東京オフィストレンド オフィス家具週間トレンド報告
1/23~1/29、オフィス家具業界の主なハイライト(+コラム)
【今週の目次】
② オカムラ、コミュニケーションロボットの導入による実証実験を開始
③ プラス、宮城県と「家畜伝染病の発生時における緊急防疫業務の物資の供給に関する協定」を締結
④ コクヨ、羽田エアポートガーデン内に直営店「KOKUYODOORS」をオープン
イトーキ、瀬⼾内での実証実験結果を公開
職種別の3グループ24名が対象で計5回のアンケート結果からワーケーションがワーカーにもたらす効果を読み解く
2023年1/23~1/29、オフィス家具業界の主なハイライトについては、イトーキは1月27日、『瀬⼾内国際芸術祭2022』のパートナーとして、秋会期に社員24名が直島や豊島を中⼼にワーケーションの実証実験を⾏ったことを発表しました。
同社によると、実証実験前後に計5回実施したアンケート検証結果より、瀬⼾内でのワーケーションは、仕事のパフォーマンスやウェルビーイング指標などに改善効果がみられ、それらの効果は4週間持続することが確認されたといいます。同検証では、ワーカーにとって定期的にこのような機会を持つことは、仕事とウェルビーイングの両⾯でエネルギーを満たす機会となり、 企業に有益性をもたらす可能性が⼗分あることを⽰す結果となったとしています。
オカムラ、コミュニケーションロボットの導入による実証実験を開始
オカムラは1月26日、新しい働き方や環境を実験・検証する働き方改革の実践の場である「We Labo(ウィラボ)」において、コミュニケーション活性化に関する施策や検証の一環として、GROOVE X株式会社の家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」を用いた実証実験を開始すると発表しました。
同社によると、オカムラのラボオフィス「We Labo」では、コミュニケーション活性化に関するさまざまな施策や検証を行っているといいます。その一環として、家族型ロボット「LOVOT」を導入し、ロボットがオフィスでのコミュニケーション活性化に寄与するのか、ロボットによるコミュニケーションへのワーカーの満足度の変化などの検証を行うとしています。
今後、AIやロボットなどの技術が働き方に与えるさまざまな影響を視野に入れ、オフィスでのコミュニケーションロボットのあり方を模索するとしています。
プラス、宮城県と「家畜伝染病の発生時における緊急防疫業務の物資の供給に関する協定」を締結
プラスは1月24日、社内カンパニーのジョインテックスカンパニー(以下、ジョインテックス)が、2022年12月に宮城県と「家畜伝染病の発生時における緊急防疫業務の物資の供給に関する協定」を締結したと発表しました。
プラスによると、感染力が強い伝染病のまん延を防ぐ防疫対策には、発生直後の迅速な対応が重要とされているといいます。ジョインテックスでは、宮城県内で高病原性鳥インフルエンザ等の家畜伝染病が発生、又は発生するおそれがある場合に、宮城県に協力し、ブルーシートやゴム長靴など緊急支援物品を同社の物流拠点等から提供し、初期の迅速対応の充実を支援するとしています。
コクヨ、羽田エアポートガーデン内に直営店「KOKUYODOORS」をオープン
コクヨは1月23日、羽田空港第3ターミナル駅直結の新商業施設「羽田エアポートガーデン」内に、コクヨの文具の魅力を凝縮したという直営のステーショナリーショップ「KOKUYODOORS(コクヨドアーズ)」を、1月31日(火)からオープンすると発表しました。
コクヨ、「文具のIoT自販機」の実証実験を開始
コクヨは1月23日、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)化された自動販売機(以下、IoT自販機)での文具の購買体験を行う実証実験を開始すると発表しました。
IoT自販機は1月31日(火)に羽田エアポートガーデン内に開業する直営店「KOKUYODOORS(コクヨドアーズ)」の店内に設置し、第1弾として7種類の商品を販売するといいます。
ライオン事務器、コアレを発売
ライオン事務器は1月25日、『コラボレイティブファニチュア<Coalle(コアレ)>』を1月から発売したことを発表しました。
同社によると、働き方が多様化し、オフィスへ出社する目的の一つに“チーム内のコミュニケーション”が求められて
いるといいます。同製品は、家具の配置や組み合わせをフレキシブルに変え、チームワーキングをサポートするアイテムシリーズだとしています。
ライオン事務器、ブレーデを発売
ライオン事務器は1月27日、『ユニットシェルフ<vrede(ブレーデ)>』を1月より発売したと発表しました。
ブレーデは、ユニットを組み合わせて「オフィスのライブラリー空間」を演出する木調シェルフだといいます。
直線状・上下互い違い・ラウンド状の積み重ねにより様々なレイアウトに対応し、書籍の収納や小物のディスプレイに適しているとしています。
ライオン事務器、クルミオを発売
ライオン事務器は1月27日、『コミュニケーションスツール<Kulmio(クルミオ)>』を 1月から発売したと発表しました。
同製品は、角を丸くしたやさしい印象のスクエア形状と、豊富なカラーが特長のスツールシリーズだといいます。
多彩なレイアウトによって居心地の良い空間をつくり、オフィスに遊び心をもたらすとしています。
ユニットシェルフ<vrede(ブレーデ)>と組み合わせて、オフィスのライブラリー空間にコーディネートするのもおすすめだとしています。
メガソフト、3DオフィスデザイナーPRO10を発売
メガソフトは1月26日、オフィス家具販売業者や、国内外の家具メーカーの営業担当者向けに、「3DオフィスデザイナーPRO10」を2023年2月22日(水)に新発売することと、先行してダウンロード版を1月26日(木)から販売開始したことを発表しました。
新製品は、”今どきオフィス”に必要な家具・備品類などの素材を約14,000点搭載し、また、DXFやSKPファイル形式の3D素材を製品に取り込む機能、ポリゴン数を削減する機能なども搭載し、チェアやデスクなど家具を多数配置するオフィスをマウス操作で軽快にデザインできるのが特徴だといいます。
注目のコラム オフィス山人の少し深掘り
今週まず注目したのは、イトーキ、瀬⼾内での実証実験結果を公開という記事です。
これは、ある意味なかなか楽しい実証実験で、調査ハイライトの1~3を見ても自然環境やアートに触れ、非日常体験を行うことは、仕事のパフォーマンスやウェルビーイング指標の改善効果があるようです。
山人の感想を言わせてもらえば、人間の根源的な部分に訴える要素を持つ環境下においては、人の思考はより伸びやかになるのではないかということなのだと思います。反対に今までストレスを感じ、それぞれ何かの要因に抑圧されていたことに気付くということなのではないかとも思います。
ワーケーションを実現するのは、主にIT技術の進化によるものであり、まさにITこそはリアルな関係性の距離を縮め、より多様な環境を提供してくれるものだということをよく表している記事でもあると思います。
また、ワーカーの自主性や、ワーカーの自己管理は誰の仕事なのか、ひいては、ワーカーの人生は誰のものか、ワーカーのワークは誰のものなのかということについても考える機会になったと思います。
この実証実験は、アートというものの持つ創造性をいかに取り入れるかの模索でもあるのだと思いますが、裏返していえば、ワーケーションが難しい場合には、オフィスにアートを取り入れることでワーカーに何らかの好影響を与える可能性があることも推測されるのではないかと思います。ただしそのアートは今までのアートでよいのかなどという課題も孕んでいるかもしれません。
これらの環境整備が、大企業やスタートアップ企業などだけでなく、従来の中小零細の企業においても実現できる労働環境の平準化や公平性につながることも期待したいと思います。今回のような検証は今後も必要なことだと考えていてより深めていってほしいと思っています。
オカムラ、コミュニケーションロボットの導入による実証実験を開始の記事ですが、これもまたなかなか楽しそうな実証実験なのではないかと思います。業界でもロボットをオフィスに導入し、その検証が始まっていますが、まだまだ緒に就いたばかりでこれからオフィスとロボット、そしてコミュニケーションのあり方にどう影響を与えるのかはこれからのことになるようです。いわゆるまだまだ未知の領域のことで、これからロボット技術もオフィス環境も成長しながら新たなカタチを模索していくのだと思います。
ハイブリッドワーク下におけるより円滑なコミュニケーション実現のための有力な1つの方法なのだと思いますが、今回の実証実験をみて、コミュニケーションを深めるためには直接会うことに加えて、第3の道(方法)の重要性というものに思いを馳せています。
コクヨ、羽田エアポートガーデン内に直営店「KOKUYODOORS」をオープンの記事ですが、「「KOKUYODOORS」という店名には、日本を訪れる海外の人に向けて、コクヨの文具、ひいては日本の文具の世界への入り口、興味を持つきっかけとなる場所にしたい、という同社の想いを込めている」とあるように、まさしく日本の文具を世界に広める、認識してもらう、そして実際に購入してもらい、使ってもらうことで日本の文具のよさを実感してもらうという期待が持てるのではないかと思います。
また、「海外の方へのお土産やちょっとしたプレゼント」とあるように、もはや単なる文具から本当にもらってうれしいものとしての魅力≒価値を持つ新たなお土産として文具が注目されるかもしれません。また、自動販売機での販売も1つの土産話になるかもしれず、話題の豊富な出来事ではないかと思っています。同ショップは、単なるステーショナリーショップではなく、全く新たな業態、全く新たな製品として文具が生まれ変わる可能性を持っているということを感じました。
(このコラムは、あくまでも山人の主観的なものです。従って各メーカー様には何の関係もありません