東京オフィストレンド オフィス家具週間トレンド報告
8/28 ~9/3、オフィス家具業界の主なハイライト(+コラム)
【今週の目次】
① コクヨ、「THE CAMPUS FLATS TOGOSHI」が、 2023年9月1日(金)、東京都・戸越にオープン
② イトーキ、自分好みにカスタマイズできる「サリダPSデスク・ラック・ワゴン」を9月1日(金)から発売
③ コクヨ、個人・職場の健康への取組みについての意識調査を実施
④ カリモク家具、JIYUGAOKA de aone(自由が丘 デュ アオーネ)にカリモク 60 オフィシャルショップ を出店
⑤ プラス、「スマートデリバリー」で配送曜日設定機能サービスを開始
⑧ カリモク家具、ファニチャーチャイナへ「THE FIRST(ザ・ファースト)」を出展
⑨ コクヨ、「THE CAMPUS SHOP」にてバーチャルが融合した「ANOTHER STORE」を開始
+注目のコラム オフィス山人の少し深堀り
コクヨ、「THE CAMPUS FLATS TOGOSHI」が、 2023年9月1日(金)、東京都・戸越にオープン
8月29日にはメディア内覧会も開催
2023年8月28日から9月3日までのオフィス家具業界の主なハイライトについては、コクヨは、住みながら、いつかやりたかったことを試せる『プロトタイプする暮らし』をコンセプトに掲げた集合住宅「THE CAMPUS FLATS TOGOSHI(ザ・キャンパス フラッツ トゴシ)」を、東京都・戸越に2023年9月1日(金)よりオープン。
同社によると、在宅勤務の普及等により、個々人が柔軟に働く場所や時間を選択できるようになった今、これまで以上に働くことと暮らすことのシームレス化が進んでいるといいます。
そうした背景から、コクヨは2021年に「長期ビジョンCCC2030」を策定。自らの社会における役割を「WORK & LIFE STYLE Company」と再定義し、文具や家具といったカテゴリにとらわれない、豊かな生き方を創造する企業となることを目指しているとしています。
その一環として、東京・戸越のコクヨ社員寮をリノベーションしてオープンする集合住宅が「THE CAMPUS FLATS TOGOSHI」だといいます。同施設は全39戸の賃貸住宅と、“いつかやりたかったこと”を試せる8つのスタジオ、フードスタンドを併設した複合施設だとしています。
スタジオとフードスタンドは、入居者以外も利用可能な街に開かれたスペースとして運営するといいます。同施設では賃貸住宅、スタジオ、フードスタンドが提供するサービスを通じて、あらゆる人の『プロトタイプする暮らし』を応援していくとしています。さらに、施設内にある街に開かれたスペースを通して新たなコンテンツを創生し、地域のコミュニティ形成や交流を促進する役割も果たしていくとしています。
イトーキ、自分好みにカスタマイズできる「サリダPSデスク・ラック・ワゴン」を9月1日(金)から発売
イトーキは、在宅ワークやホームオフィスにおける作業効率と快適性を高める省スペース設計の家具「サリダPSデスク・ラック・ワゴン」を9月1日(金)から発売したといいます。
同商品は、デスク、ラック、ワゴンを自由に組み合わせて使用できるほか、様々な付属のアクセサリーや、無償提供する3Dプリンター用データで出力可能な「アドオンパーツ」により、自分好みにカスタマイズして使用することが可能だとしています。
コクヨ、個人・職場の健康への取組みについての意識調査を実施
コクヨは、カウネットが、コミュニティサイト「カウネットモニカ」会員1,421名を対象に「個人・職場の健康への取組みについて」と題した調査を実施し、2023年8月30日(水)に調査結果を公開したといいます。回答者の個人および職場の健康への取組みについてまとめたとしています。
カリモク家具、JIYUGAOKA de aone(自由が丘 デュ アオーネ)にカリモク 60 オフィシャルショップを出店
カリモク家具は、展開するブランド「カリモク 60 (カリモクロクマル)」が、10 月 20 日(金)開業の JIYUGAOKA de aone(自由が丘 デュ アオーネ)に出店、全国で 6 店舗目となるオフィシャルショップ「カリモク 60 自由が丘店」をオープンするといいます。
自由が丘(東京)エリアはインテリア・家具の集積地であり、また老若男女が集う街でもあることから、カリモク 60 ブランド体験の場を広げるべく出店を決定したとしています。
プラス、「スマートデリバリー」で配送曜日設定機能サービスを開始
プラスは、学校・保育現場向け「スマートスクール」と、介護・福祉施設向け「スマート介護」の2つの会員向けデリバリーサービスで、会員ユーザーが配送希望曜日を固定することによる利便性の向上と、配送回数を最大約20%※1削減することを目指す発注サービス「スマートデリバリー」の提供を2023年8月28日より開始したといいます。
コクヨ、「THE AWARDS 2023」を開催
コクヨは今後の持続的成長に向けて、人的資本の充実に力を入れているといいます。今回「社員のチャレンジを後押しする」というコンセプトで、従来の表彰制度を刷新し、「THE AWARD 2023」を開催したとしています。THE AWARDSとは、社員がチャレンジしたいことを言葉にして、周りから応援される風土をつくるため、結果実績評価ではなく、風土醸成の課題に取り組んだ人を褒めるというユニークな取り組みだといいます。「有言挑戦(ヨコク)で頑張っている人やチーム」「陰ながら支えてくれる人」を称えるコクヨ独自の表彰制度だとしています。
オカムラ、「メゾン・エ・オブジェ・パリ展」に出展協力
オカムラは、2023年9月7日(木)~9月11日(月)にフランスのパリ・ノール・ヴィルパント国際展示場で開催される「メゾン・エ・オブジェ・パリ展」にて、招待デザイナーとして最新トレンドを紹介する特別展示をプロデュースする照明デザイナーの石井幹子氏(石井幹子デザイン事務所)と石井リーサ明理氏(I.C.O.N.)の企画展示「LIGHT TREND(ライト・トレンド)2023 - together ! 10th Anniversary」において、出展に協力するといいます。
カリモク家具、ファニチャーチャイナへ「THE FIRST(ザ・ファースト)」を出展
カリモク家具は、2023 年 9 月 11 日 (月)から 15 日(金)までの 5 日間、中国・上海市の Shanghai New International Expo Centre で開催される「Furniture China 2023 (ファニチャーチャイナ 2023)」に出展、カリモク家具の技術から誕生したプレミアムチェア「THE FIRST (ザ・ファースト)」を展示するといいます。
コクヨ、「THE CAMPUS SHOP」にてバーチャルが融合した「ANOTHER STORE」を開始
コクヨは、品川オフィス1階の直営店「THE CAMPUS SHOP」にて、デジタル技術を活かした新たな購買体験ができるサービス「ANOTHER STORE(アナザー ストア)」を8月30日(水)10時から開始したといいます。
注目のコラム オフィス山人の少し深掘り
今週まず注目した記事については、コクヨ、「THE CAMPUS FLATS TOGOSHI」が、 2023年9月1日(金)、東京都・戸越にオープンがあります。
山人は記事にあるように内覧会を取材したのですが、それ以前の最初のリリースの時からコクヨのこの試みには大変興味がありました。記事中に出てきたキーワードをあげてみても、「住みながら、いつかやりたかったことを試せる『プロトタイプする暮らし』」「いつかやりたかったこと”を試せるリアルスペースとして街に開かれる8つのスタジオ」「ターゲットは趣味以上プロ未満の何かを提供、発信したい人」「クラスやイベントの主催者、講師側に回って」「最低3ヶ月から入居」「複数人でのシェア利用も可能」「道具、環境、設備をプリセットしている」「水道、ガス、電気、Wi-Fiの開通手続き不要」「コミュニティマネージャーのサポート」など副業、兼業、学び直しなどを望む人、また、街との交流と賑わい、活性化をめざす地域との人々など数多くのステークホルダーを巻き込んで大きく発展する可能性を感じさせるものがあります。
従来の起業は完全な計画と準備、大きな資金と細々とした手続きなどが必要でしかも失敗した時のリスクは多大なものがあり、それこそ趣味以上プロ未満の人間にはとても手が出ないというイメージがあります。時代の意識の変化やIT技術の進展によりそれも変わりつつあるとは思いますが、今回のこの試みは本当に良い発想だと思います。それこそ、失敗しながらでも学び、成長しながらチャレンジを続けられるのではないかと思えます。机上の事業計画をプロトタイプする空間の出現だと思います。その空間を提案した同社のこの事業は、もしかしたらオフィスの歴史の画期的なものとして、1つのターニングポイントになるかもしれません。それこそ無限といっていいほど存在するであろう、そういう人たちの心を鷲掴みにする心憎い提案だと思いました。しかも「コミュニティマネージャーのサポート」など孤独になりがちな起業、兼業のフォローなども期待できそうで、このあたりのサイズ、スケール感とオシャレだけれどシンプルで暮らしやすいデザイン、楽しさなどはいかにもコクヨらしいのではないかと思います。この試みのなかからどんなユニークな起業スタイルや兼業、副業スタイルが出てくるのか楽しみだと思います。
同社では「THE CAMPUS FLATS TOGOSHI」を皮切りに、様々な街で集合住宅の展開を計画しているといいます。本事業を通して人々の夢を応援しながら、街の活性化にも貢献していくとしていますが、リスクは小さいが可能性は大きい、いままでの不動産の概念を変える、もしかしたら日本の働き方を大きく変える有力なきっかけの1つになるのではないかと思います。しかも、その発想は不動産業界からではなく、働くことや学ぶこと、暮らすことについて常に考えているこの業界のコクヨだからこそできたことなのかもしれません。今後、様々な知見や経験が集まり、いろいろな形態に発展していくことを期待しこの事業に注目したいと思います。
イトーキ、自分好みにカスタマイズできる「サリダPSデスク・ラック・ワゴン」を9月1日(金)から発売の記事ですが、在宅ワークやホームオフィスにおける作業効率と快適性を高める省スペース設計の家具とありますが、同社は日本で初めて学習家具を発売し、60年以上の歴史を持つメーカーでもあり、ホームオフィスのノウハウには一日の長があると思います。
おそらくこの製品にはそのノウハウが生かされているはずで、価格的にはリーズナブルですが、その価値は大きくそれ以上のものを含んでいると思われます。これはおそらくユニクロなどと同じで、その道のプロがその蓄積した業界のノウハウを現代に生かすということが行われているのだと思います。さらにオフィス家具に将来が見込まれるところは、これからどんどんとITを中心に新しい技術の洗礼を受けていくということが期待されるというところです。今回特に注目のポイントは、カスタマイズもさることながら、3Dプリンターでアドオンパーツが作成できるということ、そのデータが無償で提供されるということだと思います。同社はオフィス1.0をベースにオフィス2,0、3.0へ事業領域を拡大することを標榜していますが、同製品はまさにこれを実現する象徴的な製品なのではないかと思います。この製品シリーズに座り、アドオンパーツでのカスタマイズでアップグレードに思いを馳せる時、無限のビッグテータに向かっている壮大な気持ちになれるかもしれません。それは生まれて初めて学びに向かう時の志に学習机が与えてくれる勇気と似ているのではないでしょうか。
プラス、「スマートデリバリー」で配送曜日設定機能サービスを開始の記事ですが、ITを中心とした技術の進歩や企業の努力で実現した翌日配送を逆に配送曜日設定機能「スマートデリバリー」としてサービス化したものですが、これは、便利な機能にある意味で制約をかけたものだと思います。制約をかけるということは何かマイナスなイメージを感じますが、そうではなく、ここにあるのはより効率をよくしようとする同社の「知恵」だと思います。それにより利用者の荷受け負担軽減と環境・物流への負荷軽減を目指すということで、今までの体制を活かしつつ物事を的確に進歩させるための知恵であり、これこそがすべての関係者が成熟したなかで成立するものなのではないかと思います。知恵というものは生活と経験に根差したものであり、IT技術の進化の一方で知恵というものと組み合わせるということがこれからの日本に求められる「在りたい姿」なのかもしれません。
今回、コクヨの「THE CAMPUS FLATS TOGOSHI」、イトーキの「サリダPSデスク・ラック・ワゴン」、プラスの「スマートデリバリー」で配送曜日設定機能サービスを紹介しましたがどの記事にもカタチは違えどイノベーティブな試みが活かされていると思います。その他の記事においてもそれぞれに価値のある貴重な情報だと感じました。
(このコラムは、あくまでも山人の主観的なものです。従って各メーカー様には何の関係もありません)