NOPA、クリエイティブ・オフィスセミナー2024を開催
第37回日経ニューオフィス賞の受賞オフィスが講演
一般社団法人ニューオフィス推進協会(NOPA)は、2024年10月3日からクリエイティブ・オフィス・セミナー2024を順次開催。
テーマは、日経ニューオフィス賞受賞企業から学ぶ最先端クリエイティブ・オフィス
~従業員満足度を高めたオフィス~
開催主旨
開催主旨は、
「グローバル競争激化の中、企業経営は、知識経済化、働き方の多様化、また、労働人口の減少、脱炭素社会の実現等に加え、コロナ禍以降の様々な課題に直面しています。
本セミナーは、企業の経営目標の達成には、多様化、求心力、イノベーション創出、従業員のモチベーション向上等を実現する方策として、オフィスづくりが重要性であることを示し、それに具体的に取り組んだ企業(団体)の最新の事例を紹介することで、経営におけるオフィスの重要性を明らかにすることを目的としています。」
としています。
クリエイティブ・オフィスについて
クリエイティブ・オフィスについては
「経済産業省では、感性価値創造の実現にむけた経営学的方法論の導入促進として、「クリエイティブ・オフィス」の推進を掲げ、異分野の知識の融合により、社員の個性(感性・創造性等)を活かし、クリエイティブな現場力を向上させるための取り組みを促進するため、感性・創造性を高め、知識創造を誘発するオフィスの在り方をとりまとめ、産学官協力のもと、「クリエイティブ・オフィス推進運動」を展開しています。そして、オフィスの経営学的な研究を深め、セミナー等を実施することで、オフィスにおける感性価値創造を促進し、知的生産性の向上を図っています。」
としています。
クリエイティブ・オフィス・セミナー2024東京会場①を開催
2024年10月3日(木)には、クリエイティブ・オフィスセミナー2024東京会場①を東京都港区の機械振興会館で開催しました。
三栖会長が主催者挨拶
セミナー冒頭の主催者挨拶を
ニューオフィス推進協会会長の三栖邦博氏が行い「このセミナーは今年度の日経ニューオフィス賞で経済産業大臣賞、クリエイティブ・オフィス賞、ニューオフィス推進賞を受賞された全国16のオフィスの中から関東、甲信越にある11のオフィスと関東ニューオフィス奨励賞を受賞された4つのオフィスについて4回のセミナーに分けてオフィスづくりに関わられた皆様から直接お話をお聞きするものであります。
日経ニューオフィス賞の事業はニューオフィス推進協会と日本経済新聞社との共催によるもので、今年で37回目を迎えました。ご存じのようにこの賞の目的は、特に優れた先進的オフィスを顕彰し、ニューオフィスの具体的模範事例として広く社会に公表することによって我が国のオフィスづくりの普及と促進を図ることでございます。
本日から始まるこの一連のセミナーや、引き続いて実施される受賞オフィスの見学会も受賞企業のご協力をいただきオフィスづくりの普及活動の一環として位置づけるものでございます。
今年は日経ニューオフィス賞に全国から153件の応募をいただきました。この数は第3回の157件に次ぐ2番目に多い応募となりました。特に首都圏と近畿圏で昨年はやや少なくございましたけれども、前年比で1.5倍の数の応募がございました。また内容的には首都圏では、新築の超高層ビルへの移転も含め、テナントビルでのオフィスが多くみられました。また近畿圏では、昨年に引き続き研究開発系やイノベーションセンター系の新設建物が目立ちました。
応募数増加の背景にはコロナパンデミックを経て、経営環境や働き方が大きく変化するなか、ニューノーマルの時代を見据え、改めて企業の経営目的が見直される中で、従業員のQOLを向上させる好立地への移転、あるいはグループ会社の移転集結やM&Aなど、企業の交流と繋がりを強化する戦略的な組織再編がオフィスづくりの活況に繋がっていること、加えてオフィスへの回帰が鮮明となるなか、フリーアドレスやABWなど、従業員の自律性と選択性をベースとした対面重視の働き方の拡大がオフィス面積の増大につながっていることも応募数の増加に現れているとみています。
現地審査でオフィスを見せていただいて、実感したことの1つに、ラーニング、すなわち学習の体験が働くことのなかでますます重要になることがわかります。コロナ禍でのリモートワークの進展と対面ワークを再評価する動きがフリーアドレス化やABW化といったコミュニケーションとコラボレーション重視のハイブリッド型ワークスタイルへの変革を促し、そのことがオフィスの在りようを大きく変えてまいります。
そして今生成AIやVR、ARなどの高度ITの投入とデジタルトランスフォーメーションが加速する時代にあって、人材価値の最大化を目指す人的資本経営が重視され、人材の確保と育成が喫緊の課題となるなか、オフィスのラーニング機能のウエイトが増大し、ラーニングを重視する働きがオフィスそのものを変えていく傾向が見られます。
従業員1人ひとりがラーニングを通じて得られる成長実感は、エンゲージメントの増加や、ウェルビーイングの向上につながる、従業員への価値提供、すなわちEVPの重要な視点になるといわれます。DX推進の場としてのラボやスタジオ、ラーニングセンターの設置やラーニングをサポートしフォローするコンシェルジュの導入など、テクノロジーの活用を促進するラーニングオリエンテッドのオフィスづくりが急速に進みつつあると考えられます。
一方でDXを加速し、日々進化するITを駆使する時代だからこそ、豊かな感性を育む環境の整備も今まで以上に必要になってくると思います。今年の受賞オフィスの中にもワンフロア全体を日本の伝統的な美意識で隅々まで徹底してつくられ、感性が刺激される和の空間のオフィス、あるいは企業の歴史的資料を展示するアーカイブスと伝統木造建築の文化財を移築した庭園のイノベーションセンター、さらにはギャラリーや劇場を併設するオフィス、イベントホールや展示空間を持つオフィスなど、従業員の技術的な学びと体験、そして成長への意志と行動の変容を促す取り組みにオフィスづくりの新たな局面が感じられます。」などと述べました。
講演1 清水建設 温故創新の森 NOVARE
講演1では
第37回 日経ニューオフィス賞 ニューオフィス推進賞 <経済産業大臣賞>を受賞した
清水建設 温故創新の森 NOVAREについて
清水建設株式会社 設計本部 プロジェクト設計部3部 部長 牧住敏幸 氏が講演を行いました。
同社は、建築の原点はものづくりであり、温故創新の森 NOVAREはイノベーションセンターではなく温故創新の森だといいます。
「働く」ことが、人だけが作業することであるならば、空間しかいらないかもしれない。しかしそれが人だけではなく、知・もの・時との共同作業であるなら、こうした森をオフィスと呼んでいいのかもしれないといいます。その森というのは、活動の場だけではなく、循環・バランス・原動力の場で、土木からデジタルまで、経験から得た暗黙知の原理原則から、新たな創造を生むという温故創新の場だとし、そこから新たなワークが生まれてくるといいます。そして「NOVAREはショールームではありません 建築空間の可能性を信じ共に超えていく場です」などと述べました。
講演2 ベイカレント・コンサルティング 麻布台本社オフィス
講演2では
同ニューオフィス推進賞を受賞した
ベイカレント・コンサルティング 麻布台本社オフィスについて
株式会社ベイカレント
ビジネスオペレーションサービス 部門長 松永大輔 氏
Baycurrent Institute マネージャー 齋藤大暉 氏
が講演を行いました。
講演3 白水社 東京本社オフィス
講演3では
第37回 日経ニューオフィス賞 関東ニューオフィス奨励賞を受賞した
白水社 東京本社オフィスについて
株式会社白水社クリエイティブ統括部 チーフ 宮﨑翔 氏
が講演を行いました。
講演4 NOPA調査報告
講演4では
NOPA調査報告
ニューノーマル時代のオフィスづくりに関する調査報告書について
ワークスケープ・ラボ 代表 岸本章弘 氏
が講演を行いました。
内容については
1. 調査の内容
調査の視点と考え方
調査実施概要
2. 調査A・Bの結果分析と考察
調査A:オフィス変革の方策‐どのような方策を採用したか
調査B:オフィス変革の理由‐何のためにその方策を採用したか
3. 調査C・Dの結果分析と考察
調査C:オフィス更新の課題‐今後、対応を重視する要因
調査D:今後(5~7年後程度)の変化の方向性
4. 全体考察
オフィスづくりの変化
今後の課題と対応の方向性
ニューノーマル時代のオフィスづくり
について詳細な報告が述べられました。