東京オフィストレンド オフィス家具週間トレンド報告
10/24~10/30、オフィス家具業界の主なハイライト(+コラム)
プラス、ライブオフィス&クリエーションスペース「PLUS DESIGN CROSS」を恵比寿にオープンへ
2022年10月24日から10月30日までの1週間の業界の主なハイライトについては、プラスは、オフィス家具事業の本部拠点「プラスファニチャーカンパニー 東京オフィス」を恵比寿ガーデンプレイス(東京都渋谷区)センタープラザ2Fへ移転し、ハイブリッドワーク時代の新しい働き方を実践するオフィス「PLUS DESIGN CROSS」として2022年12月6日にオープンします。
同社は、オフィスづくりのグランドコンセプトとして"オフィスに「引力」を。人をひきつける社会をひきつける未来をひきよせる" を掲げているといいます。
このコンセプトを踏襲した「PLUS DESIGN CROSS」は、社内外のあらゆるステークホルダーと積極的につながりを持ち、企業活動と社会活動の接点となる場として、また、顧客に新しいオフィスの在り方をご体感いただくライブオフィスとして運用するとしています。
■地域とつながり、共創活動を生み出す新オフィス
同社は、働き方やオフィスに対する捉え方が変化する中で、いま企業は多くの社会的課題の解決、企業の存在価値やメッセージの発信が求められているといいます。
そのような中で、多種多様な人材、文化、生活、ビジネスが集積する恵比寿に拠点を移すことで、さまざまな価値観に触れながら社会的課題解決への取り組み、地域とのコミュニケーションなど恵比寿ならではの共創活動、情報発信に取り組んでいくとしています。
■ウェルビーイングを高め、人をひきつけるオフィスの構築
オフィス内は恵比寿ガーデンプレイスを象徴するアーチ形状をデザインモチーフとして採用することで、街とのつながり・調和をイメージしているといいます。
左右に分かれるオフィス(「NORTH WING」「SOUTH WING」)を1本の通路でつなぎ、人が行き交いやすく、自然と社員同士の共創機会を生み出す導線となっているとしています。またサロンを中心にオフィス全体の緑視率を高めるとともに、2Fテラス席では開放的な空間で仕事をすることが可能だといいます。
■どんな仲間とどう過ごしたいかで自席を選ぶ、オフィスレイアウト「ピアレンス」を踏襲
同社は、オフィスでは打ち合わせや協働だけでなく、ワーカーが一緒に過ごし空気感を共有することが求められていることに着目し、新しいオフィスレイアウトのコンセプト「ピアレンス※」を提案しているといいます。
近年、ハイブリッドワークの浸透とともにフリーアドレスの導入が加速。オフィスレイアウトの見直しを検討される顧客が増えているとしています。「PLUS DESIGN CROSS」においても「ピアレンス」のコンセプトを踏襲したオフィスレイアウト、家具を採用しており、ハイブリッドワークにおける新しいフリーアドレスの形、運用方法を具現化するとしています。
※「ピアレンス」は、「PEER(仲間)」と「positive influence(好影響)」を組み合わせた造語
新オフィスのお披露目イベント兼2023年の新製品発表会「PLUS Furniture Fair 2023」は2022年12月6日(火)~14日(水)の期間に開催するといいます。
コクヨ、デジタルファブリケーション技術を活用した事業をスタート スタジオ「(0,0,0)studio genten」を11月1日にオープン
コクヨは、デジタルファブリケーション技術(以下:デジファブ技術)(※)を活用した、木素材を中心とするオリジナルの内装空間やアート、家具を提案するサービスを開始するといいます。また、デジタル木材加工機「ShopBot」を活用して、顧客やパートナーとともに試作・検証を行い、顧客ごとのニーズに応えていくスタジオ「(0,0,0)studio genten(スタジオゲンテン)」を、コクヨ東京品川オフィスTHE CAMPUS内に2022年11月1日(火)に開設するとしています。
同社としては今回が初めての取り組みとなる、デジファブ技術の事業導入だといいます。そのノウハウや加工・製作のプラットフォームを持つVUILD社をパートナーとすることで、コクヨが持つオフィス空間提案やものづくり技術を進化させて新たなソリューションの提供や、家具のビジネスモデル構築を目指すとしています。また、これにより、同社と顧客がともに最適なソリューションの実現に向けて試作や検証を繰り返していくことで、従来の“作り手”と“使い手”という垣根が無くなり、それがサービス価値の更なる向上につながると考えているとしています。
オフィス領域から人々の場や空間の在り方に常に新たな価値を探求、働き方を研究している同社は、デジファブ技術を活用した家具や内装造作の事業化を通じ、働く空間の価値向上に取り組むことで、今後も人々にとってより良いワークスタイルの提案を続けていくとしています。
コクヨ、ユーフォリアと「ウェルネスプログラム~ONE TAP SPORTS for Biz~」の提供を開始
コクヨは、IT(情報技術)技術をスポーツ分野に活用するベンチャー企業の株式会社ユーフォリア(東京・千代田)と共同で開発したウェルネスプログラムの提供を10月25に開始。
同社によると、働く場所が分散し、働き方が多様化するこれからの社会では、企業はその競争力を確保するため、ワーカーのウェルビーイングな状態を確保し、創造性や生産性を高めることがこれまで以上に重要となるといいます。
コクヨとユーフォリアが業務提携を締結したことにより、トップスポーツの知見をワーカー向けに応用し、開発を進めることができたといいます。この度、まずは工場や物流拠点などで働く身体的負荷の大きいワーカー向けのウェルネスプログラムをリリースするとしています。
ウェルネスサーベイよりフィジカル不調者を抽出し、不調者それぞれに合ったエクササイズを提供するといいします。また、ユーフォリアが開発したアプリ「ワンタップスポーツ」をワーカー向けにアレンジ。スポーツトレーナーが日々の体調や活動内容をモニタリングし、プログラムの継続をサポートするとしています。オンラインだけでなく、現地に赴き直接個別に指導も行うハイブリッドなプログラムが特徴だといいます。
オカムラ、「STRIVER Ⅱ(ストライバー2)」を発表
オカムラは、市販の業務用掃除機が利用できビルの共用スペースなどを自律走行して床掃除を行う業務用掃除ロボット「STRIVER(ストライバー)」の新モデルとして、「STRIVER Ⅱ(ストライバー2)」を2022年10月に発表、2023年1月に発売予定だといいます。「ストライバー2」は、乾湿両用掃除機に対応し、本体の水濡れが可能なため濡れた床面の掃除が可能だといいます。床面に接する面積を小さくしたことで小回りが利き狭い通路の掃除が可能だとしています。
「ストライバー2」は、市販の業務用乾湿両用掃除機を載せて搬送し、自律走行して床掃除を行う業務用掃除ロボットだといいます。乾湿両用掃除機に対応でき、「ストライバー2」本体が水濡れ可能なため、濡れた床面の掃除が可能だとしています。床面に接する面積を小さくしたことで小回りが利き店舗の通路など狭い通路でも使用可能だといいます。「ストライバー」と同様に、初期設定でマップを作成し、掃除の範囲を指定、その後は効率の良いルートを自動で作成し走行しますが、「ストライバー2」は操作制御を改良し、初期設定で作成したマップの部分的な変更を簡単に行うことができるとしています。電源を入れてから掃除を始めるまでの操作ステップを少なくし、操作性の向上を図ったといいます。また、長寿命のバッテリーを搭載しているとしています。
コクヨ、LAMY safari とコラボレーションした「Campusソフトリングノート」を限定発売へ
文具関連では、コクヨは、ドイツを代表する筆記具ブランドのひとつである「LAMY(ラミー)」の「safari(サファリ)」シリーズとコラボレーションした「Campusソフトリングノート」の数量限定モデルを、11月26日(土)から発売するといいます。また発売に先がけロフト、東急ハンズ、伊東屋での先行販売を11月11日(金)から開始するとしています。
同社によるとコクヨの「Campus」とLAMYの「safari」は、いずれも40年以上にわたって愛されてきた歴史あるブランドだといいます。「書くもの」と「書かれるもの」としてそれぞれが培ってきたレガシーを持ち寄り、万年筆とノートを同時に使用する際の機能性やデザインを合わせることで、顧客の所有する喜び、書く楽しさを一層高めたいとの思いから、今回のコラボレーションが実現したとしています。
今回発売する「LAMY/Campusソフトリングノート」は、ソフトリングノートとしては初めて中紙に「帳簿用紙」を採用したといいます。「帳簿用紙」は、約90年の歴史を持つコクヨのオリジナル原紙だといいます。適度ななめらかさで、にじみにくく、裏抜けが少ないことから、万年筆での筆記に適しているとしています。
コクヨ、インデックスやタイトルの作成に強いマルチラベルプリンタ「タイトルブレーンクロス」を発売
また、コクヨは、同社従来品「タイトルブレーン2」よりも印刷時間を約20%削減し、タイトルラベルの印刷にも便利な、進化したマルチラベルプリンタ「タイトルブレーンクロス」を、11月9日(水)から発売するといいます。
同社によると、インデックスやタイトルに印刷を行うラベルプリンタは、手書きよりも見栄えよく仕上げられ、作業効率も良いとの理由から、顧客へ提出する資料や共有書類を多く扱う建設・工事業、官公庁・福祉、製造、サービス等の業界を中心に根強い需要があるといいます。
そこで同社では、従来品である「タイトルブレーン2」を全面的にリニューアルし、機能を強化した「タイトルブレーンクロス」を発売するとしています。
「タイトルブレーンクロス」は、従来品(タイトルブレーン2)に比べ印刷時間を約20%削減しただけではなく、キーボードや液晶画面の改良、予測変換機能を搭載し、長文入力もしやすくなったといいます。100種類以上のコクヨラベルに対応しており、1台で入力・編集・印刷までが完結するとしています。インデックスラベルだけではなく、ファイルのタイトル印刷にもおすすめだといいます。
無料のラベル印刷ソフト「合わせ名人5」を使用し、パソコンで編集したラベルを「タイトルブレーンクロス」で印刷することも可能だとしています。
■発売予定:2022年11月9日(水)
■メーカー希望小売価格(消費税抜):40,900円
三和シヤッター工業、高耐風圧窓シャッターが「2022年超モノづくり部品大賞」奨励賞を受賞
建材関連では、三和シヤッター工業は、「マドモア耐風ガード スクリーンGⅡタイプ防火仕様(土間・バルコニー納まり)」が、モノづくり日本会議と日刊工業新聞社が主催する「2022年"超"モノづくり部品大賞」において、「奨励賞」を受賞したといいます。
「マドモア耐風ガード スクリーンGⅡタイプ防火仕様(土間バルコニー納まり)」は、土間・バルコニー納まりの窓シャッターで業界初※の防火認定を取得し、近年の台風による被害の激甚化を背景に需要が高まっていた2階以上のバルコニーや土間に対し、防火設備としての対応が可能となったといいます。(※2022年10月現在同社調べ)
防火・準防火地域であっても中低層階における強風時の飛来物対策として設置することができ、また網入りガラスではなく透明ガラスの非防火仕様サッシを使用することができるため、より安全で快適な空間を作り出すことができるとしています。
注目のコラム オフィス山人の少し深掘り
今週まず注目したことについては、プラスが「プラスファニチャーカンパニー 東京オフィス」を恵比寿ガーデンプレイス(東京都渋谷区)センタープラザ2Fへ移転し、ハイブリッドワーク時代の新しい働き方を実践するオフィス「PLUS DESIGN CROSS」として2022年12月6日にオープンするという記事です。そのなかでも同社のグランドコンセプト"オフィスに「引力」を。人をひきつける社会をひきつける未来をひきよせる"とオフィスレイアウトのコンセプト「ピアレンス」にあらためて注目したいと思います。
同社は、多種多様な人材、文化、生活、ビジネスが集積する恵比寿に拠点を移すことで、さまざまな価値観に触れながら社会的課題解決への取り組み、地域とのコミュニケーションなど恵比寿ならではの共創活動、情報発信に取り組んでいくとしていて、また、オフィスでは打ち合わせや協働だけでなく、ワーカーが一緒に過ごし空気感を共有することが求められていることに着目し、新しいオフィスレイアウトのコンセプト「ピアレンス」を提案しているといいます。実は、さまざまな価値観と空気感を共有するということは、ただそれが出会うだけでは簡単には両立しないものだと思います。さまざまな価値観は必要な方法によって共有または共存できるものにさらに成長することを求められるのだと思います。空気感もまた然りです。つまりその間を取り持つものとしての教養としての道具がオフィスであり、同社の場合はそのコンセプトが「ピアレンス」なのだと思います。その意味でプラスの考え方はまさに王道であり、特に「ピアレンス」の考え方をさらに発展させていってほしいと思います。
また、一般論ですが、引力というものは質量をもったものでなければ発生しないものなのではないかと思います。ものの例えといってしまえばそれまでですが、そのコアとなるものにはそれ相当の質量つまりリアルな重みや深さが求められると思います。つまりリアルなオフィスには人を引きつけるだけの重みや深さ、つまり魅力が必要なのだと思います。教養としてのオフィスの中心にある魅力はそれを支える人の魅力なのではないかと思います。そのような意味でも今回のプラスの新しいオフィスには期待したいと思いますし、加えてお披露目イベントである「プラスファニチャーフェア2023」も楽しみに待ちたいと思います。
さらに、今回は「おうちガラージ」と「クリアトーレウィズプラス」とも連動しての出店なので、川下から川上に至るまでオフィスづくりなどの流れができ、また、顧客の幅も大きく広がるので、社会的な貢献度、知名度などその効果はいままで以上に大きなものが期待できるのではないかと思います。
コクヨのデジタルファブリケーション技術を活用した事業をスタート スタジオ「(0,0,0)studio genten」を11月1日にオープンの記事ですが、同社としては今回が初めての取り組みとなる、デジファブ技術の事業導入だといいます。3DCADで設計したデータをダイレクトに製作できるデジファブ技術を活用することで、プロトタイピングを繰り返しながらアート作品や、内装、家具などをオーダーメードで作ることができるとしていますが、この「プロトタイピングを繰り返しながら」というところが重要なのだと思います。これは一言でいうと「洗練」ということであり、その行きつくところは「エレガント」です。
また、大きなリスクを避けることにもつながるでしょうし、想像の幅が広がり、人材の育成にもつながると思います。デジタルとはいいますが、大きな意味では手作りなのではないかと思います。また、結果的には無駄をなくし、木材需要に貢献し、環境保全に役立つのではないかと思います。コクヨが持つオフィス空間提案やものづくり技術を進化させて新たなソリューションの提供や、家具のビジネスモデル構築を目指すとしていて、また、これにより、同社と顧客がともに最適なソリューションの実現に向けて試作や検証を繰り返していくことで、従来の“作り手”と“使い手”という垣根が無くなり、それがサービス価値の更なる向上につながると考えているとしていますが、両者がデータや過程を共有し成長していくことができるのもデジタルの長所なのかもしれません。新しい価値観の発見に期待したいと思います。
コクヨ、ユーフォリアと「ウェルネスプログラム~ONE TAP SPORTS for Biz~」の提供を開始の記事ですが、コクヨは従来から、社員のウェルビーイングに特に注力している企業の1つだと思いますが、今回さらに自分たちの事業に関連させながら社員のウェルビーイングの向上を図ることに通じるのではないかということに注目しています。トップスポーツの知見をワーカー向けに応用し、とありますが、これはウェルビーイングもさることながら、オフィスやオフィス家具の開発にもつながることだと思います。特に人間工学的なアプローチをもっとウェルビーイング的な切り口やフィジカル的な面においても深めることができると思います。オフィス家具とスポーツ、そして芸術に関して、それらはかなり近いところにあると山人は考えています。この取り組みからまた新しい提案が生まれるかもしれません。
オカムラ、「STRIVER Ⅱ(ストライバー2)」を発表の記事ですが、業務用掃除ロボットの市場はこれから成長が見込めるようです。同社の物流などの技術を見ても、このストライバーの制御技術は同社ならではのものであり、今後ますます拡大していくことが予想されます。また、ファシリティマネジメントにおけるオフィスのメンテナンスなどの観点からも注目されていく製品なのかもしれません。
コクヨ、LAMY safari とコラボレーションした「Campusソフトリングノート」を限定発売への記事ですが、コクヨの「Campus」とLAMYの「safari」は、いずれも40年以上にわたって愛されてきた歴史あるブランドだといいます。「書くもの」と「書かれるもの」としてそれぞれが培ってきたレガシーを持ち寄り、万年筆とノートを同時に使用する際の機能性やデザインを合わせることで、顧客の所有する喜び、書く楽しさを一層高めたいとの思いから、今回のコラボレーションが実現したとしています。山人はこれからも同社には特に書く楽しさについて深めていってほしいと思っています。先々週の10/10~10/16、オフィス家具業界の主なハイライト(+コラム)のコクヨのドイツ装ノート「PERPANEP」のなかでも言及しましたが、書くことのエンタテイメント性を発展させてほしいということです。
ここからはさらに私見ですが、ビジネスの世界ではデジタル革命によって、手書きの世界がもはや終わったような、もしくは「心のふるさと」のような感じになっているのではないかと思われているように山人には感じますが、少しいわせてもらえれば、紙というものは残すだけが用途ではありません。紙は考えるためにも必要なのだと山人は考えています。さらに、鑑賞する、味わう上にも大切なもので、つまり残すだけではなく、焼き付けるということ、芸術や思考、方法をそこに封じ込め、永遠の生命を与えるための大切な土台となるものであると思います。それはリアルな世界において成立するもので、デジタルの世界のデータは使われることがなければネットの世界をさまよっているだけに過ぎないものなのではないかと思うのです。(だから特定の紙やものには供養が必要なのではないかとも思います)大げさな話ですが、紙と手書きにはその要素があるのです。実際の肉体である手(だけではありませんが)で時間を費やして書かれ、息遣いや情念、修練を含んだ手書きは時に人間個人の歴史から人類の財産まで発展するかもしれません。人を引き付けるリアルなセンターオフィスの必要性の根拠となる要素の1つになるかもしれません。(敢えて排除するのも考え方の1つではありますが)それらをいま一度自覚して、デジタル社会に臨んでいこうとネイティブではない山人は思っています。
(このコラムは、あくまでも山人の主観的なものです。従って各メーカー様には何の関係もありません)