《記憶と認知症》 コクヨ、書籍「WORKSIGHT 20号 記憶と認知症 Memory/Dementia」を8月25日から発売
コクヨは、同社のヨコク研究所が編集する研究媒体WORKSIGHTの新刊「WORKSIGHT[ワークサイト]20号 記憶と認知症 Memory/Dementia」(発行:コクヨ/発売:学芸出版社)を、8/25(金)から全国書店・ECサイトにて発売したといいます。
同社は、わたしたちには「記憶」があるからこそ、自らの生活を営むことができ、他者から自分であることを認められ、集団のなかで他者と自分との間に大きな物語を描くことができるといいます。そうだとすれば、自分と他者とをつなぐ「記憶」を失った個人に幸せな社会は存在するのか、集団としての物語はどう紡ぎ続けられるのか、といいます。
同特集は、オランダとフランスでオルタナティブな社会実践を試みる「認知症ケアホーム」「精神疾患デイケアセンター」「美術館収蔵庫」などを取材した同誌編集長の省察と見聞録、ルネサンス期の情報爆発と記憶術を研究する大阪大学の桑木野幸司教授、レバノン内戦の都市の記憶とその傷跡をテーマに音楽作品を制作したベイルートの音楽家・建築史家メイサ・ジャラッドへ氏のインタビュー、記憶をめぐるブックリストを収録。
「記憶」と「認知症」を手がかりに、来るべき社会のための態度や今日的な問いについて思索したとしています。
■書籍概要
書名:WORKSIGHT[ワークサイト]20号
記憶と認知症 Memory/Dementia
編集:WORKSIGHT編集部(ヨコク研究所+黒鳥社)
ISBN:978-4-7615-0926-2
アートディレクション:藤田裕美 氏
発行日:2023年8月25日(金)
発行:コクヨ
発売:学芸出版社
判型:A5変型/128頁
定価:1800円+税
■目次
◎記憶をめぐる旅の省察
文=山下正太郎氏(同誌編集長)
写真=大谷臣史氏
アムステルダム、ビアリッツ、パリの認知症ケアホーム、在宅ケア企業、美術館収蔵庫、精神疾患ケアセンターを同誌編集長が現地取材。
・ザ・ホーグワイク|認知症居住者が自律協働する「町」
・マフトルド・ヒューバー|ポジティブヘルスという新たな「健康」指標
・エミール|ケアの技法を学生に授けるスタートアップ
・デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン|アート・収蔵庫・市民の記憶
・ヴィラージュ・ランデ・アルツハイマー|認知ケアを社会に開くために
・サントル・ド・ジュール・ラダマン|セーヌに浮かぶ開かれたデイケアセンター
◎記憶・知識・位置情報
桑木野幸司氏・ルネサンス期の「記憶術」が教えること
情報のビッグバンに対峙したルネサンス期の西洋人たちは、 新たな「記憶術」を編み出し、実践していったといいます。その試みは、 どんな今日的な問いをもたらしてくれるのか。『記憶術全史』や『ルネサンス 情報革命の時代』の著者・桑木野幸司氏に尋ねたとしています。
◎記憶をめぐる本棚
記憶が頼りないのならば、記憶をめぐる議論もまた、 手がかりなしには成り立たないといいます。個人と集団をまたぎ、 深遠な哲学とも最先端のテクノロジーともつながる、 そんな、記憶の不思議とともに歩むためのかがり火のようなブックガイドだとしています。
◎内戦の記憶・時空を超える音楽
ベイルートの音楽家・建築史家が描く「ホテルの戦い」
2023年3月、ベイルートの音楽レーベルRuptured Recordsから『Marjaa: The Battle Of The Hotels』と題された美しいアルバ ムがリリースされたといいます。つくったのはベイルート出身の音楽家であり建築史家でもあるメイサ・ジャラッド氏。大学で建築史を学んだ彼女は、 ベイルートで1975年に勃発した内戦の熾烈な戦闘の舞台となった海岸沿いのホテル群について論文を書いた。そして、その論文をもとに、今度は音楽作品をつくりあげた。都市の記憶とその傷痕を、建築という視点から音響を通して辿りなおすという野心的な試みは、いかにして生まれたのか。世界が注目する新鋭音楽家に訊ねたとしています。
【コクヨが考える「自律協働社会」】
コクヨは、個々の価値観と行動が尊重されながら、人と人との関わり合いも大切にされる社会の構築が必要であると考えるといいます。誰もがいきいきと暮らす未来に求められるものは、「自由な個人」と「協調的なつながり」とが共に成り立つ舞台だとしています。一人ひとりの個性が尊重され自由な発想で輝くことができる。他者と互いの価値観を尊重し合い、共に発展していく。人やモノ、環境がフラットにつながることで、社会をよりよくするための協働があちこちで生まれる。同社はこのようなワクワクする未来を体現する「自律協働社会」の実現を目指すとしています。
【WORKSIGHT[ワークサイト]】
コクヨが掲げる「自律協働社会」というありたい社会像を手がかりに、これからの社会を考える上で重要な指針となりうるテーマやキーワードを拾いあげ、探究していくメディア「WORKSIGHT[ワークサイト]」。ヨコク研究所と黒鳥社が中心となり構成された編集部が、ニュースレター(毎週火曜日配信)を中心に、書籍、イベントなどコンテンツを展開中だとしています。
【ヨコク研究所】
未来社会のオルタナティブを研究/実践する、コクヨ株式会社のリサーチ&デザインラボ。パーパスである「ワクワクする未来のワークとライフをヨコクする」をキーワードとして掲げ、リサーチ、エンパワメント、プロトタイピングを主軸とした活動を展開し、会社の指針となる未来シナリオを更新すると共に、発信によってできたファンやコミュニティの中で新たな社会像をつくり上げるとしています。
【黒鳥社】
いまの当たり前を疑い、あらゆる物事について、「別のありようを再想像(Re-Imagine)する」ことをミッションに、雑誌、ウェブ、映像、イベント、旅などメディアを問わず、コンテンツをプロダクション(制作)するコンテンツレーベルだといいます。書籍に『ファンダムエコノミー入門 BTSから、クリエイターエコノミー、メタバースまで』(2022年6月)、『編集の提案』(2022年3月)、『働くことの人類学【活字版】仕事と自由をめぐる8つの対話』(2021年6月)他。また、ポッドキャスト「こんにちは未来」「愛と死の人類学」「音読ブラックスワン」などの企画制作を行っているとしています。
(画像はコクヨ様リリースより)