オフィス家具週間トレンド報告
6/6~6/12、オフィス家具業界の主なハイライト(+コラム)
オカムラ、ネオコン2022に出展
2022年6月6日から6月12日までの1週間の業界の主なハイライトについては、オカムラは、6月13日~15日に米国・シカゴで開催される「NeoCon2022(ネオコン)」に出展。同展では、北米での販売を開始するオフィスシーティング「CYNARA(シナーラ)」を展示するとしています。また、シナーラと同じくLEVEL認証を取得したオフィスシーティング「Finora(フィノラ)」やワークブース「drape(ドレープ)」、環境への影響を考慮して部材の選定・設計をしたラウンジファニチェアコレクション「Phlox(フロックス)」を展示し、持続可能な社会実現のための環境負荷低減に向けた取組やものづくり思想の発信を行うとしています。
また、オカムラは、5月11日に発表したサステナビリティ・リンク・ボンドの発行について6月9日発行条件を決定しました。
同社グループは、「地球環境への取り組み」の観点から「気候変動への対応」をサステナビリティ重点課題として掲げ、2050年のカーボンニュートラル実現をめざして取り組みを進めているとし、事業における各段階はもとよりサプライチェーンも視野に入れ、これまでの活動を強化するとともに、再生可能エネルギーの利用拡大など新たな視点に立った取り組みを展開しており、同社グループのサステナビリティへの考え方、取り組みが幅広く認知されることを目的として、サステナビリティ・リンク・ボンドを発行することとしたとしています。
イトーキ、バーテブラ03専用のカバーリングを発売
イトーキは6月9日、ワークチェア「vertebra03(バーテブラゼロサン)」専用のカバーリングを同社の公式オンラインショップで発売しました。
カバーリングは、ホールガーメントを活用して製造したバーテブラ03専用オプション。同製品の特徴であるカスタマイズ性をより高めるために、「背もたれカバー」「座面カバー」「スチール脚専用カバー」の3タイプに展開するといいます。
また、デザインは、ボーダー柄2カラー、ケーブル柄4カラーをラインナップ。
またイトーキのグループ会社のダルトンは、6月29日から7月15日17時(最終視聴開始時間)まで、オンラインセミナー「無菌操作の空間構築における新しいスタンダード」をオンデマンド配信し、特殊空間構築に関する装置導入・運用負荷低減について実機操作を交えながら紹介するといいます。
コクヨ、グループ統合報告書2022を発行
コクヨは5月31日、「コクヨグループ統合報告書2022」を発行しました。
同社グループは、昨年刷新した新たな企業理念のもと、次なるゴールをめざし変革をスタートしているといいます。今回、株主・投資家をはじめとしたステークホルダーの人たちに、グループの新しい姿を提示し、2030年、さらにはその先に向けた持続的な成長や価値創造について理解してもらうことを目的に「コクヨグループ統合報告書2022」を発行したとしています。
また、コクヨのグループ企業のカウネットは、5月12日から5月18日にオフィスの実態や困りごとについて調査するコミュニティサイト「カウネットモニカ」会員全国の男女合計1141名を対象に「SDGsと環境に配慮した商品について」と題した調査を実施し、企業の「SDGs」に対する取り組みを知るとその企業の好感度が上がると約7割が回答をしたなどとしています。
コマニー、外部通報窓口を設置
コマニーは、6月1日から同社および同社グループ役職員等の法令違反または不正行為の早期発見と是正を図り、コンプライアンス経営の強化に資することを目的に、外部通報窓口を設置したといいます。
照明業界については、遠藤照明は6月1日、6月からの新しい試み第1弾として、新しいデザイン情報サイト「ヒカリイク」を立ち上げたといいます。
JFMA、日本ファシリティマネジメント大賞募集
日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)は、7月1日から8月31日までを応募期間に「第17回日本ファシリティマネジメント大賞(以下JFMA賞)」の募集をするといいます。(エントリー期間は7月1日から7月31日まで)
同協会は、一昨年から続くコロナ禍により、日本社会は大きな変化の中にあり、不動産に対する価値観の変化、働き方改革、持続可能な開発目標(SDGs)、ESGへの取り組みへの対応など、これらは経営におけるFMの位置づけを一層重要なものとしているといいます。このような状況下でこそ、FMのパワーを十分に発揮した経営が要求されるとし、すばらしいFM事例を紹介してほしいとしています。
注目のコラム オフィス山人の少し深掘り
今週特に注目をしたことについては、オカムラが6月13日~15日に米国・シカゴで開催される「NeoCon2022(ネオコン)」に出展するということについて、同展では、北米での販売を開始するオフィスシーティング「CYNARA(シナーラ)」を展示するということに加え、今年も「フィノラ」を展示するということです。国内外のデザイン賞で高い評価を受けているシナーラがネオコンでいかに評価されるかにも注目したいところですが、フィノラもまた2020年のネオコン出展で、北米で最も有名なインテリア・建築専門誌のひとつINERIOR DESIGN誌が主催する「HiP Awards 2020 at NeoCon」を、ワークプレイス:タスクシーティング部門において受賞しています。同賞を受賞して2年経ったフィノラが改めて北米で注目されることに期待したいと思っています。
コクヨは5月31日、「コクヨグループ統合報告書2022」を発行しました。記事のなかでいわれている同社のマテリアリティ(重点課題)とは、「Wellbeingの向上」「社会価値創出に向けたマネジメントシステム変革」「気候危機への対応」「循環型社会への貢献」「自然共生社会への貢献」だとしています。
また、オカムラは、5月11日に発表したサステナビリティ・リンク・ボンドの発行について6月9日発行条件を決定しました。さらに、コマニーは6月1日に外部通報窓口を設置しました。この2つの動きは、企業が環境やコンプライアンスの観点で自らをより厳しく律していこうとする姿勢の表れなのではないかと思っています。時に制約は人の思わぬ力を引き出すことがありますが、企業もまた同じかもしれません。コクヨも含め、社会の課題に先んじて対応し、解決していこうとする企業に注目したいと思います。
イトーキのバーテブラ03専用のカバーリングについては、周辺の関連アイテムを充実し、同製品のブランド力をより高めようとする動きだと思っています。また、在宅ワークを意識し、よりパーソナルでデザイン的におしゃれな同製品ならではの提案でもあると思います。
JFMA賞の募集に関しては、同協会の中心事業の一つであり、毎年優れた事例が表彰されます。コロナ禍を経験したより充実した事例が多くエントリーされることを期待したいと思います。
遠藤照明の新しいデザイン情報サイト「ヒカリイク」ですが、山人(管理人、筆者)は今年5月、同社のショールームで同社のさまざまな提案を体験する機会を得ました。本当の色とは何かという自分の色に対する認識を揺るがすような体験もあり、同社の光というものの人間や環境などに対する多くの取り組みと提案を体験できたことは非常に有意義だったと思います。
(このコラムは、あくまでも山人の主観的なものです。従って各メーカー様には何の関係もありません)