オカムラ、オカムラグランドフェア2026を開催
コンセプトは「Wedentity(ウィデンティティ)」 心地よい境界をつくることで人と人をつなげる家具を発表
まざりつながる働き方を実践するリニューアルオフィスを公開
オカムラは、11月12日(水)から「Okamura Grand Fair 2026 (オカムラグランドフェア2026)」をオカムラ ガーデンコートショールーム(東京・千代田区)にて完全招待制で開催しました。

コンセプトは「Wedentity(ウィデンティティ)」
「オカムラグランドフェア2026」は、「Wedentity(ウィデンティティ)」がコンセプトだといいます。
「Wedentity」とは、個性と個性がつながり合うことによって最大化される「わたしたち」としてのアイデンティティのことだといいます。一人ひとりが自立して働きながら組織として大切にしているビジョンや目指す未来を共有し、「わたしたち」としてまざりつながって多様な活動を進めていく、これからのオフィスのあり方を提案するとし、心地よい境界をつくることで人と人をつなげるというオフィス家具を発表・展示しました。
さらに、実際に同社の社員が働くオフィス「We Labo」に新製品を設置し、「Wedentity」をより体現する場としてリニューアルしたといいます。さまざまな部門、職種、役職の人が自然とまざりつながる働き方を実践しているリニューアルしたオフィス「We Labo」(ニューオータニガーデンコート25階)を公開しました。
また、シーティングのバリエーション追加、ワークブース「テレキューブ by オカムラ」の追加品ぞろえ、自治体市場や食堂空間向け家具などを発表・展示しました。
「オカムラグランドフェア2026」で発表した主な新製品は以下のとおりです。
ブレンディングファニチュア 「YAA(ヤア)」
シーティング「Sylphy(シルフィー)」の新色として、張材5色、ボディカラー1色
カンファレンスシーティング「Flotte(フローテ)」のラグジュアリータイプ
ワークブース「TELECUBE by OKAMURA」シリーズの天井クーラータイプ
フレームシステム「Casing(ケーシング)」
自治体向けフレキシブルカウンター「koloka(コロカ)」
食堂空間に適した製品、ユニットソファシリーズ「Bresta(ブレスタ)」のラウンド形状のソファで構成されるU字ブースセット、カフェチェアシリーズ「Amita(アミタ)」の樹脂タイプ、「Lives Meeting Table(ライブスミーティングテーブル)」のハンギングタイプ
ホテル向け無人荷物預かり保管庫「BAGGAGE STATION(バゲッジステーション)」
記者発表会・記者内覧会を開催
2025年11月10日(月)には一般公開に先立ち「記者発表会・記者内覧会」を開催しました。

中村社長が冒頭の挨拶ならびにオフィス市場のトレンドを解説
記者発表会の冒頭、挨拶に立った同社代表取締役 社長執行役員 中村 雅行 氏は
「当社グループは、パーパスである「人が活きる社会の実現」に向け、「豊かな発想と確かな品質で、人が活きる環境づくりを通して、社会に貢献する。」をミッションとしております。企業価値のさらなる向上と社会課題の解決に取り組み、すべての人々が笑顔で活き活きと働き暮らせる社会の実現を目指しております。

当社株式会社オカムラは、2025年10月10日に無事創立80周年を迎えることができました。これもひとえにここにご参集いただいた皆様方の長年にわたるご支援ご厚情の賜物と深く感謝申し上げます。
1945年、昭和20年、終戦と同時に設立に賛同した航空技術者を中心に、資金、技術、労働力を提供し合って「協同の工業・岡村製作所」としてスタートを切りました。その創業の精神は、「創造、協力、節約、貯蓄、奉仕」の5つの言葉からなる社是とし、これを各部署に掲げております。これを受けた基本方針がありまして企業文化の定尺になっているわけですけれども、もう1つ「よい品は結局おトクです」というモットーを昭和30年代に掲げて今までやってまいりました。業界に先駆けて世界と戦える製品をつくろうということでやってきたわけですが、お客差のニーズを的確に捉えたクオリティの高い製品とサービスを社会に提供することに努めてまいりました。これからも、「オカムラのDNA」としてオカムラグループの経営と事業活動に受け継いでいきたいと思います。
ご承知の通りオカムラグループはオフィス以外にも、教育・医療・研究・商業施設、物流センターなど、さまざまなシーンにおいて、クオリティの高い製品とサービスを提供することに努めています。持続的な成長に向け、新たな需要の創出と変化に対応できる経営基盤強化を図るとともに、事業を通じた社会課題解決に取り組みます。
2024年3月期から今期2026年3月期までの3カ年を対象とする「中期経営計画2025」を 策 定し今期が最終年度ですが、基本方針として「新たな需要の創出」を目指して、色々な改善と行っております。時代の流れを捉え、提案力と製品力を磨き、「需要創出型企業」への変革を加速していきたいと思います。
オフィス市場のトレンドについて ―オフィス回帰と人財獲得競争
オフィス市場のトレンドについて少し申し上げます。オフィスを取り巻く状況ですけれども、オフィス回帰、コロナが終わって数年経ちますが、オフィスに出勤する率が増えてまいりました。もう一つ人材獲得競争があり、働き方を随分変えていかなければいけない、それから従業員の働きがい、生産性の向上、コミュニケーションの向上というあたりが非常に経営課題として大きく取り上げられるようになってまいりました。このことについて経営者は非常に関心を持っている。ということでオフィスに対する投資が前向きに進み始めています。まあそういうこともあってオフィスのリニューアル需要が活発に行われております。このトレンドは、多分景気が壊れなければしばらく続くのではないかと考えております。

コンセプトは「Wedentity」
オカムラグランドフェアは「Wedentity」というテーマで11月11日から14日まで完全招待制により開催させていただきます。個性と個性がつながり合うことによって最大化される「わたしたち」としてアイデンティティを持ちながら働いていく。同じ方向に向かって走るということが非常に重要な時代になってまいりました。その時代を捉えてこの「Wedentity」というテーマで新製品発表会を開催させていただきます。
また25階の弊社の社員が働くオフィス「We Labo」の新製品を設置して「Wedentity」をより体現できる場としてリニューアルいたしました。ぜひご覧いただいて色々なご意見をいただければ幸いでございます。
最後になりますが、80年の歩みのなかで培ってきた経験と信頼を礎に、これからもオカムラブランドを選び続けていただける製品づくりをめざしていきたいと思います。そして新たな時代の変化のなかで、何か面白い答えを出す会社、課題解決をしてくれる会社でありたいと考えております。これからも時代の変化に対応しながら、皆様から愛される企業を目指していきたいと思います」などと述べました。
河野専務がオフィス市況、オカムラグランドフェア2026コンセプト、リニューアルオフィスおよび新製品について説明
続いてオフィス市況、オカムラグランドフェア2026コンセプト、リニューアルオフィスおよび新製品についての説明を同社取締役専務執行役員 オフィス環境事業本部長 河野 直木氏が行いました。

河野氏は、
「オカムラグランドフェア2026の記者発表会にお忙しいなかお越しいただきまして誠にありがとうございます。早速ご説明に入りたいと思います。
皆様のお手元にお配りしている「ナレッジ」という冊子、今回展示会でお客様にもお配りするものですけれども、こちらは私たちのワークデザイン研究所の研究部隊がつくったものでございます。
このワークデザイン研究所というのは設立して45年が経っておりまして、働くの研究や未来の働くの研究、未来のオフィス、そして製品に必要なさまざまなエビデンスなどを研究発表しています。2000年以降だけでも社外研究機関の研究などで学会発表は236件。研究冊子の発行、書籍の発行なども行っております。
この中には「持続可能なチームをつくる」ここには一体感を高めるような空間づくりがポイントであるとか、チームで集まれる場所をつくることが重要だなどということが書いてありますし、「集中できるオフィスの条件」ところでは、執務席以外にも集中できる場所を設けることがとても重要だとか、集中には個人差があって4つのタイプの人に分かれるというような魅力的な内容がたくさん含まれておりますのでぜひご覧いただければと思います。
オフィスは経営課題の解決に貢献する 働きがいとコミュニケーション
この中にも書かれているのですけれども、オフィスは経営課題の解決に貢献するのか。答えは貢献する、ということで、最近この経営課題を解決する為のオフィス改装が様々行われているということでございます。
これ毎年行っているのですが、「自社で感じている経営課題」を経営層に聞きました。人材の育成、人材の採用・確保を従業員の生産性、働きがい、などが挙げられます。それをオフィス空間の見直しで改善ができる経営課題は何ですかといいますと、「働きがいの向上」、これ実は去年出てなかったのですね。これが今年はここにも、ここにも出てくるということで、働きがいということとてもランクがジャンプアップしている。また「リスク管理」というところが昨今の色々なランサムウェアなどによってもこういうものが経営課題につながっているというのが特徴的でした。引き続き変わらないのは、この「コミュニケーション」っていうところがとても重要だという、社内外を超えたコミュニケーション。さらには、これまた別の調査なのですけれどもオフィスの価値とは何ですかという質問に対して、経営層はコミュニケーションの取りやすい、同僚や上司、部下との仕事に関するコミュニケーションがとりやすいということ。ワーカーもやはりコミュニケーションは上位にくる。
コンセプト「Wedentity」について説明

ということで、今回の私たちのこのグランドフェアのコンセプト「Wedentity」、こちらは多様な個性を持った、強みを持った一人ひとり「I(アイ)」が、自立して働きながらビジョンとかミッションとか目指す方向を共有しながら「We(ウィ)」として繋がって働いている。共同して働いている。絵にするとこうバラバラに個性を発揮しているところが同じミッションに向かって働いていけるのが最も強い組織であるのだということをこのフェアで訴求したいと考えています。
そして昨年の展示会、フェアでは「コト」と「モノ」これをこのショールームで人の住んでいないのに両方訴求したのですけども、わかりにくいという声が随分ございました。今年はこの「We Labo」という私たちが実際働いているオフィスで「コト」を中心に説明し、そして3階のこのショールームでは「モノ」を中心に説明するという形でわかりやすく分けて説明することといたしました。
ちなみに26階も24階も改装をしているのですけれども、今回のフェアではこの25階をお見せする予定となっております。
新製品を紹介
「まざりつながる」ブレンディングファニチャー「YAA(ヤア)」

そして新製品はこのローパーティションでもないソファーでもない、新しい家具のカテゴリー、オフィスの人が「まざりつながる家具」ブレンディングファニチャー「YAA(ヤア)」。こちらが今回の目玉の商品でございます。
ではなぜ今「まざりつながる」なのか。オープンなオフィスでは「オープンすぎて落ち着かない」とか、「ちょっとした会話すらしづらい」という声が最近よく聞かれます。これを「YAA」という新しい商品によって空間をかき混ぜる。そして適度にこのように仕切っていくことによってこのような隠れ家的な場所がたくさんできて会話がしやすくなる。そしてヤア、ヤアと会話が生まれて、オフィスに活気が出て、そして、イノベーションが起こる。これがブレンディングファニチャー「YAA」の役割となっています。
美術館のような「YAA」の展示とCMFコーナー「マテリウム」

こちらの空間、このガーデンコートショールームの3階、「YAA」を展示している場所ですけれども、今回は新製品を品よく際立たせるために美術館のようなこういった空間といたしました。またこの先の方には、業界初として大きなCMFコーナー「マテリウム」というコーナーを設置しております。ここではさまざまな内装材とかオカムラの製品の素材を比較検討したり、色を決めようするためのコーナーとなっておりまして、これから設計事務所様ですとかデザイン会社様ですとか販売店のデザイナーの方々ですとか、もしくは私たちのデザイナー、このような方々がまざりつながって新しい協創の場として機能することを期待しています。

今回の「コト」を中心に提案するガーデンコート25階の「We Labo」では、「YAA」をふんだんに使いましてこの人がまざりつながっている様子、コミュニケーションが活性化する様子を実際にこの人が住んでいる場所でお客様にご体感、ご体験、ご覧いただこうというものでございます。
その他の新商品の紹介
ええここからはその他の新商品をいくつかご説明申し上げます。
「Sylphy(シルフィー)」の新色を追加

まずは「Sylphy(シルフィー)」。こちらは2026年1月で発売以来12年を迎えます。これまで本体カラーは黒と白だけでしたけれども、近年のトレンドカラーに合わせてダークグレー色のフレームを追加しまして、またファブリックも従来ヴィヴィッドの色が多かったのですけれども、グレイッシュトーンですとか、このブラウン、サックスブルー、グラスグリーンといったミディアムのグレイッシュトーンの新色も用意させていただきました。
「Flotte(フローテ)」のラグジュアリータイプ追加

続いて「Flotte(フローテ)」。こちらはすでに今年の8月に既に発売しております高級カンファレンスチェアですけれども、さらにラグジュアリー感を出すために本革に意匠的な装飾を加えました。1つ目は、しわをあえて残したデザインで柔らかさを表現したり、放射線状にステッチを入れることによってラグジュアリー感を創出。またダイヤ型に縫製を加えておりまして、ここにさらに細かい意匠を加え高級感を出しているなど、このような新たな加工をした製品を参考展示いたします。
「Casing(ケーシング)」

次に、「Casing(ケーシング)」。収納やコートハンガーなどを並べて行きますと大変デザインがバラバラで統一感がなくて汚いのですけども、そこでこの「Casing」を使い綺麗に覆うことでまるで壁面造作収納の様な一体感のある納まりをつけていけます。造作や建築工事は費用も時間もかかりますけれども、家具として対応できますので、大変リーズナブルでなおかつ工期も短縮できるという商品でございます。
「koloka(コロカ)」

続いて「koloka(コロカ)」。自治体とか病院などの窓口業務向けの組み替え型のフレキシブルカウンターです。繁忙期や閑散期によって窓口の数を変えたり、もしくはカウンターのレイアウトを変えたり、工具なしでお客様自身でレイアウト変えることができるという、特に自治体からの要望の強い商品です。
「Bresta(ブレスタ)」U字ブースセット、「Amita(アミタ)」樹脂タイプ、「Lives Meeting Table(ライブスミーティングテーブル)」ハンギングタイプ
またこちらの三つの商品、ユニットソファシリーズ「Bresta(ブレスタ)」U字ブースセット、カフェチェアシリーズ「Amita(アミタ)」樹脂タイプ、「Lives Meeting Table(ライブスミーティングテーブル)」ハンギングタイプ。
まずは「Bresta」のU字ブースセットです。こちらは品揃えの追加ですけれども、従来造作でつくっていたようなものをこのように標準化をしたというものです。斜めに座ることによって視線が逸らすことができカジュアル感を増すためにコミュニケーションも増える、こういった効果もございます。またこの対面型のファミレスブースに飽き感が来ているお客様、ここに目新しさなどを提供する。

続いてこちらの「Amita」樹脂シェルタイプというものを品揃えしました。背と座を樹脂性にすることで既存の整形鋼板タイプよりも約600g軽量化に成功しました。また脚端の先端のところの樹脂を見直すことによって、イスを引いた時にガガガといういう異音が鳴らないように改良を加えております。

「Lives Meeting Table」ハンギングタイプ。こちらはイスをテーブルにかけることが可能で、食堂やカフェなどで床の清掃がしやすいということが特徴の製品です。これら3つはいずれも最近大流行りの食堂という空間に向いている商品となっております。
「TELECUBE by OKAMURA」天井クーラータイプ

最後は、「TELECUBE by OKAMURA」シリーズの天井クーラータイプ。1人用も多人数用も
天井クーラー付きを品揃えしました。この夏に床置き型のクーラータイプを発売したのですけども邪魔だとか座りづらいというような要望もあったために、天井に設置をすることで「TELECUBE 」の中の内装を大きく使うことができるという商品です。ちょっと今寒い時期にこのクーラーはどうなのかということではあるのですが、大変要望の多い商品であったため早めに出しまして来年の夏に向けて早々と用意した製品です。
「BossDesign(ボスデザイン)」

そして「BossDesign(ボスデザイン)」。皆さんご存知のとおりだと思うのですけれど、今回のこのグランドフェアで「Boss」製品の日本で拡販する商品をお披露目いたします。主にデザイン事務所や販売店様のデザイナーの方々を中心にご提案してまいりますけれども、来年の1月には、これらの方をお呼びするイベントですとか、カタログとかWebサイトも立ち上げる予定でおります。また来年6月までには国内の内製化も図りまして納期対応とかも図っていく所存でございます。
「Chair isn't」が11月22日(土)オープン

最後にこのフェアに合わせてB to C向けのショップ「Chair isn't」が11月22日オープンします。生活者の椅子の固定概念をひっくり返したい。「Chair isn't just for office.」「Chair isn't just for looking.」「Chair isn't just for sitting.」ということで単にオフィスのためだけ、座るためだけ、見た目だけのものではなくて、イスというものは人生を動かすものである、とか、あらゆる暮らしを豊かにするものなのだという新たな可能性を訴求したいと考えています。中に入りますと試座をはじめとする製品の体験、またチェアマスターによる人間工学に基づいたアドバイスやセミナーまたワークショップなど、参加型のイベントも行う予定です。
ということでこの80周年という節目の年にショールームそしてLaboを大改装致しました。
オカムラのブランディングの一環として、オカムラの卓越したものづくり。そして家具業界で新たな需要を創出して行くんだというこの思い。そして上質感を体感できる空間としています。」などと述べました。
続いて、今回のグランドフェアのコンセプト動画が上映されました。
新製品「YAA(ヤア)」についてー領域と領域をまたいでまざりつながる
次に、展示エリアにおいて、新製品「YAA(ヤア)」について、同社オフィス環境事業本部 開発創造本部 プロダクト企画開発部部長の髙橋 卓也氏が説明を行いました。
髙橋氏は「今回皆さん入っていただいた第一印象としてショールームの印象が変わったと思っていただけるとすごく嬉しいのですが、今回の展示コンセプトが、まずここで「YAA」の製品のことを知っていただくということで、床も600グリッドでサイズを構成しましてできるだけシンプルに展示を展開しております。「YAA」の製品がシンプルであることもそうなのですが実際にこの形状等を引き立たせる為にこの様な空間をつくっています。

今回の「YAA」は、先ほどコンセプトの説明でもありましたが、オフィスがオープンになりすぎて少しコミュニケーションが取りにくいなみたいなことも私自身も少しあるかなと思います。相談するのも別の場所に行ったりなどオープンになりすぎて、居心地がよくないなということがある。そういう時この「YAA」のパネルを少し添わせるだけで少し安心するというようなことを今回この部屋では展開しています。
こちらでは、このようなオープンなパネルを中心に展開しておりますが、布で覆われたタイプもございます。今回、こちらで見ていただきたいのはただのパネルではなく、ただのソファーでもなく、空間を少し緩やかに仕切るような「まざりつながる」ための空間の一部にこの「YAA」を入れることで交流が生まれるというところです。
今までのローパーティションですと、部屋の中、区切ったところの中で打ち合わせをしたりという閉じるための仕切りだったのですが、この「YAA」は、まざりつながるためにところどころ緩やかに仕切るということになります。領域と領域をまたいでまざりつながるような感じになっております。
具体的に製品を説明しますと、通常のパネルのタイプと布以外に木目ルーバータイプとか紐のタイプという品揃えを持っております。また通常の直線タイプだけでなくコーナータイプでラウンドタイプと120度のタイプ、そして90度タイプがあるのですが、これを組み合わせることで色々な組み合わせができるというのが特徴になっています。色々なパーツを組み合わせていくことで色々な仕切り方ができるというのがこの「YAA」の特徴になっております。

また、通常のローパーティションですとフレームが強く出てしまい、一枚一枚分断されるのですが、できるだけ製品をシンプルに見せるために、綺麗に面でつながるということを意識してできるだけフレームを細くしておりますのでそちらも合わせて見ていただければと思います。
さらに、こちらの「YAA」のパネルについては一枚一枚抜くことができます。今までのローパーティションですと端から順番に組んでいくような構成だったのですが、レイアウトの自由度を高めるためにところどころ、いらない場合は、ボルトで留めているだけですのでそこを抜いたりすることもできますので、レイアウト変更に非常に対応しやすくなっております。
オフィスのなかにランドスケープ
「YAA」を展開するにあたり、パネルの形状に合わせてソファーの品揃えもございます。こちらのソファーも「YAA」のシリーズとして品揃えしております。
アールをつくるというのが非常に今回私たちこだわっておりまして、高さ方向にこう緩やかにアールをつけて高さを変えるということで、オフィスを見た時の景観が少し新しい印象に変わるということでオフィスの中でもランドスケープをつくるというデザインをしております。
また、こちらのテーブルは、今回参考展示ということであえてこの「YAA」をまたいで両方にこう混ざりながら働くということでテーブルを今回参考展示しており、製品化を目指して開発を進めております。

こちらの「YAA」はファブリックを張ったタイプになります。一番こだわったのはフレームがなく一枚の布が全部通る、つながりもあるデザインというところを意識しており、シームレスなデザインというのを追求しております。このエンドのところもフレームがすごく細いのが特徴になりますのでフレームを感じさせないデザインを見ていただければと思います。

リニューアルした「We Labo」を披露
次に場所をニューオータニ・ガーデンコート25階に移し、実際に同社の社員が働くオフィス「We Labo」に設置している新製品「YAA」を中心にリニューアルしたオフィスの説明が行われました。
説明は同社オフィス環境事業本部 働き方コンサルティング事業部 スペースデザイン部 クリエイティブディレクターの松本 祥昌氏が行いました。

コンセプト動画概要
まず、コンセプト動画が上映されました。コンセプト動画では、
オフィス「We Labo」では、同社が掲げる「Wedentity」という働き方を実現するために人と人が混ざりつながる空間設計や家具のレイアウトを行ない社員自らが実践しているといいます。特徴の一つは自然の要素をふんだんに取り込んだバイオフィリックデザインに基づく空間設計。木陰に人が集まるように、植物や木漏れ日は働く人々の心理的な安心感やゆとりを生み出し無理のない交流を促すとしています。
もう一つの特徴は「YAA」などの新製品を導入したレイアウト。社員同士の気軽な雑談から社外の人との打ち合わせまで、様々な交流が生まれる家具が実験的に配置されているとしています。
フロアは三つのゾーンから構成されているといいます。
1つ目は入り口付近にある他拠点の社員とまざりつながるゾーン。2つ目は24階や26階にもある「We Labo」の社員同士でまざりつながるゾーン。
3つ目は奥にある、作業ブースが並ぶ個を大切にしながらまざりつながるゾーン。
職種も部署も役職も時には社内外の壁も緩やかに超えて、あちらこちらで自然と雑談や交流が生まれる「Wedentity」という働き方。このオフィスのデザインはオカムラにおけるその一つの例だといいます。自分の会社のオフィスはどんな「Wedentity」のカタチになるのかそんな想像をしながらフロアを巡ってみてほしいとしました。
松本 祥昌クリエイティブディレクターが「We Labo」を案内
松本氏は「今見ていただきました通り「Wedentity」すなわちまざりつながる働き方を今回25階のオフィス改装を通じまして我々なりに実践していこうというところと、弊社のお客様に私たちが実際に働いている様子を見ていただこうというような環境を、オフィス改装を通じて設計デザインさせていただきました。まざりつながる環境を実現するために「バイオフィリア」、まるで大きな木の下の木陰の中で皆様が自然と集まり、会話が始まるような環境ができないかなというところでこういったインテリアのデザインをさせていただきました。

環境全体としましては、なるべくサスティナブルな素材を使おうというところで、床にナラ枯れ材を使ったりですとか、テーブルは弊社のチェアの残材をリサイクルして天板にしたりですとか、2024年の能登の震災の海洋ゴミをリサイクルしたようなもので天板をつくるといったような、なるべく石油由来の素材を減らしながら質感のあるものを使ってインテリアといったものをデザインしていきました。全体では、「YAA」というブレンディングファニチャーをふんだんに使いながら、新製品でありながら我々がすでに2~3週間使っておりますので、その様子を実際に見ていただこうというようなオフィスになっています」などと述べました。

ブレンディングファニチャー「YAA」で領域を作成
25階では新製品の「YAA」を3階で見たものと違った色のもので領域を作成し展開。囲われすぎず、閉じすぎない空間を「YAA」を使いながら構成。お互いの存在を感じながら働くことができてそれがオフィスに来て働くということに繋がっていくとしました。
通常のテーブルのタイプや、高いあのシートポジションで仕事ができるというようないくつものバリエーションで仕事ができる環境をつくっており、その中を自主的に選びながら働く環境を「YAA」を使いながら実践しているというような環境になっているといいます。
さらに色々な場所を選びながら自律的に働くということに関して、ワークデザイン研究所が研究を進める中で、生産性や創造性が2倍くらい感じるという検証結果が出ているとして、このような環境をこれからの働く環境として求められるのではないかというところを実証実験をしているといいます。
たとえば丸テーブルで、皆で自然と顔を見合わせながら仕事をするとか、その真ん中にレゴを置いたりして、話のチェックインに利用するという環境や、10㎝ほど床を低くしたソファーのゾーンをつくるなど環境を変えながら需要の有無を検証しているとしました。


個を大切にしながらまざりつながるゾーン
作業ブースが並ぶ個を大切にしながらまざりつながるゾーンでは、床に檜のチップを敷き詰めたゾーンを構成。オフィスでありながらも床の素材を変えることで、音や匂いを感じながら「YAA」を使ってよりパーソナルな、豊かな環境のなかで仕事をする環境をつくったといいます。少し落とした照明や植栽も多めにし、囲われ感を醸成するとしています。97㎝から127㎝まで色々な高さの「YAA」を使ってランダムな高さでランドスケープ状に構成されたワークブースが表現できるのも「YAA」ならではの環境だと思いデザインしたとしました。


質疑応答
続いて質疑応答が行われました。
「YAA」とそのほかの製品、例えば「ワークキャリアー」などとの親和性についての質問に対しては、
「YAA」は、基本的にはこの製品だけのコーディネートだけではなく、他のものとも一緒に組み合わせて使うものになるので、ワークキャリアーはチームで集まるチーム用のテーブルデスクなので、テーブルのところにワークキャリアーを置くみたいな形で考えているといいます。ワークキャリアーとワークアイルについては、どちらの製品も直線ではなく少しアールを入れたデザインになっているので、今回の「YAA」との相性がすごくいいといいます。直線的に並べるのではなく少しずらしながら展示できるというのが特徴だとしました。
記者内覧会で展示を公開
その後、再び3階のガーデンコートショールームに戻り記者内覧会が開催され、新製品を中心とする展示が公開されました。














