戻してはどうかという傾向が出始めていて、日本でも全部フリーアドレスというのもいかがなものかという議論があるといいます。そして、働き方そのものを少しずつ変えていくということをどのようなかたちで表現するのか。これは家具も同時に開発していかなければいけないが、そういう意味でのトレンドをつくっていきたいと思っていると述べました。
今から仮に5年後、たぶん相当、技術、世の中のデジタルの進化はかなり大きなものがあるとし、そういうものをオフィスの中に取り込んで仕事をするようになるとまた違う環境になるといいます。その辺を日本のオフィス家具メーカーがある意味で新しいトレンドをつくって世界に発信していく必要があるのではないかと思う、などと述べました。
オルガテックを日本で開催し、改めて日本で開催することの独自性についての質問に対してベーゼCEOは、
まずオルガテックを日本にもって来た理由が、日本はアジアにおいて大マーケットである。また、日本というマーケットは品質とそれとの関連における価格に大きな意味がある市場であるということがあったといいます。中国にもオフィス家具の大きな市場があり、そこではオフィス家具関係の見本市もたくさん開かれているもののどちらかというとそこで扱われている家具というのは下の方のセグメントであり、そういった意味でも日本の市場の重要性あるいはその特色というものを大事に考えたいと思ったとしました。それが日本にオルガテックをもってくるという考えのベースとしてあったが、もう一つ重要なのはJOIFAとの数十年に及ぶ親密な関係ということがあったといいます。JOIFAとケルンメッセは長い信頼関係があり、同社はコロナが過ぎたら、個々人の接触、対面でのコミュニケーションをとるライフイベントの重要な意味がまた回復するだろうというふうに考えていたとし、日本にオルガテックを持ってくる意味があると考えたとしました。
そしてまたこのパンデミックに関してデジタル時代になったとしても人々が集まってそれぞれ話し合い直接交渉するという見本市というものは意味を失うことは決してないであろうとも思ったこともあったといいます。
さらに東京という都市が世界的に見ても魅力的であり、インフラが素晴らしく、またデザイナー、建築家そしてファッションのメトロポールであるといえるということもあったとし、この東京という世界的な素晴らしい都市にオルガテック東京を持ってきたいと思ったと述べました。
東南アジアで注目している動きについての質問に対して中村会長は、
東南アジアだから遅れているというのではなく、日本の方が遅れているのではないかと思うくらい変わったオフィス、内装を含めて素晴らしいオフィスができている。シンガポールにしてもタイにしてもベトナムにしても相当いいオフィスができ始めているとし、デザインを大切にするというか働き方とそれに合わせたオフィスづくりというのが各国で出始めているということはその国々で新しいオフィスマーケットの需要ができ始めている裏がえしだとしました。
今日本は色々な働き方で進化し始めているけれども、東南アジアも負けずに新しいオフィスができているとし、国によって商習慣の違いはあるものの全体的にいうと本当にどこのオフィスかわからないいわゆるオフィスが出現しているというのが現実だとしました。
そして、これから日本のオフィス家具メーカーが新しい製品をつくれば東南アジアでも十分買ってもらえる、使える製品になっていくのではないか、などと述べました。
開催情報説明
セレモニーが終了し、ベーゼCEOと中村会長はここまでで退出。
その後は貫名専務理事と松岡プロジェクト ディレクターより直近の情報が説明されました。
来場者数4万人見込み 総展示面積 約20,000㎡
出展ブランド(企業数)は155社。(2025年4月11日現在)
その内
国内ブランドが83ブランド
海外ブランドが72ブランド
で海外の比率が高くなってきたといいます。
さらにそのなかでJOIFAの会員企業は29社で初回からあまり変化はないとしています。
出展場所については
東京ビッグサイト南1~4ホールの2フロアを使用
1Fが南1ホールと南2ホール
2Fが南3ホールと南4ホール
1Fでは「interzum showcase Tokyo」「Euro Product Zone」「企画展」などを展開
2F では真ん中にステージエリアを配置 大手企業を中心とした比較的大きなサイズのブースのブランドを展開するとしています。
今回はビッグサイトの改装の都合により、不本意ながら昨年の総展示面積 25,690㎡から約20000㎡へ縮小。2Fフロアに関しては全体のライティングを少し暗くしてブースやステージを浮き上がらせるような演出に挑戦するとしています。
2Fのステージでは、オルガテック東京アワードの表彰や出展者プレゼンテーションなど多くのメニューを展開予定。初日と2日目の17時以降はステージだけでなくステージの外も含めてフロア全体を巻き込むかたちでオルガテックナイトを開催するとしています。
オルガテック東京 2025
2025年6月3日(火)~5 日(木)/ 東京ビッグサイト 南展示棟1・2・3・4号館
イベントの詳細については、www.orgatec-tokyo.jp参照
オルガテック東京2025(予定値)
国内外から約150の出展者
来場者数4万人見込み 総展示面積 約20,000㎡
オルガテック東京 2024(第3回) 開催レポート
⽇本を含む世界13の国と地域から163社が出展
国内から92社、海外から71社が出展 (国内出展者⽐率56%)
来場者数 40,631 人 総展示面積 25,690㎡
(画像は一部ケルンメッセ様より頂戴しました)