東京オフィストレンド オフィス家具週間トレンド報告
12/12~12/18、オフィス家具業界の主なハイライト(+コラム)
プラス、ライブオフィス&クリエーションスペース「PLUS DESIGN CROSS」をオープン
「PLUS Furniture Fair 2023」を開催
2022年12月12日から12月18日までの1週間の業界の主なハイライトについては、プラスは、12月6日、ライブオフィス&クリエーションスペース「PLUS DESIGN CROSS」を恵比寿にオープン。それに併せて12月6日から14日まで「PLUS Furniture Fair 2023」を開催しました。
発表した新製品は、「MOKURAL(モクラル)」プロジェクトの第1弾で国産の早生広葉樹センダンを使用した木金混合のオフィス家具「Vicenda(ヴィチェンダ)シリーズ」、自由に組み合わせ、オフィスのさまざまな シーンに対応するシンプル&コンパクトなフリーアドレスデスク「minimo(ミニモ)」、あらゆる空間になじむ心地よさを追求したというプレーンな佇まいのオフィスチェア「Rena(レナ)」。また、顧客を迎えるオフィスのロビー・ラウンジ空間を上質に演出する応接家具「S1(エスワン)」シリーズのバリエーションを拡充しました。
「PLUS DESIGN CROSS」について
「PLUS DESIGN CROSS」は、ハイブリッドワーク時代の新しい働き方を実践するオフィスとして、オフィス家具事業の本部拠点「プラスファニチャーカンパニー 東京オフィス」を恵比寿ガーデンプレイス(東京都渋谷区)センタープラザ2Fへ移転。
同社のオフィスづくりのグランドコンセプト"オフィスに「引力」を。人をひきつける社会をひきつける未来をひきよせる"を踏襲。社内外のあらゆるステークホルダーと積極的につながりを持ち、企業活動と社会活動の接点となる場として、また、顧客に新しいオフィスの在り方を体感してもらうライブオフィスとして運用するとしています。
同社によると、今回、ディベロッパーであるサッポロ不動産開発が恵比寿ガーデンプレイスを大きくリニューアルするにあたり、共創をベースにしたライフとワークが混ざり合う場所にしたいという話があり、そのなかでいろいろなテナント同士の活動や地域との共創活動など、ステークホルダーとのつながりを得られる機会が増えることを見込み、あえてオフィス区画ではなく商業施設にオフィスを構えるということを決断したといいます。
コクヨ、イングライフがJIDAデザインミュージアムセレクション vol.24に選定
コクヨは、仕事やくつろぎ、勉強、読書等、様々なワーク&ライフシーンに対応するという新発想ワーキングチェアー「ingLIFE(イングライフ)」が、公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会によるJIDAデザインミュージアムセレクション vol.24の選定商品となったといいます。
■審査員コメント
審査員コメントは以下のとおりです。
「座面が360°自由に動くグライディングメカを搭載したチェアシリーズの最新版。在宅勤務が拡大する中で、自宅のダイニングにも馴染みやすいデザインとなっている。座面のファブリック、背板の杢、背面のシェル部分などの素材の対比や座面裏の機構部分や脚の細部まで柔らかい印象の造形としている点が素晴らしい。様々な姿勢を無理なくとることができ、座る時間が長い現代の生活に対する一つの解決策である。
(審査委員/濱田 秀之氏)」
オカムラ、ドイツのデザイン賞「German Design Award 2023」を受賞
オカムラは、2022年12月、オフィスデスク「REGAS(リーガス)」とラウンジファニチュアコレクション「Phlox(フロックス)」の2製品が、国際的に権威のあるというドイツのデザイン賞「German Design Award 2023」を受賞したといいます。
同社によると、「German Design Award」は、1953年に設立されたドイツデザイン評議会が主催している、国際的に権威のあるデザイン賞だといいます。世界各国で開催されている他のデザイン賞を受賞するなど一定の評価を受けた作品の中からドイツデザイン評議会が参加作品をノミネートする点が特徴的で、ノミネート自体が名誉とされているいとしています。
「German Design Award 2023」では、「Excellent Product Design」部門において、オフィスデスク「REGAS(リーガス)」とラウンジファニチュアコレクション「Phlox(フロックス)」の2製品が、特別賞にあたる「Special Mention」を受賞したとしています。
オカムラ、がんアライアワード2022でゴールドを受賞
また、オカムラは、このほど、がんを治療しながら働く人を応援する団体を表彰する「がんアライアワード2022」で「ゴールド」を受賞しました。
2020年、2021年の「シルバー」受賞に引き続き、2022年は「ゴールド」の受賞になったといいます。健康教育などの健康に働ける風土・環境づくりの促進や、女性向けの取り組みなどが評価されたとしています。
イトーキ、カンボジアとのマッチングおよびオフィス家具の⽼朽度判定により循環型社会に貢献
イトーキは、このたび、SDG s への取り組みの⼀環として、NX商事株式会社(以下、NX商事)との協働により、富⼠通株式会社(以下、富士通)による活⽤機会のなくなったオフィス家具の寄付先としてのカンボジアとのマッチングおよびオフィス家具の⽼朽度判定を実施し、循環型社会に貢献したといいます。
同社によると、イトーキグループは⼈々の「明⽇の働くをデザインする」企業として、ESG⽅針を制定し、「⼈も活き活き、地球も⽣き⽣き」する社会の実現のために、製品の製造やサービス提供をはじめとした事業活動において、環境問題に配慮しながら持続可能な社会の実現に向けて課題解決に努めているといいます。
その⼀環として、2021年からNX商事との協働により、リニューアルや移転などで⾏き場のなくなった「まだ使⽤可能なオフィス家具」を海外へ寄付するマッチングおよびオフィス家具の⽼朽度判定を実施する新たな取り組みを通じて、廃棄物を減量し循環型社会に貢献しているとしています。
このほど、富⼠通がニューノーマルな時代における新しい働き⽅のコンセプト「 Work Life Shift 」を推進する中で活⽤機会のなくなった「事務⽤机や椅⼦、キャビネットなどのオフィス家具」について、イトーキがこれまでの実績・ノウハウを活⽤することにより、NX商事との協業を通じてカンボジアとのマッチングおよびオフィス家具の⽼朽度判定を実施したといいます。
注目のコラム オフィス山人の少し深掘り
今週も注目の記事が多くありましたが、まず注目したのは、プラスがライブオフィス&クリエーションスペース「PLUS DESIGN CROSS」をオープン。そしてそれに伴って「PLUS Furniture Fair 2023」を開催したことです。
「PLUS DESIGN CROSS」については、「恵比寿ガーデンプレイスセンタープラザ2Fへ移転したこと」「あえてオフィス区画ではなく商業施設にオフィスを構えたということ」「オフィスに「引力」を。という同社のグランドコンセプトやピアレンスのコンセプトが踏襲されていること」「同社のコンセプトを反映した新製品と既存製品でそれが実現されていること」「同社ならではのホテルライクでハイエンドなオフィスにおけるCMFが実現されていること」「おうちガラージとクリアトーレ ウィズ プラスの同時出店」などではないでしょうか。
「同社によると、今回、ディベロッパーであるサッポロ不動産開発が恵比寿ガーデンプレイスを大きくリニューアルするにあたり、共創をベースにしたライフとワークが混ざり合う場所にしたいという話があり、そのなかでいろいろなテナント同士の活動や地域との共創活動など、ステークホルダーとのつながりを得られる機会が増えることを見込み、あえてオフィス区画ではなく商業施設にオフィスを構えるということを決断したといいます。」と書きましたが、ディベロッパーの世界でも(世界こそ、ともいえますが)共創というテーマが大きく取り上げられているということなのだということが非常に強く感じられました。同オフィスの従業員数は196名ということで出社率は50%ということですが、その98名だけのためのオフィスではもちろんなく、地域の人たちや施設に入居している企業などとの共創をいかに増やしていくかが目的とされており、98名の生み出す効果がその何倍にもなるのではという山人の質問に、いえ、その累乗になるでしょうという答えをいただきました。それくらいこの日本有数の商業施設への出店は、実際に大きな期待が寄せられているのではないかと思います。しかも、その対象は一般の消費者へもおよび、同社だけでなくひいては業界全体と一般の人たちとの大きな架け橋になるのではないかと思います。
Furniture Fairの新製品については、「Vicenda(ヴィチェンダ)シリーズ」、シンプル&コンパクトなフリーアドレスデスク「minimo(ミニモ)」、あらゆる空間になじむ心地よさを追求したというオフィスチェア「Rena(レナ)」。また、顧客を迎えるオフィスのロビー・ラウンジ空間を上質に演出する応接家具「S1(エスワン)」シリーズのバリエーションやワークフランの「ワークラウンジチェア」を拡充しました。いずれも的を得た拡充だと思われ、それぞれのアイテムのラインアップを刷新する製品が投入されていると感じました。また、それにともない「モクラル」というプロジェクトも同時に進行していることなども提案に厚みをだしていると思われます。
特にオフィスチェア「レナ」は、その名の由来「洗練された」「本質」が示すとおり、「高いデザイン性」「自分らしさを表現できる10000通り以上の組み合わせ」「疲れにくく快適な座り心地」「環境に配慮」など、現在の望む限りの機能を備えていると思われます。また、オフィスだけでなく「在宅ワーク」に向けての提案もあらかじめ含まれており、市場への展開に期待が持てるのではないかと思います。
また、今回「おうちガラージとクリアトーレ ウィズ プラスの同時出店」により、具体性を帯びた同社の提案がより身近にリアルに感じられるのではないかと思います。以前にも述べましたが、オフィス家具とオフィス家具業界の持つ価値を一般の人たちにも共有してもらうことで業界は発展していくと思われ、PLUS DESIGN CROSSオープンはそれを実現していくための画期的な出来事の1つではないかと思います。
コクヨ、イングライフがJIDAデザインミュージアムセレクション vol.24に選定の記事ですが、ここでもイングライフが評価されています。
審査員コメントもさることながら、同セレクションの目的に『「美しく豊かな生活を目指して」をテーマに、インダストリアルデザインが社会に寄与する質の高い製品を選定し表彰するとともに、その製品を収集・保管して次世代に伝え、教育・産業・生活へ文化的貢献を行うことを目的とするもの』とあります。まさにオフィスチェアに画期的なものをもたらしたイングライフにはその価値があると思っています。
オカムラのオフィスデスク「REGAS(リーガス)」とラウンジファニチュアコレクション「Phlox(フロックス)」の2製品が、国際的に権威のあるというドイツのデザイン賞「German Design Award 2023」を受賞したという記事ですが、特に同アワードが世界各国で開催されている他のデザイン賞を受賞するなど一定の評価を受けた作品の中からドイツデザイン評議会が参加作品をノミネートする点が特徴的だとしていますが、これがこの賞を価値あるものにしているのだと思います。
また、オカムラ、がんアライアワード2022でゴールドを受賞の記事ですが、「豊かな発想と確かな品質で、人が活きる環境づくりを通して、社会に貢献する。」という同社のミッションがまさに反映されている事例ではないでしょうか。オフィス家具業界の企業というのは製品やサービスもさることながら、企業のあり方自体も問われているということなのだと思います。
イトーキ、カンボジアとのマッチングおよびオフィス家具の⽼朽度判定により循環型社会に貢献の記事ですが、2021年からNX商事との協働により、リニューアルや移転などで⾏き場のなくなった「まだ使⽤可能なオフィス家具」を海外へ寄付するマッチングおよびオフィス家具の⽼朽度判定を実施する新たな取り組みを通じて、廃棄物を減量し循環型社会に貢献しているとしています。
ハイブリッドワークにおけるオフィスのライトサイジング化によりこのようなケースは今後増えるかもしれません。今後に注目していきたいと思います。
(このコラムは、あくまでも山人の主観的なものです。従って各メーカー様には何の関係もありません)