ケルンメッセ、記者発表会を開催

ドイツからCEO来日しオルガテック東京2023の概要と方針などを発表

ケルンメッセは10月17日、ドイツからケルンメッセCEOのゲラルド・ベーゼ氏が来日し、東京・港区のグランドハイアット東京で記者発表会を開催しました。

【出席者】

ケルンメッセ CEO=ゲラルド・ベーゼ氏
ケルンメッセ 広報部長=グイド・グダート氏
ケルンメッセ日本法人代表取締役社長=髙木 誠氏

【主な発表内容】

⒈ ケルンメッセの取り組み(COVID‐19対策、インフラ関連)
⒉ 2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)におけるドイツ館運営
⒊ オフィス家具展示会「オルガテック ケルン2022」開催直前レポート/「オルガテック 東京2023」概要と方針
⒋ 食品展示会「第1回ISMJapan国際菓子専門見本市2023」「第13回ワイン&グルメジャパン2023」の運営方針、その他の発表事項


発表会は髙木氏が進行。冒頭、髙木氏は「ケルンメッセが本国から代表を招いてこのようなかたちで会見を行うのは実に2年8カ月ぶりです。先週日本もようやく感染症における水際対策が少し緩和され、一般の旅行者ならびにビジネス関係者の方々が来日できるようなかたちになってきました。見本市業界にとっても明るいきざしといえるかなと考えております。一方で過去2年間、私どもの業界にとっては非常に厳しい時期でございました。イベントの延期や中止が相次ぎました。トンネルの出口がなかなか見えない時期が非常に長かったといえると思います。しかしただじっと冬眠しているわけにもいきません。この2年間、厳しいなかにも私どもさまざまなアイデアを出し合って、新たな企画を練ってコロナ禍にあっても敢えて立ち上げたイベントもございます。ドイツ本国の展示施設、インフラへの投資も継続してまいりました。本日はこのような背景を踏まえまして弊社ケルンメッセの事業、見本市にまつわる最新の情報をお届けしたいと考えております」と述べ、ドイツから来日したベーゼ氏とグダート氏を紹介しました。

ベーゼCEOが発表

続いてベーゼCEOが発表を行いました。内容は以下のとおりです。
「ご来場の皆様、本日は記者会見にお運びいただき、誠にありがとうございます。日本訪問は常にハイライトイベントなのですが、新型コロナウイルスによる入国制限が撤廃となってなおさら、日本に戻って来られて嬉しく思います。入国制限の撤廃は、より緊密な世界の交流に向けた新たな一歩であり、見本市業界にとって大変意義深いものです。

ゲラルド・ベーゼ氏

ケルンメッセの日本での事業活動

本日はケルンメッセの、世界における、そして特に日本での事業活動についてご紹介させていただきます。また日本における見本市の最新情報、そしてもちろん、2025年の大阪万博に関わる当社の活動についてもご紹介したいと思います。当社のイベントに、初めてあるいは久しぶりにご参加いただいている方もいらっしゃるかと存じますので、最初にケルンメッセの概要について、簡単にご紹介させていただきます。
ケルンメッセは、ケルンおよび世界各地の見本市・イベントに関わるあらゆる分野に精通した専門パートナーです。当社の見本市会場はドイツ国内第3位、世界トップ10に入る規模を有し、ケルンおよび世界の主要市場で毎年約80の見本市、展示会、ゲストイベント、特別イベントを開催しています(パンデミックの期間は除く)。ケルンメッセの見本市会場は11の展示ホールを擁し、展示スペースと屋外エリアの面積は約40万㎡です。2020年までは、122カ国から約54000社の出展企業と、年間約300万人の来場者をお迎えしておりました。ケルンメッセの主な専門分野は、食品と食品技術、家具、デジタルメディア、エンターテインメント、モビリティです。
ケルンメッセは、見本市事業に加えて、万博でのドイツパビリオン関連事業も専門としております。2025年の大阪万博は、当社が委託を受けて手掛ける4つめの万博となります。1992年のスペイン、2010年の中国、2021年のドバイに続き、2025年の万博に向けて皆様と協力できることを大変楽しみにしています。大阪万博は必ずや大成功をおさめると確信しています。専門テーマを設けた2005年の愛知万博でも、ドイツパビリオンの企画運営を担当し、日独両国がいかに効率的に連携できるか体験することができました。

大阪万博について

当社のチームは、大阪万博をとても楽しみにしています。2020年に予定されていたドバイ万博の延期によって準備期間が1年短くなり、パビリオンのチームは多忙を極めておりますが、ドイツ人ですので、すべてのプロジェクトフェーズにおいてスケジュール通りに進められると確信しています。ケルンメッセは、ファイナンス、運営、広報、実施要領、全般的プロジェクト・マネージメント等のオーガニゼーションに関する全てに責任を担います。
現在、ドイツパビリオンのコンセプトと構造について、最初の提案が出るのを待っているところです。ご存知のように、ドイツはパビリオンに対して常に「形態は機能に従う」という総合的なアプローチを心がけています。パビリオンの中心は展示であり、来場者が展示を通して楽しみながら、私たちの国について、そして何よりも人類の未来のための解決策について、できる限り多くを学んでいただけるようにしたいと考えています。構想の主要要素を反映した建築は、万博におけるドイツの存在感を高めるものになるでしょう。
来年の4月までには、ドイツパビリオンのデザインが明らかになっているでしょう。今から分かっているのは、毎回そうであるように、パビリオンではドイツの最新の技術とテクノロジーを展示するだけではなく、ドイツレストランを併設し、イベントステージでは毎日様々なハイライトを提供することです。
私もチームのメンバーも、準備期間そして2025年の大阪万博会期中、何度も日本に来られることをとても楽しみにしています。そしてグランドコンセプトの記者発表会に、皆様をご招待することを楽しみにしています。

見本市事業について

では、基幹事業である見本市に話を戻します。日本で開催する見本市には、2022年4月に初めて開催したオルガテック東京をはじめ、2023年に開催するISMJapan(国際菓子専門見本市)、ワイン&グルメジャパンなどがあります。オルガテック東京は、世界8カ国から80以上の著名なグローバルブランドが出展し、来場者は約22000人と大成功を収めました。詳細は後ほどご紹介します。
もちろん、当社もコロナの大流行で大きな打撃を受けました。世界中の見本市が中止となり、できる範囲で事業継続を図らざるを得ない状況でした。2020年春当時は、ウイルスがどのような形で世界の見本市業界に打撃を与えることになるのか、全く予想がつきませんでした。
パンデミックを受けてまもなく、当社は新型コロナウイルス対策に伴う種々の制限に対応する安全コンセプト、#B‐SAFE4businessを開発しました。このコンセプトには、ストリーミング・スタジオ、カメラによる来場者カウント、ケータリング・コンセプト、衛生用品、ボディ・スキャナーなどの具体的なソリューションが盛り込まれました。


当社の安全コンセプトは、将来起こり得るあらゆるシナリオに対応できるようになっています。しかし今は、ケルンでの見本市やイベントに対する新型コロナウイルス規制は完全に撤廃され、ドイツではもはやコロナ関連の入国制限はないと、確実に申し上げることができます。ただしケルンメッセとしては、見本市会場への入場は、新型コロナウイルスワクチンを接種済みの方、最近感染して回復した方、あるいは検査で陰性であった方のみとすることを推奨しています。
ケルンおよびケルンメッセは、日本から再び多くのお客様をお迎えできることを楽しみにしています。
ここ数年の出来事による影響は大きいものでした。2020年はケルンメッセが計画していた75のイベントのうち、実施できたのは世界で17件だけでした。2021年は計画68件のうち、34件開催できました。2022年になって状況は改善してきています。
ケルンメッセは、イベント再開に向けてしっかりと準備を重ねてまいりました。そして2021年秋、再開が現実のものとなりました。ケルンだけではなく海外でも、2020年と2021年前半には不可能だったイベントが、開催できるようになったのです。当社にとって良かったのは、パンデミックの危機に直面している間、MODERN TRADE FAIR ERAと呼ぶ、新しい見本市のあり方に集中して取り組んでいたことでした。また、投資については一部変更もありましたが、投資そのものを止めることはありませんでした。そして、可能な限り早く見本市を再開できるよう、常に準備を怠らず、チームもそのまま維持してきました。それが今、実を結ぼうとしています。
しかし最も重要な点は、やはり私たちのビジネスの基本は、人と人との物理的な交流であり続けるということです。デジタル見本市には「感動」が欠けていると、お客様から言われました。デジタルサービスの成功にもかかわらず、業界からのフィードバックは「展示会場に立ちかえらなければならない!」というものばかりでした。ライブ体験に代わるものはないのです。このような背景から、私たちはお客様の役に立ち、かつニーズに合った新しいデジタル製品を提供し、開発してきました。
私たちは近年の困難な状況にもかかわらず、ケルンの当社展示ホールでより良い顧客サービスを提供するための、投資計画を堅持してきました。これからの見本市はより柔軟で、より刺激的で、よりデジタルなものでなければ成功しないということを、私たちは理解しています。見本市は、よりエモーショナルで、より体験型になっていくでしょう。そこで当社は、2030年までを見据えたプロジェクトKoelnmesse3.0を開発しました。

Koelnmesse3.0

Koelnmesse3.0の一環として、展示場を近代化し新しいビルを建設することで、立地とサービスの質向上に対する出展者と来場者の二―ズに応えてまいります。立地条件と滞在の質の両方を向上させることで、ケルンメッセのユニークさと魅力を確かなものにします。ヨーロッパの中央に位置する最もエキサイティングな大都市のひとつにある、都市見本市というユニークな立地は、他の立地では提供できない重要な資産です。
最初に建設したのは、新しい展示ホール1です。10000㎡の展示スペースをもち、展示会場内で他の施設などの行き来も便利なホール1は、機能性と使い勝手において高い柔軟性を備えており、4000人までの参加者を対象とする見本市、展示会、特別展に最適です。
さらに、多機能なConfex(コンフェックス)があり、会議と展示会、ステージイベントを融合させるという当社のビジョンを具現化したものです。同時に、会議場の収容人数をさらに5500人増やしました。大小さまざまな会議室を利用できることやホール1との行き来により、Confexは見本市、会議、イベントの組み合わせに柔軟に対応できるので、新しい形式の見本市スペースとしてご利用いただけます。
Confexの建設工事は2021年に始まりました。使用開始は2024年末の予定です。
ドイツでは「百聞は一見に如かず」と言いますので、ここでケルンメッセ3.0のプログラムを紹介する動画をご覧いただきたいと思います。

動画の上映が行われました。

ISM Japan

当社の見本市として強い分野は食品で、食品及び食品技術、スイーツとスナックなどの食品分野と、パッケージング技術やソリューションです。
すでにお知らせしておりますように、2023年4月に日本で初めてスイーツとスナックの見本市を立ち上げることになり、名称はISM Japan(国際菓子専門見本市)と決まりました。ISMケルン、ISMミドルイースト(ドバイ)に続き、スイーツとスナックの見本市としては3番目となります。ケルンだけでも約38000人の来場者と、76カ国から約1800社の出展があり、世界で最も重要なスイーツとスナックの見本市となっています。来場者や出展者は、3つの中核地域で市場参入を促進し、ビジネス・ネットワークを次のレベルに引き上げる、この3つの強力な見本市の恩恵を受けることができるのです。ISMJapanは、日本だけでなく有望な東アジア市場で、重要な役割を果たすと確信しています。

Anuga Select(アヌーガ・セレクト)

次は、日本市場における見本市ポートフォリオの、戦略的再編成を紹介させていただきます。私共はメッセ・デュッセルドルフとともに、この分野における活動を再構成しています。ワイン&グルメジャパンは、これまでケルンメッセだけのイベントでしたが、このたびメッセ・デュッセルドルフが、これまでのワイン&グルメジャパンの「ワイン」部門を引き継ぐことになりました。
ワインとスピリッツのテーマは、2024年から新たに開催する新しいProWine東京の一部を構成することになります。そして2023年からは名称も、Wine&Gourmet-powered by ProWeinとなる予定です。メッセ・デュッセルドルフは、その専門知識と世界的なワイン分野のネットワークを生かして、出展企業の国際性向上に貢献します。この2つの見本市にふさわしい舞台を提供するのが、専門誌である日本食糧新聞社が主催するFABEX東京です。皆様の多くがご存知のように、この見本市は毎年東京ビッグサイトで他のグルメ食品や飲料の見本市と同時に開催され、この分野の全体像を見渡せるようになっています。
FABEX東京、ProWine東京、ISMJapanを組み合わせることで、来場者は多くの、より専門的な製品群を見ることができます。特に、2021年2月に発効したEUとの自由貿易協定(FTA)によって、その成長ポテンシャルは膨大です。Wine&Gourmet-powered by ProWeinは、2023年4月12日から14日まで、ISMジャパンと同時に開催される予定です。
ケルンメッセは2024年、全く新しい食品見本市を東京にて導入いたします。この見本市も、ケルンメッセと日本のパートナーである日本食糧新聞社との、戦略的パートナーシップに基づいています。
見本市のコンセプトについては、今後数カ月のうちに大々的に発表しますので、どうぞご期待ください。今日は皆様にこの新規見本市の「ブランド名称」を、世界で初めてお伝えいたします。新しい見本市は「Anuga Select(アヌーガ・セレクト)」という名称です。この新しいイベントを通して、私どもが展開する食品見本市の世界ネットワークをさらに強化し、これまで以上に日本市場を巻き込んでいきます。

ORGATEC2022

さて次は、日本でもサテライトイベントを開催する、もうひとつのフラッグシップ・イベントに話を移します。ORGATEC/オルガテックは、現代の働く世界のための国際的な見本市です。ORGATECは単なる見本市ではなく、国際的な成功やイノベーションを象徴しています。ケルンのORGATECには、2年に一度、業界のトップ。ディシジョンメーカーが集まり、ケルンを、建築家、プランナー、エンジニア、産業界・商業界の専門家が集まる、グローバルなミーティングポイントへと変貌させます。
今月末、ORGATECはケルンでオープニングを迎えます。直接会って意見を交換し、議論を交わし、創造的なソリューションを見たり、触れたり、試したりしたいという欲求は、あらゆる業種の企業や来場者にとって変わらずに強いものです。世界各国から約700社が参加し、2018年とほぼ同数の出展者が来週ケルンに集結します。特に日本から348平方メートルを使ってORGATEC2022に出展される、3つの出展企業の方々にお会いできることを楽しみにしています。
私たちの働く世界は、現在急速に変化し、産業界もこれに適応しなければいけません。ORGATECは、建築、スマートビルディング、建設や不動産業界のデジタル化をテーマに、業界関係者にデジタルソリューションを提案します。そして若く革新的な企業、スタートアップ、不動産業界のプロフェッショナルにとどまらず、建設業界の専門家や実績ある既存の企業など、出会うべき人々をむすびつけます。
ORGATECは、ターゲットグループとなる来場者にぴったり合わせた、強力なイベントプログラムを提供します。さらに、直接会場へ足を運ぶ見本市ならではのメリットも、今後一週間のうちに前面に出していきます。またビジネスの成功に欠かせないネットワーキングや、人と人との出会い、マッチングに、再び明確に焦点を合わせます。
これら全てが、ORGATECを国際的な主要見本市として、成功やイノベーションを象徴するブランドにしています。このことは日本で4月に開催されたORGATEC TOKYO/オルガテック東京でも、印象的な形で示されました。

オルガテック東京について

オルガテック東京は今年初めて日本で開催され、大成功を収めました。日本で初めて開催されたこの実績ある見本市は、4月26日から28日の3日間の間に、約22000人の来場者を東京ビッグサイトにお迎えしました。このことは、ワークスペース・デザイン、家具、テクノロジーに特化した展示会に対して、アジアでニーズがあることを裏付けるものです。
来年は、この大きなサクセス・ストーリーを、第2回のオルガテック東京に引き継いでいく所存です。来年も東京ビッグサイトで開催しますが、前回の出展企業様からは、すでにブース面積の拡大など圧倒的な支持をいただいており、新たな参加企業からも熱心な申し込みがあります。今日の時点で、契約いただいた展示面積は前回比約140%となっています。東京ビッグサイトには、すでに今年よりも広いスペースを確保してあります。
世界のオフィス家具市場は、従来のワークスタイルから多様化時代への大きな転換をもたらすパンデミックを背景に、2023年以降も3~5%の安定した成長が見込まれています。特に、日本を含むアジア太平洋地域の市場の大きな成長力と可能性は、世界中の業界関係者から大きな注目を集めています。この拡大する市場は、2021年の世界のオフィス家具市場の42%を占めています。
大都市東京は、日本市場への有望なゲートウェイとして、アジア太平洋市場に大きな影響力を及ぼす主導的な役割を担っています。また、日本はハイエンドオフィス家具の市場規模が北米に次いで2番目に大きく、トレンドセッターとして理想的な場所です。初開催のオルガテック東京の成功は、世界で最も急速に成長するアジアのオフィス家具市場の牽引約としての、東京のポテンシャルを示しています。
第2回では、「SHIFT DESIGN」というキー・コンセプトを導入して、世界のワークプレイスにおけるデザイン・ソリューションをさらに強く意識していきます。デザインといっても、それはプロダクトデザインや空間デザインだけを意味するのではありません。それは、人々が物理的、心理的に定義するものや、スケジュール、仕事そのもの、人々の生活や社会活動を表しています。オルガテック東京は、出展者や来場者の皆様が、より良い生活や働き方を実現するための、様々なソリューションやインスピレーションを提供し続けます」と述べ「オルガテック東京2023」の紹介動画を上映しました。

オルガテック東京は、2023年4月26日から28日までの3日間、東京ビッグサイトで開催されるといいます。

ベーゼ氏の会見を受け、髙木社長は、「ケルンメッセのポートフォリオはISMが52年、オルガテックは来年で70年、アヌーガに至っては来年で104年の歴史があります。ケルンメッセはこれらの経験、ノウハウを生かして、世界と日本の橋渡しをする役目を担っていきたい。また、日本の商習慣に適合するような形にチューニングしていくということを念頭に進めております」などと述べました。

質疑応答の概要

その後、質疑応答も行われました。

オルガテック東京2022の感想

今年4月に行われたオルガテック東京2022の感想についてという質問にベーゼ氏は「オルガテック東京2022の内容の濃さは非常に印象的なものでありました。また、次の年のオルガテックの需要が強いということが非常に印象的でした。オルガテックの世界的なネットワーク、知識、展望を東京に持ってくることができるということ、これが東京の出展者の方々に理解いただいたと思っています。私どもが東京で得た経験はいままでとは違ったことでした。私どもはマーケットにより深く入り込みその知見、知識をオルガテックケルンでの立案に活かしていこうと考えています。ケルンで確立したオルガテックケルン、新しいオルガテック東京この2つの見本市を今後未来に向けてそれぞれが利益を得るかたちで今後立案していきたいと考えていますが、オルガテック東京に関してたいへん満足をしています。今後のケルンのオルガテックにもいかしていきたいと考えています。私の印象は非常によいものであったと申し上げます」と述べました。

来年の出展者に望むこと

来年の出展者に望むことや期待することについてという質問には、髙木氏は「私どものコンセプトとしてはデザインというものを非常に大切にしています。施工1つとっても従来のオクタノームのパーティションなどは使わずに木工の仕上げで造作をしていただくことをお願いしています。今年のイベントで他のイベントと大きく違ったところは、来場者の方々の滞在時間の長さです。よく東京で開催しているイベントで出社の帰りに寄っていこうといようなものが多々ありますが、オルガテック東京の場合は朝来て4~6時間滞在している方々が非常に多かったのです。規模的にはケルンに対して10分の1くらいの規模でまずは立ち上げましたが、実際に来場され、いざ会場を回ってみるとこれはとても30分や1時間では回れない、それは会場の広さではなく、各出展者のクオリティだとか表現だとかにインスピレーションを感じる部分が非常に大きかったということがあります。来年ご出展いただける企業様にはそのあたりを理解していただきながら、一緒に素晴らしいイベントをつくっていきたいと思っています」などと述べました。ベーゼ氏は「ケルンはデザインや家具がコアコンピテンシーとしてありますが、オルガテック東京は世界のコミュニケーションのなかに取り込むことになります。国際家具見本市であったりインターツムであったり、他の見本市と関係してくるということになるわけです。家具見本市も南米のボゴタと中国にもサテライト展をもっていますがオルガテック東京に関しても同じような考え方をして、オルガテック東京は東京における単なるサテライトということではなく、世界のオルガテックのファミリーの一員として世界のコミュニケーションの中に取り込んでいくと考えています。つまり私どもの製品は日本に見本市をいうかたちでもってくるわけですが、それは世界の他の国の関係者にとっても、インテリアや家具業界の方々にとっても重要なテーマとなるわけです」などと述べました。

環境に配慮した施工について

環境に配慮した施工についての質問に対して髙木氏は、「当社では木工の施工をお願いしていますが、施工会社と協議を行い最低5回使うことができる木材の施工をお願いしています。そういった意味でもデザインも妥協なく環境に配慮した施工をしていくことを考えています」などと述べ、ベーゼ氏は「世界中の見本市がサスティナビリティが非常に大事になってきていますので、もちろん当社としても展示センターとしてたくさんの取り組みをしています。クライメート、気候変動のゴールを達成するために2050年という年ではなく、ケルンという都市で2030年にクライメートニュートラルになろうという目標をかかげておりますから、市全体でもそういう取り組みをしています。そのなかで2024年から企業としてサステナビリティレポートを発行しなければならないという義務を負っています。廃棄物のマネジメントや渡航に、効率あるいは省エネ、パッケージなど、そういったあらゆるものでスコープ1に貢献できるように取り組んでいます。スコープ1の方々にも影響を及ぼすことができますので、スコープ1の方々にも一緒に取り組んでいただくようにしています。私たちのサステナビリティゴールは非常に意欲的なものなのでそれを毎年定量的に計っていけるものにしていきます。企業として私たちは責任を負っています。当社のフットプリントに対して、多くの人がそれを聞いてきます。というのも展示会で展示するにあたってそういった側面もしっかりと担保している展示会に出展したいと思うのが経営者の方々だからだと思うのです。これは大変な作業なのですが、出展者の方々も非常に煩雑な作業をしていただくことになりますが我々のコーポレートミッションとして重要なので取り組んでいかなければならないことなのです。そしてまた、出展者の方々にも考慮していただきたいを思います。リサイクル素材を使っていただいたり、廃棄物を減らしていただき、あるいはカーペットなどは今まで廃棄してきましたがそれを複数回、5回使えるようなものにしていく。いまその移行期にあり見本市も少しずつ変わってきていると思います。我々としてはそういった動きに貢献していかなくてはならないと思ってます」などと述べました。

懇親会も開催

記者発表会の後懇親会が行われました。
懇親会ではケルンメッセ広報部長グイド・グダート氏が乾杯の発声を行い「この来日できない2年の期間を経てやっと日本に戻ってくることが出来大変うれしく思っています。私は2005年の愛知万博の時も広報部長を務めましたが、その時の経験は私にとって大変いい思い出になっています。その時に日本のメディアの方々と協力して仕事をしましたが、ドイツのメディアよりもずっとパワフルでクリエイティブな方々と仕事ができたことがとても良い思い出として記憶に残っています。ケルンメッセとして日本の皆様と協力を深めていくことが出来ることに大きな期待を持っています」などと述べました。

グイド・グダート氏

和やかな歓談の後、会は盛況の裡に閉会しました。

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