東京オフィストレンド オフィス家具週間トレンド報告

5/8 ~5/14、オフィス家具業界の主なハイライト(+コラム)

【今週の目次】

① オカムラ、「iFデザインアワード2023」を受賞

② オカムラ、経済産業省が定める「DX認定事業者」の認定を取得

③ コクヨ、新しいオフィスのあり方を考える「働き方・オフィス事例セミナー2023」をオンライン開催へ

④ コマニー、「ベストプレゼンテーションAWARD」ノミネート賞を受賞

⑤ プラス、介護・福祉施設向けデリバリーサービス「スマート介護」vol.10カタログ発刊

+注目のコラム オフィス山人の少し深堀り

オカムラ、「iFデザインアワード2023」を受賞

オーシー、アップリング、パラベルチェアの3製品が

2023年5月8日から5月14日までのオフィス家具業界の主なハイライトについては、オカムラは、ポータブルバッテリー「OC(オーシー)」と3Dプリンターで製作するバイオマスプラスチック素材の家具「Up-Ring(アップリング)」、在宅ワーク向けファニチュア「Parabel(パラベル)」チェアが、国際的に権威あるドイツの「iF DESIGN AWARD 2023(iFデザインアワード2023)」を受賞したことを5月12日に発表しました。

「iFデザインアワード」は、ドイツのハノーバーを本拠地とするiF International Forum Design GmbHが主催し、毎年優れたデザインに与えられる国際的に権威ある賞のひとつだといいます。今回は、56の国や地域から10000点を超える応募があったとしています。

受賞したポータブルバッテリー「OC」は、これまで2022年ドイツ「レッドドットデザイン賞」における2部門、ドイツ「UNIVERSAL DESIGN competition 2022」における「UNIVERSAL DESIGN EXPERT」を受賞、「2022年度グッドデザイン賞」にて「グッドデザイン・ベスト100」に選出されているといいます。3Dプリンターで製作するバイオマスプラスチック素材の家具「Up-Ring」は、「2022年度グッドデザイン賞」を受賞、在宅ワーク向けファニチュア「Parabel」チェアは、2022年「第16回キッズデザイン賞」にて「奨励賞 キッズデザイン協議会会長賞」を受賞していて、今回受賞の3製品は国内外で高い評価を獲得しているとしています。

オカムラ、経済産業省が定める「DX認定事業者」の認定を取得

オカムラは、経済産業省が定めるDX認定制度に基づく「DX認定事業者」の認定を2023年5月1日に取得したことを5月11日に発表しました。

同社は、「デジタル技術の活用」を経営の重点課題の一つに掲げ、社会課題の解決と持続可能な社会の実現に向けて、先端のデジタル技術の活用を積極的に行っているといいます。製品・サービスに対するDXや、さまざまな業務プロセスにおけるDX、データを活用した経営管理の高度化、DX人財の育成、システム基盤強化などのDX戦略に基づき、顧客の体験価値向上と業務の効率化に向けて、DX推進に取り組んでいるとしています。

同社は、先端のデジタル技術を積極的に活用し、すべての人々が笑顔で活き活きと働き、暮らせる社会の実現に貢献するとしています。

コクヨ、新しいオフィスのあり方を考える「働き方・オフィス事例セミナー2023」をオンライン開催へ

コクヨは、6月14日(水)、15日(木)、21日(水)に新型コロナウィルス収束後を見据えた働き方や最新オフィス事例について、オフィス移転に関わった企業担当者が登壇し、紹介する無料オンラインセミナーを開催するといいます。

同社によると、在宅勤務からオフィス出社への回帰など、コロナ禍収束後の働き方について多くの企業が模索しているといいます。それに伴い、オフィスのあるべき姿や役割について見直す動きがあり、オフィスのレイアウト変更や移転等に取り組む企業が増えているとしています。

同セミナーは、昨年2日間の開催で約3,000人が視聴し、好評を得たというオフィス事例企画の第2弾だといいます。実際に移転プロジェクトに関わった担当者が登壇し、なぜオフィスを移転したのか、どのように働き方を見直したのか、結果どのような変化があったのかなどを最新のオフィス事例を通して紹介するとしています。その他、過去10年間だけでも10,000件以上の空間デザインを手がけた同社から、実務に役立つ移転の基礎知識や働きやすいオフィスのつくり方を説明するとしています。

コマニー、「ベストプレゼンテーションAWARD」ノミネート賞を受賞

コマニーは、 2023年4月26日~28日に東京ビックサイトで開催されたオフィス家具メッセ「オルガテック東京2023」に出展したブースが「ベストプレゼンテーションAWARD」でノミネート賞を受賞したといいます。

「ベストプレゼンテーションAWARD」は、インテリア・デザイン雑誌「 ELLE DÉCOR(エル・デコ)」ブランドディレクターの木田隆子氏をはじめとしたクリエーターを選考委員に招き、「全体コンセプト」「デザイン性」「機能性」「独自性」「サステナビリティ性」の5項目に基づいて審査が行なわれたといいます。出展ブースのうち63ブースがエントリーし、同社を含む10ブースがノミネートされたとしています。

プラス、介護・福祉施設向けデリバリーサービス「スマート介護」vol.10カタログ発刊

プラスは、介護・福祉施設向けデリバリーサービス「スマート介護」のvol.10カタログを、2023年5月11日に発刊。

今回発刊するvol.10カタログは、施設で必要な商品を厳選、約23,000アイテムを取り揃えていいるといいます。レク関連を抜粋したスタッフ向けの「レクリエーション・リハビリPickUP版」も同時発刊。約3,280アイテムを掲載し、カタログからQRコードで誘導される「レク企画書」や「レシピ動画」も好評だとしています。

注目のコラム オフィス山人の少し深掘り

今週まず注目した記事については、オカムラ、「iFデザインアワード2023」を受賞の記事です。OCについては、同賞の受賞以前に2022年ドイツ「レッドドットデザイン賞」における2部門、ドイツ「UNIVERSAL DESIGN competition 2022」における「UNIVERSAL DESIGN EXPERT」を受賞、「2022年度グッドデザイン賞」にて「グッドデザイン・ベスト100」に選出、とあるように非常に評価の高い製品だと思います。電源から自由になるということは、また新たなオフィスレイアウトの可能性を期待させるものであり、その洗練されたデザインを纏ったコンパクトな製品が実は大きな力を秘めているのではないかと思います。オフィスだけではなく、例えば展示会などの出展においてもその提案の自由度が大きく広がると思われ、実際今回のオルガテック東京2023のオカムラブースでは同製品が活躍していたと思います。


アップリングについては、そのダイナミズムに魅力を感じています。いってしまえば1つの大きなバイオマスプラスチックでできた塊に過ぎないのだとも思いますが、芸術的なオブジェのようで実は実用的な家具であるなど、非常に多くの情報と価値を内包した姿が未来的にも古典的にも見えて全く面白い製品なのだと思います。今後3Dプリンターにおいても、その技術が進むにつれてその発想も進化していくのかもしれません。


パラベルチェアについては、在宅ワーク向けファニチュアとして同社が開発した期待の製品だと思います。同社は、在宅ワークをする上で重要なことは、自宅の働く環境づくりで、パラベルチェアはホームインテリアに合う柔らかいデザインでありながら、オフィスシーティングと変わらないしっかりとした座り心地を提供するとしています。また、靴を脱いだ屋内でも好ましい姿勢がとれるように380㎜から座面の高さ調整が可能だといいます。また、同社独自だという異硬度クッションも採用されており、山人も何度も試座していますが、これらの機能により、腰とお尻を中心にしっかりとした身体を包み込むような座り心地を提供してくれる製品だと思います。オフィスシーティングのような座り心地、インテリアに合うデザインとサイズ、それでいて、しっかりと在宅ワークが行える、というこのあたりのバランスがよくとれているのではないかと思っています。

オカムラ、経済産業省が定める「DX認定事業者」の認定を取得の記事ですが、同社は着実にDXに対する戦略を進め、身に着けていっているのではないかと思います。オカムラの新たな価値観に対する強みについていつも思うことですが、根底にモノづくりの技術と歴史、現実に設備をもっていることが、新しい価値観に対応できる最も大きな強みであるのではないかと思います。むしろ、新たな価値観や課題を欲しているようにも思えます。山人は、日頃から腕のある人間に必要なのは新しい知識であると思っているので、DXという新たな世界もまた同社を成長させるきっかけになるのだろうと思います。

コマニー、「ベストプレゼンテーションAWARD」ノミネート賞を受賞の記事ですが、山人もこのブースを取材し、実際のインスタレーションを経験してきました。詳細は別稿にさせていただきますが、間づくり研究所という考え方が、今後の同社にとって非常に期待の持てる夢のある試みではないかと思っています。
同社は、「間づくり研究所」を開所を発表した時に、「間」とは実態そのものではなく、人と人、人と物、人と働く空間など、二つ以上の要素からの関係性であり、間を扱う企業としてこの関係性を追求することこそが、数ある課題解決を図る大きな糸口になると考えているとし、同社が行う「間づくり」は関係性を整え、より良い状態にして価値を生み出していくことであり、「すぐれた間」を生成するための空間をはじめとした「間」のソリューション提供を目指すとしていますが、これを来場者に実感してもらうための楽しくかつ真摯で神聖なブースだったと思います。

(このコラムは、あくまでも山人の主観的なものです。従って各メーカー様には何の関係もありません)

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