イトーキ、「生きるように働くカタチ展」プレスイベントを開催し「vertebra03 WOOD」「hako」を披露

プロダクトデザイナー柴田文江氏を招き、カリモク家具・イトーキとのトークセッションを実施

予約受付もスタート

イトーキは、2023年12月7日(木)から「生きるように働くカタチ展」*を開催。それに先駆けて12月6日(水)に報道関係者向けのプレスイベントをKarimoku Commons Tokyoで開催しました。
プロダクトデザイナー柴田文江氏がデザインを手掛け、カリモク家具とのコラボレーションで誕生した木の温もりとエルゴノミクスが融合するという木質ワークチェア「vertebra03 WOOD(バーテブラゼロサンウッド)」と、居場所を制限しない自由な働き方とシンプルで美しい佇まいを両立するというポータブルバッテリー「hako(ハコ)」を披露し、商品開発担当から製品プレゼンテーションを実施。また、プロダクトデザイナー 柴田文江氏、カリモク家具株式会社 赤松絵理氏、イトーキ空間デザイナー 香山幸子氏が、「生きるように働くカタチ」をテーマに製品開発秘話や昨今のオフィス空間デザイントレンドに関するトークセッションを行いました。

*イベント名称は「生きるように働く」の著者であるナカムラケンタ氏より許諾を得たうえで使用しているとしています。

製品プレゼンテーション

"日本の「働く」をもっと自由に。" という思想のもと、プロダクトデザイナー柴田文江氏のデザイン、カリモク家具の木の知見と加工技術、イトーキの人間工学に基づいたオフィス家具づくりの知見とノウハウを掛け合わせ、新たに誕生した2つのプロダクト。「vertebra03 WOOD」商品開発担当のイトーキ プロダクトマネジメント部 田中啓介氏および、「hako」商品開発担当者の皆内章吾氏(所属部署同上)が開発背景・コンセプト・特徴などを実物の製品や開発当時の未公開写真を用いながら説明しました。

「vertebra03 WOOD」商品開発担当の田中啓介氏(左)と「hako」商品開発担当の皆内章吾氏(右)

「生きるように働くカタチ」トークセッション

続いてプロダクトデザイナーの柴田文江氏、カリモク家具株式会社コントラクト営業部 の赤松絵理氏、イトーキ営業本部ワークスタイルデザイン統括部第2デザインセンター長 香山幸子氏によるトークセッションが行われました。

■プロダクトデザイナー 柴田 文江 氏

イトーキ×カリモク家具×外部デザイナー3者の知見を掛け合わせた、新たな試み

本展示会の名称であり、2019年のvertebra03発売時から掲げている「生きるように働く」という言葉。この思想をベースに今回新たに誕生した2つのカタチ「vertebra03 WOOD」と「hako」のデザインについて柴田氏は、「木質のワークチェアを作りたいですねというお話をイトーキさんとしていたところ、カリモク家具さんとのご縁をいただき、3者でのプロジェクトがスタートしました。実際にカリモク家具さんの工場に伺い、木を加工する工程を拝見しながら開発を進めていきました。hakoは、ワークスタイルが多様化するなかで、電源に縛られない自由な働き方を実現できるポータブルバッテリーを開発したいというお話をイトーキさんからいただいたのがきっかけです。家電の文脈ではなく、働き方やオフィスをデザインするイトーキさんらしいプロダクトにすることを意識しました。」と製品開発のきっかけや想いを語りました。

「vertebra03 WOODは、 "『働く』と『暮らす』を越境するワークチェア"として、自然と正しい着座姿勢に導くメカニズムの快適性と、豊かな空間になじみ自由にカスタマイズできるデザイン性や拡張性を両立するコンセプトは変わりませんが、木にすることで新たな挑戦もありました。例えば、背とボディのジョイント部分は、ファブリックの時のスマートな見た目を木で再現するのに苦労しました。3者で知恵を出し合い工夫を重ね、ファブリックをそのまま木にしたような造形を実現することができました。また、vertebra03の背座の3次元的なカーブ形状を踏襲した座り心地に関しても、試作に何度も座って耐圧を図りながら面形状の調整をしました。色合いにもこだわり、カリモク家具の職人さんと直接会話をしながら色出しをすることで、木目を生かした塗装に仕上りました。カリモク家具の最新設備と職人さんの技術、イトーキの人間工学に基づくワークチェアの知見の掛け合わせにより、これまでになかった木質のワークチェアが完成しました。」と、デザインや設計面での苦労やこだわりについて述べました。また、vertebra03 WOOD商品開発担当の田中氏は「vertebra03は柴田さんと一緒に作り上げましたが、今回はこれまでのように背座をウレタンで作るのと木で作るのではアプローチが全く異なり苦労しました。木のプロフェッショナルであるカリモク家具さんのおかげで、vertebra03シリーズの次世代モデルが誕生しました。」との開発秘話も語りました。

続いてhakoに関して柴田氏から「初期段階から4つセットにしたいという構想はありました。ただ、ガジェット感が強すぎるとオフィスのノイズになってしまう。ペーパーボックスをモチーフに限りなくシンプルなデザインにするとともに、vertebra03 WOODの色合いや今の住環境にもなじむよう、4色のカラーバリエーションとしました。シンプルな四角い箱だからこそ、細かいディテールまでこだわりました。通常、直角直交をプラスチックで再現するのは難しいものです。ですが、イトーキさんならきっと実現してくれるのではないかという期待もあり、妥協せず議論を重ねました。結果として理想のデザインを実現できました。また、最近のオフィスだとPCを持ちながらポータブルバッテリーを運ぶシーンも多いと思うので、持ちやすさを意識したハンドルも付けました。」というコメントに対し、hako商品開発担当の皆内氏からは「hakoは最初に柴田さんから出していただいたデザイン案をほぼ踏襲しています。シンプルだからこそ、こだわりのデザインを量産品で実現したいという双方の想いから、新しいカタチのポータブルバッテリーを世に送り出すことができたと思います。」と、イトーキとしての挑戦に触れました。

■カリモク家具株式会社 コントラクト営業部 赤松 絵理 氏

vertebra03ならではの3次元曲面を木で実現する、最新設備と職人技

vertebra03 WOODにおいて、国産広葉樹であるクリの無垢材を切削して成形した背とシートの製作を担当したカリモク家具。「vertebra03 WOODの木部のシートは二層の集成材になっており、見えにくい部分はクリの短い材料を繋ぎ合わせて有効活用しています。モタレは削った時になるべく木目がきれいに見えるように考えて積層されています。加工は刃物を9回変えて90分削り続け、その間に職人の手で微調整を行います。柴田さんがおっしゃったように、最新の設備と職人技の掛け合わせでvertebra03ならではの特徴的な曲面を木で実現しました。」と、木部監修の立場としてのこだわりについて述べました。
また、普段営業として空間デザインに携っている立場から「これまでカリモクの家具がオフィスに入るのは役員室や応接室のみでした。それが近年のオフィス木質化に伴い、執務スペースにも木質家具が入るようになってきました。ワークチェアの機能性を有した木質チェアはこれまでになかったので、ぜひ多くの方々に使っていただきたいです。」という感想を述べました。

■株式会社イトーキ 営業本部 ワークスタイルデザイン統括部 第2デザインセンター長 香山 幸子 氏

これからの働き方とオフィスに寄り添う、vertebra03 WOODとhako

イトーキのインハウス空間デザイナーとして働き方や空間を提案している香山氏は昨今のオフィス空間デザインやインテリアのトレンドやニーズとして「カフェやリビングライクな空間など、一見オフィスに見えないワークスぺースが増えています。どこでも自由に働ける時代、オフィスワーカーの価値観も多様化するなかで、行きたくなるオフィスづくりは組織にとって重要課題となっています。」とコメントしました。そのうえで空間提案をする際には「機能性だけでなく居心地も意識しています。最新のワークスタイルやワークプレイスをお客様に向けて発信する場である弊社本社のITOKI TOKYO XORK(イトーキ・トウキョウ・ゾーク)も、レイアウトや什器だけではなく、照明やマテリアルなどにもこだわって設計しており、仕事に対する社員のポジティブなマインド醸成やコミュニケーション活性化を促すオフィスとなっています。」とのことでした。
これらを踏まえ「vertebra03 WOODとhakoは、これからのオフィス空間において非常に使っていただきやすいプロダクトだと感じています。vertebra03 WOODは木質空間になじみながら長時間座っても疲れないのでコワークエリアなどにぴったりですし、hakoは壁際の棚などにずらりと並べて置いても可愛いと思います。近々XORKのインテリア空間にも取り入れる予定です。」と、変わり続けるワークプレイスとワースタイルに寄り添う、両プロダクトの可能性を示唆しました。

登壇者プロフィール

【柴田 文江 氏/FUMIE SHIBATA】

エレクトロニクス商品から日用雑貨、医療機器、ホテルのトータルディレクションなど、国内外のメーカーとのプロジェクトを進行中。iF金賞(ドイツ)、red dot design award、毎日デザイン賞、Gマーク金賞、アジアデザイン賞大賞・文化特別賞・金賞などの受賞歴がある。多摩美術大学教授、2018-2019年度グッドデザイン賞審査委員長を務める。著書『あるカタチの内側にある、もうひとつのカタチ』。

【赤松 絵理 氏/ERI AKAMATSU】

2014年カリモク家具㈱入社。家具店などへの営業を経て現職。オフィスや商業施設の設計を行っている設計事務所への営業を担当しつつ、近年は社内外にて国産材活用を促す勉強会を実施している。

【香山 幸子 氏/SACHIKO KAYAMA】

イトーキ入社以来20年以上にわたり、200件以上のさまざまなオフィスのプロジェクトに携わる。2012年のイノベーションセンター設立、2018年の本社オフィス移転と自社オフィスのプロジェクトのデザインの全てを担当し、WELL認証の取得やABWの大規模導入を実現した。現在はデザインセンター長として主に首都圏のプロジェクトを担当している。

"生きるように働くカタチ"を体感できる展示スペース

会場では「vertebra03 WOOD」と「hako」のデザインプロセスや開発ストーリーを可視化。開発当時の写真やストーリーを交え、実際にプロダクトに触れ、座ることが可能だといいます。イトーキが提案するこれからのワークスタイルを体感できる空間となっているとしています。

「生きるように働くカタチ展」概要

名称    生きるように働くカタチ展
会期    2023年12月7日(木)~2024年1月12日(金)
       ※日曜日、年末年始12月28日(木)~1月7日(日)は除く
営業時間  12:00~18:00
場所    Karimoku Commons Tokyo 1Fギャラリースペース
     〒106-0031東京都港区西麻布2丁目22-5
     東京メトロ表参道駅A5番出口より徒歩10分
主催    株式会社イトーキ
後援    プロダクトデザイナー 柴田 文江 氏
     カリモク家具株式会社
協力    スタイリング 作原 文子 氏
アートディレクション 飯田 将平 氏
編集   柴田 隆寛 氏
入場料   無料

12月25日(月)から順次発売「vertebra03 WOOD」「hako」概要

■vertebra03 WOOD(バーテブラゼロサンウッド)

エルゴノミクスに木の温もりを。創造力を広げる、これからの選択肢

木の温もりに、イトーキ独自のエルゴノミクスを搭載した「vertebra03 WOOD」は、時代とともに変容するオフィス環境や働く人たちの意識をもっと自由に、さらにフレキシブルに拡張するシリーズ待望の最新モデルだといいます。カリモク家具監修のもと、従来モデル同様にワーク姿勢に追従する最適な背とシートの3次元形状を実現したとしています。リビングワークにも馴染む佇まい、快適性を実現する人間工学に基づくメカニズム、使い手や空間の個性に合わせて自在にカスタマイズできる拡張性はそのままに、国産広葉樹であるクリの無垢材ならではの質感や温もりを味わえるとしています。

BODY TYPE:5本脚、4本脚回転
サイズ:5本脚 W560×D515×H775-890(SH425-540)mm
    4本脚回転 W560×D515×H810(SH455)mm
カラー:木部カラー(クリア、ブラック、グリーン)
    本体色(ブラック、ダークグリーン、チェスナットブラウン、ペールオリーブ)
発売日:2024年1月上旬
価格:143,330円〜(税込)

12月6日(水)15時から、イトーキオンラインショップ本店サイトにて「vertebra03 WOOD」の予約受付を開始したといいます。

■hako(ハコ)

空間に調和し、居場所を制限しないシンプルな美しさをもつポータブルバッテリー

「hako」は、使う時も、運ぶときも、充電する時も空間に調和する美しい佇まいのポータブルバッテリーだといいます。シンプルかつ収まりの良いフォルムの背面にはストラップが付いていて、オンライン会議などで場所を移動する際にも簡単に持ち運ぶことができるとしています。インテリアと相性の良い色や紙のイメージに合う色など色彩を一定のトーンで調整。光沢を抑えることでガジェットらしさを抑え、デザインを意識させないデザインを実現したとしています。

サイズ:バッテリー本体 W86×D86×H142mm
    充電器 W383×D86×H35mm
本体重量:990g
カラー:ブラック、グレー、ブラウン、グリーン
発売日:2023年12月25日(月)
価格:オープン価格

※「vertebra03 WOOD」は一般消費者向けにも販売するといいます。
「hako」はオフィス向け商品で、一般消費者向けの販売は未定だとしています。

【作原 文子 氏/FUMIKO SAKUHARA】

インテリアスタイリスト。岩立通子氏に師事後、1996年に独立。主に雑誌、広告、カタログ、TV-CM、エキシビション、ショップディスプレイ、映画美術などのスタイリングを中心に、企業の新規プロジェクトのディレクションなど幅広く活動し、日本のインテリアスタイリストとして第一線で活躍。柔軟な感性を活かし、さまざまなテイストをミックスした独自のスタイリングは、男性女性問わず定評がある。自身のプロジェクト"mountain morning"では、親密な交流をもつ写真家、親交のあるショップやブランド、作家たちとオリジナルアイテムも開発。不定期でその世界観を具現化するエキシビションやマーケットも開催している。

【カリモク家具について】

カリモク家具の起源は、創業者の加藤正平氏が長年続く材木屋を引き継ぎ、愛知県刈谷市で小さな木工所を始めた1940年に遡るといいます。様々な木製品を生産することで技術を磨き、1960年代に入ると、自社製の木製家具の販売を開始。高度な機械の技術と職人の技を融合させる「ハイテク&ハイタッチ」という製造コンセプトを掲げて木材生産分野における土台を作りあげ、日本を代表する木製家具メーカーへと成長を遂げたとしています。

イトーキのワークプレイス事業について

株式会社イトーキは、1890年の創業以来、ミッションステートメントに『明日の「働く」を、デザインする。』を掲げ、オフィス家具、物流機器、ICT・映像音響機器、建材内装設備など幅広いラインアップでさまざまな「空間」「環境」「場」づくりをサポートしてきたといいます。
コロナショック以降は働く空間全体を「働く環境」と捉え、オフィスワーカーが"集合して働く"環境づくりのための製品・サービスのほか、在宅ワークや家庭学習のための家庭用家具などの"分散して働く"環境を支える商品、さらに企業の働き方戦略や働く環境整備のためのサーベイやコンサルティングサービスなどトータルで提供することで、あらゆる空間における「働く環境」づくりを支援しているとしています。

(画像はイトーキ様リリースより)

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