イトーキ、6製品と1物件が「2024年度グッドデザイン賞」を受賞
「vertebra03 WOOD(バーテブラゼロサンウッド)」と「hako(ハコ)」は「グッドデザイン・ベスト100」に選出
イトーキは、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2024年度グッドデザイン賞」で7件受賞し、このうち特に高く評価された製品に贈られる「グッドデザイン・ベスト100」に、「vertebra03 WOOD(バーテブラゼロサンウッド)」と「hako(ハコ)」の2件が選出されましたことを2024年10月16日に発表しました。
受賞内容について
グッドデザイン・ベスト100
vertebra03 WOOD(バーテブラゼロサンウッド)
vertebra03 WOODは木製でありながら、自然と正しい着座姿勢に導くメカニズムを備えた快適な座り心地と軽快なフォルムを両立したワークチェアだといいます。3種の木カラーと4色の本体カラー、脚タイプは5本脚キャスター付きと4本脚など多様なバリエーションを持っているとしています。
(審査員コメント)
自然で温もりのある木素材と機械的な機能が違和感なく馴染み、仕事や作業に求められる快適性を保ちながらリラックスした佇まいを実現している。木目を活かしたカラー展開やファブリックとの組み合わせを可能にすることで、使用する場の選択肢を広げ、働き方への自由度を高めている。木工家具メーカーとの共同開発により生み出された3次元形状の木部には、それぞれの知見や技術力が理想的に反映されており、日本のものづくりの可能性を広げる優れた取り組みになっている。
デザイナー:株式会社デザインスタジオエス 柴田文江氏
hako(ハコ)
使う時も、運ぶときも、充電する時も空間に調和する佇まいの働く場所を制限しないポータブルバッテリーだといいます。背面にはストラップが付いており、オンライン会議などで場所を移動する際にも簡単に持ち運ぶことができるとしています。デザインのインスピレーションはpaper box で、インテリアと相性の良い色や紙のイメージに合う色など色彩を一定のトーンで調整。光沢を抑えることでガジェットらしさを抑え、デザインを意識させないデザインを実現したとしています。
(審査員コメント)
多様化するワークスタイルやデバイスの変化に伴い、近年ニーズが高まっているポータブルバッテリー。機能的で美しい佇まいに高い評価が集まった。シンプルな形状にUSBポート、充電状態を示すLED表示、電源スイッチなど、必要な機能が違和感なく配置されており、環境に馴染みやすいカラーや光沢を抑えた質感が、既存の製品とは一線を画す存在となっている。軽量で、本体背面に配置された持ち運び用のストラップも有用性が高く、働く場所を選ばずに生産性を向上させる環境作りに貢献している。
デザイナー:株式会社デザインスタジオエス 柴田文江氏
グッドデザイン賞
Feels(フィールス)
建築物の木造化・木質化に追随する内装の木質化に応え、居心地の良い空間を演出する突板仕上げの不燃パーティションだといいます。無垢材さながらの質感を再現するとともに防火性も両立し、統一感のあるデザインでユニット化することでオフィス空間の木質化をスマートにコーディネートできるとしています。
(審査員コメント)
木製のパーティションは殺風景なオフィスのインテリアを一新させることにつながるが、そのままでは耐火の観点で使用できない。本製品は下地に金属を用いて独自の貼り方を行なっているため、木製特有の温かみを持ちながらも工業製品としての精度を担保している点を高く評価した。また木製の建具のサイズ感を踏襲し、シートではなく突板を使用する事で、木製建具の印象に近づけることに成功している。
デザイナー:株式会社イトーキ プロダクトデザイン部 山本龍氏
common furniture Partition(コモンファニチャーパーティション)
「普遍であること。自由であること。」をコンセプトとした自由で創造的な空間を実現する家具からパーティションまで含むブランド「common furniture」シリーズの、これまでに無いパーティションだといいます。多様なフレームスタイル・面材・カラーを自由に組み合わせ、必要な機能と強度を具現化した、ニュートラルでありながら愛着のわくデザインを目指したとしています。
(審査員コメント)
コンセプトである「普遍であること。自由であること。」を見事に具現化している。多様化するオフィス環境に限らず、飲食店や物販店、ホテルなどの商業空間にも対応可能なクオリティを有している。機能、強度、フレーム、面材、カラーの組み合わせにおいて自由度が高く、柔軟に対応できるデザインであること。さらに、新設時の工事時間が短く、移設などが発生した際の解体・再施工にも対応できることは利点である。また、導入時における部品の現場ロス削減や、解体時の廃棄物ロス削減に対しても効果が期待でき、環境配慮の観点からも優れた製品である。
デザイナー:成瀬・猪熊建築設計事務所 (成瀬友梨氏、猪熊純氏、尾高凌氏)+株式会社イトーキ プロダクトデザイン部 加藤幸佳氏
sound sofa(サウンドソファ)
オフィスでのオープンな空間で行うWeb会議において、座る人と周囲の人の双方に快適な音環境を提供するボックス型ソファだといいます。ソファ背面に取り付けられた指向性スピーカーでWeb会議の音声を最適な範囲にコントロールし、座る人にはクリアに聞こえ、周囲への音漏れを抑えるとししています。
(審査員コメント)
デジタル機器や音響機器など、Web会議に必要な機能がボックス内に適切に組み込まれており、「座ると聞こえる」という新しい価値を提供している。周囲への音漏れを抑えながら、ボックス内での快適な会議を実現し、使う人と周囲の人双方にとって良い環境を提供することで、オフィスにおける音環境の問題を改善している。ディスプレイの見やすさやカメラへの写りやすさを考慮し、シートに角度をつけて配置するなど、Web会議に特化した工夫も高く評価できる。豊富な素材やカラーバリエーションが展開されており、さまざまなオフィス空間への対応が可能となっている。
デザイナー:株式会社イトーキ 商品企画部 佐藤宏樹氏
Workers Trail Hoteling Label(ワーカーズトレイル ホテリングラベル)
ホテリング(座席予約)状況をその場で確認できる予約状況表示ラベルだといいます。
シンプルで分かりやすい画面デザイン、ワイヤレス&操作レスで予約状況を可視化し、働く場所の選択と利用の円滑化を実現するとしています。
(審査員コメント)
Workers Trail Hoteling Labelのデザインは、シンプルで直感的なUIが特徴であり、働く場所の選択と利用を円滑にサポートする。電子ペーパーを活用したリアルタイムな空き状況表示や、その場での予約を可能にするQRコード機能により、オフィススペースの効率的な利用を促進し、完全ワイヤレス設計と柔軟な設置方法で多様なオフィス環境に適応可能な点が高く評価された。シンプルさと機能性が融合したデザインである。
デザイナー:株式会社イトーキ 商品企画部 高村恵花氏 石塚美晴氏
ITOKI TOKYO XORK 13F
オフィスワーカー基点で「Return to office for now」をコンセプトに、2024年にリニューアルを行ったイトーキ本社オフィス「ITOKI TOKYO XORK」の13階フロア。
オフィス回帰を目的として、共創、共働、共生の3つのテーマのもと、自然に人が集い、つながりを育む「居心地の良さ」のデザインを追求しながら、シームレスな働き方と環境に配慮した空間だとしています。
(審査員コメント)
このオフィスデザインは、ポストコロナの働き方を見据えた「行きたくなるオフィス」として高く評価できる。内と外の境界を曖昧にし、自然素材を巧みに取り入れることで、心地よい居場所を実現している点が優れている。また、照明設計による時間の経過と共に変化する空間の演出は、働く環境に外部の季節感や開放感を持ち込むことで、ワーカーの心身のリフレッシュを促す工夫が見られる。これにより、オフィスが単なる働く場所ではなく、人が集まりたくなる空間として再定義されている点が素晴らしい。
デザイナー:株式会社イトーキ ワークスタイルデザイン統括部 中村 晋也氏、槌田 美紀氏、海老原 祐介氏、福田 暁啓氏
グッドデザイン賞について
1957年に創設された日本で唯一の総合的なデザインの評価・推奨の仕組みだといいます。有形無形を問わず様々な物事を、デザインだけではなくプロセス、思想、意義などを総合的に評価し、審査委員会により特に高い評価を得た100件が、「グッドデザイン・ベスト100」として選定されるとしています。
(画像はイトーキ様リリースより)