内田洋行、「UCHIDA FAIR 2023」の記者内覧会を開催

内田洋行は11月15日から11月18日までの3日間、、オフィスファニチャー・ICTの新製品発表会「UCHIDA FAIR 2023」を、新川本社及びリニューアルした新川第二オフィスにてリアル展示で開催しました。
11月14日には、同会場で記者内覧会を開催しました。

大久保社長の冒頭挨拶

挨拶する大久保社長


発表会の冒頭、挨拶に立った代表取締役社長大久保昇氏は、
「2023、来年からに向けてということになりますが、まず現在の状況を皆様と共有したいと思います。『人とデータの時代』というのは当社社内の中期経営計画で使っている言葉でありますが、DXという言葉はこの間、ずっと民間でも政府でも使っている言葉です。ずっと使われているということは、進んでいない、でしょう。当初からついしばらく少し前までじつはデジタル化をさしていました。デジタルをトランスフォームする、しかし変革に結びつかない、これをどうしていくか、現在の政権のデジタル田園都市構想もずばり一番そこにフォーカスされていて「リスキリング」という言葉も出てきております。要はデジタル化というのはデータを精製する、データを使ってどう変革をしていくか、これはまさしく人が行う、変革する人で推進されるわけです。

DXに関する同社の見解


じつはそういうなかで、人というのは重要な位置を占めております。私どもは知的生産性研究所をちょうどバブルの時代につくりました。拡大する経済の時にこれからは人だということになりましたが、ご存知のとおりそこから経済は停滞し、じつは人への投資は、日本はどの国に比べても遅れたのではないか。コロナ禍に来て、やっと人に注目された時代になったかなという風に感じております。


昨年お見せした資料で、コロナ禍で変化した拠点の見直し、センターオフィスというのは、私どもでいけば、センターオフィスの見直し、大きな拠点でありますが、それ以外にサテライトオフィス、自宅でのテレワーク、これがハイブリッドで進む、定着していくというお話をしましたが、さらに状況が変わってきたと思います。


ザイマックス證券様が今年の4月に調査された内容ですが、じつは1年前と大きく変わりまして、週4日以上出社する人の割合が40%を超えてきました。多分、現在の調査では50%を超えているのではないかと思います。


要は、出社率は戻ってきました。もちろんしっかり在宅、テレワークを含めたものも使えるようになりながらのこういうかたちでございます。


じつは、私どもの知的生産研究所でも調査をしておりますが、この数字はコロナ中でもいまでも変わっておりません。社員ワーカーの業務というのは、7割がソロワーク、グループワークは3割、それをそれぞれ効率的、探索的の2つに分けました。これが、じつはどちらがいいですかというふうに聞きました。どちらの方をしたいということではなく、どちらがより働きやすいですかという聞き方です。
どちらかを選ぶということであれば若干また違うデータが出るかもしれません。どちらがやりやすいかといいますとじつはすべてにおいてオフィスのほうがやりやすいのです。ということがでています。皆さん想像されますように、グループワークは、オンラインでももちろんできるのですが、対面のほうがより効率が上がるだろうということが容易に想像がつきますが、大差でオフィスのほうがやりやすい。ただ意外にソロワークもどちらがよりやりやすいかという質問だけでいきますとオフィスの方に軍配が上がりました。効率的におこなうというメールや事務処理等でやっと並びかけてきたぐらいです。やはりオフィスというのはいろいろな意味で便利。


何度もいいますが行きたいというかたちとはまた少し違います。いろいろな理由の順位を書いています。なぜですかと。出社したい理由、もしくはしなければならない理由というものも含めてですが、このようなことです。(画面を投影)。これは日本の家の問題にも起因するのかもしれませんが、オフィスがよりやりやすい。


スチールケース社が昨年の秋に調査しています。多分日本でも1月の調査でも同じくらいかなと、彼らのほうが先に状況が変わってきたと思いますが、日本は会議、コラボレーション、交流/ネットワーキングでオフィスを使いたい、これははっきりと優位的に差が出るくらい日本ではこの3点が出ています。


じつはそういうことから出社率が大きく各社とも上がってまいりました。もちろん現在でもIT系や通信系は低い、金融系は高いとかいう差はあります。業種によって差はありますし、会社のなかの、分担、担当によっても差があるのですが、全体として大きく出社率が上がっているなかでよりセンターオフィスに期待される機能というのは上がり、じつはオフィスの業界も好調に推移しているわけですが、グループワークの支援、そしてワーカーの働きやすさです。


ABWが広がる前から、一番いいのは、ワーカーが自ら能動的に業務を遂行する共有地を選ぶほうがずっと効率が上がる、指定されているところではなくて、これを共有地のCommonsに主体的なということでActiveという言葉をつけまして「Active Commons(アクティブ・コモンズ)」、これを2012年から提唱しておりますが、ハイブリッド時代のアクティブ・コモンズとして、今回2つのテーマを出します。


1つはチームを大事にする、その基地として「Team Base」、そして社員個々にとってチームでやる場合ではない場合の「心地よい空間」。

ハイブリッド時代のActive Commons


チームベースとは、これBASE(基地)と書きましたが、キチとカタカナで書いてありますが、なんとなく基地っぽい、チーム活動の拠点。戦略を立てる場所です。いまこそイノベートを引き起こしていくというときに、グループの力というものは大変そこで機能していけます。メンバーが一体感を持って集まり、そこでいろいろなひらめきが出てくる。そしてその場とはどのような場なのか、じつは、何かがさっとそろっている場所が良い、まあ、こういうかたちです。

「キチ」のロゴ


いまイノベーションを最大限引き起こすことを高い目標においている日本のオフィスにおいては、Team Baseというのはどんどんと価値は高まるでしょう。

今回3つのTeam Baseを用意しました。
第2ビルの6階のスペースには、レイアウトはそのチームの目標に向かって変えていけます。同じく7階、そして4階に3つのチームベースの部屋を用意しました。

チームが躍動的に前進する機能を集めたTeam Base

もう1つは「心地よい空間」こちらはソロワークが中心になりますが、心地よいのですが、ただ何かあった時には気軽に仲間が相談できるような空間、こういうことをめざしております。7階には昨年もご紹介しましたがさらに今回スタイリッシュに心地よい空間をつくりました。

7階 フレキシブルに働くためのスタイリッシュなテーブルワークの展示

そして6階は木製品を中心にした心地よい空間です。木材そのものが心地よさというものがあるのは皆さん体感されればすぐにわかることですが、今もう一点は、CO2の固定化ということで大変注目されております。特に国産材、こちらをふんだんに使っております。

6階 リラックスした気分を高め、人を包み込む木質空間の展示

そして4階は人と人とのつながりを重視するということで、世界最大のオフィス家具の会社でありますSteelcase社とコラボいたしました。「The New Hybrid Neighborhood(ニューハイブリッドネイバーフッド)」新しいハイブリッド時代のネイバーフッド、いわゆる近隣地区というかご近所をここで再現しようということです。
これはアメリカのSteelcase社がつくった言葉です。通勤してでも出社したいと思えるオフィス。より米国はご存知のとおり深刻な課題でもあります。これを私どもと両方でコラボしたうえでその意味を大事にしながら日本風にアレンジしてあります。

Steelcase社の商品群の展示

新製品につきましては、私どもはもともと空間をフレキシブルに可変させようということでの新製品、そしてテーブルを動かせる単なるキャスターがついているだけではなくて、いろいろなかたちに変化させることができる、そして、動かせないけれど、人が適切な場所に使えるような大きなテーブル、このようなものを製品群として集中して出してまいります。今回はさらに3つでございます。


「Felvect(フェルベクト)」はレイアウト変更に柔軟に対応する新デスクです。また、Workwearという新しい着るようなイスの新しい概念の、「Reflek(リーフレク)」、そして、いろいろなアイテムがあることによってオフィスは使いやすくなるという「Puller(プラー)」シリーズや「Lana Panel(ラナパネル)」シリーズにさらに新アイテムを追加しました。これら3つともフレキシブルな働く場を支援するものでございます。


もう一つはICTです。これは我々別々なかたちで各社も、そして過去は私どもも別々に提供してまいりましたが、働く人にとってはこれが共通で支えてくれるものになります。DX時代にそういうかたちのものが重視されるようになりましたが、いろいろなものがすでにネットワークにはつながっておりますが、じつはそれの活用ができていない。これを進めるうえでの「Smart Office Navigator(スマートオフィスナビゲーター)です。

スマートオフィスナビゲーターのデモの様子


すでに紹介させていただくのは3年目になるのですが、着実に進歩しております。実際のお客様とコラボしていくなかでどんどんと機能が上がっております。すべてが手のひらに、働くひとにとって必要な情報が入る、場合によれば操作することもできる。今回、ビル機能をつなげる。このビルの情報の見える化というのは昨年も紹介しておりましたが、今回はそれをスマホの中にとりこんでいく、もちろんビル情報ですからセキュリティ度は少し違う意味で高めなければいけませんが、そちらを可能にいたしました。


最後にあらためてハイブリッド時代の会議室であります。いろいろな見る方の視点や、皆さんもオンライン会議をやってみて、相手の方で慣れていない方、実はそこでそろってないことにご不便を相当感じたのではないかと思います。それを支店もあわせながらいわゆる離れた方と今いる方の両方の存在が一体化できるようなハイブリッド会議室、またその支援をするツールということで「codemari(コデマリ)」、まるで玉をあげるようにシンプルでスムーズにできるようにできるものをさらに進化させました。

ハイブリッド会議室の説明の模様


フェアの方は第2ビルの方の4階、6階、7階にチームベースと心地よい空間をそれぞれのフロアに形成しております。そして本社の2階に主にファニチャーに重点をおきまして新製品をご紹介させていただきます。そして第2ビルの2階では、ICTがじつはそれぞれのフロアに用意されているのですが、どうつながっているのかをあらためてここで抜き出してご紹介をいたします。当社ならではのICTと空間構築によって人を活性化させたい、そういうチャレンジを記者の皆様にも是非ご体感していただきたいと考えております。東京会場は11月15日から18日まで、すべて事前予約制でじっくり見ていただくというかたちで行います。同様に大阪、札幌、福岡内容はスペースによって違いますが実施をしてまいります。情報の価値かと知の協創をデザインする会社として私ども2023年に向けてのご提案をしていきたいと思います」などと述べました。

2023年オフィスファニチャー新製品の紹介

続いて、2023年オフィスファニチャー新製品を、営業統括グループ オフィス商品企画部 部長 門元英憲氏が紹介しました。

新製品を紹介する門元部長


「Felvect(ファルベクト)は、イノベーションを生み出すチームのための場を形成する同製品を開発するにあたり、昨今同社が提案するテーブルワークに代表されるようなシンプルなデザイン、空間に調和するところをめざしながらシンプル化をめざしているといいます。

ファルベクトの展示

削ぎ落して天板と脚だけで構成されているものだとしています。この個人個人のデスクは動くことによっていろいろな現場現場でいろいろなチームをつくったり、個々に動いていったりすることがやりやすいようにしているといいます。テーブルワークの方は従来からやっていましたが、今回のチャレンジはデスクでどうやるのかということだとし、移動には当然キャスターというものが必要になるとし、一番の特長としては、配線だとしています。主に電源においては、いままではデスクと配線、テーブルと配線を分けて考えることが多かったのですが、デスクのなかに余長とOAタップ含めてすべて入れ、脚のところから配線の先を出すことによってわずらわしくなく、デスクを動かすだけで配線がくっついてくるので、あとは差すということなっているといいます。基本的にはデスクの機能を押さえたオールマイティなデザインのデスクだとしています。天板の素材については、同居するアイテム、テーブルを含めてシリーズのなかで展開していくといいます。例えばデスクエリアの脇にテーブルを置きコラボを進めてほしいとしています。天板サイズは1人のものから大型のものまで、なおかつ動くということでデザインしたといいます。


「Reflek(リーフレク)」はWorkwear着るもののようにということを特徴にしているといいます。

「リーフレク」

座ることというのは、個々が自由にできる構造の1つだとして、イスを使ってどんな姿勢で働くかとか、主にリフレッシュするということというのが、座りっぱなしを解消するということになっているとしています。一番の特長は、背中が人の動きに合わせてよじれながら左右にふることができるといいます。背中が動いていることを感じさせないイスになっているとし、また、座面の部分の構造にメリハリをつけ、最初の着座感を上げるように新たに設計をしたものになっているとしています。どうしてもタイピング作業が多くなりがちなデスクワークにおいて、肘は体の脇に添えて置くと非常に疲れないことがわかっているとし、いろいろな人の体格に合わせているので、パッドが上下、前後、回転できるアジャスタブル肘を採用したとしています。体の軸がまっすぐ下に降りると疲れないので頭を支えるヘッドレストではなく首で支えていくということでデザインしたといいます。様々な体格の方にいろいろな姿勢で座っていただきたいとしています。


Team Baseをテーマとして「Puller(プラー)」についても新しいあアイテムを今年も追加したといいます。シリーズはどんどん育っていて、顧客からもこういうスペースを拡充したい、いろいろな使い方をしたいという意見から製品のアップデートを行ったといいます。今回追加したのは1人用のテーブルと背付きのチェア。プラー自体が動かすことをコンセプトにしているので、例えば1つのスペースをプラーウォールで右左に使い分けるなど、さまざまな使い分け方を働く現場でできるというものだとしています。いろいろなものを自由なところに取り付けたいという意見も取り入れ、少しウォールの方もアップデートしたといいます。自由な位置にホワイトボードやディスプレイが取付られるような構造になったとしています。

プラーの展示


「Lana Panel(ラナパネル)」拡充においては、オープンスペースのなかで、今まさに1人でこもる、一人でオンラインをやるということでセミオープンスペースとして、同社が数年提案していたもののニーズが高くなってきているといいます。もともとラナパネルは、人や生活音を吸収していくというパネルで、様々なレイアウトの連結部分のバリエーションを増やしたり、もっとこもりたいというご要望のために扉パネルを用意した、などと述べました。

「ラナパネルの扉パネル」

ICTビジネスの紹介

続いて、ネットワークビジネス推進事業部 執行役員 事業部長の村田義篤氏が、同社の「ICTビジネスのご紹介」を行いました。

ICTビジネスの紹介をする村田執行役員事業部長


村田氏は、同社の従来のICTに関しては「グループウェアに代表されるコミュニケーション基盤、ICTを運用していくなかでたまるいろいろなデータの蓄積と分析。ICTそのもののインフラとその運用管理、こういったものをずっと手掛けてきたといいます。
今回メインの商品として展示する「SmartOfficeNavigator(スマートオフィスナビゲーター)」については、ここに至るまで、同社は10年以上前からグループウエアの取り組みというかたちでcybozuのGaroonを20年以上前から手掛けていたり、また、2011年にはMicrosoftのOffice365のグループウエアの導入を自社でも導入し、そこから技術者の育成を10数年かけて行ってきて、そのなかでグループウエアと連動するかたちで、「SMART ROOMS」という商品を2013年に出し、480社14400室で稼働中だとしているといいます。こういったものもグループウエアとの連携、それからノウハウあるいはリンクでこういったベースができてきたことになるとしています。そういったものの集大成をスマートオフィスナビゲーターというかたちでデリバリーしたといいます。そして、ICTリサーチ&ディベロップメント事業部というところでこういったオリジナルプロダクツの開発であったり、サービスの開発を同社のなかで行っていて、そこも併せて紹介をするといいます。


また、ハイブリッドワークにおけるセキュリティの4つ課題について説明。1つ目は、仕事をする場所の増加で、会社だけではなくてシェアオフィスや在宅などが増えたこと。2つ目は利用するデバイス、これも以前は会社のなかでしかパソコンが使えなかったものが持ち出せるようになったことや、スマートフォン、もしかしたら個人所有のスマホを使えるようになった、そんな環境の変化。3つ目はネットワークで、以前は社内のLAN、社内だけで使いそこだけ守っていればよかったものが新しいネットワークの通信形態が増えたこと。4つめはいろいろなアプリケーションが出てきたことで、この4つのいろいろな組み合わせのなかでは必ずセキュリティの落とし穴があるといいます。ここを守るためにどうすればいいかというものを同社はセキュリティソリューションとして、対策として提供していくとしています。ハイブリッドワークをするにいたっては、セキュリティが非常にポイントになるとし、ハイブリッドオフィスを考慮したゼロトラストセキュリティとして事例を紹介しました。


また、Team Baseを支えるICTとしての見どころとして「チームで集まり、効率良く業務ができるスペース」「高品質なハイブリッド会議が可能な空間」「快適と省エネが両立するビル設備の制御」の3つをあげ、その下にBaseとして「コミュニケーションインフラ」「セキュリティインフラ」「ネットワークインフラ」「ビル設備(空調・照明)インフラ」こういったものがしっかりとベースにあってそこの上にしっかりとした機能が連携するかたちで同社のICTが提供するというところがポイントになる、などと述べました。

その後、オフィスツアーが行われ、本社2階ユビキタス協創広場CANVAS、新川第2オフィス2階ICT展示、7階展示、6階展示、4階展示を内覧しました。

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