東京オフィストレンド オフィス家具週間トレンド報告

4/17 ~4/23、オフィス家具業界の主なハイライト(+コラム)

【今週の目次】


① イトーキ、Panora(パノラ)を開発

② イトーキ、ボックス型ソファ「sound sofa(サウンドソファ)」を開発

③ オカムラ、「ロータリーラックH」をサンコーインダストリー東大阪物流センターへ納入

④ コマニー、「間づくり研究所」を開所

+注目のコラム オフィス山人の少し深堀り

イトーキ、Panora(パノラ)を開発

マイクロソフト社の「Signature Teams Rooms」体験を様々な会議室で実現するWeb会議テーブル

2023年4月17日から4月23日までのオフィス家具業界の主なハイライトについては、イトーキは、マイクロソフト社が提供する、すべての参加者がより⾃然にストレスなく⾼臨場感を体験できるという会議室ソリューション「Signature Microsoft Teams Rooms」を実現するというWeb会議テーブル『Panora(パノラ)』を開発したことを4月18日に発表しました。


同製品は2023年夏頃の発売を⽬指し、更なる開発を進めていくとしています。
また、同製品を、2023年4⽉26⽇ (⽔)〜28⽇(⾦)に開催されるオフィス家具⾒本市「オルガテック東京2023」に出展するとしています。

イトーキ、ボックス型ソファ「sound sofa(サウンドソファ)」を開発

イトーキは、オープンスペースでスピーカー⾳を気にせず気軽にWeb会議ができるボックス型ソファ「sound sofa(サウンドソファ)」を開発したことを4月20日に発表しました。同製品は2023年秋頃の発売を⽬指し、更なる開発を進めていくといいます。


また同製品は、2023年4⽉26⽇ (⽔)〜28⽇(⾦)に開催されるオフィス家具⾒本市「オルガテック東京2023」に出展するとしています。

オカムラ、「ロータリーラックH」をサンコーインダストリー東大阪物流センターへ納入

オカムラは、サンコーインダストリー株式会社の東大阪物流センター5号館に、国内最大級となる高さ14mの超高層仕様自動倉庫「ロータリーラックH」を納入したことを4月20日に発表しました。


「ロータリーラックH」は、各段が独立して水平旋回する独自の機構により、保管から仕分けまで多目的に活用できる高速入出庫タイプの自動倉庫だといいます。国内外のさまざまな業種・業態の製造現場や物流現場で自動化・省人化・省スペース化を実現するロングセラー製品だとしています。

サンコーインダストリー株式会社は、「ないネジは、ない」をモットーに、約180万アイテムもの大小さまざまなねじ・締結部品を取り扱う専門商社だといいます。豊富な品ぞろえと迅速な納品体制をビジネスモデルとしており、これまでにも、ねじを1本から販売する「数通り販売」の体制強化とアイテム増加に対応するため、2013年に東大阪物流センター4号館にバラ品ピッキング用の「ロータリーラックH」を導入。2015年には2号館に出荷前の荷合わせ用として「ロータリーラックH」を導入するなど、ビジネス拡大に合わせて計8基を順次導入し業務の効率化を図っているとしています。

オカムラは、2022年に新設された5号館に、小箱ピッキングを行う物流自動化設備として高さ14mの超高層仕様の「ロータリーラックH」を納入したといいます。
この「ロータリーラックH」は、国内最大級の高さであり、保管数26,496ロケーション(ケース)を実現しているといいます。取り扱いアイテム数を増加させるため、新たに新設された5号館は自動倉庫の設置面積を小さくし、上部空間を有効活用してロケーション数を最大限多くすることが課題だったとし、耐震性に優れた「ロータリーラックH」の特長を生かし、高層化することで、建屋の限られたスペースへ26,496ロケーションを実現したとしています。また機械能力として1時間あたり2,210コンテナの非常に高速な入出庫作業が可能となり、荷待ち時間の削減を実現したといいます。ピッキング作業は、作業者の手元に商品が運ばれるGTP(Goods To Person)の定点ピッキングにより作業者の負荷を軽減したとしています。
荷主として物流の「2024年問題」への対応とともに、ビジネスの成長を支える物流体制を構築しているとしています。

コマニー、「間づくり研究所」を開所

コマニーは、 2023年4月10日に設定する「よい間」の日(=ヨイマ=ヨイマル=410=4月10日)に合わせ、間づくり研究所を開所することを同日発表しました。


同社は2019年4月、世の中にさらなる大きな価値を生み出し、世の中への貢献を大きくするために事業ドメインを「間づくり」へと再定義したといいます。
「間」とは実態そのものではなく、人と人、人と物、人と働く空間など、二つ以上の要素からの関係性であり、間を扱う企業としてこの関係性を追求することこそが、数ある課題解決を図る大きな糸口になると考えているとしています。
同社が行う「間づくり」は関係性を整え、より良い状態にして価値を生み出していくことであり、「すぐれた間」を生成するための空間をはじめとした「間」のソリューション提供を目指すとしています。
この「間づくり」という言葉を追求し、実践する母体として2023年4月10日を「よい間の日」と設定し「間づくり研究所」を設立したとしています。同社に所属する従業員約1,200人全員が間づくりする研究員と位置づけし、一人一人が「人間」を中心として「時間」「空間」「手間」を自在に整え、より大きく世の中に貢献を生み出すために間づくりを追求していくといいます。今後は社外の人も入れた活動へと展開していく予定だとしています。

注目のコラム オフィス山人の少し深掘り

今週まず注目した記事については、イトーキ、Panora(パノラ)を開発とイトーキ、ボックス型ソファ「sound sofa(サウンドソファ)」を開発の2つの記事です。
この2つの製品は、これからも続くであろうハイブリッドワーク時代に、オフィス家具のとるべき1つの方向性を示すものなのだと思います。


広⾓カメラの視野⾓に参加者全員が⼊り、マイクと話者の距離を⼀定に保つことで、適切な声の⾳量を保つことが可能。リモート側は会議室側との⼀体感を感じられ、会議室側はリモート側を常に意識できる設計となっている、とあるように、パノラの実現するWeb会議がどれほど真に迫るのか、オルガテック東京2023での体験に期待したいと思います。

ハイブリッドワーク時代の代表的なオフィス家具アイテムとして、ソロワークブースがありますが、ハイブリッドワークのなかで、まず、その状況を打開するために導入が進んだソロワークブースに対し、パノラにおいては、できるだけオンラインとリアルをシームレスにつなぎ、だれもが平等で、より快適かつ創造的なハイブリッドミーティングエクスペリエンスを可能にする会議室を実現する、とあるように、リアルなミーティングの状況が基本であり、その状態をできるだけ再現しようとしているように思えます。つまり、ハイブリッドワークのなかで生まれその状況を受け入れた第一世代としてのソロワークブースから、リアルミーティングを基準にできるだけその状況に近づけ、より快適で創造的なWeb会議にしようとする第二世代ともいうべき、より洗練されたハイブリッドワーク時代のWeb会議システムを目指しているのではないかと思います。


それはおそらくマイクロソフト社が提案する「Signature Microsoft Teams Rooms」そのものにもいえることなのではないかと思います。
また、イトーキは「Signature Microsoft Teams Rooms」のガイドラインに基づき、とありますが、これからは、企業や資本が市場を支えるのではなく、システムや考え方が、市場の核となることがさらに進んでいくのかもしれません。

サウンドソファの場合、ハイブリッドワーク時代に対応するオフィス家具として、Web会議における音問題をより深く追求してきている製品だと思います。

背景として、オフィス内でのWeb会議の頻度が高まり、会議室だけでなくオープンスペースでも日常的にWeb会議が行われるようになった一方で、「音」に関する問題が挙げられるとしていますが、これらの⾳問題を解決するスマートオフィス製品"sound furniture series"の第二弾として同製品はより快適なWeb会議の実現に貢献するものと思われます。ひと昔前であれば、これが付加価値というものであり、また、AV/ICT機器とオフィス家具を組み合わせたいわゆるイノベーションであるということだと思いますが、この製品はもっと根源的なところからの提案と思えて、むしろそういう根源的なことを踏まえた新しいソファ、もしくは新しいアイテムであるととらえたいような気がしています。

オカムラ、「ロータリーラックH」をサンコーインダストリー東大阪物流センターへ納入の記事ですが、物流の「2024年問題」の対応策は、ドライバーの確保だけではないということだと思います。

倉庫、物流センターの整備もまた、大きな対策の1つであり、物流センターに対する投資が多くなることに期待したいと思います。

コマニー、「間づくり研究所」を開所の記事ですが、最初この記事を見たときの第一印象は、コマニーはここまで考えているというより、コマニーの考えはここまできているということでした。


特に「間」というものに対する同社の考え方、「間」とは実態そのものではなく、人と人、人と物、人と働く空間など、二つ以上の要素からの関係性であるとしたことに、感銘を受けています。さらにそれを、間を扱う企業としてこの関係性を追求することが、数ある課題解決を図る大きな糸口になると考えているとし、同社が行う「間づくり」は関係性を整え、より良い状態にして価値を生み出していくことであり、「すぐれた間」を生成するための空間をはじめとした「間」のソリューションを目指すということ、しかもそれを従業員約1200人全員が研究員と位置づけ、一人一人が「人間」を中心として「時間」「空間」「手間」を自在に整え、より大きく世の中に貢献を生み出すために間づくりを追求していくとしています。山人は、おそらくそれは「道」とでもいうようなものなのではないかと思いますが、同社のこの活動に対しエールを送りたいと思います。
また、オルガテック東京2023に出展する同社の提案を拝見するのを楽しみにしたいと思います。

(このコラムは、あくまでも山人の主観的なものです。従って各メーカー様には何の関係もありません)

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