東京オフィストレンド オフィス家具週間トレンド報告

8/8~8/14、オフィス家具業界の主なハイライト(+コラム)

コクヨ、サテライト型の社員向け多目的スペース「n.5(エヌテンゴ)」を開設

2022年8月1日から8月7日までの1週間の業界の主なハイライトについては、コクヨは、世田谷区下北沢において、サテライト型の社員向け多目的スペース「n.5(エヌテンゴ)」を開設し、2022年8月8日(月)オープンしたといいます。「Life Based Working」実現に向け、社員の自律的で自分らしい働き方・学び方・暮らし方に寄り添うサテライト型の社員向け多目的スペースを構築することで、職住近接によって可処分時間を創出するだけではなく、その時間を個人が自律的に・自分らしく使える場所の提供によって、事業と人材の同時成長を目指すとしています。

同社は、Life Based Workingという新しい働き方について、2000名弱の全社員向けにアンケート調査を定期的に実施しているといいます。最新の調査結果では、働くことに対してのポジティブさを確証したと同時に、テレワークによって増えた可処分時間を活用するための「個人として新しくチャレンジしたい事がある」という声もたくさん集まったとしています。そこで、同社は今回、社員たちを応援するために、「n.5(エヌテンゴ)」を開設。「自分を育てる、新しい間(ま)」をコンセプトに、1stプレイス(自宅)、2ndプレイス(オフィス)、3rdプレイス(カフェ、コワーキング)といった区分に縛られず、目的に応じて自在に使いこなせる場所にしたいという想いを込めて、1.5や2.5など、物ごとの「あいだ」を思い起こさせるネーミングとしたとしています。

同社によると、下北沢エリアは、今も昔も新しいカルチャーを生み出し続ける刺激に満ちた街で、首都圏在籍社員の利用率が高い新宿・渋谷エリアからのアクセスが良い点から、今回拠点の立地としたとしています。

オカムラ、「スパイダーマン」をデザインモチーフにした特別モデルのチェアを発売

オカムラは、ウォルト・ディズニー・ジャパンとのライセンス契約に基づき「MARVEL(マーベル)」のスーパーヒーロー「スパイダーマン」をデザインモチーフにした特別モデルのチェアを2022年8月25日から発売します。

オカムラのオフィスシーティング「CYNARA(シナーラ)」とゲーミングファニチュア「STRIKER(ストライカー) SEATING EX」にキャラクターを象徴するモチーフを落とし込み、それぞれ「スパイダーマンデザイン」として世界観を表現したといいます。

「CYNARA」スパイダーマンデザインは、スパイダーマンをイメージさせる赤いボディカラーと背座のメッシュ部分に大胆にクモの巣柄とマーベルロゴをデザインしたといいます。

「STRIKER SEATING EX」スパイダーマンデザインは、カラーリングをスパイダーマンのパワースーツにインスパイアされたレッド×ブルーにし、背にはマーベルロゴ、スパイダーマンアイコン、クモの糸をデザインしたといいます。

“Friendly Neighborhood”(親愛なる隣人)であるスパイダーマンのように、在宅ワーク、映画やゲームなどさまざまなシーンで、身体に寄り添い長時間サポートするとしています。

コマニー、オルガテック東京2022展示の商品化決定

コマニーは、今年開催されたドイツ発日本初上陸のオフィス家具メッセ「オルガテック東京2022 (4/26~28)」でコンセプト展示の商品化を2022年7月19日付けで決定したといいます。

同社は、オルガテック東京2022では、「間づくり」を五感で体感できるインスタレーションを展示したといいます。

同社によると、「間づくり」は日本独自の環境デザインの思想であり、ハード(空間)だけでなくソフト(時間や手間)のデザインでもあるといいます。あらゆる仲間と共創(ともに新しい価値を創造)し、間づくりを追究・実践することで、世界中の「はたらく」をデザインし、社会に貢献していきたいという想いを込めた展示に、大きな共感を得たとしています。そして、大きな反響とともに商品化の希望が多かったことから、商品として提供していくことを決定したといいます。オルガテック東京で出展したコンセプト展示品は、丸形天板仕様とカウンター天板仕様。商品を通して、多様化する「はたらく」の一つのタッチポイントを生み、共創を実現する間づくりを体感してもらえるよう、2022年冬の発売に向けて取り組むとしています。

プラス、ワークツール「ジブンイロ」シリーズ第2弾を発売

文具関連では、プラスは、"ジブンらしく、健やかに"をテーマに開発したという、明るく優しい色調のワークツールブランド「ジブンイロ」シリーズの第2弾としてマウスやキーボードなど6製品を2022年8月22日に発売します。

ファッショントレンドの「くすみカラー」をベースに、自然界を意識した柔らかな色調にアレンジすることで、コロナ禍で沈んだ気持ちに「活力」、「希望」そして「絆」を感じてほしいという思いを込めたとしています。

今回の第2弾は「薄型 持ちハコビ マウス」、「やわらかくシズカなマウスパッド」、「ケイタイする 小型ヘッドセット(片耳)」、「片ミミ快適 ヘッドセット」、「シュウチュウできる 大型ヘッドセット」、「薄・ミニ ワイヤレスキーボード」の6製品。在宅やモバイルワークでの使いやすさと携帯しやすさを追求し、細部にこだわったスグレモノだといいます。第1弾の6製品と合わせて、12製品のフルラインアップになったとしています。

コクヨ、小学生に向けた鉛筆・美文字講座を開催

また、コクヨは、日本ペン習字研究会(以下「日ペン」)と共同で、私学妙案研究所主催の「自由研究フェスタ2022」において、小学生低学年に向けた鉛筆を使った“美文字講座”を、2022年7月27日神奈川県横浜市で開催したといいます。

日本ペン習字研究会 日本書道学院 理事 登丸永雅先生による美しいひらがなを書くコツを小学校低学年の子ども達に分かり易く説明し、その後実際に書いて、教わる前の字と比べてみることを体験したとしています。同時に『しゅくだいやる気ペン』を使い、楽しく書くことも体験したといいます。美文字講座が終わっても、まだ書きたくて書き続ける子どもが多く、大変盛況な講座となったとしています。

同講座では、約50分間の講座を5回開催。1講座あたり13~16名 合計73名の小学1~6年生の子ども達が参加したとしています。

注目のコラム オフィス山人の少し深掘り

今週まず注目したことについては、コクヨがサテライト型の社員向け多目的スペース「n.5(エヌテンゴ)」を開設したという記事です。そのなかで同社は、「Life Based Working」という言葉を掲げていますが、その実現に向け、社員の自律的で自分らしい働き方・学び方・暮らし方に寄り添うサテライト型の多目的スペースを構築するとしています。これをみると仕事と暮らしは、もはや完全に分けることが出来ないという時代になってきていることが伺われると思いますが、そこを自律的に進めていくための有力な方法としての多目的スペースの構築なのだと思います。同社はそこをサテライトオフィスとは呼ばず多目的スペースと呼んでいます。オフィスと呼んでしまうとどうしても働くことだけが主体になりがちで、単なる効率だけの場所になってしまうということなのではないでしょうか。

「自分を育てる、新しい間(ま)」がコンセプトのn.5は、新しいワークプレイスの新しいカタチとして注目に値するものだと思いますし、新しい働き方を提案し、市場を牽引していかなくてはならないこの業界の企業としての面目躍如といえるのではないかと思います。

さらに、「新しい間(ま)」をコンセプトに、1stプレイス(自宅)、2ndプレイス(オフィス)、3rdプレイス(カフェ、コワーキング)といった区分に縛られず、目的に応じて自在に使いこなせる場所にしたいという想いを込めて、1.5や2.5など、物ごとの「あいだ」を思い起こさせるネーミングとしたとしていますが、数の分類において、自然数、整数、少数への発想の移行は、今まで1だと思っていたものをあらためて見直すということでもあるでしょうし、単位をさらに細かく区切るということは新しい次元、新しいスペースへの幕を開けるということだと思います。新たなスペースモデルの提案でもありますし、市場の開拓ともいえるのではないでしょうか。こういった既存の発想に風穴を開けるのは同社の「イング」を見るまでもなく、コクヨの得意とするところなのではないかと思います。

オカムラ、「スパイダーマン」をデザインモチーフにした特別モデルのチェアを発売の記事ですが、オカムラにとってもしくは業界にとって、新たな提案であると同時に、実はこれも大きな布石だと思います。アメリカを中心としたグローバルな文化の流入と新しい世代におけるゲームの重要性は大きなポイントだと思います。時代が大きく変わっているのは周知の事実ですが、山人(管理人、筆者)の周辺でもそれを感じることが多くなってきています。

以前は「ゲーム感覚」といいながらさまざまなことが行われていましたが、現在は多くのソリューションがゲームそのものになっているようです。ゲームは仮説から実践、日常の世界に根を下ろし始めているようです。何より、発想そのものが変わってきているようで、従来の常識が一変してしまうようなことが起こるかもしれません。しかもそれは、従来の価値観の世界とは違うところで気づかないままに起こっているかもしれないのです。失われた20年とか30年とかいいますが、日本の「大人たち」がその間GAFAを中心としたアメリカのワークスタイルのキャッチアップに血道をあげている間に、別次元の流れがどこかで始まり進んでいるというような事態になっているのかもしれません。ですので、この二機種のチェアは、それぞれのシリーズのバリエーションの拡充である以上に、新しい文化導入の先駆けなのかもしれないと思います。

コマニーのオルガテック東京2022展示の商品化決定の記事ですが、同社は、2022年4月26日から28日までの3日間、東京ビッグサイトで開催されたオフィス家具メッセ「オルガテック東京2022」に出展し、同社の間づくりを五感で体感してもらうというインスタレーションを展開しました。

テーマは「仕掛かりの森」。その森の中で、光線や炎や苔や香りなどの要素が渾然一体となった「間」に対峙しながら、一人・二人・仲間との働くの意味を感じてもらうとし、オルガテックのテーマであるハイブリッドワークのヒントを同社と共に見出してもらいたいとしていました。コンセプトは、「間づくりを世界に」で、「間づくり」は日本独自の環境デザインの思想だとし、ハード=「空間」だけでなくソフト=「時間や手間」のデザインでもあるとしています。そのコンセプトをそのままに、これからのはたらく間づくりの一つとして、「立ち話」に焦点をあてたとしています。

間仕切は一見シンプルに見える建材ですが、同社がいうように実は多くの意味を持つ製品だと思います。それをこれから働く場を中心に製品に反映させていこうとしている同社の提案に注目していきたいと思います。

プラスのワークツール「ジブンイロ」シリーズ第2弾ですが、より在宅ワークに対する提案の色が濃くなったのではないかと思います。ハイブリッドワークがこれからも続くでしょうが、在宅ワーク環境の充実は今後重要度が増してくるのではないかと思います。それは新しい市場でもあり、よりパーソナルな環境を彩るものとしてこのシリーズには期待ができるのではないでしょうか。

コクヨの『しゅくだいやる気ペン』を使用した、小学生に向けた鉛筆・美文字講座の記事ですが、これは、書道に少しばかりうるさい山人にとってはなかなか興味のあるところです。字がうまくなる大きな要素の一つに、当たり前ですが、正しい書き方で、できるだけ繰り返し何度も書いて身体に覚えさせるということがあります。ただし、それはなかなか続けることが難しいことでもあります。『しゅくだいやる気ペン』は勉強へのモチベーションを高めることに着目して開発された製品ということですが、これは字がうまくなることにもつながると思います。そしてまた、繰り返すということは勉強をするうえでも重要なことだと思います。おそらくその相乗効果が期待できるのではないかと思っています。そのなかでさまざまな気づきが得られていくのではないでしょうか。

(このコラムは、あくまでも山人の主観的なものです。従って各メーカー様には何の関係もありません)

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