イトーキ、オフィスワーカーの活動を画像解析で測定するアプリケーションの研究開発を開始
オフィス空間での「活動」を定義づけ
今後は画像認識AIモデルでの検知の取り組みも
イトーキは、主にリニューアルや移転が完了したオフィスで従業員がスペースを有効活用できているかの効果検証を目的に、画像解析で定量測定が可能なアプリケーションの研究開発を開始したことを8月20日に発表しました。
調査背景
同社によると、同社のDX推進本部では、次世代の働き方に関するサービスを提供するため、先端テクノロジーを活用した研究開発を行っていて、今回の取り組みはその一環となるといいます。
今回、まずは画像解析の検知モデルの開発に必要な調査をオフィスで実施し、業務中の活動の分類と定義づけを行ったとしています。
オフィスでの活動は1人の作業、2人以上の作業、ミーティング、電話、集中、休憩など、様々なパターンに分類されるといいます。それらひとつひとつを一から定義し、アルゴリズムを構築することで、定量的な画像解析の測定が可能にるといいます。将来的にはオフィスの構築・運用サービスの価値向上を目指すとしています。
調査前提
同調査は同社の従業員の理解を得て実施しているといいます。また、オフィスの一部で従業員の働き方をカメラで撮影し、画像解析を行っているとしていますが、個人は一切特定せず、活動のみを調査対象としているといいます。なお、取得した画像についてはクラウドへの保存ではなくエッジ処理を検討し、慎重に推進しているとしています。
調査内容
調査はリニューアル後のイトーキの名古屋オフィス「ITOKI NAGOYA DELA」で、システムインテグレーター大手の株式会社オージス総研と共同で行ったといいます。
オフィスの一部のエリアを360度カメラで撮影し、調査メンバーが目視でも従業員の活動記録を実施。各自の活動を人、物、場所の観点で記述し、データを収集するとしています。
その後、従業員のオフィスでの活動を分類し「活動の定義」を決定するといいます。具体的には定義名とそれに対する説明を定めるとしています。ポイントは、予め分類された既存の活動を再定義する検証ではなく、今回の活動観察で得たファクトをもとに一から「活動の定義」を決定している点だとしています。
調査後に行われた「活動の定義」のワークショップの結果、今回はインフォーマルな「チャット」活動の定義づけを行ったといいます。特徴として、以下が挙げられるとしています。
【定義された活動】
チャット
【特徴の説明例】
・2人以上の会話の内容が仕事か否かは問わない雑談、相談、報告
・1人が意思をもつ、もしくは偶発的な出会いで会話が発生
・場所は特定の会議室ではないスペース
・お互いの距離が1メートル未満
展望
今後は、同調査を基に「活動の定義」を増やすことで、画像認識AIモデルのためのアルゴリズムを構築し、活動を定量的に測定するアプリケーションの開発を開始するといいます。
同社はこれからもオフィスDXの分野において、データ活用で働き方や働く環境に関する研究開発を進め、顧客の働き方改革や人的資本経営の推進に貢献していくとしています。
(画像はイトーキ様リリースより)