NOPA、オフィスをリニューアルし「NOPA Work Shift Salon」を竣工

11月15日には披露内覧会とオープニングパーティを開催

一般社団法人ニューオフィス推進協会(NOPA)はこのほど、オフィスのリニューアルが竣工。11月15日には、披露内覧会とオープニングパーティを開催しました。

「NOPA Work Shift Salon」

竹森専務理事・事務局長が新しいオフィスの概要説明

オープニングパーティが開始される前に、同協会専務理事・事務局長の竹森邦彦氏が新しいオフィス「NOPA Work Shift Salon」(ノパワークシフトサロン)の概要を説明しました。
「基本的なことからですと、このオフィスは75坪、約250㎡。完全フリーアドレスのABWができるようになっています。ここに移転してから四半世紀が経ち、当時はそれなりの先進的なオフィスだったのですが、時代に合わせ、ニューオフィスを推進する団体として恥ずかしくないようなオフィスを、皆様のご協力のおかげで構築した次第です。
概要を説明しますと、まずはコラボレーションラウンジ、様々にレイアウトを変えながらコラボレーションを行います。また、メッセージウォールを制作し、NOPAの職員が大切にしている行動指針である『PLAN DO DEVELOP HAVE AN IDEA』、計画して、動いて、深堀して、常にアイデアを持って行動しよう!というメッセージを託したボードになっております。それぞれの言葉の一番後ろの文字をとるとNOPAというかたちで、韻を踏んでいるようなメッセージです。
ソファーラウンジは、簡単なコミュニケーション、インフォーマルなコミュニケーションを気軽に行うエリアです。ソロワークエリアは、ソファータイプとハイカウンタータイプ、気分に合わせて選択できます。ブースエリアはファミレスブース、フォンブース、そしてコンセントブースの3タイプを設けております。
中央はライブラリーで、NOPAが発行している報告書やオフィス関連書籍約1500冊を蔵書しております。ライブラリーの後ろがバックオフィスになっております。フリーアドレスで、上下昇降テーブルを使用しWellness、Wellbeingに適したつくりになっています。
一番奥が以前の応接室を取り払って、セッションルームとし、討議や簡易応接に使用しています。小規模ではありますがABWが可能なワークプレースとなっており、オフィス関連の情報HUBとしてご活用いただければと思います。」などと述べました。

オープニングパーティを開催

しばらくの内覧後、引き続き竹森氏の司会により、披露内見会のオープニングパーティが行われました。

三栖会長が開会の挨拶

オープニングパーティの冒頭、同協会会長の三栖邦博氏が開会の挨拶を行い、「本日は、師走もまじかに迫り、なにかとご多用の中、NOPA新オフィスの披露内見会にご臨席を賜り、誠にありがとうございます。また、皆さま方には平素から当協会の活動にご理解ご指導をいただいております。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

この新オフィスの構築にあたり、ご理解とご支援をいただいた理事企業をはじめ会員企業の皆様、また改修工事の設計、内装工事、家具工事、各種設備工事にご協力をいただいた企業各社様に心より感謝申し上げます。

挨拶をする三栖会長

当協会は今から36年前、1987年に当時の通産省のご指導の下にニューオフィス化運動を担うニューオフィス推進協議会として設立され、2000年にニューオフィス推進協会として再スタートしました。その後2007年に、経済産業省が主導した感性価値創造イニシアティブに応える形でクリエイティブ・オフィスを提唱し、以後クリエイティブ・オフィス運動を推進し、現在に至っております。

旧オフィスは1999年に港区芝から現在のところに規模縮小と合わせて移転してきたときのもので、当時はニューオフィスの先進的事例の一つと言えるものではありましたが、四半世紀たち経年劣化も目立ち始め、クリエイティブ・オフィス運動を主導する組織のオフィスとしては些か時代遅れの感がありました。

この度、皆様のご協力を得てつくられた新オフィスは、コロナ後を見据えた新しい活動の拠点となるべく「Work Shift Salon」と銘打って整備されました。会員企業をはじめ、オフィスづくりに係るすべての皆様のリアルな交流のHUBを目指してつくられております。

当協会には、家具メーカー、設計事務所、施工会社、間仕切りなどの備品メーカー、情報系企業、デヴェロッパー等、上流から下流までオフィスづくりに係る多様な会員企業が参加しています。多様な異業種が集まる幅広い知識融合の場として、また、社団法人としての公益性、独立性が担保される立場を生かした情報の受発信拠点として、当協会ならではの活動を、会員への価値提供すなわちMVP(Member Value Proposition)の視点を重視し、鋭意展開して参る所存です。

皆様方には、この場をフルにご活用いただきたいと存じます。ご意見とご提案も歓迎します。人が集まってこそのサロンです。先ずは来ていただけるよう心より期待しております。」 などと述べました。

日本オフィス学会会長の松岡利昌氏が来賓代表挨拶

続いて、来賓代表挨拶を日本オフィス学会会長の松岡利昌氏が行いお祝いの言葉を述べた後「私は以前のオフィスができた頃からずっとここに通っており、改装前の状態を使わせていただいておりました。JFMAファシリティマネージャー資格制度の試験対策講座の委員会をここで開催していたんですね。当時はこんな大きなモニターもなく、紙でずっと仕事をしていたという状況でした。
いよいよこの日経ニューオフィス賞を顕彰しているNOPA様が新しいオフィスをつくるということで今日楽しみに、時間よりも早くやってまいりました。中を拝見させていただき、これだったら日経ニューオフィス賞に応募できるのではないかな(笑)と思ったくらい素晴らしいオフィスができたなと思っております。そういう意味では皆様の活用を是非促していただければなと思います。

来賓代表挨拶をする松岡会長


私は先週の日曜日までトルコのイスタンブールでユーロFMという国際学会の大会に出ておりました。そこで4カ国のシンポジウムがあり、私は日本の代表で参加していたのですが、そこに南アフリカのボツワナという国の女性のファシリティマネジャーの方と、ハンガリーの人とスペイン人の人、そして司会がトルコの人の組み合わせでした。話がばらばらになると思いましたので各国の状況の違いを一覧表にし、それを見ながらディスカッションいたしました。その時驚いたのは、ボツワナのマリアさんという女性の方が、ものすごく上手な英語で、ものすごく勢いのあるプレゼンテーションをするんですね。どういうことかというとまさに80年代我々が経済成長をやっていたころの日本のイメージのあの勢いを持っているんですよ。まさに日経ニューオフィス賞をつくってきたあの時代の雰囲気を彼女が話すのでどういうことかと一覧表を見たら、平均年齢が25歳なのですね。我々日本の平均年齢は、48歳か49歳、約50歳くらい。お父さんと娘くらいの年の違いがあるのです。それと人口が日本は減っていますが、彼らはどんどん増えていって、どんどんビルができていくという状況のなかで新しいチャレンジをしていくという流れなのですね。一方ドイツもスペインもフランスも成熟国で日本と同じように平均年齢は45歳くらいですよ。我々が一番年寄りの国なのですね。ということはほかの先進国も後追いで我々の後を追っているわけです。我々がどういう働き方を今後していくのか、どういう住まい方をするのかということが、ものすごく大事な世界のお手本になるのだということをひしひしとその現場で感じました。したがって彼らからの質問もシビアなものがいろいろありまして、「もっと日本のことを教えてくれ」、「もっとどうやってきたのかということをなんで発信しないんだ」という話で、なるほど我々がやってきたことにも意味がある、価値があるんだということを、ニューオフィスでやってきたチャレンジ、そして、こうやって、いままで島型対抗でやってきたやり方がABWでいろんな場所で働けるようになったということに平均年齢50歳前後の国の人たちがチャレンジしているということが、まさに価値があるということだとひしひしと感じました。その意味でNOPA様がやられているチャレンジというものがものすごく価値があるし、意味がある。ここを通して我々が新しい知恵を生み出して新しい勢いをつくろうよというメッセージが込められていると思うのですね。その意味では、この場が、このサロンが、そういう場になっていけばいいなと心から祈念して私からのお祝いの言葉とさせていただきます。」などと述べました。

オフィス構築協力者へ感謝状贈呈

続いて、オフィス構築協力者が紹介され、各社の代表に三栖会長より感謝状が贈呈されました。

オフィス構築協力者は以下のとおりです。
設計・内装・電気工事・・・・・・三井デザインテック株式会社
LAN・電話工事・・・・・・・・株式会社ユーテック
ICT構築・MAX‐HUB・・・富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
家具工事・・・・・・・・・・・・株式会社イトーキ
                株式会社内田洋行
                株式会社オカムラ
                株式会社くろがね工作所
                コクヨ株式会社
                コマニー株式会社
                プラス株式会社
                株式会社ライオン事務器
ウォールアート・・・・・・・・・アーティスト菊地伊織氏

三井デザインテック常務執行役員の飯田和男氏が乾杯の発声

乾杯の発声をオフィス構築協力者を代表し、三井デザインテック株式会社常務執行役員の飯田和男氏が行いました。

乾杯の発声を行う飯田氏

飯田氏は「今年、オーストラリアとフィンランド、デンマークに行く機会がありましたが、働くオフィスの環境という意味では、ほぼほぼ肩を並べているという感じがあらためてしました。ただし、特に北欧に行って思いましたのは、Wellbeingの観点でのトライアルやネットゼロに向けての具体的な活動、これの意識および活動内容に関しては日本はまだまだのところがあると感じました。先ほど三栖会長からもEVPという言葉がありましたが、まさにこのキーワードが2つのコンテンツだと思うのですが、今後はそういったことも含めて、貴協会のご指導を頂きながら環境整備に弊社も汗を流していきたいなと思っております」などと述べ、乾杯の発声を行いました。

「NOPA Work Shift Salon」について

NOPAの新しいオフィス「NOPA Work Shift Salon」はテレワークとリアルオフィス双方の良さを取り入れた働き方へシフトさせ、社会、会員、職員と業界の垣根を超えた様々な交流を育むHUBサロンだといいます。
小規模ながら完全フリーアドレス採用のABWを構築したクリエイティブ・オフィスになっているとしています。

■NOPAクリエイティブ・オフィスの概念

知識創造行動を誘発する、空間、ICTツール、ワーカーのはたらきかけ(3つの加速装置)と組織の目標とプロジェクトのゴールに向けたマネジメント(駆動力)の双方を備え、組織の創造性を最大限に発揮するための働き方に適した場をめざしたといいます。
この様なクリエイティブ・オフィスを実現するため「12の知識創造行動」に適した加速装置を設定し、知識創造サイクルが回り組織が目標に向けて成長・進化することを目的としているといいます。そして「暗黙知と形式知」さらに「感性と知性」「アナログとデジタル」「安定と変化」を二項動態と捉え、その相互作用の調和を図ることで更なる組織イノベーションを促進するとしています。

NOPAクリエイティブ・オフィスの概念

■SECIモデル

組織の知識創造プロセスは、S「暗黙知→暗黙知」E「暗黙知→形式知」C「形式知→形式知」I「形式知→暗黙知」という4つのプロセスに区分でき、この4つのプロセスが相互に作用して知識創造が行われていくとしています。

■12の知識創造行動

SECIの各知識創造プロセスを、行動におきかえてまとめたものが「刺激しあう」「アイデアを表に出す」「まとめる」「自分のものにする」にあたり、知識創造を誘発する行動を具体化したものが以下の「12の知識創造行動」だといいます。

刺激し合う
01 ふらふら歩く。
02 接する。
03 見る。見られる。感じあう。

アイデアを表に出す
04 軽く話してみる。
05 ワイガヤ・ブレストする。
06 絵にする。たとえる。

まとめる
07 調べる。分析する。編集する。蓄積する。
08 真剣勝負の討議をする。
09 診てもらう。聴いてもらう。

自分のものにする
10 試す。
11 実践する。
12 理解を深める。

「NOPA Work Shift Salon」はAからKまでの11のエリアで構成され、回遊動線を採用し、それぞれ12の知識創造行動の項目を実現するといいます。
それぞれのエリアの内容は以下のとおりです。( )内の数字は12の知識創造行動です。

「NOPA Work Shift Salon」の構成図

A:オープンエントランス=来会者をフランクにお迎えするエントランス(02)

オープンエントランス

B:PRコーナー=日経ニューオフィス賞受賞企業やNOPA活動を紹介(02、11)

PRコーナー

C:コラボラウンジ=可動テーブルと86インチMAX‐HUBで多様なコラボレーションに対応(03、05、06、09、11、12)

コラボラウンジとメッセージウォール

D:ソファーラウンジ=リラックスしたコミュニケーションを促進(04)

ソファーラウンジ

ソファーラウンジ

E:メッセージウォール=NOPA活動における心掛けをメッセージとして発信(02)

F:ライブラリー=NOPA保有のオフィス関係書籍や報告書が閲覧可能(07)

G:マグネットコーナー=カフェと複合機を隣接。偶然の出会いを引き寄せるコーナー(02)

H:ソロワークエリア=ソファー席とカウンター席を用意し、気分に合わせて選択可能(04、07)

ソロワークエリアのソファー席

I:ブースエリア=ファミレス・フォン・コンセントレーションの3タイプが選択可能(07、12)

ファミレスブース

フォンブース

コンセントレーションブース

J:バックオフィス=モニター利用時の上下昇降デスク席や個人ロッカー、収納を配置(07、10)

バックオフィス

個人ロッカーと収納

K:セッションルーム=モニターを使用したミーティングや討議に使用。簡易応接でも利用可(05、06、08)

セッションルーム

回遊動線=各スペースへのアクセスが容易となる回遊動線を採用(01、03)

ICT環境:モバイルの機動性とセキュリティー確保のため、データレスノートPCからオフィス内本体PCにリモートアクセスを行い作業するシステムを採用したといいます。またサロン内は、モバイルバッテリーを使用することでストレスフリーになっているとしています。

(一部の画像と資料はNOPA様よりご提供いただいたものを使用させていただいております)

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