東京オフィストレンド オフィス家具週間トレンド報告

10/9 ~10/15、オフィス家具業界の主なハイライト(+コラム)

【今週の目次】

① イトーキ、5製品が「2023年度グッドデザイン賞」を受賞

② オカムラ、「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)方針」を策定

③ イトーキ、主体的な学びや交流をサポートする家具シリーズ「inova(イノーバ)」を教育施設向けに発売

④ イトーキ、什器リサイクルで循環型社会へ貢献

⑤ カリモク家具、Good Design Good Over 50's くらしのデザイン展2023 出展へ

+注目のコラム オフィス山人の少し深堀り

イトーキ、5製品が「2023年度グッドデザイン賞」を受賞

2023年10月9日から15日までのオフィス家具業界の主なハイライトについては、イトーキは、「inSAIL(インセイル)」「torteU(トルテUチェア)」「WaitingPS(ウェイティングPS)」「SELUCK(セルク)」「MINOTO(ミノト)デスク&ラック」5製品が、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2023年度グッドデザイン賞」を受賞したことを10月10日に発表しました。

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オカムラ、「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)方針」を策定

オカムラは、2020年に策定したダイバーシティ&インクルージョン(D&I)方針を一部改定し、2023年10月にダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)方針を策定したといいます。
同社は、多様な人財が活躍できる制度や仕組みづくり、職場改善に取り組むとともに、個々の従業員が意識を変え行動しながら働ける環境を追求しているといいます。従業員それぞれが働きがいを感じながら互いに協力し自己成長できる環境を目指し、個の違いを尊重し公平性を重んじることで、D&IからDE&Iへの進化を目指すとしています。

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イトーキ、主体的な学びや交流をサポートする家具シリーズ「inova(イノーバ)」を教育施設向けに発売

イトーキは2023年10月から、主体的な学びや交流をサポートするイノベーション・コモンズ(共創拠点)向け家具「inova(イノーバ)」シリーズの販売を開始したといいます。

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イトーキ、什器リサイクルで循環型社会へ貢献

イトーキは、NX商事株式会社(以下、NX商事)との協働スキーム「中古オフィス家具海外寄付」を通じて、事業開始から約2年間でコンテナ15基分に相当する2,200点以上の家具をカンボジアの官公庁や教育・医療施設等へ寄付したことを10月12日に発表しました。

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カリモク家具、Good Design Good Over 50's くらしのデザイン展2023 出展へ

カリモク家具は、2023年10月20日 ( 金 ) から2023年11月5日 ( 日 )まで、西武池袋本店で開催される「Good Design Good Over 50's くらしのデザイン展2023 ~人生100年 ギフトされた時間~」(主催:くらしのデザイン展実行委員会)に出展するといいます。同社は同展にて、テキスタイルデザイナーの須藤玲子氏の率いる「NUNO」と共同開発した新作布地を発表するとともに、共同開発プロジェクトのスタートを記念した展示会「karimokuとNUNO」を出展するとしています。

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注目のコラム オフィス山人の少し深掘り

今週まず注目した記事については、イトーキ、5製品が「2023年度グッドデザイン賞」を受賞の記事があります。
どの製品もグッドデザインという観点からも受賞に相応しい製品だと思いますし、デザインというものが単に見た目だけではないということならばさらに意味のある受賞なのだと思います。
インセイルについては、審査員コメントにおいて「集中ワークの場所はオフィス内で固定されがちだが、このハイバックソファは機動性を備え可動化することで、様々なワークスシーンに柔軟に対応する新しい存在としての役割を果たしている。目的に応じて使用者が向きを変えるだけで集中ワークやオンラインワークのほか、コミュニケーションの場としても活用でき、その簡易性と汎用性を評価した」とありますが、ABWにおいて働く場所をワーカーが選択するといっても、あくまでも選択であり、ワーカーはどうしてもその場所の制約を受ける場合が多いと思われる状況で、同製品はさほど大きくはないかもしれませんが場所の移動性が確保でき、方向性も自由にできるという意味において、オフィス空間や他のワーカーとの関係性を軽快かつ簡単に自らが調整できるという可能性を持つということなのだということ、すなわち、より快適で効果的な環境を自らがつくれるということに大きな意味を持つのだと思います。


トルテUチェアについては、コロナ禍前、コロナ禍、コロナ禍以降において、オフィスチェアに求められる要件が変化していくなか、それらいくつかの要件を満たしながら、新たなカテゴリーにおけるスタンダードの1つになりうるチェアなのだと思います。そういう意味でも新製品ということだけでなく、それだけではない新しさを持ったチェアであり、イトーキの製品群のなかでも中心的な役割を担う製品として非常に重要な位置を占めているチェアなのだと思います。


ウェイティングPSについては、不特定多数でしかも病気を抱えている人が多い病院のなかにおいて、それぞれの関係性と個人のスペースを確保することは非常に難しい課題なのではないかと思います。実際、ロビーチェアのソファやベンチでは現在でも病院においては一人ひとりが間隔を保ちながら座ることを要求されるので、無駄になっているスペースが見られ、待合室の空間が有効に使われていなことも多いのではないかと思います。つらい症状を抱えている人にとって自らの結界ともいうべき最小限の独立したスペースを一人用のロビーチェアとして提供することは非常に有効なことなのではないかと思います。これらを含めた課題をデザインとして解決する1つの提案として同製品が評価されたことはまさに正解ではないかと思います。


セルクについては、伝統や制度からの解放を考えました。それらに拘束されるのではなく、適度に距離を保ちながらそれと共存し、調整して生きていくこと。軽やかに自らの人生をつくりあげることが意識されるのではないかと思いました。


ミノトについては、現代の日本人の心休まる場所とはどんなところかということを考えました。家族に囲まれたリビングのソファでのリラックスのイメージに対して、もしかしたら周りを意識しながらも個を確保できるこのような場所も心休まる新たな場所の提案なのかもしれないと思いました。

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オカムラ、「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)方針」を策定の記事ですが、同社は、2020年に策定したダイバーシティ&インクルージョン(D&I)方針を一部改定し、2023年10月にダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)方針を策定したといいます。つまり、エクイティを付け加えたのだと思いますが、エクイティ(公平性)とは、多様なメンバーの1 人ひとりがより高いパフォーマンスを出せるように、それぞれに合わせた支援を行い、公平な土台づくりをしていくことだとしています。
この公平性という言葉については、解釈や実現することにおいて非常に難しい課題ではないかと思いますが、同社がこの公平性を付け加えたことについては、非常に時代に対する感性が鋭く、また企業としての矜持、意識の高さを感じさせる出来事であり、同社に対する信頼を増す大きな一歩だと思います。

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(このコラムは、あくまでも山人の主観的なものです。従って各メーカー様には何の関係もありません)

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