東京オフィストレンド オフィス家具週間トレンド報告

11/7~11/13、オフィス家具業界の主なハイライト(+コラム)

オカムラ、オカムラグランドフェア2023を開催

2022年11月7日から11月13日までの1週間の業界の主なハイライトについては、オカムラは、11月9日から30日まで、東京・千代田区の同社ガーデンコートショールームで、完全予約制で「Okamura Grand Fair 2023」を開催。コンセプトは、「ぶつけろ、本音。組織を超えてハートビートするチームへ。Heart Beat Office」。同じ目的に向けチャレンジする仲間との関係性を探求し、本音で語り、心響き合うチームをつくるための環境づくりを提案するといいます。


11月7日には「記者発表会・記者内覧会」を開催し,代表取締役 社長執行役員の中村雅行氏が挨拶を述べ上席執行役員 オフィス環境事業本部 マーケティング本部長 荒川和巳氏がオカムラグランドフェア2023コンセプト、新製品、新サービスの説明を行いました。


主な新製品は、チーム内外と交流を生み出すクリエイティブファニチュア「WORK VILLA(ワークヴィラ)」、オフィスファニチュアシリーズ「Lives(ライブス)」の建材製品 「Lives Architectural Products(ライブス アーキテクチュラル プロダクツ)」3製品、オカムラの「サーキュラーデザイン」思考の代表製品としてのタスクシーティング「Potam(ポータム)」「Contessa(コンテッサ)Ⅱサーキュラーモデル」、「コンテッサⅡアニバーサリーモデル」「未利用材」を新たなマテリアルとして製品に活用する取り組み、ワークブース「TELECUBE by OKAMURA」の新モデル、などです。
また、「FUTURE VISION 203X 働き方開花」ということで展示の最後のコーナーに203X年未来の働き方、働く場はどのような進化を遂げているかというテーマで企画展示をおこなっています。

イトーキ、食事・仕事・学習を簡単に切り替えて使える「akel; (アケル)ダイニングテーブル」を発売

イトーキは、家での暮らしと仕事・学習環境をアップデートするという「ITOKI HOME akel;(アケル)シリーズ」の第一弾商品として、食事・仕事・学習などシーンごとに簡単に切り替えて使える「akel;ダイニングテーブル」を2022年11月10日(木)から発売したといいます。
イトーキが展開するブランド「ITOKI HOME」では、暮らしに寄り添い、「日々の生活をアップデートする」をコンセプトに、これまで様々な製品を発売してきたといいます。今回新たなシリーズとして、家での暮らしと仕事・学習環境をアップデートする「ITOKI HOME akel;(アケル)シリーズ」を展開するとしています。

akel;シリーズの第一弾となる同製品は、一ヶ所の収納をもったダイニングテーブルだといいます。この学校の机にあったような簡易的な収納を活用することで、勉強や仕事、食事など、テーブルの上でのシーンを簡単に切り替えることができるとしています。

イトーキ、チェア全体を1色に統一した「SALIDA onetoneチェア」の新色を発売

イトーキは、張地からキャスターまでチェア全体をくすみカラー1色にまとめたことで人気だという「SALIDA onetoneチェア」の新色・サクラピンクを2022年11月8日(火)から発売したといいます。

同社によると、家庭内で使うワークチェアにはインテリアに馴染みやすく、圧迫感の少ないものが求められるようになったといいます。『SALIDA onetoneチェア』は、張地からキャスターに至るまで、チェア全体を1色に統一することでインテリアに調和することを目指した、新しいコンセプトのチェアだとしています。自然からインスピレーションを受けたという優しい印象のくすみカラーは、主張しすぎること無くインテリアに馴むといいます。
新色のサクラピンクは、シリーズ初の暖色系カラー。優しさの中にも華やかさを感じる色合いだとしています。
スペック
・価格 21,900円(税込)
・サイズ W58×D63.6(63.6~78)×H79.5(79.5~90)cm 、 SH:42.5~51.5cm
・重量 13.5Kg
・クッション モールドウレタン
・キャスター:ナイロン双輪キャスター
・機能 座面上下昇降、ロッキング角度:105~112°、ロッキング強弱調整、肘取り外し可能

コクヨ、「Featured Projects - Design Festival 2023 - 」に特別協賛、2023年春「THE CAMPUS」で開催へ

コクヨは、、株式会社インクワイア主催の「Featured Projects - Design Festival 2023 - 」に特別協賛するといいます。同デザインフェスティバルは、2023年4月8日(土)~9(日)に、コクヨ東京品川オフィス「THE CAMPUS」で開催する予定だとしています。

「Featured Projects - Design Festival 2023 - 」 は、インクワイアによるデザインプロジェクト「Featured Projects」が主催するオフラインイベントだといいます。同プロジェクトは、2022年11月に立ち上げられ、“よいものづくりは、明日を拓く”をコンセプトに、さまざまな分野を横断しコラボレーションを楽しみながら、「デザイン」の可能性を拓いてゆくための心躍るムーブメントを築くことを目指す活動だとしています。コクヨは、みんなのワーク&ライフ開放区「THE CAMPUS」の活用方針を踏まえ、「Featured Projects」の活動主旨に共感し、同イベントの特別協賛に至ったとしています。

コクヨ、SmartDB®︎、べんりねっと連携で購買プロセスを自動化

コクヨは、カウネットがこのほど、大企業向けクラウドサービスの株式会社ドリーム・アーツ(以下 ドリーム・アーツ)と、ドリーム・アーツの提供する大企業向け業務デジタル化クラウド「SmartDB®︎(スマートデービー)」とカウネットの提供する中堅・大規模企業向けのクラウド型購買管理システム「べんりねっと」の連携を開始したといいます。

両サービスのユーザーである立命館大学で同連携の実証実験を予定しているとしています。 また、2022年11月30日に連携概要を紹介するセミナーを開催予定だといいます。

プラス・ジョインテックスカンパニー、宮城県岩沼市と「災害時等における物資供給に関する協定」を締結

プラスは、ジョインテックスカンパニーが、2022年10月、宮城県岩沼市と「災害時等における物資供給に関する協定」を締結したといいます。

同協定は、近年の全国における自然災害の発生状況等を踏まえ、岩沼市域内で地震・津波・大雨等による災害が発生、または発生するおそれがある場合、岩沼市からの要請を受け、ジョインテックスカンパニーが必要な物資の供給を行うことを定めているとしています。

ジョインテックスカンパニーは、2022年8月に岩沼市に開設した物流拠点「ジョインテックス東北センター」において地元雇用を積極的に進めていて、地域への貢献を目指しているといいます。同センターには、避難所生活で必要となる衛生用品なども豊富に保管していて、今回の協定の締結には、「ジョインテックス東北センター」の物流インフラが高く評価されたとしています。

コマニー、LIXILと協業しトイレ空間BIMデータを追加共同開発

コマニーは、株式会社LIXIL(以下LIXIL)と共同で開発した、トイレブースと衛生設備がセットになったBIM※1データを、建築設計標準ガイドライン改正(令和3年3月)に対応した追加プランとして11月7日から、それぞれの公式WEBサイトで公開したといいます。
今回、追加共同開発したBIMデータは建築設計標準に準じ、配管収納部分等を除いたトイレ内有効寸法2m以上×2m以上の確保や、大型の電動車椅子使用者等が回転できるよう直径180cm以上の回転スペース確保(対象により異なる)など、バリアフリートイレの機能の組み合わせを充実させ、機能分散対応を追加しているといいます

同社は2017年からBIMを導入していて、LIXILとの共同開発によるBIMデータは2020年から提供を始めたといいます。これまで同社商品のBIMデータは多くの設計士に利用されていて、この2年間で、LIXILのWEBサイトと合わせて計160社以上にダウンロードされているといいます。これからも設計から施工まで一環してBIMを活用できる社内体制の構築と情報発信をしていくとしています。

注目のコラム オフィス山人の少し深掘り

今週まず注目したことについては、オカムラのグランドフェアの開催記事です。
記者発表会・記者内覧会に出席し、同社のフェアのコンセプト、新製品、新サービスの数々を取材して来ましたが、まず、
中村社長のご挨拶のなかにあった「働き甲斐改革」という言葉に注目しました。巷間、オフィスについては「エンゲージメント」「人材確保」「センターオフィスの意義」「オフィスを行きたくなる場所へ」など、さまざまな言葉が行きかっていますが、この働き甲斐改革という言葉はそれらのすべてを包含して、なお余りある大きな言葉ではないかと思います。働き方改革と働き甲斐改革の違いを考えることに意味があるかどうかは不明ですが、大きくは目的と方法の違いかなと思います。そのなかでオフィス家具を中心とした業界の提案は、その方法を通じてその目的を達成することであり、それが可能な最も有力は業界なのではないかと思います。
製品の中で注目したものも数多くありましたが、特に目を惹かれたのは「ワークヴィラ」です。山人は「ワークキャリアー」が2022年の業界の最も大きな収穫の1つだと思っていますが、2023年はこのワークヴィラにも期待が持てるのではないかと思います。ワークキャリアーはもちろんそのシリーズで独立して力を発揮することができますが、ワークヴィラの中に包摂され、より個人の働く場を確保するものになるのではないかと思います。ワークヴィラの人と人をつなげるという特長ももちろん重要ですが、山人にはワークヴィラはその空間を演出することができると感じました。山人は「演出」≒「場」なのではないかと思っており、無意識に高度なテンションを保ちながら個人ワークをし、また、人と交流して創造性を発揮することができる製品なのではないかと思います。


また、「コンテッサ」が発表20周年ということで、アニバーサリーモデルとサーキュラーモデルの提案がありました。当たりまえかもしれませんが、2022年のいま、発表されるモデルは、工業製品としても2022年の現在の目を十分に満たしてくれる「いま」の顔を持っていると同時に、過去、現在、未来を見せてくれるものであると感じました。それができる同社のフラッグシップである「コンテッサ」の20年の歴史は簡単には真似のできることではないと思います。また、個人的な印象で申し訳ありませんが、アニバーサリーモデルは理屈なくかっこいいです。


一方でタスクシーティングの「ポータム」は、ハイブリッドワークの進捗によって生まれてきた新製品だと思いますが、これもまた、オカムラのタスクチェアの品揃えがあればこそつくることができるものなのではないかと思います。これもまた、過去、現在、未来へとつながる提案であると思います。


また、中村社長のお話のなかに、リモートワークが普及して出社率が100%でなくなったことで固定席が不要になってフリーアドレスやABWに対応する環境や家具の必要性が出てきているということがありましたが、個人的には、ライブス ポストビームで自分の空間を与えてくれたらオフィスに行きたくなるのではないかと思いました。

イトーキのアケルダイニングテーブルの記事ですが、これはよく工夫されているテーブルではないかと思います。

まさに「日々の生活をアップデートする」という同社のブランド「ITOKI HOME」のコンセプトの実現ではないでしょうか。しかもこれは、PCやタブレットなどを収納するためのもので、周りの方がアップデートされていくのに家具の方もいかにそれに対するかということまで考えさせられることなのかもしれないと思いました。

イトーキの「SALIDA onetoneチェア」の新色を発売の記事ですが、同社によると、家庭内で使うワークチェアにはインテリアに馴染みやすく、圧迫感の少ないものが求められるようになったといいます。

『SALIDA onetoneチェア』は、張地からキャスターに至るまで、チェア全体を1色に統一することでインテリアに調和することを目指した、新しいコンセプトのチェアだとしています。在宅ワーク市場が拡大していく過程でこのようなことがこれからもだんだんと明らかになり価値の体系のようなものが今後深められていくと考えられます。

コクヨ、「Featured Projects - Design Festival 2023 - 」に特別協賛の記事ですが、さまざまな分野を横断しコラボレーションを楽しみながら、「デザイン」の可能性を拓いてゆくとありますが、どのようなものが、どのようにして、どのようなかたちで生まれてくるのか注目したいと思います。

プラス、ジョインテックスカンパニーが、宮城県岩沼市と「災害時等における物資供給に関する協定」を締結したという記事ですが、有事の際のリスクヘッジということなのでしょうか。自分たちでは在庫を持つ必要がないのであればサービスとして可能性のあるものなのではないかと思います。

(このコラムは、あくまでも山人の主観的なものです。従って各メーカー様には何の関係もありません)

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