内田洋行、横浜市の教育データ活用を支援

「横浜教育データサイエンス・ラボ」が始動

イベント開催の様子

内田洋行は、教育データのコンサルティングとシステム全体の設計・開発・活用支援を行い、横浜市の教育データ活用を支援しているといいます。

同社によると、横浜市は2024年6月に、横浜市学力・学習状況調査をはじめ学校生活や学習に関するさまざまなデータを児童生徒、教職員、教育委員会が活用するための情報基盤教育ダッシュボード「横浜St☆dy Navi(よこはまスタディナビ)」を本格稼働したといいます。
さらに今回、そこで得られたデータを、それぞれの立場で学校教育にとって有効な「教育データ」の活用を推進するべく、小中学校、大学、企業が連携してさらなる教育内容の充実を図ることを目的とした具体的な枠組みとして「横浜教育データサイエンス・ラボ」を立ち上げるといいます。

「横浜教育データサイエンス・ラボ」始動のイベントを開催

2024年9月20日には、横浜市立大学みなとみらいサテライトキャンパス「NANA Lv.(ナナレベル)」で、「横浜教育データサイエンス・ラボ」の始動に際して、イベントが開催され、内田洋行も参加しました。

横浜市では、児童生徒約26万人の教育ビッグデータを活用し、教員、大学、企業との共創によりデータ分析を行い、エビデンスに基づく学びの実現や、教育内容の充実を図ることを目指しているといいます。今回のイベントは、その具体的な枠組みである「横浜教育データサイエンス・ラボ」として、教職員、大学、企業が一堂に会し、学校にとって有効な「教育データ」※について議論したというものです。
(※「教育データ」とは、教育的な課題を解決するための、エビデンスに基づく手立てとそれにつながる客観的なデー タと考えているとしています。)

具体的には
ビッグデータ化:26万人の児童生徒のデータを蓄積、ビッグデータとして活用することで、全国最大規模の教育基盤を形成。
エビデンス化:大学、企業との共創によるデータサイエンスチームでデータ分析を行い、エビデンスに基づく学びの実現や教育内容の充実を図る。
アクティブ化:学習支援システム(横浜St☆dy Navi)のダッシュボード導入により、子どものデータを一元的に表示し、データの活用を促進。
スパイラル化:データの収集・分析・活用・更新を続けることにより、一人一人の状況に応じた学びを実現し、横浜方式の教育EBPMのサイクルを創造。
としています。

参加者

参加者は以下のとおりです。
・横浜市立小・中・義務教育・高等・特別支援学校の教職員
・OECD(経済協力開発機構)日本政府代表部職員
・慶應義塾大学
・千葉大学
・桐蔭横浜大学
・横浜国立大学
・横浜市立大学
・株式会社内田洋行
・東日本電信電話株式会社 他

〈内田洋行 参加者〉
内田洋行からは
内田洋行 執行役員 教育総合研究所 所長 伊藤博康氏、部長 志儀孝典氏、システムズエンジニアリング事業部  担当課長 三宅翔太氏、教育ICT事業部 IC東2 部長 夏目保彦氏
〈オブザーバー〉取締役専務執行役員 公共ICT統括 宮村豊嗣氏
が参加しました。

グループディスカッションを実施

教育委員会挨拶、事務局によるデータサイエンス・ラボについての説明の後、
研究テーマ①「算数・数学の学力と意欲の分析」についてとテーマ①についてのグループディスカッション
研究テーマ②「子どもの心の不調をなくす横浜モデルの開発」についてとテーマ②についてのグループディスカッションが行われました。

研究テーマ①の説明の様子

研究テーマ①「算数・数学の学力と意欲の分析」については、
横浜市学力・学習状況調査と社会情動的コンピテンシー、デジタルドリルの分析で算数科、数学科の学力が全国トップレベルにアップデート。
横浜市学力・学習状況調査で学力が伸び悩んでいる算数科、数学科の課題を分析。社会情動的コンピテンシーの意欲やレジリエンヌの調査結果とクロス分析
デジタルドリルにみる学力の変化と横浜ならではの授業デザインを提案する
としています。

研究テーマ②「子どもの心の不調をなくす横浜モデルの開発」については、
子どものストレスを可視化し医療(心療内科)につなげる
データサイエンス・ラボにおける分析で、相談できる環境を全校へ
として、
いじめや不登校の原因になっている子どものストレスを可視化しデータサイエンス・ラボでAI分析。全校の複雑な子どもの悩みにリスク別の対応をし、いじめを解消し、不登校の子どもへアプローチするとしています。

研究テーマ②の説明の様子

内田洋行の三宅氏がコメント

また、
横浜St☆dy Naviについてということで、
内田洋行システムズエンジニアリング事業部 担当課長の三宅翔太氏がコメントし「当社は『横浜St☆dy Navi』の開設、運営にあたり支援をさせていただいております事業者でございます。2つ申し上げたいと思っておりまして、1つ目は毎朝の健康観察について、他の自治体でも広く行われている取り組みですが、果たしてどのような効果があるのかという検証をしっかりとしているということはまさに科学の方法論を以って検証していくということだと思いますのでデータサイエンス・ラボという場を通じて、ぜひコラボさせていただければと思っております。

コメントをする三宅氏


また、効果検証することは、最初のアンケートのところからしっかりとデザインしていくということだと理解しております。当社はシステム開発、構築をしておりますけれども、そちらの世界でも、UX、ユーザー体験をデザインするということで、タブレットの画面に何が表示されるかということだけではなく、子どもが朝起きて、学校にやってきて、パソコンを立ち上げて画面にたどり着いて入力してという一連の体験がどういう形なのかというところからシステムをデザインしていこうという考え方もありますので、そのあたりもぜひ一緒に事業者として力を合わせていければと思っております」
などと述べました。

その後テーマ①に関してのグループディスカッションが行われ、休憩をはさんでテーマ②に関してのグループディスカッションが行われました。

グループディスカッションの様子

OECDの大根田氏がまとめ

グループディスカッション終了後、
今後のデータサイエンス・ラボに向けて
ということで、最後に
経済協力関係機構(OECD)日本政府代表部職員一等書記官の大根田頼尚氏がまとめを行い

まとめを行う大根田氏(リモートでの参加)


討議のなかで発言された「子どもは自分と付き合っていく」という言葉に関して、OECDが「エージェンシー」の重要性を打ち出していることをはじめ、今回のイベントに関し注目したポイントをいくつか挙げた後、「一人ひとりの子どもを中心において、その成長を支える重要な場としての家庭、学校、教師があり、その人たちとの往還のなかでデータの質を上げて、より使える状態になっていくというのが、今回の大いなる試み。そういう話が現に出ていたという時点で大きな可能性があるということを感じた。期待をしているし、むしろ世界のOECDを見ても規模もあるが、質も含めてこの内容で行われていることも非常に少ないので是非学ばせていただきシェアさせていただきたい」などと述べました。

Follow me!