オカムラ、トラスコ中山の物流拠点においてPROGRESS ONE(プログレスワン)」のピースピッキング作業自動化の実証実験を実施

自律・遠隔操作ハイブリッド型ロボットによる物流自動化ソリューション

オカムラは、トラスコ中山株式会社の協力のもと、自律・遠隔操作ハイブリッド型ロボットによる物流自動化ソリューション「PROGRESS ONE(プログレスワン)」の事業化に向けた取り組みの一環として、ピースピッキング作業の自動化を目的とした実証実験(以下同実験)を2024年4月から2025年3月の期間で行うといいます。同実験は、トラスコ中山の物流拠点であるプラネット埼玉(埼玉県幸手市)で実施するとしています。稼働しているロボットストレージシステム「AutoStore(オートストア)」の入出庫ワークステーション(専用ポート)に「PROGRESS ONE」のピッキングロボットを設置し、対象商品の事前登録が不要のAI(自動認識)を活用した自律ピッキングの検証を行うといいます。2025年度のプラネット埼玉での自律ピッキング実運用・稼働を目指すとしています。

同社は、今回の実証実験を通じて、「PROGRESS ONE」の事業化に向けた研究や開発を進めていくとしています。

「PROGRESS ONE」のピッキングロボットを設置した専用ポート

同社によると、物流業界における自動化・省人化の需要は年々高まっていて、ロボット技術への期待も大きくなっているといいます。特に、数万以上の多品種で複雑な形状や材質の対象物を扱う物流庫内作業においては、省人化を図るロボットの活用が求められているとしています。

同実験は、オカムラが開発中の「PROGRESS ONE」の実用性と効率性を実際の物流現場で検証し、事業化に向けた社会実装を進めることと、トラスコ中山が物流業務での課題である24時間稼働を見据えたピッキング・格納作業の自動化を推進するという両社の目的が合致することにより実現したといいます。

同実験では、プラネット埼玉で稼働しているロボットストレージシステム「AutoStore」の入出庫ワークステーション(専用ポート)に「PROGRESS ONE」のピッキングロボットを設置するとしています。「AutoStore」に格納されている約1万SKU(商品の最小管理単位)の商品から対象商品をポートに呼び出し、ビンと呼ばれる専用コンテナからロボットが自動でピッキングを行うといいます。対象商品の事前登録が不要なAI(自動認識)を活用した自律ピッキングの検証を行い、自律ピッキングできない場合は、ロボットシステムの操作画面上のタッチパネルを使用した手動操作により自律ピッキングの補助を行い、遠隔での操作性についても検証するとしています。

自律ピッキングの様子

手動操作による補助

同実験は、物流自動化ソリューション「PROGRESS ONE」の事業化に向けた重要な一歩となるといいます。同社は、今後も革新的なロボット技術の研究開発を進め、物流作業のさらなる自動化・省力化を推進し、生産性向上に貢献するとしています。

「PROGRESS ONE」について

「PROGRESS ONE」は、オカムラが事業化を進めている、AIを搭載したロボットによる自律ピッキングとロボット単独では難しい作業を遠隔操作技術の活用により、人が倉庫から離れた場所でロボット操作を行い遠隔でピッキング作業を行うハイブリッド型の物流自動化ソリューションだといいます。AIを活用したロボットの自律動作とオペレーターによる遠隔操作を使い分けるハイブリッド動作制御を実現し、従来の自律型ロボット単独では難しい作業や多種多様な商品への対応が可能だとしています。

AI搭載ロボットを操作するオペレーターは、倉庫から離れた都市部や住宅地などの利便性のよい場所に設けられたオペレーションセンターへ勤務し遠隔操作を行うことができ、物流現場での新しい働き方を実現するといいます。これにより、従来の運用では時間や場所、身体などの制約によって物流現場で働くことが難しかった働き手へ雇用を創出するとしています。

「PROGRESS ONE」という名称は、"Picking Robot of Grateful Engineering Smart System"の略称であると同時に、物流業界における働き方を前に進める一助となるとの意味を込めているとしています。

(画像はオカムラ様リリースより)

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