コクヨ、第2四半期の売上高は11.0増の 1735億円
2023年12月期通期連結業績予想について上方修正を実施
コクヨは、2023年12月期第2四半期の連結決算で、売上高が前期比 11.0%増の 1735億 8500万円となりました。営業利益が同 23.9%増の157億7300億円、経常利益が同18.1%増の172億6600万円、純利益が同 8.3%増の117億4700万円となりました。
同社によると、第2四半期連結累計期間(2023年1月1日から2023年6月30日まで)におけるわが国経済は、行動制限の緩和等による新型コロナウイルス影響からの経済正常化の動きは続いているものの、海外景気の下振れ懸念やウクライナ情勢の長期化、資源価格及び原材料価格高騰の影響により、先行き不透明な状況で推移しているといいます。
このような状況のもと、同社グループは、「長期ビジョンCCC2030」実現に向けて、既存事業のブラッシュアップと領域拡大による成長を目指す第3次中期経営計画「Field Expansion 2024」において、既存事業からのリソース再配分や戦略経費支出の積極化、海外展開強化といった事業領域の拡大に向けた取り組みを推進しているとしています。
同社グループを取り巻く経営環境は激変していますが、事業環境や顧客ニーズの変化に柔軟に対応することで、引き続き強い競争力を発揮できているものと考えているといいます。
売上高は、ファニチャー事業における旺盛なオフィス需要の獲得や昨年買収したKokuyo Hong Kong Limitedの連結子会社化等の影響により、前年同期比11.0%増の1,735億円となったといいます。売上総利益は、前年同期比11.1%増の680億円、売上総利益率は、前年同期並みの39.2%となったとしています。事業領域拡大のために積極的な戦略経費支出等を行った結果、販売費及び一般管理費は、前年同期比7.7%増の522億円、売上高販管費率は、前年同期比0.9ポイント低下の30.1%となったとしています。
以上により、営業利益は、前年同期比23.9%増の157億円になったといいます。経常利益は、前年同期比18.1%増の172億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比8.3%増の117億円となったとしています。
セグメント別の状況
同社グループは、「長期ビジョンCCC2030」の実現に向けて、自らの社会における役割を「WORK & LIFE STYLE Company」と再定義し、「働く」「学ぶ・暮らす」のドメインで、文具や家具だけにとらわれない豊かな生き方を創造する企業となることを目指しているといいます。
ワークスタイル領域では、新型コロナウイルス感染拡大によって定着した働く場の分散と働き方の多様化により定着したハイブリッドワークにおける新しいニーズに着目しているとしています。
ライフスタイル領域では、学びや生活の道具におけるライフスタイルツールにおいて、より自分らしく生きることへのこだわりのニーズの高まりに着目しているといいます。
2023年12月期第2四半期のセグメント別業績は以下のとおりです。
(ワークスタイル領域)
・ファニチャー事業
ファニチャー事業は、働き方の変化に伴う旺盛なオフィス需要の獲得と、Kokuyo Hong Kong Limitedを活用した海外事業の成長により、コクヨ全社の業績を牽引することを目指しているといいます。
日本では、首都圏での大規模オフィス供給量の増加により新築移転需要と旺盛なオフィスリニューアル需要の獲得に向け、顧客の戦略課題に根差した働き方に向けたオフィスづくりの提案に注力していて、業績拡大や収益改善が進捗しているとしています。
中国・アセアンでは、中国経済悪化の影響を受けましたが、Kokuyo Hong Kong Limitedを中心としたクロスセルや生産統合に取り組み、事業拡大を目指しているといいます。
このような状況のもと、売上高は、前年同期比15.3%増の834億円、営業利益は、前年同期比26.9%増の138億円となったとしています。
・ビジネスサプライ流通事業
ビジネスサプライ流通事業は、カウネットと卸の機能統合による事業効率化を推進するほか、UI/UXの改善等の顧客体験価値向上に向けたシステム投資を行い、事業拡大を目指していくといいます。
第2四半期は、顧客のオフィス出社率の回復に伴う顧客の購買単価の上昇や価格改定の浸透等により、大企業向け購買が好調に推移したといいます。
このような状況のもと、売上高は、前年同期比2.1%増の509億円、営業利益は、前年同期比15.0%増の21億円となったとしています。
(ライフスタイル領域)
・ステーショナリー事業
ステーショナリー事業は、SNSなどを通じた自己表現ニーズの高まりにより付加価値文具市場が拡大する中で、本格的なグローバル展開を見据えた体制変革を実施し、グローバル成長による増収増益を目指していくといいます。
日本では、需要の低迷や原材料価格高騰の影響を大きく受けていますが、事業リソースの最適化等を通じて収益性の改善に取り組んでいるとしています。
中国では、ゼロコロナ政策解除後の新型コロナウイルス感染急拡大による景気低迷の影響を受けたものの、女子中高生をターゲットとした女子文具需要は引き続き旺盛な状況だといいます。
インドでは、営業活動の変革や商品力強化に取り組むことで、営業生産性が向上し、好調に推移しているとしています。
このような状況のもと、売上高は、前年同期比13.9%増の438億円となったといいます。営業利益は、前年同期比15.1%増の39億円となったとしています。
・インテリアリテール事業
インテリアリテール事業のアクタスは、住空間への新たなニーズを取り込むために、店舗とECを統合したマーケティング戦略に取り組んでいくといいます。
第2四半期は、イエナカ需要は収まりつつあるものの、ECを活用した販売促進活動が順調に進捗したといいます。一方で、販管費の増加を吸収できず減益となったとしています。
このような状況のもと、売上高は、前年同期比6.2%増の101億円、営業利益は、前年同期比17.8%減の4億円となったとしています。
連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2023年12月期は、第3次中期経営計画2年目として、引き続き事業領域の拡張に取り組んでおり、それに向けて積極的な経費支出を行っているといいます。
業績はファニチャー事業において、新築移転案件の獲得が順調に進捗している他、販管費支出の効率化を推進しているとしています。
その結果、2023年2月13日に発表致した2023年12月期通期連結業績予想について、業績予想の上方修正を実施するとしています。
2023年通期連結業績予想
2023年通期連結業績予想は以下のとおりだとしています。
売上高は、前回発表予想が3370億円に対して今回発表予想が3370億円で増減なし。
営業利益は、前回発表予想が200億円に対して今回発表予想が230億円で増減額が30億円増で増減率が15.0%増
経常利益は、前回発表予想が214億円に対して今回発表予想が252億円で増減額が38億円増で増減率が17.8%増
親会社株主に帰属する当期純利益は、前回発表予想が156億円に対して今回発表予想が185億円で増減額が29億円増で増減率が18.6%増