コクヨ、初の廃校利活用プロデュース

富山県立山町に親子で学べる体験宿泊型の小学校が2024年春に開校

コクヨは、2021年から前田薬品工業株式会社が推進する「立山町日中上野小学校跡地利活用事業」に空間プロデューサーとして参画することが決定したといいます。同社としては、初の廃校利活用プロデュースの事例となるとしています。

前田薬品工業とコクヨは、「学ぶ」「働く」「遊ぶ」をテーマにした新しい場づくりと学びのあり方の実証実験場として、立山町立日中上野小学校跡地を活用した親子で学べる体験宿泊型の小学校を2024年春に開校するといいます。

同社によると、国内には、年間300校を超える小中学校が廃校になっていて、特に地方部において、廃校後の利活用が課題となっているといいます。また、富山県、そして、立山町も廃校や空き家を抱え、人口も年々減少しているなど、過疎化が進行していることを自治体、前田薬品工業ともに課題として捉えているとしています。

一方で、人生100年時代の到来やコロナ禍を経て、副業や社会貢献活動、学び直しなど、自己実現のために可処分時間を使う方が増えていることから、学びの場の提供には一定のニーズがあると考えているといいます。

このほど、利活用を行う立山町立日中上野小学校利活用は2019年に廃校となった後、立山町による跡地利活用の公募プロポーサルを経て、前田薬品工業が採択された事業とるとしています。

前田薬品工業とコクヨは、「遊ぶ、学ぶ、働く」をコンセプトに、小学校跡地では、親子で学ぶワークショップや授業、ドミトリー型の「宿泊施設」、富山県産食材を活用した調理体験も可能な「レストラン」などを併設した複合施設を開校し、地域の新たな拠点として、また、新たな学びを提供することで、地域課題解決に取り組むといいます。
コクヨは、「WORK & LIFE STYLE Company」として、本実証実験を通して、新たな体験価値の提供に取り組むとしています。

■ 事業体制

・施主、事業主体 :前田薬品工業株式会社
・企画設計、プロデュース  :コクヨ株式会社、コクヨ北陸新潟販売株式会社、株式会社 WATARU ARCHITECTS

旧立山町立日中上野小学校 概要

所在地   :富山県中新川郡立山町日中上野80番地
創立年    :1884年3月
廃校年    :2019年4月より休校、2021年9月 廃校
延床面積   :2,130m2
構造     :RC造
階数 :地上3階

前田薬品工業工業株式会社 概要

会社名    :前田薬品工業株式会社
代表者    :代表取締役社長 前田大介 氏
所在地    :富山県富山市向新庄町1丁目18番47号
設立     :1966年2月8日
資本金    :9,300万円
事業内容  :医薬品・医薬部外品及び化粧品の製造及び製造販売

参考 コクヨの地域課題解決事例

(1)THE CAMPUS(ザ・キャンパス)

THE CAMPUSはコクヨ東京品川オフィス及び東京ショールームの自社ビルをリニューアルし、2021年2月15日に“みんなのワーク&ライフ開放区”として開業したといいます。コクヨが「NEXT EXPERIENCE」(=長期的視点で社会課題解決に取り組んでいくこと)の活動を通じて、未来につながる価値を探求するため、様々な専門性や経験を持つ人々と全館通して実験・実践する場所として設立したとしています。オフィスの中に顧客や地域の人が利用できるラウンジやショップ等を併設したことで、“働く場所”だったオフィスが、老若男女多くの方々が集まる場所に変化。新たな地域拠点となったTHE CAMPUSは、グッドデザイン金賞をはじめ、国内外16のアワードを受賞しているとしています。

(2)未来コンビニ

建築・インテリア・ランドスケープデザインを手がけた未来コンビニは、徳島県の山村、那賀町木頭地区の人口1000人の小さな村「木頭」を、文化の力で復興させるためのプロジェクト「KITO DESIGN PROJECT」の一環として設立されたといいます。

(3)神山まるごと高専

コクヨが企業版ふるさと納税を活用し寄付をし、また、「プログラムパートナー」として4年後期の授業を担当するといいます。ワークショップなどの実践的な学びの提供を通じて循環型社会を推進。コクヨのマテリアリティの1つとして掲げている「循環型社会への貢献」に向けた活動やこれまでのものづくりの経験をもとに企画した授業科目「循環型プロダクトワークショップ」がカリキュラムに採択されたとしています。

(画像はコクヨ様リリースより)

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