NOPA、第37回日経ニューオフィス賞の表彰式を開催
経済産業大臣賞は清水建設 温故創新の森 NOVAREが受賞
(一社)ニューオフィス推進協会(NOPA)は2024年9月10日(木)、東京都千代田区大手町の日本経済新聞社東京本社ビルで、第37回日経ニューオフィス賞表彰式を開催しました。
日経ニューオフィス賞は、一般社団法人ニューオフィス推進協会と日本経済新聞社が主催。経済産業省と日本商工会議所が後援する、ニューオフィスづくりの普及・促進を図ることを目的に、創意と工夫を凝らしたオフィスを表彰する制度。
主催者挨拶
表彰式では、主催者挨拶を日本経済新聞社 常務取締役メディアビジネス統轄の内山 清行 氏が行い「日経ニューオフィス賞は、一般社団法人ニューオフィス推進協会との共催で、おかげさまで37回を数えることができました。これもひとえに各団体、企業の皆様のご理解と協会をはじめとする関係者のご努力の賜物と考えております。本年も全国各地から153件の応募をいただきました。
さて今年のニューオフィス賞です。詳しい総評はこの後審査委員長の古谷先生からありますので、それはお譲りするとして皆様本日の日経新聞朝刊はご覧になっていただけましたでしょうか。ここに特集がございます。本日このニューオフィス賞に協賛をいただいた企業様のご広告が載ってございます。ちょっと紹介しますと「集うだけがオフィスの価値か。」オカムラ様。「ともに、つくる」コクヨ様。「オフィスへの投資効果、測れてれていますか?」イトーキ様。「BASEがあるから、ひとつになれる。」内田洋行様。この4社様からのメッセージに込められているのは、私の解釈では、このコロナのパンデミックが終わりそして人の働き方やオフィスがどう変わったのか、それを確認しそしてその今後の進化を占うそんなニューオフィス賞だったのではないか、というふうに考えております。
以前のように従業員が集まって課題を流行りの言葉で言うとタスクをこなすような場所ではなく、一緒に何かをつくり上げる、そんな空間にしたい、そんな思いが関係者様の共通認識なのではないでしょうか。それを競ったのが今年のニューオフィス賞だったと理解しております。今回審査委員の先生方の厳しい目と活発な討議を経て受賞されました企業の皆様方には改めてお祝いを申し上げます」などと述べました。
続いて、
ニューオフィス推進協会会長の三栖 邦博 氏が主催者挨拶を行い「日経ニューオフィス賞の目的は、創意と工夫に溢れ、特に優れた先進的なオフィスを顕彰し、具体的模範事例として広く公表しそのことを通じて我が国のニューオフィスづくりの普及促進を図ることにあります。本日受賞されるオフィスがまさに模範となるオフィスでございます。このようなオフィスをつくられた皆様方の高いご見識とご熱意に心より敬意を表させていただきます。また応募オフィスの審査にあたられた古谷審査委員長をはじめ全国各ブロックの審査委員の先生方には大変精力的にご審査をいただきありがとうございました。また現地審査にご協力いただいた応募企業の皆様にもこの場をお借りして厚く御礼を申し上げます。
今年も全国から数多くの応募をいただき、第3回の157件に続く153件の応募数となりました。全体の傾向としては、首都圏と近畿圏で、昨年の応募が少なかったこともございましたが、前年比1.5倍の応募がございました。また首都圏では新築の超高層ビルへの移転も含め、テナントビルでの応募が多くみられ、近畿圏では昨年度と同様に研究開発環境の新設建物の応募が目立ったことが挙げられます。
コロナパンデミックを経て、経営環境や働き方が大きく変化するなか、ニューノーマルの時代を見据え、改めて企業もパーパスを見つめ直すなかで、好立地への移転やグループ会社の移転集結あるいはM&Aなど、企業の交流と繋がりを強化する戦略的な組織再編がオフィスへの活況につながり、加えてオフィス回帰が鮮明となるなか、フリーアドレスやABWなど、従業員の自主性と選択性をベースにしたリアルな働き方の重視がオフィス面積の増大につながってきていることも応募する増加に現れていると思います。
現地審査でオフィスを見させていただきましたが、実感したことの1つには働くことのなかでラーニングすなわち学習が重要になったことを感じます。コロナ禍でのリモートワークの進展と対面ワークを再評価する動きがフリーアドレス化やABW化といったコミュニケーション、コラボレーション重視のハイブリッド型ワークスタイルへの変革を促し、そのことがオフィスの在りようを大きく変えていきました。そして今、生成AIやVR、ARなどの高度ITの導入とデジタルトランスフォーメーションが加速する時代にあって、人材価値の最大化を目指す人的資本経営が促進され、人材の確保と育成が急務となるなか、オフィスのラーニング機能のウエイトが増大し、ラーニングを重視する働き方がオフィスワークそのものを変えていく傾向が見られます。
ラーニングを通じた成長実感はエンゲージメントの強化やウェルビーイングの向上につながり、EVPの重要な要素になると思われます。デジタルトランスフォーメーション推進の場としてのラボやスタジオやラーニングセンターの設置、加えてラーニングをサポートしフォローするコンシェルジュの導入など、テクノロジーの活用を促進するラーニングオリエンテッドのオフィスづくりが急速に進みつつあると考えられます。
一方でDXデジタルトランスフォーメーションが加速し日々進化するITを駆使する時代だからこそ豊かな感性を育む環境の整備も今まで以上に必要になると考えます。ワンフロア全体を日本の伝統的な美意識で隅々まで徹底してつくられ、感性が刺激される和の空間に設えられたオフィスや、アーカイブスと伝統木造建築の文化財を移築した庭園を持つイノベーションセンターなどに技術的な学びと成長への意識と行動の原理を促すオフィスづくりの新たな局面が見られました。
私どもニューオフィス推進協会はクリエイティブ・オフィスの普及と日経ニューオフィス賞の推進を図ってまいると同時に、オフィスづくりに関わる方々のコミュニケーションのハブとしての機能の強化を図ってまいる所存でございます。今後ともニューオフィス推進協会の事業に皆様方の引き続いてのご支援ご協力を切にお願い申し上げる次第でございます。本日受賞されるオフィスが模範となって我が国のオフィづくりが一層充実し活性化されることを祈念します」などと述べました。
後援代表挨拶
続いて
後援代表挨拶を経済産業省 製造産業局生活製品課 企画官の伊藤 裕美 氏が行い「まず経済産業大臣賞を受賞された清水建設株式会社を始め受賞企業の皆様に心からお祝いを申し上げたいと思います。また本日の日経ニューオフィス賞の運営にあたり最大限のご尽力をいただいた審査委員の皆様、そして主催者である日本経済新聞社及び一般社団法人ニューオフィス推進協会をはじめとする関係者の皆様のご尽力に対し改めて厚く御礼を申し上げます。
長かった新型コロナウイルスの感染拡大も収まり、人の動きが以前のように活発になることでオフィスに出社する職員というのが各社増えてきていると思います。コロナ禍において在宅勤務やオンラインミーティングの活用により働き方は大きく変わりました。アフターコロナの現在ではこうした経験も踏まえつつ新しい働き方、オフィスのあり方が問われていると思います。今回受賞された企業の皆様のオフィスではこのような新しい働き方、新しいコミュニケーションそして集中して業務を行う環境など、素晴らしいアイディアが詰まったものであると感じています。
オフィスというのはオフィスワーカーにとって一日の大半を過ごす非常に貴重な場所であると感じています。その場所がどういうものであるかによってその仕事の生産性でありますとかその人自身の自己実現といったところにも大きく関わってくるものであると思います。本日受賞された企業の皆様のオフィスを好事例として多くの企業の今後のオフィスづくりに波及して行くことを心から期待しております」などと述べました。
審査委員の紹介
続いて
審査委員の紹介が行われました。紹介された審査委員は以下のとおりです。(紹介順)
審査委員長
古谷 誠章氏 (建築家・早稲田大学 教授)
審査委員
岡田 謙一氏 (慶應義塾大学 名誉教授)
木川田 一榮氏 (大阪大学 大学院 国際公共政策研究科 客員教授)
中田 重克氏 (公益社団法人 日本インテリアデザイナー協会)
小高 航 氏 (日本経済新聞社 編集 ビジネス報道ユニット 消費サービスグループ長)
仲 隆介氏 (NAKA Labo代表・京都工芸繊維大学 名誉教授)
小室 淑恵 氏 (株式会社ワーク・ライフバランス 代表取締役社長)
三栖 邦博氏 (一般社団法人ニューオフィス推進協会 会長)
中村 義人氏 (公認会計士)(懇親パーティーから出席)
塚本 裕之氏 (経済産業省 製造産業局 生活製品課 企画官)(当日は欠席)
平手 小太郎氏 (東京大学 名誉教授) (当日は欠席)
平野 哲行氏 (株式会社平野デザイン設計 代表取締役社長)(当日は欠席)
審査委員長の講評
講評を審査委員長の建築家・早稲田大学教授の古谷誠章氏が行い「ご紹介を賜りました古谷でございます本日清水建設温故創新の森 NOVAREをはじめとしまして受賞された全てのオフィスの皆様、ご関係の皆様方誠におめでとうございます。審査委員長を仰せつかっておりますので代表して少し講評を述べさせて頂きます。お手元の資料に詳しくそれぞれのものは書かれているかと思いますのですべてに触れることができませんが、今年感じたことを2,3申し上げたいと思います。
先ほど来お話にありますように、ここのところオフィスというものは急激に発展しておりまして、一頃、快適にオフィス環境、働く環境を整えようという観点からつくられたオフィスが、もう本当に多様な価値観、さまざまな評価基準で試行錯誤されてそれが結実して来た。そういうことをひしひしと感じるところでございます。特にコロナの間を経まして、オフィス環境が急転しまして、少し長いリモートワーク環境を経験した後にもう一度そのオフィスに社員スタッフの皆さんが集まり、そこで集まることによって何が生まれるかというのを本当にそれぞれの業種に応じて工夫されたものが実ってきたなというふうに思います。この少し前まではコロナによってワークスタイルが変わったわけですけど、そうして出た空間の余剰のようなものをいかに新しい価値を生み出す空間にそれを使い変えて、つくり変えていくかということがやや主流だったような気がしますが、この一年はそれを超えまして、その集まって働くことの意義が、集まって働きたい、つまり社員の皆様もスタッフの皆様もそこに行きたくなるようなその動機付け、さらにはそうして得られる相乗的な効果、そしてそれが創意工夫に繋がっていくということが近年増えてきたわけですが、今年はさらにそれが一段と加速したというか、一段階上の段階に達したように思います。特にこの経済産業大臣賞を受賞されました清水建設の温故創新の森に関しましては、これはオフィスなのか企業の研究所なのか、あるいはショールームなのかよくわからないものになっているのですけれども、これまでその事務所に必要とされているものが、あるいはその企業に必要とされているものがそれぞれに目的を持って別々にあったものが統合されて統合されている中から研究をされている方は顧客に近づき、そして企業経営されている方は社員に近づき、そしてその方々同士がそれぞれやっいてることが見えるように、そういう環境を整えられた今までのビルディングタイプというか、オフィスモデルに無いそういうものを新たにつくられたというところが非常に特徴的でございました。
これはこれから先生み出されるものが、単なる価値というよりはこういう仕事があるのではないか、こういうことが社会に貢献できるのではないかと、そういう新たなワークというものを生み出す感覚が致しました。
さらに本当にしのぎを削ってトップを争ったクリエイティブ・オフィス賞を受賞されたタケダグローバル本社ビル、私残念ながら現地審査に訪ねることができなかったのですけど、審査委員の皆様の言葉によりますと大変な創意工夫をなされていて、さらには先ほど三栖会長がおっしゃっていましたが、オフィスなのですけれどその中にラーニングセンターをつくられている。オフィスは働くところだったのではないかと思うのですけれどそこは学習する場所であるといわれたら、と思ったのですけれど、これが翻ってみますと昨今では文科省の学習指導要領も変わっておりまして、小中高校に至るまで全て与えられたものを学ぶ段階ではなくて、自らがその中でアクティブに学習していく探求していく、そういうものだというふうに様変わりがしてきてまいりました。つまりはこれからこのオフィスに新たに社員として入られてくる方々はそういった世代の皆さんが働くことになるわけですね。でその中で今までもうすでに入っていた方ものんびりはしていられないわけで、すでに入られてる方も新入社員の方も含めて皆さん学び合うような、オフィスというところ、働くところである以上にそこで何か自分自身が学ぶ、そういう場所であってその学んだなかから新しい仕事が生まれてくる。これも仕事になる、これも社会に貢献できるぞということが皆さんが気づいていかれるような、そういう息吹きを感じさせていただいてたいへん目を見開かされた思いがいたしました。
このようなわけで、一端のご披露になりましたけれど、どのオフィスも今までの価値観に囚われずに、それぞれの企業にふさわしい将来未来のあり方について本当に真摯に探求されているということが如実に現れていると思います。
さらにこれも近年の傾向ですが、東京関東圏に集中するだけではなく、各地方ブロックで受賞されるその他の県庁所在地などに所在するオフィスなどの中に大変素晴らしいものが多く出てくるようになりました。これも東京圏非常に地価も高いし集中をして密度も高いわけですが、そうでないところにある価値、この空間の豊かさ、そういったものの価値がオフィス環境にとってプラスであるということが顕著になったのではないかと思います」などと述べました。
表彰
その後表彰が行われ、ニューオフィス推進賞16件(うち、経済産業大臣賞1件、クリエイティブ・オフィス賞2件)、関東ニューオフィス奨励賞4件がそれぞれ紹介され表彰されました。
表彰されたオフィスは以下のとおりです。(表彰順)
ニューオフィス推進賞
清水建設 温故創新の森 NOVARE 【東京都江東区】〈経済産業大臣賞〉
タケダグローバル本社ビル 6-19階 【東京都中央区】〈クリエイティブ・オフィス賞〉
ネットワンシステムズ イノベーションセンター(netone valley) 【東京都品川区】〈クリエイティブ・オフィス賞〉
アルプスアルパイン 仙台開発センター(古川) 【宮城県大崎市】
エア・ウォーター健都オフィス 【大阪府摂津市】
エスユーエス 東京オフィス 【東京都港区】
オカモトヤライブオフィス palette(パレット) 【東京都港区】
ジューテック本社ビル 【東京都港区】
第一生命日比谷オフィス 【東京都千代田区】
ダイビル 新本社オフィス 【大阪府大阪市】
日本設計本社オフィス think ++ nexus 【東京都港区】
ベイカレント・コンサルティング 麻布台本社オフィス 【東京都港区】
メニコン シアターAoiビル 【愛知県名古屋市】
森トラストグループ本社オフィス 【東京都港区】
安川メカトレック末松九機 西日本本社ビル 【福岡県福岡市】
LION本社オフィス 【東京都台東区】
関東ニューオフィス奨励賞
竹中グループ 竹中セントラルビルサウス 【東京都江東区】
PARCs Sangetsu Group Creative Hub 【東京都千代田区】
白水社 東京本社オフィス 【東京都中央区】
パナソニック目黒ビル 【東京都品川区】
経済産業大臣賞を受賞した清水建設 温故創新の森 NOVAREに関しては以下のように紹介されました。
清水建設は1804年創業の建築・土木の設計、施工管理などを手掛ける総合建設会社。清水建設 温故創新の森 NOVAREは、事業構造、技術、人財のイノベーションを推進し、社会とのコミュニケーションを図ることを目的としている。事業構造、技術、人財のイノベーションをスパイラルアップし、コンセプトである「超建設」を具現化するため、旧渋沢邸を含めた5つの機能の複合オフィスを構築した。その中のイノベーション活動の拠点となるNOVAREHubは、Discoverエリア(社会問題や課題発見の場)、Defineエリア(仮説立案の場)、Refineエリア(小規模実証の場)、Scaleエリア(社会実装の場)の4つを空間全体に落とし込んでおり、社内外問わず全社員参加型のオープンなイノベーション活動をサポートしていく場となっている。またNOVAREを完成したものとはせず、「創造の基盤整備」、「経験の継承」、「外部とのつながり」の3つの視点で、これからの時代に可能性があると考えられる技術を導入した実証実験を、働きながら行えるオフィスとなっている。
応募オフィス名称:清水建設 温故創新の森 NOVARE
所在地:東京都江東区潮見2-8-20 温故創新の森 NOVARE
オフィスの種類及び建物区分:イノベーションセンター/自社ビル/新築
オフィスの延床面積:22319㎡
オフィスの従業員数:100人
業種:建設
使用開始時期:2023年9月
受賞オフィス代表挨拶
受賞オフィス代表挨拶を清水建設株式会社 副社長 NOVAREエグゼクティブコンダクターの大西 正修 氏が行い「今回の受賞対象であります清水建設温故創新の森 NOVAREのエグゼクティブコンダクター、責任者の立場から一言ご挨拶申し上げます。第37回日経ニューオフィス賞経済産業大臣賞を賜り誠にありがとうございました。関係者一同この事に歓喜すると同時に10年後の人たちから見てもこれは妥当であったなと認めてもらえるような運営をしていくことが必要であると引き締めているところでございます。
さて、弊社がイノベーション拠点である温故創新の森 NOVAREをつくった背景からお話をさせていただきます。
清水建設は2019年長期ビジョン『SHIMIZ VISION 2030』を発表し目指すべき企業像として建築企業の枠を超え、時代を先取りした価値を創造するスマートイノベーションカンパニーを掲げました。そこでは『事業構造』『技術』『人財』、この三つのイノベーションを推進し、社会に『レジリエント』『インクルーシブ』『サステナブル』な価値を提供することとしました。そしてこの活動及びそこに至るマインドセットを『超建設』、建設を超えるという概念でまとめその実現を目指し整備したのが温故創新の森 NOVAREでございます。
施設は5つの異なる機能の塔でできておりますが、自然の森が生態系エコシステムを形成するようにこの5つの塔が自立かつ連携してイノベーションを展開することを期待して計画をいたしました。
清水建設は今年創立220年を迎えました。この間、今では実感し難いような社会の変化、価値観の変容に遭遇し、その都度に挑戦をし、建築界を切り拓いてきた先達の姿がありました。イノベーションを推進し超建設を具現化するためにまず歴史から学んでもらおう、それでつくったのが建築の資料館『NOVARE Archives』と『旧渋沢亭』でございます。古きを温ね新しきを創る、温故創新の温故に相当する施設でございます。またNOVAREの中には建設プロセスの実物大モックアップを揃えた教育、学習の場アカデミーを設置し、建設業から切り離すことができない実物の学びの場を用意しています。ここは社内だけではなく発注者の方、学生たちなど外部の方にも活用してもらい建設業の現在と将来を考える場にして行きたいと考えています。
さてイノベーション活動の拠点である根幹の役割を果たすのが『NOVARE Hub』です。日経ニューオフィス賞の主要な対象根拠ということになります。ここで目指したのは、社内外の人たちが、ノベーション活動を段階やテーマに応じてストレスなくかつクリエイティブに活用できる場所づくりです。利用者が自由な空間、環境を自らつくり出すノーアドレス空間としました。これを実現するため情報や電力の配線を一切無くし、空調も個人の位置情報に連動した超個別空調とするなど環境も整えました。今後さらに多様な人たちが多様に使っていただくということを期待しています。
今回の日経ニューオフィス賞はこれらオフィス環境の整備に留まらずオフィス活動、我々の場合でいうとイノベーション活動そのものにも向けられたものであると認識をしております。今後より実りの多い活動ができるよう、より多くの社会課題が探索できるよう多くの社外の方々と協創をしてまいりたいと考えておりますので本日ここにお集まりの方々にも温故創新の森 NOVAREに是非協創に来ていただこうと思っております。最後になりますがこれからの活動に期待を込めて賞の選定を行っていただいた審査員の先生方に感謝し私からの挨拶とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました」などと述べました。
懇親パーティー
続いて、場所をカンファレンスルームに移し懇親パーティーが開催されました。
主催者挨拶
懇親パーティーでは、主催者挨拶を三栖会長が行い、「今年は全国から過去二番目に多い153件の応募をいただきました。その中から経済産業大臣賞を含め16のオフィスにニューオフィス推進賞、4つのオフィスに関東ニューオフィス奨励賞を差し上げました。いずれも大変クオリティが高く、先進性に優れ、まさに我が国のオフィスづくりをリードするにふさわしい模範的な事例でございます。受賞された皆様に心よりお祝いを申し上げます。
今日は受賞された企業の方々、それからオフィスの空間や室内の企画、設計あるいは施工、製造に関わった皆様方をはじめとしてオフィスに関わる大勢の皆様、2百数十名の皆様にお集まりいただきました。皆様のご協力を得てこのように盛大に開催することが出来ますことは、オフィスづくりに関わるすべての人のコミュニケーションハブを目指す私どもニューオフィス推進協会にとりまして大変嬉しくまた深く感謝を申し上げる次第でございます。
すべてのことは人と人との出会いから始まるといわれますけれども、本日もこの機会が皆様にとって何かが始まる出会いの場になる機会にしていただければと思っております」などと述べました。
来賓挨拶
来賓挨拶を経済産業省 製造産業局生活製品課 課長補佐の大塚 恒明 氏が行い「この度、経済産業大臣賞を受賞された清水建設株式会社様をはじめとする各賞を受賞の皆様におかれましては誠におめでとうございます。
昨今オフィスをめぐる環境について、働き方の多様化、情報通信技術の進展などその変化が目まぐるしい状況であり、また新型コロナ感染拡大を経て働き方の変化、特にテレワークオンライン会議ということが当たり前のものとなったかたわら、オフィス以外でも働けるこの状況下でも、ますますこのオフィスというところにまた心が集まるような状況を、今回私オブザーバーとしていくつかのオフィスを拝見させていただきました。中に居て事務仕事を行っている経産省の人間がなかなか拝見する機会もないので正直本当に驚いて感動しました。空間の縦、横、奥行き、人、つながり、地元、そういったものの目線や色々な考え方の中で、この日経ニューオフィス賞というものの審査が非常に難しい中を経て、今回受賞に至ったのではないかと思いました。このような状況下で非常に皆様の取り組み、知的財産生産性含めたニューオフィスづくりということが、ますます普及促進を図っていくことが非常に重要であり、まさにこの日経ニューオフィス賞が重要なものなのではないかと感じている次第です」などと述べました。
受賞オフィス代表挨拶
ニューオフィス推進賞受賞オフィスと関東ニューオフィス奨励賞受賞オフィスが紹介された後、
受賞オフィス代表挨拶をネットワンシステムズ株式会社 管理本部 副本部長の沖 千里 氏が行い「本日は第37回日経ニューオフィス推進賞クリエイティブ・オフィス賞を受賞させていただきまして、大変輝かしい賞を賜りまして非常に嬉しく思っております。大変光栄なことと心より御礼申し上げます。
私どもネットワンシステムズという会社は、創業以来ネットワークを中核技術としてお客様のICTのインフラを支える、目には見えない縁の下の力持ちということでお客様をご支援させていただいております。
品川区勝島に7階建ての倉庫をオフィス、倉庫を活用したイノベーションセンターとして昨年5月オープン致しました。イノベーションセンターという名前が付いておりますけれども化学反応を誘発するイノベーションというのはよく耳にするフレーズかと思いますが、私共本気でそれを実行して行きたいというふうに思っておりますし、失敗と成功を次の糧に繋げて押し進めていきたいというふうに思っております。
ネットワンシステムズのイノベーションセンターネットワークバレーですが、ユニークな人々新しいアイディアや斬新なアイディアそして何よりも新しい技術、そういったものが集まるICTのハブとしていきたい、そこを実証実験の場としていきたいというふうに思っております。そして今回ご縁があってここにお集まりの皆様とは一緒にイノベーションを起こせるのではないかというふうにまさに今日この場で確信をした次第でございます。
弊社のオフィスは社員が働くだけの場ではございません。ここにいらっしゃる皆様方日本の企業あるいは海外の企業とも繋がってこれからの新しい人材を一緒に育成していく、そしてイノベーション、新しい価値を創造していくということを是非皆様と進めていきたいと、今日はそんな新たな一歩を踏み出すスタートの場となったというふうに思い、大変うれしく思っております。本日は大変貴重な場を頂戴しまして誠にありがとうございました」などと述べました。
乾杯の挨拶
乾杯の挨拶・発声を審査委員長で建築家・早稲田大学 教授の古谷 誠章 氏が行い「いま受賞オフィスのご紹介がございましたけれども、お手元のパンフレットでも分からないぐらいこの中に実はものすごく多様なものがありまして、この中にこれからの日本のオフィスの新たなそのイメージの種のようなものがキラキラを輝いている。そういう受賞者の顔ぶれでございます。この後じっくりご歓談いただいて、お互いにご紹介して頂ければいいかなと思います。
先ほど表彰式の時にもう少し申し上げたのですけれど、オフィスは新しいフェーズに入って来まして、単に働きやすいあるいは創造的という言葉では言い表せないような、もうそこで働かれる方同士が集まって何かこう出会ったり、協働したり連携したりすることから新しいワークが生まれてくるような、そういう時代になったなというふうに思います。
先ほど経済産業大臣賞を受賞された清水建設 温故創新の森 NOVARE様とそれからタケダグローバル本社ビル様には多少言及したのですが、今ご挨拶されたネットワンシステムズ イノベーションセンター netone valleyに関して少し言及が足りなかったので少しここで補足させていただきたいと思います。
実は今ご紹介のあった通り倉庫をイノベーションされてその中にまさに先端技術を駆使して人、モノ、情報、というと言い古されている感じがするのですけれど、人、モノ、情報が本当にこの中で渦巻いているというような、そういう創造的なオフィス、なにせ中に体育館もあるというそういうオフィスをつくられたということで、これもまた非常に目を開かされた思いがいたしました。
しかし私本職が建築家で、ものを設計する立場なのですけれど、もう倉庫でいいよっていわれると僕たちの仕事はどうなるのだろうとちょっと心配なものがあるのですけれど、むしろその中に詰まったそういう創意工夫の方がはるかに新しいオフィスを築いていく上で大きな原動力になるということが示されていると思います。本当におめでとうございます」などと述べ乾杯の発声を行いました。
和やかな歓談が続き、懇親パーティーは盛況の裡に閉会となりました。