カリモク家具、『Survey 00:WOOD “The Age of Wood”』 curated by Christian+Jadeを開催
KARIMOKU RESEARCHが発表する最初の『Survey』
2024年10月25日(金)には、KARIMOKU RESEARCH CENTERでプレスプレビューとオープニングパーティを開催

KARIMOKU RESEARCH CENTERは、2024年10月26日(土)から12月26日(木)までの間、『Survey 00 : WOOD “The Age of Wood”』を開催しました。
KARIMOKU RESEARCH が発表する最初の『Survey』は、デンマークのデザインスタジオChristian+Jadeをリサーチャーに迎え、2023年9月にスタートしたといいます。
彼らは、2023年に拠点であるデンマークで開催された、“木の重さ”に焦点を当てた展示『WEIGHT OF WOOD』でも高い評価を受け、同展示に感銘を受けたカリモク家具が、彼らの森林や木そのものへの視点の対象を日本の森林まで広げ、共に考究することで、同プロジェクトが始動したといいます。
Christian+Jadeとカリモク家具は、日本の森林、特に岐阜地区の森でのフィールドワークを通じて日本の木々が持つ魅力を再発見し、木という個体が経てきた時間に改めて触れることで、森林との共生のための新しいヴィジョンを描き出すといいます。展示では、これらのフィールドワークで得た気づきと、日本の多種多様な樹種が持つ美しさや複雑さを実体化した11点のオブジェクトを織り交ぜながら、プロローグ、そして「Centuries of a Forest」、
「Years of a Tree」、「Aging with Wood」の3つのテーマに沿って構成、展示しました。
同社は、同展を通じ、Christian+Jade、そしてカリモク家具と共に木や森林が持つ本来の魅力に触れることで、森林が経てきた時間に思いを馳せると共に、木や森林からもたらされる恩恵を改めて深く感じることができたとしています。
INTRODUCTION OF THE EXHIBITION
同社は、高層ビル群が建ち並ぶ都市の風景に立つと、人間が森林や木々と結びついていることを忘れてしまうといいます。
人は古代から森林と密接な関係性を築いてきたといいます。例えば、森林は人間に火をもたらし、それによって暖かさや明るさだけでなく、食物や栄養、道具そして棲家を与えてくれたことで、人間の生活と営みが生まれ、社会性を身に付けてきたとしています。人類の進化と共に、人間の生活は木を使って発展を遂げてきたといいます。
『Survey』では、Christian+Jadeがその多角的視点を持って、日本の森林が本来持つ美しさと計り知れない複雑さを精察。
同展ではその調査をもとに視野を拡大し、日本の里山の在り方から、「経年」、「時間」、「風化」の概念を探ったといいます。木の年輪が表すように、木が経てきた時間を認識することで、人はその広大な時間の中で自身の小ささを理解し始め、森林の叡智に気づくだろうとしています。
同展示を通して、Christian+Jadeとカリモク家具は、改めて当たり前のように在る木々の恵みに感謝すると共に、人間として、造形者として、そして木が経てきた時間の案内人として、悠久の時を刻んできた森林との共生のための新たなヴィジョンを描き出したとしています。



ABOUT THE EXHIBITION AND THE OBJECTS
展示では「Centuries of a Forest」、「Years of a Tree」、「Aging with Wood」の3つのテーマをもとに、カリモク家具が世界各地から調達した木材を使用しChristian+Jadeと共に、それぞれのテーマに沿ったオブジェクトを製作。
会場では、葉や樹皮、幹など、全63種にも及ぶ木部の標本と、それを納める高さ5.2m幅5.3mの棚がギャラリーの壁一面に広がりました。また、木材の特性を活かし水分を吸い込むことで日々変形する高さ1.36mの立体物や、紫外線を木に照射し続けることで会期中に経時変化を観察することができる作品、また木が辿ってきた歴史を感じられる屏風を模した作品などが並びました。木が持つ「時間」だけでなく、Christian+Jadeが費やした調査の「時間」を追体験できる展示だとしています。

RESEARCHER
Christian+Jade

Christian Hammer Juhl氏とJade Chan氏による、コペンハーゲンを拠点に活動するデザインスタジオ。クラフト、マテリアル、オブジェクトに秘められたストーリーを明らかにすることに強い好奇心を持ち、それをクリエーションに反映させる。彼らの手法は、伝統と現代の方法論を巧みに融合させ、職人や製造業者の暗黙知を探求し、また彼らの製造方法などを再構築しながら、資源の再利用と新たな視点を追求する。
PRESS PREVIEW & OPENING PARTY AT
2024年10月25日(金)には、KARIMOKU RESEARCH CENTERでプレスプレビューとオープニングパーティを開催しました。
プレスプレビューでは、Christian+Jadeからの展示説明が行われました。

今回の『Survey』のテーマは“The Age of Wood”。このテーマに基づきChristian+Jadeの2人がデザインとキュレーションを手掛けた作品だといいます。
同プロジェクトは1年前に始まったといいます。愛知にあるカリモク家具の本社に二人が招かれ、岐阜にある森林地帯にも見学に行ったとしています。その時にカリモクの哲学やヴィジョンについて学ぶことができたといいます。
二人にとってカリモクの物語はまさに時間の物語だとし、森を健全なかたちで発展させるためには時間がかかり、それを使って木材にして本当に質の高い製品をつくっていくことも時間を要することだとしています。その結果得られる家具というものは、長い間使ってもらえるような質のいいものができる。そのようなことを考え“The Age of Wood”木の時代というタイトルで今回の展示をつくったといいます。

またAgeという言葉を英語で言ったときには時代、長い歴史の間で人が生活のために森林を伐採しそこから色々なものを資源として得てきた時代を表すという側面もあるとしています。それと同時にAgeという言葉を展示のタイトルに使うことで森自体が何世紀にもわたって徐々に成長してきた、その何世紀にもわたる時間の流れであったり、木が一本一本年月をかけて育っていくといった時間の流れであったり、我々自身が木材を使うことによって森林とともに年月をかけて成長していく、熟成していく、そういった時間の流れを表してAgeという言葉を使っているとしました。さらに、今回の展示は「Centuries of a Forest」何世紀にもわたる森林、「Years of a Tree」木の年月、「Aging with Wood」木とともに年を重ねていく、熟成していく、の3つのテーマから成り立っているとし、それぞれのテーマを表現する作品の説明を行いました。



KARIMOKU RESEARCH
「KARIMOKU RESEARCH」とは、家具の開発だけに留まらず、カリモク家具が長年培った木工への知見を活かした様々なものづくりを通じて、自社が掲げる「木とつくる幸せな暮らし」というミッションを追求していくプロジェクトだといいます。同社は、これまでも家具づくりという枠組みにとらわれない活動を続けてきましたが、この新しいプロジェクトでは、異なる文化圏や世代、また業種など様々な人々が考える豊かな暮らしのあり方を見つめ直し、「木とつくる幸せな暮らし」について探求。調査や開発という一連の過程を発信していくとしています。このプロジェクトにおいて核となる『Survey』の活動などを通して生まれた成果や軌跡とカリモク家具が持つ技術力を活かし、多種多様なパートナーと共に、家具に留まらない新しいアウトプットの共創を目指すとしています。









「SURVEY」とは
「KARIMOKU RESEARCH」の核となる活動が『Survey』だといいます。年間4つのテーマを設け、1つのテーマ毎に国内外のクリエーターやデザイナー、アーティストや企業等との対話を重ね、そこから生まれた疑問や関心事などを深く“survey”し、再解釈・再構築を試みるといいます。このプロセスを基に、展示や開発を同時に進行し、自社の様々なメディアを通して発信していくとしています。これらを経て得られた成果や軌跡は、カリモク家具の技術革新へと繋げるだけでなく、新たなソリューションとなることを目指すとしています。
(画像は一部カリモク家具様より頂戴しました)