東京オフィストレンド オフィス家具週間トレンド報告

9/12~9/18、オフィス家具業界の主なハイライト(+コラム)

イトーキ、コンシューマー向けチェアショールーム「ZA SALON TOKYO(坐サロン 東京)」を9月26日(月)東京京橋にオープン

2022年9月12日から9月18日までの1週間の業界の主なハイライトについては、イトーキは9月26日(月)、完全予約制のコンシューマー向けチェアショールーム「ZA SALON TOKYO(坐サロン 東京)」を東京京橋にオープンします。
同社によると、テレワークがあたらしい働き方として定着し、在宅ワーク環境について様々な課題が出てきたといいます。そこで「ZA SALON TOKYO(坐サロン 東京)」では、快適な「はたらく」をサポートするイトーキの人気チェアに座れる場を提供することで、顧客の最適なチェア選びを促進するとしています。
「ZA SALON TOKYO(坐サロン)」では、身体の動きにフレキシブルに順応し、デスクワークを快適にサポートする「アクトチェア」をはじめ、他のインテリアにも合わせやすいデザインで正しい着座姿勢に導くメカニズムを備えた「バーテブラ03チェア」などの人気チェアを用意しているといいます。ぜひ着座感、使用感を試してほしいとしています。

コクヨ、どんな空間にもフィットするシンプルな電源ポール「エナジーポール」を新発売

コクヨは、どんな空間にもフィットするシンプルな電源ポール「エナジーポール」を9月16日(金)から順次発売するといいます。


同社によると、働き方改革やコロナ禍により、テレワークが急速に進んだことで、オフィス内であっても、業務内容に合わせて働く場所を選択するワークスタイルが増えているといいます。ただ、その一方で電源が欲しい場所になくて困るというケースが発生しているとしています。
同社は2021年から、デジタルワークをサポートするオフィス用電力供給アイテム「エナジーシリーズ」を提供しているといいます。そのシリーズとして、この度発売する電源ポール「エナジーポール」は、テーブル近くに置きやすいスリムなポール型で、机上に配線機能のないテーブルや、手元付近で電源がとりにくい場合でも、スムーズに電源にアクセスができ、場所にとらわれない働き方をサポートするとしています。
本体にはコンセント4口タイプとコンセント2口+USB2口タイプがあり、ミーティングからソロワークまで幅広いシーンで使えるといいます。色はブラックとライトグレーの2色で、シンプルなデザインのため、さまざまな空間に合わせることが可能だとしています。

オカムラ、国際物流総合展に出展

オカムラは、9月13日(火)~16日(金)の4日間、東京ビッグサイトで開催された「国際物流総合展2022 Logis-Tech Tokyo 2022」に出展しました


同社は、「イントラロジスティクスの解法~お客様の数だけ解決策を導き出す~」をテーマに、オートストアを軸とした保管からピッキング、搬送システムを連動したデモンストレーションを交えて、顧客が抱える物流現場の課題解決に導くさまざまな解法(ソリューション)を提案したとしています。
主な出展製品は、ロボットストレージシステム「AutoStore(オートストア)」、ロボットピースピッキングシステム「RightPick(ライトピック)」、自律移動ロボット「ORV(オーアールブイ)」、など。
さらに、同展において同社は自社の強味としてさまざまな業種・業態の物流現場に対応できる「保管」「ピッキング」「搬送」「仕分け」などの豊富な製品ラインナップを訴求。物流システム機器の総合メーカーとして、入荷から出荷までの保管、搬送、仕分け・ピッキングのイントラロジスティクスにおける各工程のシステム・製品をフルラインナップしているとして、顧客に最適なソリューションを提案するとしていました。

内田洋行、大阪府と事業連携協定を締結

内田洋行は、大阪府と「スマート福祉の実現に向けた業務改善等」に関する事業連携協定を9月9日に締結したといいます。
内田洋行の役割・連携事項として同事業連携協定に基づき、以下3つの事項について連携・協力するとしています。
業務改善
オンライン会議の推進やテレワーク環境のネットワークセキュリティ対策、執務環境のスマート化に向けて、相談・助言等を通じて、業務改善につながるICTツールの利活用等の支援を行うといいます。
職場環境整備
オンラインと対面式を同時で行うハイブリッドワークなど、多様化する職員の状況に応じた柔軟で働きやすい環境づくりの支援を行うとしています。

有事対応支援
新型コロナウイルス感染症等、有事の対応として生じる新たな業務を効率的・効果的に実施するための相談・助言、ICTツール等の利活用支援を行うといいます。また、様々な有事に対応するための即興的な空間構築として、可変性が高いオフィスファニチャーの提供等を行うとしています。

内田洋行、文部科学省CBTシステム「MEXCBT」と接続する学習eポータル「L-Gate」の機能を拡充

また、内田洋行は、令和5年度全国学力・学習状況調査にて活用が計画されている文部科学省CBTシステム「MEXCBT(メクビット)」に対応した、学習eポータル「L-Gate」に新たな機能を拡充したといいます。
同社の「L-Gate」は、国際的な教育データ標準化を推進し開発公開に取り組むグローバル組織IMS Global(2022年5月から1Ed Tech Consortiumに改称)が定める国際技術標準を採用することにより、他社デジタルコンテンツ・ツール等との相互運用性を高めているといいます。このたび同社は、さらに学習eポータルを普及するため、「L-Gate」の利便性を高める新機能を開発したとしています。

ケルンメッセ、第2回 オルガテック東京開催に向けて申込みが好調

ケルンメッセは、未来のワークプレイスとワークスタイルを提案する新ビジネスプラットフォームとして、今年4⽉に開催したワークプレイス トレードショー「オルガテック東京」に、次回開催への更なる期待が⾼まっているといいます。

オルガテック2022の様子


東京ビッグサイトの⻄1・2 ホールで開催される第2回オルガテック東京には、展⽰スペースの拡⼤を希望する既存の出展者及び、新規企業からの出展申込みが相次ぎ、8⽉末時点における成約展⽰⾯積は、既に前回の1.2倍にまで達しているとしています。
2023 年4⽉ 26 ⽇(⽔)〜28 ⽇(⾦)/東京ビッグサイト ⻄展⽰棟1・2号
オルガテック東京2023(予定値)
国内外から100を超える出展ブランド
来場者数3万⼈⾒込み 総展⽰⾯積 約20,000㎡(アトリウム含む)

コクヨ、業界最小クラスのつめ替え式テープのり<ドットライナーフリック>に3種を追加

文具関連では、コクヨは、今回、ドットライナーフリックを、よりさまざまなシーンや用途で使っていただけるよう、3種のラインアップを追加するといいます。本体を青色にしたスタンダードな「しっかり貼る」タイプと、貼った直後は貼り直しが可能で、時間が経つとしっかり貼りつく「あとから貼りつく」タイプ。さらに、のりのドット部分がハートの形になっていて、貼るのが楽しくなる「ハート柄」タイプの3種だとしています。
本体が小さくスリムでありながらつめ替えタイプのため、別売りのつめ替え用テープに交換することで繰り返し使うことができるといいます。

プラス、「Pasty(パスティ)ペンケース フラットタイプ・マチ付タイプ」を発売

また、プラスは、パステルカラーのかわいらしいデザインと便利な機能を兼ね備えたという「Pasty(パスティ)」シリーズから、小物をさっと取り出しやすい「Pasty(パスティ)ペンケース フラットタイプ・マチ付タイプ」を2022年9月21日に発売します。
本体は、軽量でおしゃれな透け感のあるというメッシュ素材で、「Pasty(パスティ)」ファイルシリーズと一緒に使用することで、パステルカラーの組み合わせやカラー統一を楽しめるといいます。

メガソフト、メガソフトVRソリューションに新機能を搭載

IT関連では、メガソフトは、建築3Dデザイン&VR体験が可能な「メガソフトVRソリューション」に、ハンドコントローラーの操作で登録しておいた視点のサムネイルリスト(視点選択メニュー)を表示し、選択した視点へ移動できる新機能を搭載したといいます。


これにより、VRソリューションの操作を熟知したオペレータがいなくても、VR体験者自身の操作で空間内を自在に移動できるようになったとしています。

注目のコラム オフィス山人の少し深掘り

今週まず注目したことについては、イトーキが、コンシューマー向けチェアショールーム「ZA SALON TOKYO(坐サロン 東京)」を9月26日(月)東京京橋にオープンするという記事です。


同社によると、テレワークがあたらしい働き方として定着し、在宅ワーク環境について様々な課題が出てきたといいます。そこで「ZA SALON TOKYO(坐サロン 東京)」では、快適な「はたらく」をサポートするイトーキの人気チェアに座れる場を提供することで、顧客の最適なチェア選びを促進するとしています。山人(管理人、筆者)は、これはとても喜ばしいことだと考えています。ハイブリッドワークにおいて、ソロワークはすでにセンターオフィスでやらなくてはならない仕事ではないところまで来ているように思いますが、その分今まで行ってきたソロワークはより在宅で行うというかたちになってきたということだと思います。それに伴って、在宅ワークには従来のセンターオフィスに匹敵するようなレベルの高い環境が必然的に必要になってくるはずです。一方でハイブリッドワークの進展で、センターオフィスはライトサイジング化されて、従来のオフィスチェア、タスクチェアはその何割かは行き場のない形になっているのではないかと懸念されるのです。もちろん在宅ワーク用の優秀な椅子も開発されていますが、業界が開発した従来の優秀なオフィスチェアの市場が縮小する可能性は大いに考えられ、もしそうなったとしたら、それは、もちろん業界によっても痛手ですがユーザーにとっても大きな損失だと思います。さらにいうと、日本のワークシーンにとってもマイナスになることなのではないかと思います。


反面、在宅ワーク市場は新たな市場であり、有力なオフィスチェアをそれに向けて提案することは、メーカー、業界にとって必須であり、必然的にその提案の強化が必要なのに、それはあまり積極的ではないように思っていました。例えばファッションの世界ではすでに起こってしまった問題ですが、それまでアパレルが流通の中心であり百貨店文化が全盛だったころから、SPAが台頭し、すっかりファッションの内容や流通形態、つまり世界が変わってしまい現在もそれが続いているように思います。ファッションとオフィス家具は違うといわれるかもしれませんが、いずれにしてもリアルな製品であるオフィスチェアは、ユーザーの身体に最初に触れるアイテムといわれ、ワーカーの健康に最も影響を与えるアイテムだといわれています。それほど重要なアイテムであるオフィスチェアをリアルに試すことができる場所があまりにも少ないのが現状だと思います。もちろん有力な販売店はありますが、依然としてコロナ禍もありほとんどが完全予約制で、あらゆるメーカーのチェアを展示できているところは限られており、しかも少し敷居が高い感じがするのです。
ネットの発達で情報は過剰にあります(しかしその内容も限られていますが)。しかしリアルはこれからどんどん少なくなっていくのではないかと思います。少なくとも予約制であってもリアルな場所が必要です。今回のイトーキの坐サロン東京は大きな一歩だと思います。

コクヨのエナジーポールは、オフィスのABWの実現を裏付ける物理的拘束からの解放の象徴的な製品だと思います。

しかもシンプルなデザインでさまざまな空間に合わせることが可能だとしていますが、うまくすると逆に間をつくったり、結界をつくることなどにも役立つかもしれません。ワーカーの想像力、見立ての力でいろいろな空間をつくりだすことも期待できるのではないでしょうか。

オカムラの国際物流総合展の出展の模様を見てきました。先週ご紹介した新製品のORVを実際に見たかったからです。

会場は盛況で活気がある印象だったと思います。一般的に搬送の方法には、主に下から載せるタイプと片持ちのタイプがあるようで、ORVは片持ちのタイプです。カゴ車の片面を少し持ち上げて一体化してゆっくりと確実に運んでいく姿は感動的でもあります。カゴ車がぶれることもなくまっすぐにスペースに収めていく姿を見ると、搬送時の事故を防ぐソリューションでもあることも訴求されていたのがわかります。一体化は少ない力でバランスよく運べる有力な方法だと確信しました。

内田洋行の大阪府との業務提携協定締結の記事ですが、これもまた喜ばしいことではないでしょうか。個人的には、内田洋行はITの為のITだけでなく、リアルなオフィス提案ができる企業なので、同社のITはいわばリアルと結びついているITというイメージを持っています。行政などは必ずリアルなサービスと結びついていると思いますので、同社の役割は「業務改善」「職場環境整備」「有事対応」支援とありますが、まさに同社の得意とするところだと思います。また、さらにいえば、内田洋行だけでなく、この業界こそがITとリアルの境界にいて力を発揮することを得意とする業界になれるのではないかと思います。

ケルンメッセの第2回オルガテック東京の申込みが好調なようですがこれも喜ばしいことだと思います。第一回からさらに発展させて国内外に発信してほしいと思います。

(このコラムは、あくまでも山人の主観的なものです。従って各メーカー様には何の関係もありません)

Follow me!