東京オフィストレンド オフィス家具週間トレンド報告

12/19~12/25、オフィス家具業界の主なハイライト(+コラム)

今週の目次

① イトーキ、サリダYL9Aを発売

② オカムラ、ウクライナおよび周辺地域への人道支援に対し、紺綬褒章を受章

③ オカムラ、子育てサポート企業として「くるみん認定」を取得

④ コクヨ、神山まるごと高専の授業を担当する「プログラムパートナー」に

⑤ カウネット、「べんりねっと」にヴァルトジャパン「NEXT HERO」をサプライヤ連携

⑥ カウネット、紙資源リサイクルサービス 「カウネットLoopa(ルーパ)」のサービスを開始

⑦ ライオン事務器、『2023年版 総合カタログ』 発刊へ

 +注目のコラム オフィス山人の少し深掘り

イトーキ、サリダYL9Aを発売

在宅ワークチェアサリダYL9シリーズのカジュアルライン

2022年12月19日から12月25日までの1週間の業界の主なハイライトについては、イトーキは、12月22日、累計販売台数2万5000台を突破したというSALIDA(サリダ)YL9シリーズの新作「SALIDA YL9A」を発売しました。

同製品は、背もたれに通気性と強靭さを合わせ持ったエラストマー素材を採用している在宅ワークチェアだといいます。背待たれにはタイヤチェーンなどにも使用されているエラストマー素材を採用し、強靭さと柔軟性を併せ持ち背中をしっかりとホールドするとしています。
また、メッシュ素材とは違う独特なデザインも魅力だといいます。

オカムラ、ウクライナおよび周辺地域への人道支援に対し、紺綬褒章を受章

オカムラは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)への寄付を通じて、ウクライナおよびその周辺地域で避難をする方々への人道支援を行ったとしています。その支援に対し、紺綬褒章を受章したといいます。

紺綬褒章は、公益のために私財を寄付した功績が顕著な個人または法人・団体に対し、国が国家や公共に対する貢献を表彰する褒章制度の一つだとしています。

2022年12月14日には、褒状の伝達が行われたといいます。

オカムラ、子育てサポート企業として「くるみん認定」を取得

オカムラは、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣が認定する「くるみん認定」を2022年11月25日付で取得したといいます。

「くるみん認定」は、次世代育成支援対策推進法に基づき、一般事業主行動計画を策定した企業のうち、計画に定めた目標を達成し一定の基準を満たした企業が申請することにより、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣の認定を受けることができるといいます。

オカムラは、行動計画として、男性従業員の育児休職、配偶者出産休暇の取得率の向上や、両立支援制度の浸透を図る活動と制度の利用状況の把握、改善点の見える化、固定的な性別役割分担意識の是正のための意識啓発を目標に掲げ、面談やセミナー開催、事例紹介、啓発活動など取り組みを進めてきたとしています。また、従業員の仕事と子育ての両立支援のため、法律上の制度に加えて、在宅勤務制度や託児サービス費用補助など、オカムラ独自の制度や仕組みを設けているといいます。2021年10月には子育て支援「はぐくむ」プロジェクトを発足し、2022年9月末までの活動として改正育児・介護休業法への対応と、男性育児休職取得に向けた環境整備を図ったとしています。

コクヨ、神山まるごと高専の授業を担当する「プログラムパートナー」に

コクヨは、徳島県神山町に2023年4月に開校する私立高等専門学校「神山まるごと高等専門学校」(以下、神山まるごと高専)の「プログラムパートナー」の1社として、同社では初の私立高等専門学校での授業を担当することが決定したといいます。

このほど、同社のマテリアリティの1つとして掲げている「循環型社会への貢献」に向けた活動やこれまでのものづくりの経験をもとに企画した授業科目「循環型プロダクトワークショップ」が神山まるごと高専の4年後期のカリキュラムに採択されたとしています。

授業を通じて、学生のサステナビリティへの理解促進と、循環型社会へ向けた課題を認識し、循環を実現するプロダクトと、循環の仕組みをデザインできる知識の習得を目指すといいます。
また、講師としての登壇や授業に参加する学生からのアウトプットを通じて、コクヨの社員が社会課題解決を考え・行動する機会を創出し、コクヨの目指すサステナブル経営の実現とライフスタイル領域における「学ぶ」に関する新規事業の創出と事業領域の拡大に繋げていくとしています。

カウネット、「べんりねっと」にヴァルトジャパン「NEXT HERO」をサプライヤ連携

カウネットは、障がい者雇用支援事業を行うヴァルトジャパンと、2022年12月19日(月)からヴァルトジャパンの提供する就労困難者特化型受発注プラットフォーム「NEXT HERO」をカウネットの提供する中堅・大規模企業向けクラウド型購買管理システム「べんりねっと」で連携を開始するといいます。この取り組みにより障がい者等の就労困難者の活躍機会の拡大を目指すとしています。

これにより、顧客企業は「べんりねっと」を通してヴァルトジャパンに役務を委託することで、業務委託実績を全国一元管理することができ、業務委託の可視化と業務効率化、内部統制の強化を図ることができるといいます。カウネットは今回の提携により、ヴァルトジャパンが取り組む「障がいや疾患、難病を抱えている方が仕事を通じて活躍できる社会的な仕組みづくり」を応援し、共に誰もが活躍できる社会の実現を目指すとしています。

カウネット、紙資源リサイクルサービス 「カウネットLoopa(ルーパ)」のサービスを開始

カウネットは、2023年1月4日から法人向けに紙資源リサイクルサービス「カウネットLoopa(ルーパ)」(※)のサービスを開始するといいます。

※「Loopa」:循環の取り組みの輪(loop)と紙資源(paper)を掛け合わせた造語

まずは第一弾として、紙パック・紙コップリサイクルサービス「Loopa Drink (ルーパ・ドリンク)」、機密文書リサイクルサービス「Loopa Safe (ルーパ・セーフ)」、ミックスペーパーリサイクルサービス「Loopa Mix(ルーパ・ミックス)」の3つのサービスを2023年1月4日にスタートさせるといいます。

各サービスは、オフィス通販「カウネット」およびオフィス用品一括購買管理システム「ウィズカウネット」、間接材一括購買管理システム「べんりねっと」の各会員企業向けに提供するとしています。各会員はそれぞれのサービスをワンストップで利用でき、回収された紙資源は当社の協力工場で溶解し、カウネットのプライベートブランド「カウコレ」シリーズのトイレットペーパーやさまざまな紙製品の原料として再資源化し、同社にて販売するといいます。各会員は再資源化された商品を購入することで紙資源の循環に直接かかわることができるとしています。

ライオン事務器、『2023年版 総合カタログ』 発刊へ

ライオン事務器は、『2023年版 総合カタログ』を、1月1日に発刊するといいます。

2023年版総合カタログのテーマは、「多彩な個性と価値が響き合うオフィス~My Favorite Office~」。
ハイブリッドワークが浸透した今だからこそ、“お気に入りの場所があるから行きたくなる”、そんなオフィス空間を提案するとしています。

注目のコラム オフィス山人の少し深掘り

今週まず注目したのは①イトーキ、サリダYL9Aを発売、の記事です。


オリジナルのYL9は2019年5月29日の発売で、それから25000台の累計販売台数を突破したといいますから、ほぼ年間約1万台ずつ売れているということになると思います。
これは、オフィスを対象にするチェアではなく、BtoC、いわゆる在宅ワーク市場向けに提案されているチェアとしては大きな数字なのではないでしょうか。
よく業界では、リピートやバリエーションがつくられるというのは成功した証だと聞きます。今回のサリダYL9Aの発売はそれを示すことなのではないかと思いますが、それに加えてオリジナルの税込み価格44900円に対してYL9Aは39900円になっています。同社はサリダYL9Aは、サリダYL9をベースにロッキング調整レバーや脚素材の変更、一部機能の絞り込みなどを行い、より求めやすい価格を追求したモデルとなっているといいます。これはより戦略的な価格戦略、市場戦略だと思われ、在宅ワーク市場、またeコマース市場における同社の意気込みが感じられるようです。
同社は、創業132年の歴史を持つ老舗企業であり、学習家具などについても約60年の歴史を持っているので、パーソナルスペースについても強味を持っています。さらに、2022年1月には、暮らしに寄り添い、日々の生活をアップデートするという新ブランド「ITOKI HOME(イトーキホーム)」を立ち上げ、オフィス家具で培ったノウハウを活かしながら、家で使う家具に求められるサイズ、色、風合いなどさまざまな要素を融和した「家ではたらく」ための家具を充実していくとしています。

オカムラ、ウクライナおよび周辺地域への人道支援に対し、紺綬褒章を受章、の記事ですが、同社は2022年3月に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)への寄付を通じて、ウクライナおよびその周辺地域で避難をする方々への人道支援を行ったことを公表していますが、今回の記事はその支援に対し、紺綬褒章を受章したという記事です。日本の企業が世界的に起きたことに対して人道支援というかたちでサステナビリティに参画することにグローバルな時代と新しい企業のあり方を感じます。

③オカムラ、子育てサポート企業として「くるみん認定」を取得、の記事ですが、同社グループは、同社の「ダイバーシティ&インクルージョン方針」の下、雇用と職場環境の整備に努めているといいます。ポイントは、従業員の仕事と子育ての両立支援のため、法律上の制度に加えて、在宅勤務制度や託児サービス費用補助など、オカムラ独自の制度や仕組みを設けているということではないでしょうか。さらに。2021年10月には子育て支援「はぐくむ」プロジェクト、2022年9月末までの活動として改正育児・介護休業法への対応と、男性育児休職取得に向けた環境整備を図るなど次々に整備を進めているようです。これらのことが業界に広く反映されていくことが望ましいのではないでしょうか。

④コクヨ、神山まるごと高専の授業を担当する「プログラムパートナー」に、の記事ですが、このなかで特に「授業を通じて、学生のサステナビリティへの理解促進と、循環型社会へ向けた課題を認識し、循環を実現するプロダクトと、循環の仕組みをデザインできる知識の習得を目指すといいます。
また、講師としての登壇や授業に参加する学生からのアウトプットを通じて、コクヨの社員が社会課題解決を考え・行動する機会を創出し、コクヨの目指すサステナブル経営の実現とライフスタイル領域における「学ぶ」に関する新規事業の創出と事業領域の拡大に繋げていくとしています。」というところに注目しています。
山人は、ここでは「教える」ことの重要性を考えます。自らが学びながら歩を進めるうえでどこかで「教える」ということが個人にとっても企業にとっても大切なことなのではないでしょうか。「教える」ことは新たに「学ぶ」ことであり、自分たちの学びの道をもう一度整理、言語化するということでもあると思います。企業には「セミナー」という機会がありますが、それとはまた違う、「講義」(しかもワークショップなど実践を含むようです)というかたちでの「教える」ということであり、実は大きく違うところではないかと思います。その機会を生かしてほしいと願います。

⑥カウネット、紙資源リサイクルサービス 「カウネットLoopa(ルーパ)」のサービスを開始、の記事ですが、第一弾として提供するサービスのなかでも、とりわけ注力するのが市場全体で回収率が低い紙パックと紙コップのリサイクルサービスだといいます。


「紙パック、紙コップは、含まれるパルプ以外の原材料を除去し、再資源化できる工場が少なく、リサイクルの禁忌品として扱われ、その多くは燃えるゴミとして焼却処分されている」のが現状だとしていますが、そのようなところに着目されたのは、より持続的な循環型社会の形成に貢献する動きだと思います。

さらに「同社はサービスの運営主体として活動をリードしながら、消費動向の変化によって拡大しつつある社会課題を同社単独ではなく、多くの賛同者とともに課題解決に取り組む社会性の高い活動となることを目指すとしています。このほど、同サービスの主旨に賛同した紙パック飲料メーカー、紙パック容器メーカー、紙コップメーカー、再資源化工場、ダンボール製品メーカー各社の協力により、業界を超えた取り組みとして活動の輪を拡げる枠組みを作り上げることができた」といいます。
紙に携わる企業と、業界を超えて枠組みを作り上げ運営していくということを、新たな事業・サービスに成型した同社の活動は高く評価されるものなのではないかと思います。

(このコラムは、あくまでも山人の主観的なものです。従って各メーカー様には何の関係もありません)

(画像は各社様リリースより)

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