「コクヨデザインアワード2023」の受賞作品決定
“embrace“をテーマに開催し、国内外1,023件の応募作品から選出
コクヨは、3月18日開催した次世代を担うデザイナーを発掘と商品化を通じた活躍支援を行う「コクヨデザインアワード2023」最終審査にて、グランプリ作品1作品と優秀賞2作品を決定したことを同日発表しました。
20回目を迎えたコクヨデザインアワード2023では、テーマを”embrace"とし、社会が直面する課題や、人それぞれの違いを受け入れ、肯定することにより、見る人や使う人を前向きにするプロダクトデザインの提案を募集したといいます。
2022年7月29日から10月11日まで作品を募集し、国内外56か国から合計1,023点(国内515点、海外508点)の作品が集まったとしています。
同日の最終審査では、昨年11月の一次審査およびパテント調査を経て選出された10作品のプレゼンテーションと模型審査が行われ、その後、審査員による最終審議によって受賞作品を決定したとしています。
・受賞作品詳細
◎グランプリ(1作品)
作品名:Sahara一般名称:絵画用パレット
作品概要:砂漠のような絵画用パレットだといいます。「のびのびとした絵を描くためには、のびのびとした道具が必要なのでは?」という考えから生まれた「Sahara」は、私たちの奔放な創造力を引き出し、それを受け止めるような道具のあり方を提案するとしています。仕切りのないひと続きのパレットは、サハラ砂漠のような広大さをもって私たちの創造力を優しく包み込んでくれるでしょう、としています。
作者:王尾仁思 氏
◎優秀賞(2作品)
作品名:落ち葉を模した色鉛筆
一般名称:色鉛筆
作品概要:使いっぱなしで散らかった落ち葉を模した色鉛筆は、机の上に整頓された状態以上の感性を演出するといいます。整頓されていない状態は汚いものであると一般的には言われていますが、散らかった状態に不快感を覚えないのであれば、それは、違う価値観から捉えられた美しさなのではないでしょうかといいます。「落ち葉を模した色鉛筆」は、新たな価値観から、今以上の感性を生み出すきっかけとなるプロダクトの提案だとしています。
作者:吉田峻晟 氏
作品名:EMBRACE NOTE
一般名称:ノート
作品概要:理性から感性へ、既知から未知へ、秩序から混沌へ、発展していくものは独立したものではないといいます。「EMBRACE NOTE」は下線が薄くなっていき、余白と馴染んでいくことで、境界がやわらかくなっていくといいます。目的に応じて、ノートや手帳として柔軟に利用できるとともに、自然で少しの余韻のある書き心地をもたらすとしています。
作者:Guo Chenkai 氏
※作品名、一般名称、作品概要、受賞者・グループ名は、応募用紙記載の原文。(敬称は筆者)
・授与されたトロフィー・表彰状について
受賞者には、メインビジュアルで用いた草木染の手法を使い、森や泉のような多様な自然によりフォーカスするガラスドーム型のトロフィーと、同じく草木染による標本をイメージした表彰状が授与されたといいます。多様なものが入り交じることで生まれる混沌とした美しさを表現しているとしています。
・コクヨデザインアワードについて
コクヨデザインアワードは、ユーザー視点のものづくりの推進を目的に2002年にスタートしたといいます。以後、ほぼ毎年開催し、今回の開催で20回目を迎え、国内のデザインコンペティションの中でも歴史あるコンペティションとして認知されているとしています。
受賞作品の商品化検討を前提にしたコンペティションは国際的にも珍しく、また、審査員には国内外で活躍するトップクラスのクリエイターを迎えていることから、近年は海外からの応募者が半数近くを占めるなど、国際的なコンペティションとして発展しているといいます。
商品化されたアイテムの中には、MoMAのパーマネントコレクションに認定された「カドケシ」や、国際的な広告やデザインの賞を多数受賞した「なまえのないえのぐ」、iF Design Awardを受賞した「本当の定規」などがあり、そのほかにもこれまでに20作品の商品化を実現したといいます。商品化プロセスにおける受賞者との協業を通じて、若手デザイナーの成長の支援や活躍の礎づくりにも力を入れているとしています。
・コクヨデザインアワード2023審査員
川村真司氏
Whatever
チーフクリエイティブオフィサー
田根剛氏
Atelier Tsuyoshi Tane Architects 代表
建築家
田村 奈穂氏
デザイナー
柳原照弘氏
デザイナー
吉泉聡氏
TAKT PROJECT 代表 / デザイナー
(画像はコクヨ様リリースより)