コクヨ、ChopValue Japanと使用済み割り箸をリサイクルしたオフィス家具の共同開発を開始

サーキュラーエコノミーの実現に向けた新たな取り組み

コクヨは、カナダの企業であるChopValue Manufacturing Japan株式会社(以下、「ChopValue Japan」)と、使用済み割り箸をリサイクルした内装材を用いたオフィス家具の開発や検証を、4月から開始することを4月22日(火)に発表しました。

背景・概要

コクヨによると、近年、企業におけるサステナビリティへの取り組みの重要性が高まる中、オフィス家具においても環境配慮型製品への需要が高まっているといいます。コクヨはマテリアリティ目標として2030年までにコクヨグループ(海外含む)が取り扱う循環型商品の売上高を80%以上とすることを掲げており、同取り組みはその一環となるとしています。

ChopValue Japanは、使用済みの割り箸をリサイクルし、板状の素材に加工して家具や内装材を製造する循環型ビジネスモデルを展開し、2024年11月から川崎市内に同社の日本初の工場を稼働させているといいます。

今回、両社の技術と知見を活かし、使用済み割り箸を活用した内装材を用いたオフィス家具の開発や検証などを行い、日本のオフィス市場に適した循環型商品の開発を進めていくとしています。

写真:ChopValue Japan提供(左:使用済み割り箸を「ごみ」から「資源」へ、右:割り箸をリサイクルして作られた特製材を使用したカウンターテーブルと壁パネル)

オフィス家具の開発や検証

(1)使用済み割り箸をリサイクルした内装材を用いたオフィス家具の開発・提供

日本国内で回収した割り箸は、ChopValue Japan独自の技術により高品質な内装材として生まれ変わり、その内装材にコクヨのオフィス家具の構造を組み合わせ、デスクやテーブル、ラックなどを開発していくといいます。

まず第1弾の試作品として、使用済み割り箸をリサイクルした内装材(t=25mm)を、天板サイズW1,600mm×D800mm、天板サイズ直径760mmに成形し、テーブルを制作したとしています。

今後、オフィス家具商品として必要な機能や品質、製造方法などの検証や実験を行い、両社の技術と知見により、自然由来の素材を生かした美しい質感と品質の両立を目指すとしています。

第一弾の試作品のオフィス家具

(2)コクヨ東京品川オフィス「THE CAMPUS(ザキャンパス)」での使用済み割り箸の計測

今回の取り組みにあたり、コクヨの働き方の実験場である「THE CAMPUS」では、使用済み割り箸が施設内でどの程度破棄されているかの計測を開始したといいます。2025年3月の実験では、1日あたり約260本が破棄されており、約30日間で天板1枚分に相当する量であることが確認できたとしています。

自社オフィスで排出される使用済み割り箸を実際に回収し、オフィスでの資源循環の実例を示すことで、自社社員を中心に環境意識の啓発と行動変容の促進を図るとしています。

「THE CAMPUS」での計測イメージ

(3)サーキュラーエコノミーの実現

今後、両社では、オフィスから排出される資源を同じオフィスで再利用することによって、持続・拡大可能なサーキュラーエコノミー(循環型経済)のシンボルとなる商品を提供することを目指すといいます。

またChopValue Japanでの建材製造過程では、廃棄物を高機能な素材に低コストでリサイクルし、二酸化炭素を固定するといいます。接着剤なども環境に配慮した材料を使用し、製品のライフサイクル全体での環境負荷低減を実現するとしています。

(4)今後の展望

コクヨは、割り箸以外の廃材を活用した新素材の開発など、サステナブルな製品の可能性を広げ、環境性能と実用性を両立した環境配慮型の商品ラインアップの拡充を目指すとしています。

ChopValue Manufacturing Japan株式会社

2016年カナダ・バンクーバーで設立された、使用済み割り箸のアップサイクルに取り組む循環型製造企業ChopValue社の日本法人として2024年7月に設立。2025年4月には、カナダ・バンクーバーの約3万倍以上の割り箸消費量をもつ日本市場に本格進出し、地域の使用済み割り箸を回収し循環製造する「マイクロファクトリー」国内第一号を神奈川県川崎市にオープン。日本国内で年間200億本以上も廃棄されている使用済み割り箸を、高品質な素材にアップサイクルし、家具やインテリアを製造しているといいます。

(画像はコクヨ様リリースより)

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