コクヨ、デジタル人材教育・実践プログラム 「KOKUYO DIGITAL ACADEMY」を開校
データとテクノロジーを活用できるスキルの習得により、既存の課題解決、新規ビジネス創出を目指す
コクヨは、データやテクノロジーの活用による既存の課題解決や新たなビジネスの創出を目指し、スキルの習得と活用に向けたコクヨグループ社員向けのデジタル人材教育・実践プログラム「KOKUYO DIGITAL ACADEMY(コクヨ デジタル アカデミー)」を6月28日(水)に開校しました。
また、同日東京品川オフィス「THE CAMPUS」とZoom参加のハイブリッドでキックオフイベントも開催し、開校を宣言するとともにパネルディスカッションなども開催しました。
同社によると、データやテクノロジーの力が社会を変えていく時代、テクノロジーは驚異的なスピードで進化しているといいます。一方で、デジタル人材は7割強がIT会社に偏在し、国内事業会社の9割はIT人材の質・量ともに不足感を感じているとしています(※1)。そこで同社は、テクノロジーを活用してよりスピーディーに変化に対応していくために、グループ社員向けのアップスキリングプログラムとして「KOKUYO DIGITAL ACADEMY」を開校したといいます。
(※1) 内閣官房「デジタル人材の育成・確保に向けて」
今回の「KOKUYO DIGITAL ACADEMY」の創設は、「データとテクノロジーを活用できる社員のスキル習得」、「データとテクノロジーの活用による既存の課題解決や新たなビジネスの創出」を目的とし、2025年内に400名のデジタル人材を輩出することを目標としているといいます。学長は、株式会社カウネットにてeコマース事業を統括するカウネット代表取締役社長の宮澤典友氏が務め、副学長には国内大手企業にて人事・経営変革を経験してきたコクヨ執行役員の越川康成氏、数々のAIプロジェクトを推進してきたカウネット社外取締役の野口竜司氏が就任するとしています。
また、スキルの習得にとどまらず、「KOKUYO DIGITAL ACADEMY」の卒業生、あるいは卒業相当のスキル・知識を持っている社員に向けて、実践経験プログラム「GPT-Lab(ジーピーティーラボ)」も6月28日に設立するといいます。社員が学びを実践できる機会を提供することで、実際の業務現場で応用できる力を育成するとしています。
コクヨは「KOKUYO DIGITAL ACADEMY」を通して、同社のパーパスである「ワクワクする未来のワークとライフをヨコクする。」に基づき、未来をヨコクする人材の育成、さらには全社的なデジタル化の推進により、誰もが活き活きと働き、学び、暮らし、つながり合うことができる「自律協働社会」の実現に取り組んでいくとしています。
■「KOKUYO DIGITAL ACADEMY」の概要
「KOKUYO DIGITAL ACADEMY」は、「IT(Information Technology)アカデミー」、「AI(Artificial Intelligence)アカデミー」、「DS(Data Science)アカデミー」の3つの講座から構成されていて、社員は身に付けたいスキルに応じて参加する講座を選択するといいます。講義は各講座一期あたり2~3ヶ月実施される予定。社員は講義での座学、実践ワークショップを通して、各分野のリテラシー力や専門能力の獲得を目指すとしています。
IT(Information Technology)アカデミー
業務の現状と課題を把握し、IT部門と共に解決できる業務部門の人材育成を目的とした講座。
AI(Artificial Intelligence)アカデミー
知的生産革命時代のAIに関するナレッジや実践力を獲得し、自ら企画考案できるAI活用人材になることを目的とした講座。
DS(Data Science)アカデミー
データによる現状把握を正しく行い、意思決定の精度と速度を高めることを目的とした講座。
■学びの実践経験プログラム「GPT-Lab」について
「GPT(Generative Pretrained Transformer)-Lab」は、アカデミー卒業生、あるいはアカデミー卒業相当のスキル・知識を持っている社員向けに、学びの実践経験の場として新たに設置したプログラムだといいます。社員はアカデミーで学んだことを活かし、所属部署の業務とは別に、プロンプトの開発や、アプリの企画から開発、運用保守までを実践。ビジネスへの実装を目指すとしています。
また、「GPT-Lab」以外の実践の場として、アカデミー卒業後に次期講座の一部講義、および講義サポートを担当するチューター・講師アシスタント制度も設けているとしています。
■「KOKUYO DIGITAL ACADEMY」の体制
学長 宮澤 典友(みやざわ のりとも)氏
コクヨ株式会社執行役員 ビジネスサプライ事業本部長
株式会社カウネット代表取締役社長
ゼネコン、ゲーム会社、総合商社を経て、BtoB eコマース業界へ。経営管理、EC、物流やテクノロジー領域を管轄し、2022年6月にコクヨ株式会社に入社。2022年12月にコクヨグループでオフィス通販を行う株式会社カウネット代表取締役社長に就任。同時にコクヨ株式会社執行役員 ビジネスサプライ事業本部長を務める。
副学長 越川 康成(こしかわ やすなり)氏
コクヨ株式会社執行役員 ヒューマン&カルチャー本部長
株式会社ファーストリテイリングにおいてユニクロの国内中心からグローバル企業に成長するまでの人事・経営変革を経験。その後、塚田農場などを展開するエー・ピー・ホールディングス執行役員を経て、2023年1月にコクヨ株式会社執行役員 ヒューマン&カルチャー本部長に就任。
副学長兼カリキュラムディレクター 野口 竜司(のぐち りゅうじ)氏
株式会社カウネット 社外取締役
株式会社ZOZO NEXT取締役CAIO(Chief AI Officer)やZホールディングス Z AIアカデミア幹事を経て、2022年12月に株式会社カウネット社外取締役に就任。株式会社ELYZA取締役CMO、日本ディープラーニング協会人材育成委員、三井住友カード株式会社Head of AI Innovation。事業会社でのAI戦略/企画や数々のAIプロジェクト推進に関わる。企業のDX責任者を集めるDX MGR clubの運営や、大企業のDX推進コンサルティングも実施。「KOKUYO DIGITAL ACADEMY」では副学長と同時にカリキュラムディレクターも務める。著書に「文系AI人材になる」(東洋経済新報社)など。
■参考
同社の人材育成への取り組み
コクヨは、多様な人材の活躍を実現するために、人材の流動性を高め、ビジネスリーダーの育成を進める必要性を認識しているといいます。2030年には、さまざまな個性を持った優秀な人材を社会に輩出することで、コクヨと社会との結びつきをより強固にしていくことを目指していて、社内複業制度や実践型研修プログラムを実施するなど、社員が活躍する機会の創出に注力していくとしています。
・社内複業「20%チャレンジ」の実施
2020年から、主体的なキャリア形成・能力向上、組織の活性化を後押しすることを目的として、自ら手をあげ、業務時間の20%程度を活用して他組織の業務にも参画する「20%チャレンジ(社内複業)」の取り組みを開始したといいます。成果や貢献も個人の実績評価に加味する形で運用し、社員は所属事業や組織をまたいだテーマにチャレンジしているとしています。
※「GPT-Lab」は本取り組みとは別のカリキュラムとなるといいます。
・「コクヨマーケティング大学」「コクヨマーケティング大学院」の実施
「コクヨマーケティング大学」は、顧客起点で未充足ニーズを捉えて課題解決を推進する仕事の仕方にチャレンジするために、社会人経験3~12年目の若手層を対象とした経営答申型実践プログラムです。2017年から取り組みを始め、開発や企画に限らずあらゆる職種の若手社員がチャレンジしているといいます。
「コクヨマーケティング大学院」は、未来の事業環境を客観的に考察し、戦略検討する仕事の進め方にチャレンジするために、30~40代の中堅リーダー層を中心にしたプログラムだといいます。経営議論を経て決めた10年先を見据えた事業テーマに対し、外部の経営戦略プロフェッショナルによるコーチングを受けながら、最終的にコクヨの成長戦略を経営に答申するとしています。
キックオフイベントを開催
キックオフイベントでは、オープニングにおいてはオープニングムービーが放映され、そのなかで、「今激動の知的生産革命が起ころうとしています。この変化に対応できる組織にしていきたいと思っています。」(野口氏)、「デジタルを使って自分の可能性を開いてもらいたいと思っています」(越川氏)、「コクヨのクリエイティビティにデジタルの力を掛け合わせて、コクヨを覚醒させたいと思います」(宮澤氏)などのメッセージが述べられ、その他、「DIVE into the Digital World」、「デジタルの力で覚醒せよ」「Discover the Digital Transformation」「時代とともに、変われるか。」「自分の可能性を、拓く。」「DIGITAL AWAKENS KOKUYO」などの言葉が流れました。
宮澤学長が挨拶と設立の目的
次に、学長の宮澤氏が登壇し、挨拶と設立の目的を述べました。
宮澤氏は、「テクノロジーの進化のスピードが驚異的で誰もが予想ができないことが起きているのがいまの時代だと思います。コクヨデジタルアカデミーはデジタルをより上手に活用して社会の変化にスピーディーに対応していく力をつけていきたいという目的を持っています。会社の成長や事業の成長というのは、土台となる社員の成長が一番大事で、皆さんの成長が結果的に事業の成長に繋がっていくということをやっていきたいと思っています。(設立の目的に」アップスキリングと書いてありますが、リスキリングという言葉も多く使われますが、このアカデミーでは、今まで皆さんが学んだことというのも非常に大事な学び、経験だと思いますので、その上にさらにデジタルというものを学んでいただいてより強くなっていただくような思いを込めてアップスキリングと呼んでいます。
どのようなことを実現したいかというと、これに限らないとは思いますが、大きく2つ意識していきたい。1つはデータとテクノロジーのスキルによって新たなビジネスを生み出していきたい。2つめは、いまどうしても出来ない、もしくは、出来るけれどとても難しい、手間がかかる、大変だということをなくしていく、そのためのデジタルスキルの活用を進めていきたいと思っています。
コクヨデジタルアカデミーの特徴としては、3つのアップスキリングのカリキュラムを用意します。1つはAI、DSはデータサイエンス、ITはテクノロジーを活用するための例えば、プロジェクトマネジメントのスキルやコーディングのスキルなどを学んでいただきます。ただ、知識とか集合研修を学んでもなかなか実際には使っていかないと忘れてしまうというのが研修の弱いところで、今回は実践をセットにして開校したいと思います。
実践の機会とは、皆さんがいつもの仕事に生かしていく実践は当然あると思っていますが、部門によっては仕事の内容によっては、学んだことをすぐに生かす場がないというケースもあるので、1つはGPT‐Labというものを同時にスタートさせていきたいと思っています。もう一つはデータの基盤をコクヨ全体で再構築していこうというのを考えています。皆さんがデータをより簡単に活用して、いろいろな検証をしたりとか、アイディアを、仮説を確認したいということができるような基盤をつくろうとしているのですが、そこに参画していただくというのも用意します。
カリキュラムは今年やって終わりではなく、何度も続けていきたいと思っています。世の中も変わっていきますので、同じ人が参加してもいいと思いますし、新しい人にも参加していただきたいと思っていまが、継続的に行っていくカリキュラムのなかに、例えばティーチングアシスタントやチューターといった形で参画していただきながら、皆さんが学んだスキルというものを業務以外でも生かせるような場をつくっていきたいと思っています。
GPT‐Labは、今回申し込みの時などに皆さんから集まった1000以上のアイディアをGPT‐Labで皆さんがどれを実装していきたいのかをフォーカスすることをフェーズ1とし、そのなかからみんなで選んだものを実際にコクヨの業務、お客様との対話に実装していきたいと思っています。コクヨは実験カルチャーというものを持っているので、このLabをその名のとおり実験室ということで、アイディアを実現していくことをみんなが集まってアイディアを実現していくことをGPT‐Labとして発足したいと思っています」などと述べました。
パネルディスカッションを開催
続いて、越川氏をモデレーター、パネラーを宮澤氏、野口氏としてパネルディスカッションが行われました。
テーマは、「人間の創造を超えた世界 知的生産革命‐加速する社会の変化」「GPT×Creativity‐コクヨの覚醒」「より良い社会のために デジタルスキルを‐新しい自分を拓く」。
「人間の創造を超えた世界 知的生産革命‐加速する社会の変化」については、知的生産革命について野口氏が、まず現在の「言語AI・作るAIの技術が飛躍的に発展」したことについての事例をあげながら説明を行い、ChatGPT等の言語AIのすごさは、プログラミングが不要で、言葉で指令することができるというところであるとし、ホワイトカラーが行っている様々な知的生産活動をAIが実施することができると述べました。ChatGPT時代のAIは、言葉で「執筆ができる」「業務タスクができる」「プログラムができる」「絵を描ける」「曲をつくれる」とし、何ができるのかの整理として、2~3年前の小規模なChatGPTが、「単語の理解」「文の構造理解」「(簡単な)分類」くらいしかできなかったのに対して、「単語の理解」「文の構造理解」「(難しい)分類」「ゼロからの文章生成」「流暢で自然な対話」「意味や意図の理解」「知識を元にした対話」など、教育を受けた人間のように自然な言語処理ができるようになったと説明しました。
いまのAIは知識を参照することができ、医師や弁護士として必要な知識など、いろいろな業務タスクを行うためのマニュアルを読むことができ、それを読みながら回答することができるといいます。高度な専門知識ほど習得することが得意で、つくった人たちもどこまで何ができるかが理解できないくらいだと述べました。体系化されたデータ、テキスト化されたデータほどAIにとっては読みやすいといいます。
AIに対する怖さの懸念には、だからこそよく知り、使いましょうで、使いこなす能力を持つということが新しい時代のアイテムだといいます。
「GPT×Creativity‐コクヨの覚醒」については宮澤氏が、Creativityに対してデジタルを掛け合わせると、ものすごいパワーが発揮できるのではないかと考えているとして、コクヨというポテンシャルを持った集団にデジタルを掛け合わせることによって想像もしてなかったことが起きるのではないかという期待感をもって皆さんと一緒にこのアカデミーを進めていきたいと述べました。
また、AIが行ってくれることが増えるにつれて、ではそれ以外に自分には何ができるかを考えること、そちらの方に時間と力を使えるとポジティブに思えるとものすごく楽しめる時代なのではないかと実感していると述べ、そこをみんなで考えていきたいとしていました。
「より良い社会のために デジタルスキルを‐新しい自分を拓く」。については、越川氏がリスキリングに対してアップスキリングを再度とりあげ、いままでの経験を資産として新しい形で価値を生むとして、「K勘と経験からの気付き+Dデジタルのスキル+Aアイディアのチカラ」という言葉をあげ、特にベテランほど暗黙知を持ち、勘と経験からデジタルに指示をして、着眼点を渡してデジタルにさせるそれがカタチになっていって新しい価値になっていくというのがこれからのポイントではないかと思うなどと述べました。
それを受けて野口氏が、人間の勘と経験のすばらしさについて述べ、アイディアをどのようにAIに渡せるかというのが差をつける一番のファクターになっていくとし、AIとの反復の実験を自分のなかで回していくことが秘訣であると述べました。
さらに越川氏は、コクヨのクリエイティビティの源泉には、まったく新しい発想だけでなく、経験からくる発想もこのデジタルアカデミーを通じてカタチにできるようになっていくと単純に効率が上がってくるだけではなくて、すごい新しい競争力、付加価値につながるのではないか、そういう意味からもこのコクヨデジタルアカデミーがスタートすることで全員できるようになっていけるようにしたいと思っているなどと述べました。
質疑応答
その後、質疑応答が行われました。
そのなかで野口氏はAIアカデミーにおいては、AIとはどういうものかはわかるだけでなく、みんなが一流のプロンプターになることを目指すといいます。それができると手触りのある感触をえることができ、その段階で発散できる企画はものすごくよいものになるので、みんながAIへの指示上手になり、そこから出せる企画を出してもらうところまでもっていきたいと述べました。
宮澤氏はそれを業務と結びつけ、顧客やサプライヤーなどとも繋いでいき、さらにもう一段上がった先端的な取り組みにできると考えているなどと述べました。
さらに野口氏は、AIコワーカーと過ごすようになるとオフィスが変わると思う。バーチャルを含めて、オフィス空間の中にAIコワーカーがいる状態をつくりだしていきたいと述べました。
また、同アカデミーと他との大きな違いは、宮澤氏が、教えて終わりではなくあくまでも実践の場を提供していくことだと述べ、越川氏は、宮澤氏が述べたように、学ぶことが目的ではなく、そこから実践をすることが重要で、効率化のために行うのではなく、実験カルチャーに基づいて自分達で行うということ、また、それを行っているうちに事業価値そのものに繋がっていくという、そのために学ぶというかたちはなかなかないと述べました。
学んだ技術の陳腐化の懸念については、野口氏が、現在一定の最上段まで技術が上がってしまっていて、今ここで学ぶことは向こう10年持っていけるスキルであり、今まさにアップスキルを行うタイミングであるなどと回答しました。
また、カウネットなどでは、従来は顧客のレビューを読み込んで時間をかけて検討していたものが、GPTでは顧客の質問にピンポイントで答えてくれるので、利便性があがるとして、GPTに何を情報として渡すかを上手にできればいろいろなものが大きく変わっていくと述べました。
越川氏は、今回のGPTはマルチ言語で行うので、グローバルコミュニケーションがすごく変わるのではないかと思っているとし、英語の翻訳などきちんとしていて、グローバルビジネスを行うときの社内のコミュニケーションのあり方も変えられると思うというのに対し、野口氏は、受け取った言語を翻訳してくれるだけでなく、なんて返せばいいかなどというところまで対象の言語で行ってくれるとし、リアルタイム性も今のパフォーマンスを担保してくれそうだとし、言葉の壁を解決できることを示唆しました。
野口氏はまた、経営層こそまずAIを使いこなすことの重要性を説き、宮澤氏、越川氏も同意していました。
AIが当たりまえの世界で、逆に人とのコミュニケーションについて身に着けておかなければならないことについては、野口氏は、AIと一緒にいない場合に逆に人間力、対話力、配慮、礼節など昭和回帰とでも言いたいような、以前の日本の社会に重要とされていたことを身に着け、効率的な部分と人間的な部分を両軸で行動すればよいのではないかと答えました。
囲い込み取材の内容
イベント終了後の囲み取材においては、コクヨデジタルアカデミーの発想は本格的には3カ月前くらいからで、長期ビジョンCCC2030のなかのデジタルを活用できる人材の育成の必要性が認識されていて、そこにアカデミーができたというイメージだといいます。デジタル化を進めていくうえで、キャリア採用で行っているだけでは非常にスピードが遅く、コクヨのなかでコクヨをよく知るポテンシャルを持った人たちが、コクヨのクリエイティビティを活かせるデータの学びをすれば、それらがより活きて、もっと早くデジタル化、テクノロジー活用へ進めるのではないかという発想で自分達での育成プランを考えたとしています。
ステーショナリーやワークプレイスなどデジタルとの距離のある部門では、一部の人たちがデジタルに関する業務を行ってきたところがあるが、AIを使うことによってできることを一気に加速させることができるといいます。それをものづくりに落とし込んでいくことや世の中のニーズをGPTで把握する仕組みをつくりたいなど、AIを使用することで、指示されるのではなく、自分達自身で発想し具現化することが可能になるというところがポイントだとしています。
同アカデミーは全員が受けなくてはならないという縛りはないものの、ベーシックな能力として身に着け、根源的な発想でとらえていくというイメージだとし、特にAIアカデミーに関しては、希望者はすべて受け入れ、社員がすべて持つべき基礎スキルとして定義をし、教育するといいます。そうすることで、コクヨとしてのデジタルの底力をあげていき、やりたいと思っていたことが、従来はシステムや開発に伝えない限りはモノが動かなかったものが、今回の3つのプログラムを経験すると、開発の難しさや勘所をそれぞれが行うことができるのでより多くの開発ができることが期待でき、デジタル能力の底上げの結果が開発のスピードアップにつながるとしています。