コクヨ、「ingCloud(イングクラウド)」を2025年6月3日「オルガテック東京2025」で初披露

コンセプトは「dive in. そして、身体の一部になる。」

コクヨは、2025年6月3日(火)〜5日(木)に東京ビッグサイトで開催される国際家具見本市「オルガテック東京2025」で、2025年冬に発売予定の新型オフィスチェアー「ingCloud(イングクラウド)」を先行発表しました。

同社は「働きがい」が企業経営の重要なテーマになっている昨今、企業が目指したい姿へと持続的に成長していくためには、ワーカーひとりひとりの「働きがい」をサポートすることも重要であると考えているといいます。
そこで同社は、オルガテック東京2025のコクヨ展示ブースで、同社が「座る」という行為に真正面から向き合い開発を進めてきたという新型オフィスチェアー「ingCloud」を先行してお披露目したとしています。

コンセプトは「dive in. そして、身体の一部になる。」

「ingCloud」のコンセプトは「dive in. そして、身体の一部になる。」だといいます。


同チェアーのリーフレットの冒頭には以下のような記載があります。

圧倒的な浮遊感に、あなたの身体は驚くだろう。
それは、「すわる」より「まとう」に近い感覚。
未体験の新機構・3Dウルトラオートフィットが
体圧を流動的に分散させることで、
いかなる姿勢でも身体と一体化し、かつてない没入感を実現する。
思考を研ぎ澄ます。想像力を解き放つ。
その過程であなたは、この椅子の存在さえ知覚しなくなる。
ingCloud
他の椅子には、戻れない。
Coming in Winter 2025.

新開発の「3Dウルトラオートフィット機構」を搭載

同製品は、働く人の身体の自由な動きをサポートする「ing(イング)」シリーズの最新モデルとして、新開発の「3Dウルトラオートフィット機構」を搭載したといいます。ワーカーの快適性と集中力のさらなる向上を目指した、次世代のオフィスチェアーだとしています。

座面下、背もたれ、肘掛け部の3カ所に搭載し、身体の動きに合わせて柔軟に可動するトリプルグライディングと、従来のオフィスチェアーによく見られる背もたれ左右のフレーム構造を使用せず、立体的な面形状をかなえた3Dハンモックメッシュ。これらを組み合わせることにより、さまざまな体格・姿勢に自然とフィットするとしています。

圧倒的(同社)な体圧分散

3Dウルトラオートフィット機能により、従来のオフィスチェアーに比べ、より広い面積で身体を支えるのが特長だといいます。これにより高い圧力がかかる部分が減り、浮遊感のある座り心地を実現するとしています。

オルガテック東京2025出展者プレゼンテーションを実施

開発担当者は
コクヨ株式会社 グローバルワークプレイス事業本部 ものづくり開発本部 1Mプロジェクトの木下 洋二郎氏と同前田 怜右馬氏

2025年6月4日(水)にはオルガテック東京2025出展者プレゼンテーション
【初公開】コクヨ100個の挑戦物語
~失敗を恐れない「実験カルチャー」が革新的クリエイティブを生み出すまで~Presented by KOKUYOにおいて
木下氏と前田氏が登壇しingCloudの開発の経緯などについて語りました。

イングクラウドの開発について語る木下氏(中央)と前田氏(右)

座るというよりも身に纏うような感覚

イングクラウドはイングシリーズの最新の三機種目のモデルだといいます。コンセプトのキャッチコピー「dive in. そして、身体の一部になる。」のように本当に雲の上にダイブしたように柔らかいすわり心地を実現したイスになっていて、もはや座るという感覚よりもイスの機能を身に纏うような感覚に近いようなイスが実現できたとしています。

最大の特徴は3Dウルトラオートフィット機構。

3D Ultra Auto Fitこちらの機構はTriple Glidingと3D Hammock Mesh 2つの要素の掛け合わせで成り立っているといいます。


1つはトリプルグライディング。今までのイングシリーズは基本的に画面の下にグライディングの機構が搭載されていましたが、今回はその機構を背中の後ろと両方の肘掛けの下にも搭載しており、この3つのそれぞれの動きが組み合わせてユーザーに対して非常に高フィット性が高いところを実現しているといいます。
もう1つが3Dハンモックメッシュ。このメッシュの使いかたが非常にこう斬新な仕様になっているといいます。従来のオフィスチェアーは枠体に対してメッシュを貼るだけだったのですが、そうするとどうしても肩のサポート、特にフレームあたりに干渉してしまう問題があったのに対し、イングクラウドはサイドに走るフレームが存在していないところがすごく特徴的になっているといいます。また、背もたれの中央部分がメッシュを後ろ側に引っ張られているので、座る前から面形状が立体的になっているところが特徴になっているとしています。

開発のモチベーション

イングクラウドを開発しようと思ったきっかけについて、8年かけて開発しているなかで特に印象的だったのが、ずっと動かなくてタイピングをしているという姿勢で体に本当にストレスがたまっているということで、動けなくなるぐらいのシビアな状態で杖をついて歩くという人があり、座るのに本当にシビアな人たちとはこういう人たちで、そういう人たちのためにこそこの椅子をつくりたいというモチベーションをすごく持っていたとしました。

体圧分散のエビデンス

また、実際のその体感だけでなく、客観的な証明としてイングクラウドと通常製品の同社の既製品とを並べた体圧分散表では明らかにイングクラウドの方はイスの面に対して触れる面積が大きいところと、集中的に荷重がかかるところもない。つまりピンポイントで負担のかかるところがない状態の座り心地が実現できている、というようなイスになっていることが体感だけではなくてエビデンス的にも精度の高い椅子になっているとしました。

ミリ単位の寸法設定を安定した量産品として

開発のうえで特に苦労した点については。背もたれの部分が非常に斬新であり構成も含めて初めてのチャレンジが多かったといいます。背もたれ真ん中のエックスライン上に入っている縫製の部分がミリ単位の調整で、かなりシビアな寸法設定をしていて、かつそれがちゃんと量産品として安定した品質で担保された状態で展開していくということを工場の方と一緒になってやりつくしたとしています。

特に長時間の着座を強いられる人に

特に適しているシーンとしては、エンジニアとかプログラマーとかゲーマーなど長時間の着座を強いられている人。基本的には大型のデスクトップモニターと特別のキーボードというワーク環境を想定したイスになっているのと、長時間ずっと同じ姿勢で座らなければいけないことが想定される役員の会議室などを挙げました。

実験カルチャーが生んだイングクラウド

また開発の上で、初期の構想から約8年間のプロジェクトを通して、どんどん精度を高めて最終に持っていくのは結構面白いプロセスだったといいます。かなり特異な試作品を検討する会議に持って行っても、社長を含めたマネジメントの人たちも非難めいたことを一切言わないといいます。そういう実験カルチャーというのはやっぱりすごくいいなと提案する側として思っているとしました。

座り心地を体験してもらうために設定したコクヨブース

最後に今回のオルガテック東京のコクヨブースは、来場者に本当にこの座り心地を体感いただきたいという思いで設定をしたといいます。待ち時間が少しできてしまうのも、その待ち時間の間も光と膜によって人の影が映るような形にしているので外から見た時には中で何が行われるのだろうというワクワクが外の人たちに伝わるようなブースの外観デザインになっているといいます、中の方にも体験するのに楽しみなコンテンツを用意したとして、とにかく座ってもらえればイングクラウドの良さが伝わると思っているのでぜひ体感してほしいとしていました。

ingCloudの座り心地を表現した展示ブース

(1)光と影を使った仕掛け

透過性の異なる幾重もの衣がブース全体を柔らかく包み込み、幻想的な光の演出とともにチェアーと一体になる没入感を提供するといいます。内側での活動が衣の表層に陰影として漏れ出すことで、来場者の好奇心を刺激し期待感を高めるとしています。

(2)体験した人のコメント「言葉の雲」

ingCloudを体験した人の感想がリアルタイムで空間に投影され、雲のように漂いながら次の来場者の想像を掻き立てるといいます。
※感想コメントは体感コーナーのキーボードでタイピング入力されたテキストだといいます。

(3)シンボル

軽やかに宙を舞うingCloudは、雲に包まれているような浮遊感を表現しているといいます。空間のシンボルとして、ブース外周部からつながる衣を纏いながら幻想的にライトアップされるとしています。

(4)体感コーナー


「座る」より「まとう」に近い新感覚のチェアーを、2種類のセッティングによって体感できるといいます。

イトーキの湊社長も体感

① 没入体験

ingCloudの特長である体圧分散のデジタルデータをモチーフにした、インスタレーション「クラウドリウム」を見上げながら、後傾姿勢で包み込まれる没入感を味わうことができるといいます。

② デスクワーク体験

デスクワーク時の身体の自然な動きに寄り添う特長を体感できるといいます。モニターとキーボードのテーブルセッティングで感想を入力し、入力されたコメントはリアルタイムで天板面や入口壁面に投影されるとしています。

発売日・価格

発売時期(予定):2025年冬頃
メーカー希望小売価格(予定):ヘッドレストあり 258,000円(税抜)、ヘッドレストなし 238,000円(税抜)

(画像は一部コクヨ様より頂戴しました)

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