オカムラ、ベースアップ12,000円を含んだ7.30%相当の賃上げ
年間賞与は6.4カ月(平均約215万円)の見込み、大卒初任給は25万円へ引き上げ
人財育成と働きがい改革の二本柱で、従業員と会社がともに成長
オカムラは、人的資本経営の柱の一つである「働きがい改革」の実現に向けて、今年度の春季労使協議の結果、ベースアップ12,000円と定期昇給で合計5.68%の賃上げを実施するといいます。大学院卒・大卒・高卒の初任給を約10%引き上げ、大卒初任給は25万円となるとしています。初任給改定による賃金増額補正を実施し、ベースアップ、定期昇給と合わせると7.30%の賃金改定になるといいます。また、今年度の年間賞与は6.4カ月、平均約215万円の過去最高の賞与支給額になる見込みだとしています。
1.賃上げの背景
同社は、中期経営計画2025で「新たな需要の創出」を目指し、時代の流れを捉え、提案力と製品力を磨き、「需要創出型企業」への変革を加速させているといいます。企業の持続的成長を支える従業員一人ひとりが活き活きと働くことができるよう「人財育成」と「働きがい改革」を人的資本経営の二本柱として進めているとしています。今年度の賃上げにより、物価上昇に対応し、優秀な人財の確保につなげるといいます。従業員のエンゲージメントを高め、企業価値向上を図るとしています。
2.具体的な改定内容
①基本給の改定
組合員一人当たりベースアップ一律12,000円と定期昇給の合計5.68%の基本給の改定を4月度給与から実施するといいます。
②初任給の改定
以下の通り、今年度の初任給を改定するとしています。
従来 改定後 増額
高校卒 182,500円 200,500円 +18,000円
大学卒 227,000円 250,000円 +23,000円
大学院卒 241,000円 264,000円 +23,000円
③初任給改定に伴う、賃金の補正
初任給を改定することで入社2年目以降の従業員の賃金との逆転が生じないよう若年層を中心に基本給を補正するといいます。それによる増額分は、組合員一人当たり5,300円相当(1.62%)になり、ベースアップ、定期昇給と合わせると7.30%の賃金改定となるとしています。
3.賞与について
同社では、業績の結果によって賞与額を決定する成果型の業績賞与制度を導入しているといいます。年間賞与=夏季1.5カ月+年末2.0カ月+業績賞与で構成されているとしています。
今年度の業績賞与は、好調な業績を受け、6月末に約2.9カ月を支給する見込みだといいます。その結果、今年度の年間賞与は組合員一人当たり6.4カ月、平均約215万円の見込みとなり過去最高の賞与支給額となるとしています。
4.人財の採用について
2024年4月に大学院・大学卒137名、高校卒57名の194名が入社したといいます。また、前年度は30名のキャリア人財を採用しているとしています。今年度の採用活動は、大学院・大学卒140名、高校卒60名の200名の新卒入社と約60名のキャリア人財の獲得に向けて活動を進めているとしています。
5.その他
①福利厚生制度の改善
物価上昇を考慮し宿泊出張時の宿泊代の増額、赴任者の家賃支給基準額と単身赴任手当の増額を実施するといいます。
②パート社員の時給改定
物価上昇への対応として、パート社員の賃金について組合員同様ベースアップ3.6%相当分の時給50円の増額を実施するとしています。
ーオカムラの人的資本経営の二本柱「人財育成」「働きがい改革」ー
同社は創業以来、経営の基本方針において、「従業員はあくまで事業の協力者であり、縁あって互いに当社の人になったものである。共に企業を繁栄させる協力者であり、各々がチームの一員である。」と掲げ、「創造・協力・節約・貯蓄・奉仕」を社是に、人を中心とした経営を行ってきたといいます。「人が活きる社会の実現」を目指し、企業の持続的成長を支える従業員一人ひとりが活き活きと働くことができるように、「人財育成」と「働きがい改革」を一段と進めることで、結果としてエンゲージメント向上につなげるとしています。
人事施策の基本方針
・従業員一人ひとりが活き活きと働き、WiL-BE※を実現できる環境づくりを通して、エンゲージメントを高め、最大限の成果を発揮することによってオカムラの企業価値を向上させる。
・経営戦略を実現するために必要な人財ポートフォリオを構築し、採用・育成・評価・処遇・配置の人財サイクルによって従業員一人ひとりの成長とキャリア形成を図る。
・全社一体で最大限のパフォーマンスが発揮できる組織の構築と人財の配置を行いオカムラウェイ(経営理念)の浸透とチームワークの強化で経営目標を達成する。
※オカムラでは働きがい改革を「WiL-BE(ウィル・ビー)」と名付けて推進しているといいます。「WiL-BE」は同社が提唱する「Work in Life(ワークインライフ)」に由来していますが、Work in Life は「Life(人生)にはさまざまな要素があり、その中の一つとしてWork(仕事)がある」という考え方だとしています。
(画像はオカムラ様リリースより)