イトーキ、イトーキ中央研究所が働く人の意識と職場環境満足度向上要因をまとめた「働き方とオフィス2024」を公開

オフィスに満足している人の出社への前向き度は通常の2倍以上

オフィス環境満足度と出社意欲、エンゲージメントの因果関係が明らかに

イトーキは、イトーキ中央研究所が、全国の正社員・経営者約5,000人を対象に働き方・オフィス環境に対する意識と満足度向上要因をまとめた「働き方とオフィス2024」を5月23日に公開しました。
同研究所によると、リモートワークなどの普及によりさらなる働き方変革・オフィス環境構築の機運が高まるなか、オフィスの存在価値は大きく変化しているといいます。中長期視点でワークスタイルやワークプレイスのあり方についてリサーチを行う同研究所が分析を行った同調査結果は、新しい働き方の導入や働く人のエンゲージメント向上のための環境づくりにおける課題とヒントが伺える結果となったとしています。

調査ハイライト

・リモートワークは減少し、毎日出社が8割以上
・オフィスに満足している人は通常の2倍以上出社に前向き(=エンゲージメントが高い)
・満足度を向上させるために必要なスペースは1位「1人で集中するスペース」、2位「個人でのリフレッシュスペース」3位「遮音ブース・スペース」で個人が主体のスペースがトップに
・オフィス環境満足度は世代間でギャップがあり、その解消も重要
・<総括>ギャップに注目し環境満足度の高いオフィスをつくる

リモートワークは減少し、毎日出社が8割以上

コロナ5類以降(2023年5月)の1日以上リモートワークしている人の割合は全体の26.7%、2024年は19.9%と6.8%減少しているといいます。一方で毎日出社が80.1%とコロナ以前の水準(83.2%)に戻り、オフィス回帰の流れが明確になったとしています。
コロナ前は業務遂行が主な出社の目的でしたが、コロナ禍において出社が制限されリモートワークが普及したことで、オフィスワーカーが働く場所を自由に選べるようになったといいます。昨今は対面ならではのコミュニケーションやコラボレーションを出社の目的とするケースが増えてきていて、「出社の意義」がコロナ前後で変化してきているとしています。

オフィスに満足している人は通常の2倍以上出社に前向き(=エンゲージメントが高い)

いつも前向きに出社している人の割合は全体で21%となりましたが、「オフィス環境に満足しているか」の質問で、「満足している」と回答した人で絞ると2倍以上の55.3%、「やや満足している」と回答した人では約1.5倍の31.1%となったといいます。オフィス環境を充実させることが出社意欲につながり、さらにはエンゲージメント(従業員満足度)向上にも寄与していることが分かるとしています。

満足度を向上させるために必要なスペースは1位「1人で集中するスペース」、2位「個人でのリフレッシュスペース」3位「遮音ブース・スペース」で個人主体が主体のスペースがトップに

オフィスに望むスペースとして個人で集中し、リフレッシュできるスペースが上位になったといいます。以前はコミュニケーション機能のスペースが上位に選ばれていて、要因は様々あると推察できますが、働き方の変化がオフィスに求められる機能にも影響していることが考えられるとしています。

オフィス環境の満足度は世代間でギャップがあり、その解消も重要

オフィス満足度は肯定回答(満足している・やや満足している)が37.9%となったといいます。世代別にみると20代が高い結果となり、年齢があがるほど満足度は下がっていることもみてとれるとしています。世代別にオフィス環境で重視している内容が異なることが考えられるとし、どのような差があるかを理解し反映する施策を考えることが重要といえるとしています。

<総括> ギャップに注目し環境満足度の高いオフィスを目指す

今回の調査で、オフィス環境満足度が高ければ出社意欲につながり、さらには働く人のエンゲージメントが高くなることが定量的に明らかになりました。しかし、どのようなオフィスをつくれば満足度が向上するかについては、これまで具体的な観点が整理されていませんでした。当然、企業ごとに異なるはずですが「何か傾向があるのではないか」と今回注目したのは、世代間のギャップです。多くの世代が働くオフィスだからこそ、組織としてのゴールは同じでも、達成する場としてのオフィスに求めることに差があるのではないかと思い分析を進めたところ、いくつかのギャップが浮き彫りになりました。そこにさまざまなリスクも内在するのではいかと推察できます。例えば20代ではコミュニケーションスペースの要望が高いですが、40代以上はそれほど高くありません。ここにはオフィスで会話したい若手とそこを重視しないミドル層の壁が見えてきます。もし、若手の定着率向上が課題であれば解決の糸口になるかもしれません。このように本調査レポートの完全版ではさまざまな観点で分析・考察をまとめています。本調査が皆さまのオフィスづくりの支援になれば幸いです。
株式会社イトーキ 執行役員 中央研究所上席研究員
二之湯 弘章氏

株式会社イトーキ 執行役員 中央研究所上席研究員
二之湯 弘章氏

1990年イトーキ入社後、デザイン設計を中心に様々なオフィス・公共施設構築の業務に携わる。ワークショップ開催からプログラミング、コンセプト立案、デザイン設計、現場監理まで一貫して行うことで満足の高い施設作りを得意とする。入社当初はイトーキ中部支社にて勤務。東京勤務後は自社オフィスのSYNQA、XORKの企画・設計に携わる。日経ニューオフィス賞他、デザインアワード入賞多数。2023年より中央研究所所属。2024年より同社執行役員。

調査概要

名称 働く人の意識調査「働き方とオフィス2024」
対象 47都道府県の20歳~59歳の経営者・正社員
回答者数 5,359人
形式 インターネット調査
期間 2024年4月1日(月)~4月3日(水)
主体 株式会社イトーキ 中央研究所

イトーキ中央研究所について

2023年1月にイトーキ内に新設された組織。空間デザイン、プロダクトデザイン、開発設計、生産技術、樹脂材料、3DCADなど専門人財が所属し、10年後を見据えた未来の働き方、オフィスの在り方、新たな素材、デザイン手法、生産技術に関してリサーチを行っているとしています。

(画像はイトーキ様リリースより)

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