イトーキ、明日の「働く」をデザインする場「ITOKI DESIGN HOUSE」をオープン
2024年11月7日(木)に本社オフィス兼ショールームを大規模改修
“Signature Experience(=ここでしか得られない経験価値)”を創り出し、人的資本経営に効くオフィスを提案
2024年11月6日(水)にはプレス内覧会を開催
イトーキは、本社オフィス兼ショールーム「ITOKI TOKYO XORK(イトーキ トウキョウ ゾーク)」のワンフロアを大規模改修し、11月7日(木)に新名称「ITOKI DESIGN HOUSE(イトーキ デザインハウス)」としてリニューアルオープン。
コーポレート、営業、空間デザイン部門などの社員が実際に働く様子を公開する本社オフィス兼ショールームであり、『明日の「働く」を、デザインする。』場として、国内外のゲストを迎えるとしています。
イトーキのワークプレイス戦略と名称変更の狙い
同社によると、働き方の多様化、デジタル化の加速、人的資本経営への関心の高まり、働く場を見直す企業や組織の増加など、オフィスを取り巻く市場環境は大きく変化しているといいます。同社はミッションステートメントに『明日の「働く」を、デザインする。』を掲げ、“Tech×Design based on PEOPLE”を強みに、常に新しいワークスタイルとワークプレイスを提案しているとしています。
ITOKI DESIGN HOUSEの前身である「ITOKI TOKYO XORK(イトーキ トウキョウ ゾーク)」は、2018年秋に社員自らが働き方の変革に挑戦し顧客への提案に活かしていくため、自己裁量を最大化し自律的に働き方をデザインするワークスタイル戦略「ABW(Activity Based Working)※」を実践する場として開設。これまでの働き方「WORK」を次の次元へと進化させるために、アルファベットの「W」に続く「X」と掛け合わせ「XORK」と名付け、開設以来多くのお客さまに最新の働き方とオフィスを体感できる本社兼ショールームとして機能してきたといいます。
XORKでは、日々刷新されていく働き方や働く人々のマインドの変化を捉えながら、全3フロア各階のリニューアルを随時実施。
2022年には12階を「接点創造」をキーワードに、多様なつながりを創出し新しい価値を創出していく空間へ、2023年には13階を「活動(ABW)×居心地」「働くひと起点のオフィス回帰」をキーワードに、自然とオフィスに行きたくなるポジティブなマインドを醸成する空間へと進化させてきたといいます。
実際に、2023年の従業員エンゲージメント調査では「イトーキは誇りを持って働ける会社である」への肯定回答率が75%、2025年卒のインターンシップ応募率は2024年卒と比べて+40%と、オフィス投資が、高い従業員エンゲージメントや採用強化に寄与することも明らかになっているとしています。
※イトーキはABWの創始者であるワークスタイル変革コンサルティング企業ヴェルデホーエン社とABW(Activity Based Working)のビジネス展開について業務提携を結んでいるとしています
そしてこの度、11階を「活動×居心地×機動性」をキーワードに、テクノロジーとデザインを通じてオフィスワーカーのエンゲージメントを高め働き方の変化に追随できる空間へと大規模改修。これを節目に新たなチャレンジとして、同社センターオフィスの位置付けを従来の “明日の「働く」を実践する場” から “明日の「働く」をデザインする場” へアップデートするとしています。
明日の「働く」をデザインする場「ITOKI DESIGN HOUSE」
「ITOKI DESIGN HOUSE」は、イトーキのミッションステートメントである『明日の「働く」を、デザインする。』場だといいます。社員にとってはオフィスであり、ラボであり、世界から訪れるゲストにとっては世のなかにまだない「働く」を垣間見ることができるショールームでもあるとしています。
これまでにないほど「働く」が変化し、企業ごとの最適解が存在するいま、ITOKI DESIGN HOUSEでは働くことそのものが魅力に感じられる機能とデザインを追求し、顧客ごとの「Signature Experience(=ここでしか得られない経験価値)」をデザインするといいます。実際にその場で働くことで、会議やCGからは見えてこない発見や、深い洞察が得られるとしています。同社は、オフィスチェアの座面角度の微調整も、ゲストとの対話を通じて10年先の「働く」の文化を耕すことも、すべてがデザインだと考えているといいます。風通しが良く、成熟した良質な空気感を受け継ぐ同社の企業文化や姿勢をHOUSEという言葉で表現しているとしています。
最新フロア11階のコンセプトは「活動×居心地×機動性」
同社によると、働き方を一律で括ることが難しい時代。コロナ禍を経て働き方の柔軟性は限りなく広がり、出社率、プロジェクトのフェーズ、事業の成長度に応じて、オフィスでのアクティビティの量(空間に対する需要)は常に変化しているといいます。例えば、“たまたまある活動が急増する”ことによる「突発的な変化」、“月曜日は、月末は”といった周期的な活動バランスの変化による「周期的な変化」、“最近は”といった以前からの進化による「不可逆的な変化」などが挙げられるとしています。
働く人の活動量が常に変化する一方で、従来のオフィスは活動に対する執務スペースなど機能の供給量が一定であるため、需給のバランスが保てず、不足や余剰が生じているといいます。
そこで同社は、短期〜中長期で働き方の多様化、変化、進化に追随できる「機動性」だといいます。例えば、短期的な変化に対しては、小型化した短時間のワークスポットや多目的性を持った大型テーブル活用による供給量の増量、予約利用促進による空き空間の削減など。一方で、中長期的な変化に対しては、造作家具を極力減らし解体・組立可能な家具を展開、ワイヤレス化(バッテリー運用)など、空間機能の供給量を可変させ機動性を持たせることにより、余剰や不満を解消し、最適化するとしています。これによりオフィスワーカーの居心地や接点創造が強化され、生産性やエンゲージメント向上に繋がるとしています。
ITOKI DESIGN HOUSEの最新フロアには、人を惹きつけやる気にさせる「高品質なインテリア」に加え、目に見えない潜在的な機能として、変化し続ける働き方に寄り添う寛容さをもつ「機動的な空間」を付加したとしています。そして変化の兆しを可視化し改善していく「データドリブンな運用」がそれらの基礎を支えているといいます。テクノロジーとデザインの融合によって「ここでしか得られない経験価値」を創り出し、生産性向上に繋げていくことを目指しているとしています。
「活動×居心地×機動性」を実現する空間、プロダクト、ソリューション
ポイント1:形状を活かして個人、グループで使い方を変化させられる大型テーブル
空間の需要変化に対応するため、多様な形状やCMFが特徴のビックテーブル「Centra(セントラ)」(2024年12月発売予定)を活用しているといいます。コミュニケーション強化や出社率変化への対応が求められるコワークエリアにおいて、個人ワークとコミュニケーションを自然につなげ、用途に応じたフレキシブルな空間活用を実現するとしています。
ポイント2:「ゆるやかに仕切る」と「つながる」を切り替えられるディバイダー
オフィスでの需要の揺れを吸収するバッファとなるのが、ディバイダーだといいます。ひらけた空間をゾーニングしながら、短時間の執務などのための「すわる」、シームレスなコミュニケーションのための「はなす」、書籍や備品の格納などその場所の活動を支援するための「しまう」という機能も付加することで、空間の意味合いが変わり「ゆるやかに仕切る」と「つながる」の両立が可能だとしています。同製品は2025年夏頃の発売を予定しています。
ポイント3:「Fixed(固定)」でありながら「Fluid(流動)」な作り
空間としての魅力、居心地、惹きつける力を損なわないデザインと機能のバランスを確保しているといいいます。機能性のみならず、デザイン性や素材にこだわったプロダクトやインテリアが「居心地」を高め、「働く」に対するポジティブなマインドを醸成し、組織の求心力強化や人材確保、企業価値向上にも貢献するとしています。
ポイント4:居心地や機動性を支える「データドリブンな運用」
美しく快適な空間の裏では「データ」がオフィスの機動性と居心地を支えているといいます。アジャイルなオフィス構築とその運用を伴走型で支援するオフィスデータ分析サービス「Data Trekking(データ・トレッキング)」(2024年2月ローンチ)はITOKI DESIGN HOUSEでも稼働中だといいます。オフィスワーカーの活動量・空間の稼働状況など、可視化・モニタリングされた働き方や働く環境のデータをもとにオフィスレイアウトや運用を変化させているとしています。2025年に提供開始予定の会議室不足を解決する新ソリューション「Reserve Any」の実装も予定し、データドリブンなオフィス構築をより発展させていくとしています。
13階の社長室もリニューアル
壁を無くし、社長の不在時には社員が自由に使える、開かれた社長室「commons(コモンズ)」
自由で創造的な空間を実現する「common furniture(コモンファニチャー)」を中心に構成し、対話から議論へとコミュニケーションを加速させ、パフォーマンス向上に繋げる空間だといいます。組織の風通しの良さを社長室から体現していくとしています。
プレス内覧会を開催
2024年11月6日(水)にはプレス内覧会を開催しました。
プレス内覧会は二部構成で
第一部がプレゼンテーション、第二部が実際のオフィスを見学する内覧会。
出席者は
同社代表取締役社長 湊 宏司 氏
商品開発本部 プロダクト開発統括部 商品企画部 部長 白鳥 毅 氏
営業本部 ワークスタイルデザイン統括部 ワークスタイルデザインラボ所長 香山 幸子 氏
第一部では、
・イトーキのワークプレイス戦略と展望、名称変更の狙い
・ITOKI DESIGN HOUSEのコンセプト
・テクノロジーとデザインで次世代オフィスを体現する空間×プロダクト
についてのプレゼンテーションが行われました。
湊社長が冒頭の挨拶とワークプレイス事業の戦略と今後の展望、名称変更の狙いについて説明
第一部の冒頭、挨拶に立った湊社長は、イトーキのワークプレイス事業の戦略と今後の展望、名称変更の狙いについて以下のように述べました。
「当社のミッションステートメントは『明日の「働く」を、デザインする。』で、「働く」というところにかぎかっこを入れることによって、ワークスタイル、ワークプレイスを提案するというものです。実際イトーキというとオフィス家具のイメージが強いと思うのですが、ワークプレイス事業における家具の売り上げが占める比率というのは半分ぐらいです。残りの半分というのはまさに新しいワークスタイルをご提案してその新しいワークスタイルを実装するオフィスそのものを提供するサービスというふうになってきております。
『明日の「働く」を、デザインする。』ということを体現する場所としてイトーキ東京XORKを2018年に開設しております。まさにこの場所ですね。私は2021年にイトーキに入っておりますが、イトーキから声がかかったときにXORKというのを調べたのですが正直いって読めなかった。ただ、このXORKという「X」の中にはものすごい深い意味が込められていて、『明日の「働く」を、デザインする。』わけですので普通だったら「W」このアルファベット順で言うとWの次がXになるということで、ワーク、新しい働き方、次なる新しい働き方を実践する場所としてこのXORKということを開設しております。そのXORKですけれども、2018年開設以降、今まで6万3千社のお客様にご見学いただいております。6万3千社で、見学者数という意味ではのべ14万3千人です。
2021年、23年コロナを契機にして色々なことが大きく変わってきています。見学者数が昨年は21,000人いらっしゃいました。これだいたいビジネスデイで行くと100人以上の方が毎日ここに見学にいらっしゃるような感じなのです。その中でも社長というタイトルの人、経営者とはどなたが経営者かよくわからないので、一番分かりやすいという意味では社長というタイトルの人をピックアップしてみると、去年だと600人いらっしゃるんです。ですので2018年に開設して以降、コロナというのが1つ契機になって、オフィスのあり方ということが大きく大きく変わっているというふうに思います。
何故経営者にとって、何故わざわざその社長というタイトルの人がこのオフィスを見学に来るのか、これが例えば当社のスコアですけれども、昨年の従業員エンゲージメントスコアが75%まで上がっています。ずっと過去十何年で、例えば2019年は40%ぐらいだったのですけれども着実に10%ずつぐらい上がってきまして、今75%です。今年の結果も実はすでに出ておりまして、12月にまたプレスリリースさせて頂きますのでまた素晴らしい結果が出てきます。オフィスを各フロアずつ毎年改修しているのですけれども、このフロアの改修をすることによってどんどんそのエンゲージメントのスコアというものが上がっていく。あるいは、我々この拠点だけではなく27拠点あるのですけれども、そのリニューアルをかけたところ、かけていないところというのを比べるとやはりスコアに大きな開きがあります。それぐらいこのオフィスをリニューアルすることで社員のモチベーションというところに効いてくるというのがあります。ちなみにそのエンゲージメントスコアというのはイトーキで働くことに誇りを感じているかというシンプルな質問です。これに対してyesっていうふうに回答した人の比率をエンゲージメントスコアとしてだしています。日本人はどうしてもどちらでもないと言ってしまうのですけど、それはこの数字には入ってないのでそれだけ高いスコアということを叩き出している。
それから、それはなにより採用に効くのですね。今年の4月と来年の4月のインターンシップの採用のためのインターンシップ応募率がプラスの40%増えているということで、このオフィス投資というのが採用に効くという効果があります。ですのでオフィス投資が人的資本投資になっているというところが一番大きな部分でございます。
例えば昔の密室会議とか、いや当社は密室会議ではない、だから会議室はガラス張りにしてみようとか、このオフィス空間が企業文化を表すことは結構あったと思うのです。それが今どんどんどんどん、先鋭、研ぎ澄まされてるという感じを受けております。
今回その中でもコロナで大きく変わったのは間違いないのですが、二つ潮流がある思っておりまして、1つ目の潮流というのは「行きたくなるオフィス」です。在宅勤務にみんな慣れました。経営陣としてはアフターコロナではオフィスに来てほしい。だけど在宅勤務にみんな慣れてるから「会社には行きたくないもですけど」、なので経営者として行きたくなるオフィスというのをつくらないと社員がこないんだけど、これが大体最初の流れだったと思います。ですが最近はこの流れというのはだいたい首都圏、大都市の大企業でこのパターンが多いのですね。これはこれで今この流れというのがあります。でも最近は実は私はほとんど東京におりません。地方都市が多いです。なぜならオフィスが採用に効く、採用という意味では大都市より地方都市の方が皆さん苦労されていて、あるいは大企業より中小企業の方が皆さん苦労されている。ですので結構な比率で今地方都市の中小企業様を回るということが増えております。それぐらい今大きな大きな、今まではどうしてもファシリティってコストだよねという話をしてたのが、人的資本投資だよね、社員のやる気が上がる、生産性が上がって例えば残業時間が減るとか、あるいは採用というところにも効いてくるということで、かなり人的資本投資だというふうに意識されつつあるいう波を感じております。
この局面を捉えて、2018年にイトーキ東京XORKをつくったわけですけれども今回、イトーキデザインハウスというふうにアップデート。名称を新たにしてもう一度リネーム、リブランドして我々の働く姿ということを世の中にご覧いただけるようにしたいと思っております。
デザインハウス、『明日の「働く」を、デザインする。』かなり大それたことをいっているのですけれども、それを実際にこの場で見ていただく。そのデザインということにとかなり思いを込めて何をどうしてもこのデザインという言葉を使おうと思ったのが一つです。この後白鳥の方からロジカルな説明があると思いますが、例えばオフィス1.0 2.0 3.0っていうような言い方をしていてオフィスの生産性を上げるためにAIとかITをものすごく今活用しています。そういったそのデータに基づいてどんどんどんどんこのオフィスをアップデートしていく仕組みというのが裏にあるのですけれども、あまりそのロジカルな話をするというのは、色気がないというか、無機質な感じがする。何故かというとそこで働くのは人なので、やはりぱっと見た瞬間にここはカッコいいよねとかこんなオフィスで働きたいよねって人は思う、と。そうすると多少ロジックが甘くてもなんかこう理解できるのですね。ですので、一番力を入れているところがデザインという部分です。
これ結構いうのには度胸がいる。この後ご覧いただくのですがいっている割には大したことないなっていうふうにならないようにしないといけない。なので自分でも背水の陣です。
デザインのほうは香山が担当しますが、デザインチームというのは今営業本部の下にあるのですけれども、来年の1月から社長ダイレクト、社長直轄組織に持って行きます。それぐらいのこれからのデザインというところに力をいれていきます。そのデザイナーたちがつくったこのフロアということをぜひご覧いただきたいと思います。
それからハウスというのは、先ほどの社員エンゲージメントスコアにもありますようにものすごく家庭的な雰囲気なんです。イトーキで働くことに誇りを感じているという仕事や会社に対して思い入れがある人たちが集って仕事をしておりますのでそういった意味でデザインハウスと言う名前を付けさせていただきました。
特にこの後機動性、アジリティという話が出てきます。ビジネス環境がどんどんどんどん変わってきてるので、一回使ったら終わりっていう話ではない。さきほど2018年にXORKになったときから3フロアは変わっていないですけれども、当初は819人がここに収容されるされたのですが、今おかげさまでと採用を増やしておりまして1200人以上がこのオフィスで働いています。そうすると当然働き方であったり、あるいはレイアウトということも変えていかなければいけないということで、これからますますこの頻度が高くなるだろうということでですね。このアジリティ、それから先ほどの経営者の考え方、後ほど社長室をご覧いただくと、ドアが無く、壁がない社長室。あれは自分の哲学ということを表しております。企業理念であったり企業文化であったりあるいは経営者の哲学ということでオフィス空間が表わされるようになった。そうするとそれは個社ごとになってきます。
昔のようにレイアウトも一定、プロダクトも製品カタログからこれ、とかいうことよりも会社ごとにどんどん変わっていく。そこに対してフレキシブルにかつアジャイルに対応できなければいけないということで、そういった要素をこのおしゃれな空間の中にたくさん埋め込んでおりますので、この後ぜひご期待ください。本当に今日はどうもありがとうございましたこれからもどうぞよろしくお願いいたします」と述べました。
ITOKI DESIGN HOUSEのコンセプトと次世代オフィスを体現する空間×プロダクトについてのプレゼンを実施
ITOKI DESIGN HOUSEのコンセプトとテクノロジーとデザインで次世代オフィスを体現する空間×プロダクトについて
商品企画部 部長 白鳥 毅 氏とワークスタイルデザインラボ所長 香山 幸子 氏がプレゼンテーションを行いました。
白鳥氏は「イトーキデザインハウスの我々にとっては2つの意味があり、1つは重要な営業上の拠点。それはプロモーションツールであり、ユーザーとのコンタクトポイント。」と述べた後、説明するコンセプトについては「我々社員にとってはこのオフィスがどういうオフィスであるかということについての『オフィス』という意味でのコンセプトです。現在11~13階と3フロアを使い我々の新オフィスということで、2018年に開設したXORKは始めた時からABWという働き方の戦略をとってオフィスづくりをしてきました。ここ3年コロナを境に今年を含めて大規模な改修を行い、それぞれその時代、その瞬間に合わせたコンセプトを立てて進めて来ております。一昨年は12階を、空間を通じて人と人との接点を創出していこうというコンセプトで、昨年はアクティビティプラス居心地を考えて、働くに対するポジティブなマインドの醸成をコンセプトに13階を改装しました。
コロナ以降、ずっと変わらないコンセプトとしてここでしか得られない経験価値とは何か、それをつくっていくことが大切であるということが一義的に掲げているコンセプトです。」
などと述べました。
さらに、オフィスでしか得られない経験価値とは、つながりときもちであり、「つながり」という意味ではチーム力、組織の力をいかに最大化するかであり、人と人との接点を空間という媒体を使って創出する、それによってコラボレーションなどが起こり新しい価値を生み出すというのが1つの経験価値。「きもち」というのは、エンゲージメントの力、個人力をいかに最大化するか、オフィスワーカー一人ひとりのやる気のようなものをどれだけ大きくするかを居心地の良い空間で実現する。働くに対するポジティブなマインドを醸成することと、リアルな場の力としてそこで生み出されるチーム力を大事にしてきている。
それを生み出すために「高品質なインテリア」のオフィス空間をつくるとし、いわゆる「カッコいいオフィス」とか「イケてるオフィス」にすると人が集まりやる気になるといいます。一見論理的ではないように聞こえるが、今経営者が最も注目している内容なのではないかと思うとしました。さらに、今年は機動的な空間「Agility」というキーワードが加わったといいます。
機動性というのは、働き方の変化に対していく上で、それに追随できる空間のある意味の寛容さみたいなものだといいます。
ABWの働き方において空間機能に対する需要は変動するのに対してオフィスの機能の供給は一定であることに対して変化に対応できるアジリティの高いオフィスが必要だとしています。
これからは高品質なインテリアと機動的な空間、いわゆるイケてる空間と機動的な空間の両立が重要になるとし、それについて、短期的な需要の変化には、短時間ワークのスポットを増加させる、多用途なエリアを作る、充填率を高めるとし、中長期的な需要の変化には、作り込むエリアと柔軟なエリアを設定する、ケーブルレスにする、モジュール化された家具を流用する、などとしました。
さらにITOKI DESIGN HOUSEのコンセプトを三層の構造にして説明。生産性の向上を一義的に、最上層の直接的な効用部分としては、高品質なインテリアで、ここでしか得られない経験価値をつくる、“つながり”と“きもち”、人的資本経営に効くオフィス、良質な空間が、人を惹きつけ、やる気にさせる。
中間層に潜在的な機能部分としては機動的な空間で、短期、中長期で揺れ動く活動量、良質の空間の中に埋め込まれた、変化し続ける働き方に寄り添う、寛容さ。
最下層のそれらを支える基礎部分にデータドリブンな運用があるとして、人と空間の“今”を捉えて可視化、変化の兆しを察知し、働き方と空間のマッチングを最大化するなどとしてコンセプト説明のまとめを行いました。
続いて設計者に携わった香山 氏が、設計者の観点から今回の改修の目的を説明しました。あらためてITOKI DESIGN HOUSEとは一体何をデザインしていくのかとして、「ここでしか得られない経験価値」Signature Experienceを、それぞれの企業が自分たちに最適なオフィスとは何か、働き方とは何かが1つの解ではなくそれぞれの企業ごとにここでしか得られない経験価値のある時代になり、各企業ごとに、ここで働くことそのものが魅力に感じられる機能とデザイン、その両方デザインをしていくとしました。単にオフィスのかたちをデザインするのではなく、従業員のエンゲージメント・モチベーション・パフォーマンスの最大化、優秀な人材の採用と定着、企業ブランド価値wの強化といった企業の価値そのもののアップをデザインしていくと述べました。
ITOKI DESIGN HOUSEとは、2018年から6年後の現在、同社のオフィスの進化はABWの進化・変革そのものだったといいます。活動×居心地×機動性だとしました。
具体的案機動性については、ポイント1として「Fixed(固定)」でありながら{Fluid(流動)}な作り=デザインと機能のバランス。空間としての魅力、居心地、惹きつける力を損なわない。「可変=チープ」のような図式が成り立たないように考える、として新製品として「ビッグテーブル」を紹介。ポイント2として、ゆるやかに仕切る⇔つながる、を切り替えられる。仕切りの機能を変える事で空間の意味合いが変わる。ただ仕切るだけじゃない、つながりのデザインとして新しいタイプの「ハイディバイダー」と「ローディバイダー」を紹介しました。
11階の構成については、大きく「WORK TERRACE」と「WORK SPACE」に分けられ、「WORK TERRACE」には「CHATT&COFFEE」と「DINE&DISCUSS」「STADIUM」、
「WORK SPACE」には「BOOK NOOK」「INFORM」「STUDIO」「COORDINATE1」「COORDINATE2」「CREATE」などのスペースがあるといいます。
このような色々な居場所をつくることによって、ABWの中で一人が自律的に働きながらも、色々な人と語り合い、学び合い、分かち合い、自分の居場所をつくれるような構成になっているとしています。
「WORK TERRACE」については、カフェ機能を備えており、社内だけではなく社外の人も一緒に働ける、外のテラスで働くような雰囲気のスペースになっているといいます。
その中の「CHATT&COFFEE」では、コーヒーが提供されるが、コーヒー業者を入れている訳ではなく社員がコミュニティマネージャーというかたちで単なるドリンクの提供だけではなく社員同士をつないでいくという役割を今回新たに追加したとしています。
また、「STADIUM」では社外の顧客も含めプレゼンテーションができるような空間であるとしました。
「WORK SPACE」に関しては、基本的にはオープンな空間の中で「ハイディバイダー」と「ローディバイダー」で緩やかに仕切ることによってつながりながら活動ごとに場所を選択して働けるワークエリアになっているとしています。
香山氏は、ITOKI DESIGN HOUSEは、実践の場から、デザインの場へとアップデート。明日の「働く」をデザインする場。この場所から、顧客にとっての、「ここでしか得られない経験価値」を創造していくとまとめました。
続いて、再び白鳥氏が新製品についての説明を行いました。
コワークを中心に、オフィスの機動性を高める家具として、「Centra(セントラ)」(12月発売予定)、「Levi(レヴィ)ワントーンタイプ」(12月発売予定)」、「ローディバイダー(仮称)」(プロトタイプ)、「ハイディバイダー(仮称)」(プロトタイプ)。
機能をパッケージ化した家具として、「ADDCELL Hexa(アドセルヘキサ)」(11月発売)、「Sound Sofa(サウンドソファ)片面タイプ」(10月発売)。
インテリアのクオリティを高める家具として、「Kettal Pavilion」、「Kettal Furniture」、{PH Furniture}を紹介しました。
内覧会を実施
オフィスを見学する内覧会を実施
その後、質疑応答が行われ第一部のプレゼンテーションは終了。引き続き第二部で実際のオフィスを見学する内覧会が行われました。
ITOKI DESIGN HOUSE概要
ITOKI DESIGN HOUSE概要
名称
ITOKI DESIGN HOUSE(イトーキ デザインハウス)
住所
〒103-6113 東京都中央区日本橋2-5-1
日本橋髙島屋三井ビルディング11階~13階
*同社エントランスは11階
在籍者数
1,157名(2024年11月1日時点)
見学可能時間
10時00分~17時00分(完全予約制)
予約
来館予約は
https://www.itoki.jp/special/designhouse/