東京オフィストレンド オフィス家具週間トレンド報告

11/21~11/27、オフィス家具業界の主なハイライト(+コラム)

イトーキ、『torte U(トルテユーチェア)』を発売

2022年11月21日から11月27日までの1週間の業界の主なハイライトについては、イトーキは、 2010年に発売し13年目を迎えたトルテRチェアの後継として、デザインとサステナビリティを大幅に向上させた「torte U(トルテユーチェア)」を2022年10月から発売したといいます。

同社によると、働く環境は大きく変化し続けており、働く場所、その方法は数年前に比べ急激に多様化し、かつ新しい価値観も次々と生まれているといいます。一方で地球環境に負荷をかけないサステナブルな取り組みの重要性も日々高まっており、オフィスの作り方も大きく見直しが必要な時代になったとしています。

今回発売のtorte Uは、先代トルテRチェアで好評だったというコンパクトなサイズ感とイトーキ独自のデュアルモーションロッキング機構はそのままに、現代のオフィスにフィットするようデザインを大きくアップデートしたチェアだといいます。さらに、製造~廃棄まで製品のライフサイクル全体で排出されるCO2をオフセットし実質カーボンニュートラルにすることで地球環境に負荷をかけずに長く使用できるこれからの時代のためのサステナブルな新定番チェアだとしています。

イトーキ、「シルタ」が「ウッドデザイン賞2022」の経済産業⼤⾂賞を受賞

また、イトーキは、同社の「シルタ」が、「ウッドデザイン賞2022」(⼀般社団法⼈ ⽇本ウッドデザイン協会主催)において、最優秀賞となる経済産業⼤⾂賞を受賞したといいます。

silta(シルタ)は、"⽊の⼼地よさ"と"ロングスパンの美しさ"を兼ね備えたビッグテーブルだといいます。

製品コンセプトは、オフィス空間に⼀体感をもたらす無垢1枚板の⾵合いを再現し、ワーカーのウェルビーングな働き⽅をサポートするビッグテーブルとしていて、天板と脚のみというシンプルかつダイナミックなデザインの製品に仕上げているとしています。

また、オフィスの象徴となるビックテーブル「シルタ」は、本物の無垢の家具の触感があり、⽊のぬくもりがワーカーのストレスを軽減し、集中⼒を上げる傾向があることが実証実験で裏付けられているとしています。その上、⼤型天板は⼀般的なエレベーターでも搬⼊可能なサイズに分割されており、現地で組⽴て強度が確保できるイトーキ独⾃の天板構造を有しているため、銘⽊テーブルの設置が難しかったオフィスビルにも本物の⽊の家具の導⼊が拡がるきっかけとなる製品と考えているとしています。

イトーキ、静岡聖光学院との実証研究プロジェクトが文部科学省『次世代の学校・教育現場を見据えた先端技術・教育データの利活用推進事業』に採択

また、イトーキは、 学校法人静岡聖光学院との、メタバースを用いた仮想空間と現実空間の学習環境のデザインと、教育カリキュラムの構築プロジェクトが、文部科学省『令和4年度 次世代の学校・教育現場を見据えた先端技術・教育データの利活用推進事業』に採択されたといいます。

イトーキは、静岡聖光学院とデジタルを活用した探求力/表現力/コミュニケーション力の醸成を目的とした実証研究を行っており、今回その活動が文部科学省の国家事業として採択されたとしています。

使用するデジタル技術はVR(メタバース)技術で、物理的な制約や距離・コストに囚われず、自由に表現した成果物の発表を行う「研究発表会」と、アバターの身振り手振りを交えつつ対面以上に気がるに英会話を行う「国際交流会」の2つのテーマで実証を行います。

「研究発表会」では、メタバース空間を生徒自身がデザインし、動的な表現や通常教室に持ち込めないものを持ち込むなど、現実では表現が難しい方法も含めて生徒が自由に表現を行える環境を構築するといいます。

「国際交流会」では、日本と海外の生徒が同じメタバース空間に入り、ヘッドマウントディスプレイの機能を使って身振り手振りや相手との距離感を感じられる対話環境を構築するとしています。

メタバース空間を利用することにより、生徒の自由な表現を用いた新たな探究型学習の実現が期待されると共に、遠隔の人とも身振り手振りを交えたリアルに近いかたちでの対話型学習の実現が期待されるといいます。

イトーキは、同事業において技術提供元として、教育的な観点からメタバース空間における要件設計、バーチャル教室構築、及びヘッドマウントディスプレイを教室で利用する上での要件設計を行うとしています。

イトーキ、環境問題とSDGsに向き合い持続可能な社会を目指す「エコプロ2022」に出展へ

さらに、イトーキは、 2022年12月7日(水)~9日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催される「エコプロ2022」に出展するといいます。今回の出展では、同社の「カーボン・オフセットサービス」を中心に脱炭素社会の実現に向けたソリューションを紹介するとしています。

■主な展示内容

・長年の実績と経験にもとづくカーボン・オフセットサービス

・Jークレジットプロバイダーとしてさまざまな要望に対応

・製品の温室効果ガスのカーボン・フットプリント算定

・オフィス空間構築にかかわる排出量算定サービス

オカムラ、建材製品3製品が環境認証「LEVEL認証」を国内間仕切建材メーカーで初めて取得

オカムラは、建材製品「プリシード」「セーフウォール スプレッド」「グリシーナⅡ」の3製品が、国内間仕切建材メーカーで「LEVEL®認証(家具に関するBIFMAのサステナビリティ認証プログラム)」を建材製品として初めて取得したといいます。

同社によると、この認証プログラムは、米国オフィス家具業界団体BIFMAによる、建築環境における家具の環境・社会的影響について、製品および製造施設、企業を評価するグローバルな環境認証だとしています。

また、同社が提供しているカーボンオフセットプログラムの対象製品に、建材製品「プリシード」「セーフウォール スプレッド」「グリシーナⅡ」を追加したといいます。建材製品のカーボンオフセットは国内間仕切建材メーカーで初めてとなるとしています。

オカムラ、グループでエコバディス社のサステナビリティ評価(2022年)で評価対象企業の上位5%以内となる「ゴールド」評価を獲得

また、オカムラは、オカムラグループとして、企業のサステナビリティに関する国際的な評価機関であるEcoVadis(エコバディス)社による2022年の調査において、評価対象企業約10万社の上位5%以内となる「ゴールド」評価を獲得したといいます。

エコバディス社は、世界160カ国、10万社以上の企業に評価を実施するサステナビリティ・サプライチェーンの評価機関だといいます。世界基準のサステナビリティ・スタンダードに基づいた独自の評価基準によって、「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な資材調達」の4分野で企業のサステナビリティへの取り組みを評価しているとしています。

企業経営にサステナビリティが不可欠となり関心が高まる中、多くのグローバル企業がサプライヤー選定をする際にエコバディス社の評価結果を参照しているといいます。

同社グループは、2020年から評価を受けており、2021年に「シルバー」獲得、2022年は評価対象企業の上位5%以内となる「ゴールド」獲得となったとしています。

コクヨ、KOKUYO Workstyle Shop「在宅ワークのパフォーマンスUP!プレゼントキャンペーン」を開催

コクヨは、11月24日(木)~12月21日(水)の期間、公式ECサイト「KOKUYO Workstyle Shop」で、合計10名に「LEDシーリングライト」や「ロボット掃除機」、「ナノイー発生機」が当たる「在宅ワークのパフォーマンスUP!プレゼントキャンペーン」を開催。

また、同期間中は、「KOKUYO Workstyle Shop」のオープン2周年を記念して、5%OFFクーポンを配布するといいます。無料会員特典(いつでも5%OFF)と合わせ、全品10%OFF(※)で購入することが可能だとしています。

(※)会員特典の5%OFF価格よりさらに5%OFFとなるといいます。

同社によると、出社とテレワークを織り交ぜるハイブリッドワークが広がっていますが、テレワーク時の仕事のパフォーマンスを十分に発揮する上で、部屋や机、椅子、照明など、自宅の環境整備に課題を感じている人は未だ多数いるといいます。

「KOKUYO Workstyle Shop」は、テレワークでの働く環境を整えたいという人のために、自宅でも使えるオフィス家具をはじめとした様々なアイテムを個人で直接購入できるコクヨ公式ECサイトだといいます。今回、働く環境を整えたい人を応援するため、クーポンを配布すると共に、プレゼントキャンペーンを開催するとしています。

プラス、福祉防災コミュニティ協会、ワークスモバイルジャパンと「介護福祉施設向けBCP策定サポ-トメニュー」を共同開発

プラスは、ジョインテックスカンパニーが、一般社団法人福祉防災コミュニティ協会と、ビジネス現場のコミュニケーションツール「LINE WORKS」を提供するワークスモバイルジャパン株式会社は、ジョインテックスが運営する介護福祉施設向け通販「スマート介護」において、介護事業者の事業継続計画(BCP)の作成と運用を支援するため、福祉BCPひな型策定セット、防災備蓄品の管理ツール、コミュニケーションツールなどを含む「介護福祉施設向けBCP策定サポートメニュー」の提供を2022年11月24日から開始。

同メニューは、非常時のみならず平常時から備えることのできる商品・サービスを厳選しラインアップしているといいます。

なかでもBCP策定研修動画(前編・後編)「レクチャー動画」は、福祉防災の第一人者(同社)である鍵屋一氏が監修・出演し制作したとしています。BCP策定に必要な考え方やスキル・ノウハウを分かりやすく紹介。前編ではBCPの基本教育と自助力養成、後編では実践研修としてひな型を用いて作成方法を解説するといいます。同メニューで提供する「福祉BCPひな型策定セット」は、このレクチャーを視聴し、Word形式のひな型に事業所独自の事項(ハザードマップ、人員配置表など)を入れ込むことで、独自の福祉BCPを自力で作成することができるとしています。

また、「スマート介護」が提供する防災備品の管理ツールや、幅広い業種・業界で利用が進んでいるビジネスコミュニケーションツール「LINE WORKS」の導入および活用方法についても解説し、この動画をみれば、各商品・サービスをより効果的に利用できるとしています。

注目のコラム オフィス山人の少し深掘り

今週まず注目したことについては、イトーキ、『torte U(トルテユーチェア)』を発売の記事です。

「サステナブル」「インテリアデザイン」「シェルチェアのスタイリング」「オールワントーンカラー」「波打つような背もたれパターンとランダムにあらわれるセラミック調の質感」など、まさに同製品は、記事にあるように現在のトレンドを反映した新製品のチェアだと思います。

しかもただトレンドを取り入れただけでなく、「製造~廃棄まで製品のライフサイクル全体で排出されるCO2をオフセットし実質カーボンニュートラルにすることで地球環境に負荷をかけずに長く使用できるこれからの時代のためのサステナブルな新定番チェア」だとしています。

また同じくイトーキのシルタが「ウッドデザイン賞2022」の経済産業⼤⾂賞を受賞した記事ですが、ウッドデザイン賞の紹介の部分で、「木の良さや価値を、デザインの力で再構築することを目的として」とありますが、シルタはまさにこれに適した製品であるのではないかと思います。

不勉強ながら、山人はシルタが「⼤型天板は⼀般的なエレベーターでも搬⼊可能なサイズに分割されており、現地で組⽴て強度が確保できるイトーキ独⾃の天板構造を有している」ということをいままで知りませんでした。「銘⽊テーブルの設置が難しかったオフィスビルにも本物の⽊の家具の導⼊が拡がるきっかけとなる製品と考えている」ということをあらためて認識し、同製品の価値をさらに高いものと感じました。同製品が、ワーカーのストレス軽減、集中力向上など健康経営推進にもつながり、木材利用によるCO2固定量の増加に貢献することなども、もっと広く知ってほしいと思います。

さらに、イトーキは、静岡聖光学院との実証研究プロジェクトが文部科学省『次世代の学校・教育現場を見据えた先端技術・教育データの利活用推進事業』に採択されたといいます。

同社がここ数年VR技術の開発を続けてきているのは山人も認識していました。同社のこの技術がいろいろな分野に発揮される段階にきているのではないかと思われます。同事業においても技術提供元として教育的な観点からメタバース空間における要件設計、バーチャル教室構築、及びヘッドマウントディスプレイを教室で利用する上での要件設計を行うということですが、同事業に限らず、バーチャル空間を構築する際にも、リアルのオフィスや教室などの構築を手がけてきた同社の経験・ノウハウが大いに役立つのではないでしょうか。ましてや、文部科学省の推進事業に採択されたということなので、今後その進展によっては、全国において、同社のいうように、「遠隔の人とも身振り手振りを交えたリアルに近いかたちでの対話型学習の実現が期待」されるのではないかと思います。

オカムラの建材製品3製品が環境認証「LEVEL認証」を国内間仕切建材メーカーで初めて取得の記事ですが、「LEVEL®認証とは、家具に関するBIFMAのサステナビリティ認証プログラム」のことだといいます。

いつもながら同社の視線は世界を見据えているようです。オカムラは今回取得した建材製品3製品を含め70製品で「LEVEL認証」を取得しているといいます。

デスク・イス・収納の他、モニターをつけるアクセサリー類や空間を仕切る建材製品など、オフィスに必要なさまざまな製品を認証取得製品でそろえることが可能だとしています。また、今回、オカムラはカーボンオフセットプログラムの対象製品に国内の間仕切建材メーカーで初めて建材製品を追加したといいます。建材製品だけでなくデスク・イス・ミーティングチェア・収納などのオフィス家具の対象製品も追加し、対象製品を75製品に拡充しているとしています。認証製品を選定することにより環境に配慮された安全安心な製品を購入でき、健全なオフィス環境の実現が可能だとしていますが、今後このような傾向はどんどん強まっていくのでないかと思います。

オカムラ、グループでエコバディス社のサステナビリティ評価(2022年)で「ゴールド」評価を獲得の記事ですが、これもまたグローバルの動きを示す記事ではないかと思います。

「多くのグローバル企業がサプライヤー選定をする際にエコバディス社の評価結果を参照している」というところに今日の企業が置かれている状況において、グローバル化ということはこのようなことを見ることで確実に進んでいるというように思えます。

コクヨの「在宅ワークのパフォーマンスUP!プレゼントキャンペーン」の記事ですが、この記事を取りあげたのは、コクヨが在宅ワークで働く環境を整えたい人を応援するというところです。

コロナ禍によるハイブリッドワークが在宅ワークを定着させているように思えるいま、在宅ワーク市場を単に広げるだけでなく、すこしでも一般のユーザーに業界の価値観を共有してもらう絶好の機会でもあるのではないかと思います。

(このコラムは、あくまでも山人の主観的なものです。従って各メーカー様には何の関係もありません)

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