東京オフィストレンド オフィス家具週間トレンド報告
7/11~7/17、オフィス家具業界の主なハイライト(+コラム)
オカムラ、「みのるらぼ」をリニューアルし顧客企業向けの見学を開始
2022年7月11日から7月17日までの1週間の業界の主なハイライトについては、オカムラは、中部地区の営業拠点である名古屋のラボオフィス「MENNOLU LABO(みのるらぼ)」(愛知県名古屋市)をリニューアルし、2022年7月12日から完全予約制で顧客企業向けの見学を開始します。
今回リニューアルした「MENNOLU LABO」のコンセプトは、「つながる」だといいます。従業員同士、個人とチーム、社内と社外、会社と地域、さらにリアルとオンライン、集中とリラックス、ロジックとセンスなど、さまざまな「つながる」を体現するとしています。偶発的な会話や雑談ができる仕掛けや、情報共有や共同作業ができる場をつくり、言葉を交わすことによる「つながる」だけでなく、想いや目標の共有、地域や社会の課題を意識することなど、多様なコミュニケーションの形を実現するといいます。
イトーキ、「iwasemi™ HX-α」の販売を開始
イトーキは、視聴触覚のデジタルイノベーションを推進するピクシーダストテクノロジーズ(以下、PxDT)と素材の自由度を活かしたクリアな吸⾳パネル「iwasemi™ HX-α」の販売を開始しました。
同商品は、PxDT社の⾳響メタマテリアル技術にイトーキのデザイン・設計技術を掛け合わせることで誕⽣した、ガラスに貼れる透明吸⾳パネルです。Web会議が⽇常化したオフィスにおいて、⼈の声に多く含まれるという500〜1000Hzの 周波数帯に特化した吸⾳構造設計を搭載しているといいます。
イトーキ、チェアが近江八幡市のふるさと納税の返礼品に採用
また、イトーキは、同社が製造・販売するチェアが、滋賀県近江八幡市のふるさと納税の返礼品に採用されたといいます。2022年7月から、ふるさと納税の各ポータルサイトで申し込みが可能だとしています。イトーキは、チェアをはじめとする自社製品の一部を近江八幡市で製造。そのため、この度地場産品として、返礼品の対象となったとしています。今回採用された『Act (アクトチェア)』『vertebra03(バーテブラ03)』『nort(ノートチェア)』は、ワークチェアとしての性能の高さを備えていて、自宅の状況に合わせてリモートワークに最適な製品を選ぶことができるとしています。
コクヨ、「KOKUYO Workstyle Shop」の公式Twitterアカウントを7月15日に開設
コクヨは、在宅ワークが浸透してきている中、自宅の働く環境を整えることに役立つ、家具をはじめとした様々な情報を発信する「KOKUYO Workstyle Shop」の公式Twitterアカウント(@WorkstyleShop)を7月15日に開設しました。
同社は、同社が2021年3月に実施した在宅勤務に関する意識調査の結果から、多くの方々が在宅ワークにおいて身体的負担を課題としており、その負担を軽減するためにデスクやチェアーなど仕事環境のアップグレードを図っていることが分かったといいます。公式Twitterアカウントでは、こうした人たちに向けて、在宅ワーク環境の改善につながるアイテムなどの情報を投稿していくといいます。
コマニー、コマニーグループCSR調達ガイドラインを制定
コマニーは、取引先とサプライチェーン全体でCSR調達を推進するため、2022年7月1日に、「コマニーグループCSR調達ガイドライン」を制定しました。
コマニーは「企業は世の中の幸福に貢献するために存在すべきである」という信念のもと、同社に関わるすべてのステークホルダーとともに、社会全体との共存共栄のうえに持続可能な未来を築いていくことを目指しているといいます。
バイヤーとサプライヤーは平等であり、品質・価格・環境・人権などに配慮して製品・部品を改善することに加え、リスクの低減とお互いの企業価値・競争力の向上を図るとともに、安全・安心なよりよい社会を享受する、売り手よし、買い手よし、作り手よし、世間よし、地球よし、未来よしの「六方よし」の精神を基軸に、取引先とともに取り組みを進めることで社会課題解決に貢献するとともに、共存共栄をはかっていくとしています。
コマニー、「Xis-Frame」を発売へ
また、コマニーは、コロナ禍を経てさらに多様化が進む「はたらく」をサポートする間づくりプロダクトとして、創造性を生むコミュニケーションプレイスを実現する「Xis-Frame(エクシスフレーム)」を2022年7月20日から発売します。
同社によると、出社する前提の働き方やオフィスの空間設計は、効率性が重視され、作業や会議といったワーカーのToDoが明確なものばかりだったといいます。しかし、不確実な世の中では変化を生み出すための創造性がより一層重要視され、多様化する「はたらく」を活かした空間設計をはじめ、働く時間の使い方まで変化をしてきているとしています。出社そのものに意義が求められる時代に、オフィスが果たしたい役割の一つが柔軟性のあるゾーニングの活用などによるカジュアルコニュニケーションの促進だといいます。
リモートワークを経験したことで、オフィスの方がコミュニケーションが捗るということを多くのワーカーが実感しているとし、出社に意義が求められる時代に、そこに集まるワーカーが創造性を生むコミュニケーションプレイスを実現するための間づくり商品がXis-Frameだとしています。
コクヨ、「サービスデザイン」をテーマにした授業を企画運営
教育分野においては、コクヨは、2022年4月から、大阪工業大学空間デザイン学科のプロダクトデザイン研究室(担当教員:赤井愛准教授)と共同で、「サービスデザイン」をテーマにした授業を企画運営したといいます。
同授業を通じて「コト価値のデザイン」に触れ、不確実な社会において必要不可欠な「自ら問いを立てる力、答えのない問いに立ち向かう力」を養うための機会を提供するとしています。
コクヨは、「THE CAMPUS SUMMER FES 2022」開催へ
また、イベント関連では、コクヨは、8月6日に「THE CAMPUS SUMMER FES 2022」を「THE CAMPUS」で開催するとし、7月15日から事前入場登録とワークショップ予約を先着順にて申し込みを受け付けています。
「THE CAMPUS」は2021年2月15日のオープンから1年半が経つといいます。みんなのワーク&ライフ開放区「THE CAMPUS」の魅力をより多くの人に知ってほしいという想いを込め、今回は一日限定の夏休みスペシャル企画として、普段一般公開しないオフィスフロアやショールームも一部開放し、サマーフェスを開催するとしています。
メガソフト、「VR体験型空間レンタルサービス」を開始
デジタル分野においては、メガソフトは、7月14日から、施主や自社製品のユーザー向けに、計画中の住宅・物件にVRで「お試し入居」できる「VR体験型空間レンタルサービス」を開始しました。
同社によると、同サービスを利用することで、施主は計画中の住宅・物件を実寸で体験できるため、空間の広い・狭いや見え方、床・壁・インテリアの色柄の組み合わせを事前に確認が可能、完成後のトラブルも大幅に解消することが期待できるといいます。
遠藤照明、屋外向け調光調色LED 照明シリーズ・アウトドアシンカを発売
照明分野では、遠藤照明は、屋外向け調光調色LED 照明シリーズ『OUTDOOR Synca(アウトドア シンカ)』を 2022 年 4 月から順次発売しているといいます。
『OUTDOOR Synca』は、光色に関わる三つの調整機能(色温度、Duv、ペールカラー)により繊細な光の色を選択できるとともに、竣工後であっても光を簡単に変更可能であるため、屋外向け照明の選択肢が大幅に広がるといいます。自由度の高い照明制御によって、外壁素材や植栽、四季の変化に応じた最適な光を追求することで、夜の景色はもっと魅力的になるとしています。
注目のコラム オフィス山人の少し深掘り
今週まず注目したことについては、まずオカムラ、「みのるらぼ」のリニューアルがあります。
現在はリリース情報でのみの印象ですが、一番気にとまったのは当たり前ですが、オフィスの中心に同社の最新の製品クリエイティブファニチュア「ワークキャリア」とタスクチェア「スフィア」が採用されていることです。山人(管理人、筆者)はこの2製品はオフィスのABWをさらに進化させるアイテムだと思っています。厳密にいえば「ワークキャリア」は進化、「スフィア」は深化だと思いますが、いずれにしても2022年用のこの2つの新製品の組み合わせは実は、日本のABWを大きく進化させる可能性を持っているのだと思っています。
また、「レジマーシャルデザイン」という言葉は山人には新鮮なものでした。この概念がどれくらい効果的なものかがこの新しいオフィスで検証されることを期待したいと思います。
同じように、コマニーがオフィスでのコミュニケーションを促進させ、創造性を生むコミュニケーションプレイスを実現する間づくり商品「Xis-Frame」を発売するといいます。
同社は、出社する前提の働き方やオフィスの空間設計は、効率性が重視され、作業や会議といったワーカーのToDoが明確なものばかりだったとしていますが、まさに、現在の日本の企業が直面している従来の働き方に対する問題点を簡潔に表現していると思います。そこを十分に理解している企業には同製品は有効に働くでしょうし、また、それ以外の企業にも導入することによりその必要性をあらためて認識していただくことができるのではないかと思います。同製品は、まさに創造性を発揮する場を構築するためのものだと思いますが、ワークキャリアと同じくそこを中心としてそれ以外のスペースもまた活かされるという可能性を持っていると思いますので、トータル空間としての構成として一つひとつのアイテムの連携を組み立てやすくなるのではないかと思います。
イトーキが、ピクシーダストテクノロジーズと素材の自由度を活かしたクリアな吸⾳パネル「iwasemi™ HX-α」の販売を開始した件ですが、ピクシーダストテクノロジーズのようなベンチャーと積極的に新事業に取り組み開発・提案した同社の期待の製品なのだと思います。
また、イトーキのアクトチェアなど3シリーズが、滋賀県近江八幡市のふるさと納税の返礼品に選定された件ですが、これはやはり在宅ワークの市場が今後ますます注目されてくるだろうということの現れだと思います。アクトチェア、ノートチェア、バーテブラ03という実力派のチェアのラインナップをそろえたのは、在宅ワークにこれらのチェアが最も適していると同社が判断したのではないのではないかとも思いますが、これも同社の期待の表れだと思います。
また、コクヨが、自宅の働く環境を整えることに役立つ、家具をはじめとした様々な情報を発信する「KOKUYO Workstyle Shop」の公式Twitterアカウント(@WorkstyleShop)を7月15日に開設したことも在宅ワーク市場への対応を充実させていこうとする現れだと思いますが、IT技術を通じて在宅ワーク関連の情報を発信する一方で、コクヨの場合は「THE CAMPUS」の常設展示やイベントなどとの組み合わせでリアルとの連携にも力を入れているのではないかと思います。8月6日に「THE CAMPUS」で開催するという「THE CAMPUS SUMMER FES 2022」などもリアルな感覚と草の根活動のような地道なファンづくりなども充実させていこうとしているのだと思います。
また、コクヨの大阪工業大学との産学連携授業開催については、提供したい価値の言語化など、難しいですが非常に興味のある授業が展開されているような印象を受けます。先週お知らせした「Campus勉強カフェ」で取り上げた「探求学習領域」という取り組みなどとともに、いろいろな試みを「THE CAMPUS」で行っていることは、今後さらに大きな成果に結びついてくるのではないかと思います。
また、コマニーグループのCSR調達ガイドライン制定についてですが、バイヤーとサプライヤーは平等だということを言い切ることに大きな印象を受けました。このような難しいと思えることをガイドラインとして制定し実現しようとすることは称賛に値するのではないかと思います。どんどん先進的になっているのではないかと思います。
(このコラムは、あくまでも山人の主観的なものです。従って各メーカー様には何の関係もありません)