東京オフィストレンド オフィス家具週間トレンド報告
5/22 ~5/28、オフィス家具業界の主なハイライト(+コラム)
【今週の目次】
① イトーキ、首都圏のハイブリッドワーカーのWeb会議事情を調査
② オカムラ、「岩手県釜石市における官民連携のワーケーション事業」成果と今後の事業展開を発表
③ イトーキ、LGBTQ賛同企業として「アライ展示」を全国拠点で開催
④ コクヨ、「書く」を特別な体験にするペン<WPシリーズ>の予約販売を応援購入サービス「Makuake」で開始
+注目のコラム オフィス山人の少し深堀り
イトーキ、首都圏のハイブリッドワーカーのWeb会議事情を調査
「Web会議」で不便や不満を感じるのは「通信品質」と「相手の反応や表情がわからないこと」
2023年5月22日から28日までのオフィス家具業界の主なハイライトについては、イトーキは、コロナ後にオフィスに戻る人も増える中、リアルとWebのハイブリッドで行われる「Web会議」の課題を明確にするため、首都圏の企業に勤めるハイブリッドワーカーに対して調査を行いその結果を5月24日に公表しました。
調査ハイライト
・首都圏のハイブリッドワーカーは週あたり平均6.5時間のWeb会議を実施
・Web会議で不便・不満を感じる点、1位は途切れや遅延などの通信品質(38.9%) 、2位は相手のカメラがオフで、反応/表情がわからない(32.6%)
・顔を映さずとも問題ない等の理由により、自身のカメラを基本オフにしている人が62.1%
・一方、相手の顔を見て話したい等、相手のカメラ・オフに不便や不満を感じる人は57.1%に上る
・コロナ後にオフィスに戻る人が増えても、Web会議がなくなることはない。Web会議がさらに質の高い議論や会話をもたらす場となるためには、今回調査でニーズが明らかとなった「顔のみえるコミュニケーション」の実現等、現状の課題を解決していくことが求められる。
(調査内容は、イトーキ様調べ)
オカムラ、「岩手県釜石市における官民連携のワーケーション事業」成果と今後の事業展開を発表
オカムラは、岩手県釜石市(以下、釜石市)、株式会社かまいし DMC(以下、かまいしDMC)、日鉄興和不動産株式会社(以下、日鉄興和不動産)と2023年5月25日、共同で取り組む「岩手県釜石市における官民連携のワーケーション事業」の成果および今後の事業展開を発表しました。
また2023年3月に、同社と日鉄興和不動産は岩手県釜石市に対して企業版ふるさと納税を活用した寄附を実施したことも発表しました。
イトーキ、LGBTQ賛同企業として「アライ展示」を全国拠点で開催
イトーキは、2023年4月13日よからプライド月間(※)である6月末まで、全国の各ショールーム・工場で「ITOKI×LGBTQアライ展示」 を実施しているといいます。
※プライド月間(Pride Month): 日本やアメリカなど世界各地でLGBTQ+の権利を啓発する活動・イベントが実施される期間のこと(同社)
コクヨ、「書く」を特別な体験にするペン<WPシリーズ>の予約販売を応援購入サービス「Makuake」で開始
コクヨは、軽く爽快な書き心地と豊かな表現力を備えるペン<WPシリーズ>から「ファインライター」「ローラーボール」の予約販売を、応援購入サービス「Makuake」で、5月23日(火)から開始することを同日発表しました。
<WPシリーズ>は、これまで紙にこだわってきた同社が提案する、書き心地やインクの表現にまでこだわったペンだといいます。砲弾型の樹脂製チップで、文字や図形、イラストを”軽やかに”書き出せるのが特長の「ファインライター」と、粘度が低いインクと自重で書ける自由な書き心地が特長の「ローラーボール」の2種類をラインアップしたとしています。
注目のコラム オフィス山人の少し深掘り
今週まず注目した記事については、イトーキ、首都圏のハイブリッドワーカーのWeb会議事情を調査です。
今回の調査の目的がWeb会議の課題を明確にするということがまず興味深く、その結果についても自分が抱いていたイメージとは違った意外な数字が出ているのもおもしろいなと感じました。
まず、首都圏のハイブリッドワーカーは週あたり平均6.5時間のWeb会議を実施という結果には、もっと長い時間のような気がしていました。そのなかで、会議の82%がWebで実施、直近1カ月で参加したWeb会議は定例会議が77・2%と高く、その内容は報告・共有となっていて、また、参加率の比較的低いのは商品サービスの提案12・4%、拡散するアイデア会議10・3%など、微妙な表現などが必要だと思われる会議で、そのあたりは使い分けができているのではないかと思いました。しかし、それが逆にこれからのWeb会議の課題なのだと思います。
顔を映さずとも問題ない等の理由により、自身のカメラを基本オフにしている人が62.1%、一方、相手の顔を見て話したい等、相手のカメラ・オフに不便や不満を感じる人は57.1%、自身のカメラについてはオンにしなくても問題ないと考える人が約5割、ということで、オンにしなくても問題ないという判断が誰が、どういうことで判断しているのかを含め、このあたりの意識のギャップをより深く解明していくことがまた新たな提案に繋がっていくのかもしれないと思います。
同社は、コロナ後にオフィスに戻る人は増えていますが、これからもリアルとWebのハイブリッドで行われる「Web会議」がなくなることはないといいます。Web会議を、質の高い議論や会話をもたらす場としてさらに進化させるためには、「顔のみえるコミュニケーション」の実現など、話しやすさの改善や一体感をもたらす工夫をすることで、現状の課題を解決していくことが求められると総括していて、現在でもそれらを解決するためのソリューションである「オンスタジオ」などを提案していますが、これからも積極的に提案していくことが期待されます。
オカムラ、「岩手県釜石市における官民連携のワーケーション事業」成果と今後の事業展開を発表の記事ですが、今までの経緯も非常に先進的な試みだと思いますが、今後のワーケーション事業の展開において、ワーケーションの推進により、つながり人口(関係人口)の創出や、地域経済の活性化、テレワークによる「転職なき移住」の実現を目指すということに注目しました。つながり人口は実際の人口に加えその地域に関係する人の数ですが、逆に考えると、働き方改革に求められる、効率よく、効果的に働くということにおいて、人の働くフィールドを拡げることが大切なのではないかと思いますが、それにつながることなのではないかと思います。特に自然の摂理や人々の生業に根差す知恵などに接するとき、多くの気づきをワーカーは得られるのではないかと思います。
コクヨ、「書く」を特別な体験にするペン<WPシリーズ>の予約販売を応援購入サービス「Makuake」で開始の記事ですが、文房具の話題ではありますが、多くの示唆に富んでいるのではないかと思います。同社によると、近年のアウトプットの多くはデジタルによって作られるといいます。しかし、それを下支えするのは人の手から生まれ、書き出された文字や線による構想であり、この時代においても「書く」にしかできないことがある、と同社は考えるとしています。そんな「書く」を、より鮮明で爽快な体験にする2種類のペンを開発したとしていますが、これによると、構想の段階での紙、手書きの重要性を述べていると思います。つまり、紙の役割には用途、種類があり、ペーパーレスといって一概にまとめられないものなのではないでしょうか。むしろ、定めのある書式をITに肩代わりされるにつれ、その構想の手書きの持つ重要性、希少価値は「技」としてより重要になってくるのではないかと思います。
もう一つは、「Makuake」での応援購入を通じて作り手の思いや商品のこだわりを直接届けると共に、このプロジェクトに共感してもらえるサポーターからの反響や生の声に基づいて、今後の一般販売を計画していくということです。つまり、単に開発して販売するのではなく、開発に人々を巻き込むということ、人々に訴求するということを効果的に行っているのだと思います。参加意識といえばそれまでですが、その出来栄えに期待を抱かせる製品であり提案方法なのではないかと思います。
(このコラムは、あくまでも山人の主観的なものです。従って各メーカー様には何の関係もありません)