イトーキ、「ITOKI WORKPLACE DATA BOOK 2023」を発行
同社が手がけたオフィスと働き方を調査
イトーキは、「ITOKI WORKPLACE DATA BOOK 2023(イトーキ ワークプレイス データブック 2023)」 を発行したといいます。同社が改修や移転に関与した102社のオフィス事例を調査分析した集計結果をまとめているとしています。
調査ハイライト
・リモートワークを推進している企業は87%、30%の出社率の設定が最多
・フリーアドレスの採用率は79%と増加
・1~2人用の個室設置は引き続き増加傾向
・役員室にガラス製の間仕切りを採用する企業は59%と増加
・新しいオフィスに求められるのは「偶発的なコミュニケーション」を促進する環境
新しいオフィスは執務室の概念が変化
リモートワークとオフィスワークのハイブリッドワークが主流となっている現在、新しいオフィスでは執務室の考え方が変化しているといいます。従来の執務室のみならず、例えば社員食堂や来客用の会議室のスペースが本来の目的外でハイブリッド利用される傾向にあるとしています。働くスペース全てを「ワークポイント」と捉えると、27%は執務席以外の席を利用している結果となったとしています。
また、2020年から2021年に竣工したオフィス45社の働き方を調査したところ、87%の企業が出社率を設けてリモートワークを推進している結果となったといいます。その内、30%の出社率を採用している企業が最多の29%だったとしています。出社制限の無い企業は13%だとしています。
フリーアドレスの採用率は79%へ
フリーアドレスの採用率(※1)は毎年増加していて、2022年度は全体の79%だったといいます(※2)。固定席との併用は昨年と比較すると増加傾向にあるとしています。
※1 採用率=採用社数÷総社数
※2 フリーアドレスと固定席の併用率66.7%を含む。2021年度の併用率は55%。
会議室は1~2名用の個室の設置が増加傾向
少人数向けの個室の設置が増加傾向にあるといいます。ハイブリッドワークの影響でTELブース設置の増加が影響していると考えられるとしています。
役員室の面積拡大とガラス間仕切り採用率は59%と増加傾向
オフィス全体の面積に対し、役員専用エリアの割合は減少傾向が続いているといいます。逆に一室あたりの面積は拡大傾向にあり、その間仕切りとしてガラス製の採用率が59%と2021年度の47%から増加したとしています。ガラス素材に高度な遮音機能が付加され、デザイン性も保てるようになってきた背景があり、通常の会議室にも多く採用されているとしています。
オフィスでは偶発的なコミュニケーションの発生を期待
新しいオフィス構築にあたり、課題やテーマを調査したところ、2022年度は「コミュニケーション強化」が首位となり、2021年度と同様の結果となったといいます。具体的な解決策として、内部での偶発的なコミュニケーションを促進できる環境整備が重視されているといいます。例えば、アンカーと呼ばれる各自のメールトレーやロッカーなどをまとめて置く部門用のスペースを設置する方法だとしています。また、情報入手の場所の整備も解決策の一つだといいます。ライブラリーやデジタルサイネージを設置することで、情報共有を図るだけでなく、ときにイベントスペースとして活用するなど、企業のミッション・ビジョンを浸透させようとするオフィスの傾向がみてとれるとしています。
調査概要
「ITOKI WORKPLACE DATA BOOK 2023」の調査対象は首都圏を中心に2019年から2021年に竣工したオフィス(3ヵ年)から無作為に選定しているといいます(※3)。業種・形態はさまざまで、従業員規模も小規模から大規模まで幅広く集計しているとしています。データによっては2018年度から2022年度までの直近5ヵ年の推移を比較することで、オフィスの傾向を俯瞰して捉えることが可能だとしています。
※3 一部項目は2020・2021年に竣工したオフィスのみを集計
※「1人当たりのデータ」は基本的に図面上、レイアウトしてある執務用デスクに配置されたイスの数から算定しているといいます。
※「オープンミーティング」は、ミーティング席や集中席など共用する目的で配置された席だとしています。
(画像はイトーキ様リリースより)