カリモク家具、オルガテック東京2023に出展
カリモク家具のものづくりの力が集結
カリモク家具は、2023 年 4 月 26 日(水)から28 日(金)の 3 日間、東京ビッグサイトで開催されたオルガテック東京 2023 に出展しました。
コンセプトは「なんでも作るよ」
同社は、「なんでも作るよ」をコンセプトに、国産未利用材活用や様々なコラボレーターと手掛けてきた 22件のプロジェクト実例をもとに、家具製造に留まらない同社のものづくりと、背景にある技術や企業姿勢を紹介したとしています。
展示ブースは、異なるテーマが設定された6つのブロックで構成。各ブロックでは、国産未利用材を採用した昇降テーブル、国内初披露となる塗装色を含む Zaha Hadid Designとのコラボレーションプロジェクト「SEYUN」や、同社のオフィスのひとつである「K-Studio」をモデルにしたオープンオフィス空間、そして他企業や地方自治体、アーティストといった様々なコラボレーターと手掛けてきた 22件のプロジェクトを紹介。プロダクトデザイナーの小宮山洋氏のディレクションのもと、木を活用して様々なプロダクトを手掛けてきた同社の軌跡と技術力を表現したとしています。
展示レイアウト
ブース内は異なるテーマが設定された 以下の6 つの展示ブロックで構成しました。
6つの展示ブロックとは、S1(昇降テーブル)、S2(イリュージョン)、M1(ハイテーブル)、M2(コラボレーション)、L1(ソファ)、L2(コラボレーション)。
全体がシームレスに繋がる空間でありつつも、各所に設置された自社制作の 3 つの木製フレームからブース内を覗き込むことで、ブロックごとのテーマを一つ一つ見て取ることができるといいます。
また、空間全体のスタイリングはスタイリストの黒田美津子氏が担当。多様性に富む展示空間に統一感をもたらしたとしています。
S1
S1 ブロックでは「人と地球に優しい取り組み」を表現したといいます。石巻工房 by Karimoku の HAFU DESK をベースに、あらゆる体格や使用シーンに対応可能な昇降テーブルの機能性を取り入れた 6 台の特別モデルを展示しました。
また、国産未利用材の有効活用を目的とし、テーブルはナラ、シイ、カシ、ホオ、ヒノキの 5 つの樹種を用いて製作したといいます。木目や色合いといった樹種ごとの異なる魅力が楽しめるとしていました。
S2
「イリュージョン」と称した S2 ブロックでは、Zaha Hadid DesignとのコラボレーションプロダクトSEYUN(セユン) Chair を展示しました。
SEYUN Chair は左右非対称のパーツを組み合わせた有機的なフォルムを特徴とする、全く新しいデザインの家具だといいます。 Zaha Hadid Design から提案されたこの斬新なデザインは、同社が持つ知見や技術を総動員して実現していて、まさにカリモク家具のクラフトマンシップを体現するプロダクトだとしていました。素材の表情を活かしたピュアオークに加え、国内初展示となるメタリックブラックの計2色を展示。メタリックブラックの塗装では、本物のシルバーを含んだ塗料を使用した鏡面仕上げを施したとしています。
M1・L1
M1・L1 の2つのブロックでは、「コミュニケーション」をテーマとし、繋がりのあるオフィス空間を表現したといいます。
着想源としたのは、同社が愛知県に有する工場併設のオープンオフィス「K-Studio」。「K-Studio」では、立ちながら気軽にミーティングができるハイテーブルや、顧客を応接するラウンジセットが備えられ、日々活発にコミュニケーションが交わされているといいます。
Karimoku New Standard と Karimoku Case Study から選定されたアイテムを使用し、M1 ではハイテーブルとバースツールのセットを、L1 ではソファやラウンジチェアをそれぞれレイアウトしたとしています。2 つの異なるコミュニケーションシーンを想定した、同社の考えるオフィス空間を提案したとしています。
M2・L2
同社は、企業、地方自治体、アーティストなど業種を問わず様々な相手とのコラボレーションを積極的に実施しているといいます。「コラボレーション」をテーマとした M2・L2 ブロックでは、22件のコラボレーションプロジェクトを、実物と写真を交えて紹介しました。
特定の地産材や廃材を使用した特別仕様の家具や、株式会社メディコム・トイの「BE@RBRICK」、株式会社資生堂のスキン&マインドブランド「BAUM」、ブルーボトルコーヒージャパン合同会社の「Karimoku x Blue Bottle Coffee Morning Collection」など、同社では長年の家具製造で培った技術と充実した生産設備を活かし、家具の枠組みにとらわれない幅広いものづくりに取り組んでいるといいます。
「BE@RBRICK(ベアブリック)」は「メディコム・トイ 」のマスターピースであるクマ型ブロックタイプフィギュアだといいます。
曲線が多く究極の精度が求められるフィギュアに対し、木工の技術に立ち返りながら、最新の技術と家具の知見を融合させて実現したといいます。
「BAUM」は、“樹木の恵み”に着目したスキン&マインドブランド。その世界観を表現するため、熊野亘氏のデザインのもと家具の製造過程で生じる端材をパッケージの木製パーツへとアップサイクルを行ったといいます。
大量生産される通常の樹脂パッケージと比較して手作業で作られる同製品は既合精度を保つことが難しいですが、家具を作ってきた知見を活かして実現することができたとしています。
「Karimoku x Blue Bottle Coffee Morning Collection」では、コーヒーを丁寧に淹れるひとときをより豊かな気持ちにさせてくれるドリッパースタンドや、専用フィルターケース、ブルーボトルコーヒーのロゴをイメージした曲線が特徴のカッティングボードなど、インテリアに彩りを添えるプロダクトのデザイン、製造を行ったとしています。
また、株式会社ダイセルと京都大学と共同で開発している「バイオマスフィルムの家具への適用」なども紹介しました。
展示品としては、ユーカリの幹を溶かして作ったバイオマスフィルムを、サワグルミの板に熱圧して接着した見本板を展示。ダイセルと京都大学による産学共同のこのプロジェクトでは、木をまるごと溶かして自然資源由来の新素材をつくる研究が行われているといいます。この研究が、家具を永遠に使い続ける新しい循環を生むかもしれないとし、同社期待のプロジェクトだとしています。
同社は、通常の家具とは異なるスケールでクオリティやスペックを求められるプロダクトの開発は、時に困難な課題に直面することはあるものの、しかし、それらの課題への挑戦は得難い経験であり、技術力の更なる向上へと繋がっているといいます。木でできるものであればなんでも作る、「なんでも作るよ」をテーマに同社のものづくりの技術、姿勢を紹介したとしています。